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JIS Z 2371:2015 規格概要
この規格 Z2371は、金属材料,及びめっきなどの無機皮膜又は塗膜などの有機被膜を施した金属材料の耐食性試験として,中性塩水噴霧試験,酢酸酸性塩水噴霧試験及びキャス試験を行う場合,必要となる塩溶液,試験装置及び手法(腐食性に関わる装置の再現性の検証方法,試験片,試験条件,試験結果の表し方など)について規定。
JISZ2371 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z2371
- 規格名称
- 塩水噴霧試験方法
- 規格名称英語訳
- Methods of salt spray testing
- 制定年月日
- 1955年12月16日
- 最新改正日
- 2015年6月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 9227:2012(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 77.060
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 鉄鋼 I 2021, 鉄鋼 II 2021, 非鉄 2021, 金属表面処理 2021, 石油 2020
- 改訂:履歴
- 1955-12-16 制定日, 1959-01-19 確認日, 1963-08-01 確認日, 1966-10-01 確認日, 1969-10-01 確認日, 1972-11-01 確認日, 1975-09-01 確認日, 1976-01-01 改正日, 1979-02-01 確認日, 1984-06-01 確認日, 1988-06-01 改正日, 1994-03-01 改正日, 2000-02-20 改正日, 2005-03-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2015-06-22 改正
- ページ
- JIS Z 2371:2015 PDF [46]
Z 2371 : 2015
pdf 目 次
ページ
- 序文・・・・[1]
- 1 適用範囲・・・・[1]
- 2 引用規格・・・・[1]
- 3 用語及び定義・・・・[2]
- 4 試験用の塩溶液・・・・[2]
- 4.1 試験用の塩溶液の調製・・・・[2]
- 4.2 試験用の塩溶液のpHの調整・・・・[3]
- 4.3 懸濁物のろ過・・・・[3]
- 5 装置・・・・[4]
- 6 腐食性に関わる装置の再現性の検証方法・・・・[5]
- 6.1 一般・・・・[5]
- 6.2 中性塩水噴霧試験・・・・[6]
- 6.3 酢酸酸性塩水噴霧試験・・・・[7]
- 6.4 キャス試験・・・・[8]
- 7 試験片・・・・[9]
- 7.1 試験片の取扱い・・・・[9]
- 7.2 試験片の大きさ・・・・[9]
- 7.3 試験片の調製・・・・[9]
- 8 試験片の配置・・・・[9]
- 9 試験条件・・・・[10]
- 10 試験時間・・・・[10]
- 11 試験中の注意事項・・・・[11]
- 12 試験後の試験片の処理・・・・[11]
- 13 試験結果の表し方・・・・[11]
- 14 試験報告書・・・・[12]
- 附属書A(参考)噴霧液の排出及び排水の処理装置をもった装置の一例・・・・[14]
- 附属書B(参考)腐食性に関わる装置の再現性の検証方法(亜鉛の照合試験片)・・・・[16]
- 附属書C(規定)塗膜などの有機被膜をもつ試験片の作製・・・・[18]
- 附属書JA(参考)試験片の置き方及び位置・・・・[20]
- 附属書JB(参考)腐食生成物の除去方法・・・・[21]
- 附属書JC(規定)レイティングナンバ方法・・・・[25]
- 附属書JD(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[40]
(pdf 一覧ページ番号 1)
――――― [JIS Z 2371 pdf 1] ―――――
Z 2371 : 2015
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人表面
技術協会(SFJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS Z 2371:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
(pdf 一覧ページ番号 2)
――――― [JIS Z 2371 pdf 2] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 2371 : 2015
塩水噴霧試験方法
Methods of salt spray testing
序文
この規格は,2012年に第3版として発行されたISO 9227を基とし,技術的内容を変更して作成した日
本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JDに示す。
1 適用範囲
この規格は,金属材料,及びめっきなどの無機皮膜又は塗膜などの有機被膜を施した金属材料の耐食性
試験として,中性塩水噴霧試験,酢酸酸性塩水噴霧試験及びキャス試験を行う場合,必要となる塩溶液,
試験装置及び手法(腐食性に関わる装置の再現性の検証方法,試験片,試験条件,試験結果の表し方など)
について規定する。
警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の試験室での作業に精通していることを前提とする。
この規格は,その使用に関して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。
この規格の利用者は,各自の責任において,安全及び健康に対する適切な措置をとらなければ
ならない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 9227:2012,Corrosion tests in artificial atmospheres−Salt spray tests(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS K 5600-1-4 塗料一般試験方法−第1部 : 通則−第4節 : 試験用標準試験板
注記 対応国際規格 : ISO 1514:2004,Paints and varnishes−Standard panels for testing(MOD)
JIS K 5600-1-7 塗料一般試験方法−第1部 : 通則−第7節 : 膜厚
