JIS G 0594:2019 表面処理鋼板のサイクル腐食促進試験方法

JIS G 0594:2019 規格概要

この規格 G0594は、亜鉛めっき鋼板などの表面処理鋼板に適用するサイクル腐食促進試験のうち,海塩粒子が飛来する腐食環境に対応する3種類の試験方法について規定。

JISG0594 規格全文情報

規格番号
JIS G0594 
規格名称
表面処理鋼板のサイクル腐食促進試験方法
規格名称英語訳
Methods of accelerated cyclic corrosion tests for surface treated steel sheet
制定年月日
2004年3月20日
最新改正日
2019年6月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 16151:2005(MOD), ISO 16539:2013(MOD)
国際規格分類

ICS

77.060
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
鉄鋼 I 2021, 鉄鋼 II 2021
改訂:履歴
2004-03-20 制定日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2019-06-20 改正
ページ
JIS G 0594:2019 PDF [21]
                                                                                   G 0594 : 2019

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[2]
  •  4 腐食促進試験方法・・・・[3]
  •  4.1 酸性塩水噴霧サイクル試験(B法)・・・・[3]
  •  4.2 中性塩水噴霧サイクル試験(C法)・・・・[6]
  •  4.3 塩分付着サイクル試験(D法)・・・・[8]
  •  5 腐食生成物の除去方法・・・・[12]
  •  6 腐食試験片の評価項目・・・・[12]
  •  7 試験報告書・・・・[13]
  •  附属書A(参考)B法及びC法のサイクル腐食促進試験装置の例・・・・[14]
  •  附属書B(参考)D法のサイクル腐食促進試験装置の例・・・・[15]
  •  附属書JA(規定)人工海水の調製方法・・・・[16]
  •  附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[17]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS G 0594 pdf 1] ―――――

G 0594 : 2019

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(JISF)及び一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会(J-CHIF)から,工業標準原案を具して
日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した
日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS G 0594:2004は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格に従うことは,次に示す特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。
試験の種類 特許番号 発明の名称 登録日
D法 第4218280号 平成20年11月21日
家電用鋼板および家電向電気電子部品用鋼板の
耐食性評価方法
上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施
の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対
しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。
この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ
る。
この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標
準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。
なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS G 0594 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
G 0594 : 2019

表面処理鋼板のサイクル腐食促進試験方法

Methods of accelerated cyclic corrosion tests for surface treated steel sheet

序文

  この規格は,2005年に第1版として発行されたISO 16151及び2013年に第1版として発行されたISO
16539を基とし,技術的内容を変更して作成した日本工業規格(日本産業規格)である。この規格には,B法,C法及びD
法の3種類の試験方法を規定している。また,ISO 16151のA法は,JIS H 8502の8.2(人工酸性雨サイク
ル試験方法)に規定されている。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。また,附属書JAは,対応国際規格にはない事項で
ある。

1 適用範囲

  この規格は,亜鉛めっき鋼板などの表面処理鋼板に適用するサイクル腐食促進試験のうち,海塩粒子が
飛来する腐食環境に対応する3種類の試験方法1) について規定する。
警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の試験室での作業に精通していることを前提とする。
この規格は,その使用に関して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。
この規格の利用者は,各自の責任において,安全及び健康に対する適切な措置をとらなければ
ならない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 16151:2005,Corrosion of metals and alloys−Accelerated cyclic tests with exposure to acidified
salt spray, “dry” and “wet” conditions
ISO 16539:2013,Corrosion of metals and alloys−Accelerated cyclic corrosion tests with exposure to
synthetic ocean water salt-deposition process−“Dry” and “wet” conditions at constant absolute
humidity (全体評価 : MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
注1) 酸性塩水噴霧サイクル試験(3.3.1参照),中性塩水噴霧サイクル試験(3.3.2参照)及び塩分付
着サイクル試験(3.3.3参照)。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

――――― [JIS G 0594 pdf 3] ―――――

2
G 0594 : 2019
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS Z 0103 防せい防食用語
JIS Z 2371 塩水噴霧試験方法
ISO 11130:2010,Corrosion of metals and alloys−Alternate immersion test in salt solution

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS Z 0103による。
3.1
酸性雨
pHが5.6以下の降雨。
3.2
海塩粒子
海岸の波打ち際及び/又は海上で波頭が砕けたときに発生する海水ミストが,風で運ばれた粒子。
3.3
サイクル腐食促進試験
塩水噴霧などの塩分付着環境,乾燥環境及び湿潤環境を順次繰り返す雰囲気内に鋼板を置き,鋼板の腐
食を促進する試験。
3.3.1
酸性塩水噴霧サイクル試験
酸性の塩水噴霧環境,乾燥環境及び湿潤環境を順次繰り返す試験(以下,B法という。)。
注記 B法は,海塩粒子が飛来し,かつ,酸性雨が降る大気環境による鋼板の腐食を模した試験であ
る。
3.3.2
中性塩水噴霧サイクル試験
中性の塩水噴霧環境,乾燥環境及び湿潤環境を順次繰り返す試験(以下,C法という。)。
注記 C法は,海塩粒子が飛来し,かつ,酸性雨の影響の少ない大気環境による鋼板の腐食を模した
試験である。
3.3.3
塩分付着サイクル試験
一定量の塩分を付着する工程,乾燥環境及び湿潤環境を順次繰り返す試験(以下,D法という。)。
注記 D法は,一定量の海塩粒子が飛来する大気環境による鋼板の腐食を模した試験である。試験条
件として塩分量を設定できるため,塩分量の異なる様々な大気環境を摸することができる。
3.4
人工海水
海水に近似した成分及び濃度となるよう,人工的に調製した水溶液(附属書JA参照)。
3.5
混合塩

――――― [JIS G 0594 pdf 4] ―――――

                                                                                              3
G 0594 : 2019
人工海水中に含まれる無機塩の混合物。
3.6
噴霧液
B法及びC法において,噴霧装置によって,ミスト状に噴霧された試験液。
3.7
移行時間
試験環境として規定された温度及び相対湿度に,その前の試験環境から移行するまでに要する時間。
3.8
腐食試験片
サイクル腐食促進試験に使用する試験片。
3.9
疑似片
試験槽が腐食試験片で満たされていない場合に,空きスペースに配置する小片。疑似片は,腐食試験片
の腐食に影響を及ぼさない材質とする。
注記 疑似片には,通常,化学的に不活性な材料,例えば,プラスチック,ガラスなどが使用される。
3.10
予備試験片
混合塩の付着量の事前確認に使用する試験片。
注記 通常,腐食試験片と同一の材料を使用する。
3.11
乾湿サイクル
腐食試験片に対し,乾燥環境と湿潤環境とを繰り返す試験(4.3.6参照)。
3.12
週間サイクル
腐食試験片に対し,混合塩の付着,サイクル試験,洗浄,混合塩の付着,サイクル試験及び洗浄を連続
して行う,7日間の一連の試験(図2参照)。

4 腐食促進試験方法

4.1 酸性塩水噴霧サイクル試験(B法)

4.1.1  水及び試験液
水及び試験液は,次による。
a) 水 脱イオン水又は蒸留水とする。電気伝導率は,25 ℃±2 ℃で20 S/cm以下が望ましい。
b) 人工海水 人工海水の調製は,附属書JAによる。
c) 法用試験液(酸性塩溶液) B法用試験液は,次による。
1) 混酸の調製 ガラス製などの容器に適量の水を入れた後,JIS K 8541に規定する硝酸(特級)16.2 g
及びJIS K 8951に規定する硫酸42.5 gを混合し,更に水で希釈して液量を1 Lとする。
なお,調製する液量を1 L以外としてもよい。その場合,硝酸及び硫酸は,調製する液量が1 L
の場合と同じ濃度とする。
注記 混酸のモル比(硝酸/硫酸)は,約0.4である。
2) 試験液の調製 人工海水[b)]を水[a)]で6倍に希釈後,25 ℃±2 ℃でpHが2.5±0.1となるよう

――――― [JIS G 0594 pdf 5] ―――――

次のページ PDF 6

JIS G 0594:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 16151:2005(MOD)
  • ISO 16539:2013(MOD)

JIS G 0594:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 0594:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK8150:2006
塩化ナトリウム(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISZ0103:1996
防せい防食用語
JISZ2371:2015
塩水噴霧試験方法