注記 対応国際規格 : ISO 2808:2007,Paints and varnishes−Determination of film thickness(MOD)
JIS K 8145 塩化銅(II)二水和物(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
――――― [JIS Z 2371 pdf 3] ―――――
2
Z 2371 : 2015
JIS K 8284 くえん酸水素二アンモニウム(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8847 ヘキサメチレンテトラミン(試薬)
JIS Z 8802 pH測定方法
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
中性塩水噴霧試験,NSS(neutral salt spray test)
塩水噴霧試験装置などを使用して,中性の塩化ナトリウム溶液を噴霧した雰囲気において,耐食性を調
べる試験。
3.2
酢酸酸性塩水噴霧試験,AASS(acetic acid salt spray test)
塩水噴霧試験装置などを使用して,酢酸を添加した酸性の塩化ナトリウム溶液を噴霧した雰囲気におい
て,耐食性を調べる試験。
3.3
キャス試験,CASS(copper-accelerated acetic acid salt spray test)
塩水噴霧試験装置などを使用して,酢酸を添加した酸性の塩化ナトリウム溶液に,さらに,塩化銅(II)
二水和物を加えた溶液を噴霧した雰囲気において,耐食性を調べる試験。
4 試験用の塩溶液
4.1 試験用の塩溶液の調製
試験用の塩溶液の調製は,次による。
a) 試験用の塩溶液の塩は,JIS K 8150に規定する特級の塩化ナトリウム又はこれと同等以上の塩化ナト
リウムを用いる。
なお,同等以上の塩化ナトリウムとは,原子吸光分析法又はこれと同じ精度のその他の分析方法で
測定した場合,銅含有量が質量分率0.001 %未満,及びニッケル含有量が質量分率0.001 %未満とする。
さらに,よう化ナトリウムが質量分率0.1 %を超えないか又は乾燥塩換算で不純物総量が質量分率
0.5 %を超えてはならない。固結防止剤は,腐食の促進又は抑制として働く懸念があるため含有しては
ならない。
b) 水は,25 ℃±2 ℃で電気伝導率20 μS/cm以下の脱イオン水又は蒸留水を用いる。
なお,電気伝導率を1 μS/cm以下にすることが望ましい。
c) 樹脂などの不活性な材料の容器にa) の塩及びb) の水を入れ,濃度が50 g/L±5 g/Lになるように溶解
して,塩溶液とする。十分にかくはん(撹拌)し,25 ℃±2 ℃にした後,比重計で測定し,比重を
1.0291.036にする。塩溶液の濃度の測定は,塩濃度計などの他の電気的測定器を用いて確認しても
よい。
なお,この範囲を外れたときには,再度調製する。
注記1 調製した塩溶液のpHが,25 ℃±2 ℃でpH 5.08.0でない場合は,塩溶液を再度調製す
る。
――――― [JIS Z 2371 pdf 4] ―――――
3
Z 2371 : 2015
注記2 水中のシリカ成分が高い場合,試験結果に影響を与える可能性がある。
4.2 試験用の塩溶液のpHの調整
4.2.1 中性塩水噴霧試験
中性塩水噴霧試験用の塩溶液は,4.1で調製した塩溶液を用いる。塩溶液のpHは,噴霧室内で噴霧して
採取した塩溶液(以下,噴霧液という。)が25 ℃±2 ℃でpH 6.57.2の範囲に調整しなければならない。
pHは,JIS K 8576に規定する特級の水酸化ナトリウムの溶液又はJIS K 8180に規定する特級の塩酸を
添加し,よくかくはんしてからpHを測定し調整する。
pHの測定は,25 ℃±2 ℃でJIS Z 8802によって行う。
なお,日常の確認では,0.2目盛間隔で読み取りが可能なpH試験紙を用いて,pHの値を調べてもよい。
注記 水酸化ナトリウムの溶液及び塩酸の濃度は,0.1 mol/Lを用いることが望ましい。
4.2.2 酢酸酸性塩水噴霧試験
酢酸酸性塩水噴霧試験用の塩溶液のpHの調整は,次の手順による。
a) IS K 8355に規定する特級の酢酸を,4.1で調製した塩溶液1 L当たり1 mL添加し,よくかくはんし
てからpHを測定する。
b) 試験用の塩溶液のpHが25 ℃±2 ℃で3.03.1でない場合は,JIS K 8355に規定する特級の酢酸又は
JIS K 8576に規定する特級の水酸化ナトリウムの溶液を更に追加して,よくかくはんしてからpHを
再度測定する。
c) これを繰り返して,25 ℃±2 ℃でpH を3.03.1に調整する。
d) 噴霧室内で噴霧して採取した噴霧液のpHが,25 ℃±2 ℃で,3.13.3の範囲にあることを確認する。
pHの測定は,25 ℃±2 ℃でJIS Z 8802によって行う。
注記 水酸化ナトリウムの溶液の濃度は,0.1 mol/Lを用いることが望ましい。
4.2.3 キャス試験
キャス試験用の塩溶液のpHの調整は,次の手順による。
a) IS K 8145に規定する特級の塩化銅(II)二水和物を,4.1で調製した塩溶液1 L当たり0.26 g±0.02 g
溶解させる。この溶液は,塩化第二銅0.205 g/L±0.015 g/Lに相当する。
b) IS K 8355に規定する特級の酢酸を,塩溶液1 L当たり1 mL添加し,よくかくはんしてからpHを測
定する。試験用の塩溶液のpHが25 ℃±2 ℃で3.03.1でない場合は,さらに,JIS K 8355に規定す
る特級の酢酸又はJIS K 8576に規定する特級の水酸化ナトリウムの溶液を追加して,よくかくはんし
てからpHを再度測定する。
c) これを繰り返して,25 ℃±2 ℃でpHを3.03.1に調整する。
d) 噴霧室内で噴霧して採取した噴霧液のpHが,25 ℃±2 ℃で,3.13.3の範囲にあることを確認する。
pHの測定は,25 ℃±2 ℃でJIS Z 8802によって行う。
注記 水酸化ナトリウムの溶液の濃度は,0.1 mol/Lを用いることが望ましい。
4.3 懸濁物のろ過
試験用の塩溶液は,噴霧前に懸濁物があってはならない。よくかくはんしても懸濁物が消失しない場合
には,ろ紙などを用いてろ過したものを用いる。噴霧塔又は噴霧ノズルの開口部を詰まらせる懸念がある
場合は,装置の塩溶液補給タンク内に入れる前に塩溶液をろ過して固形物を取り除く。
――――― [JIS Z 2371 pdf 5] ―――――
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JIS Z 2371:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9227:2012(MOD)
JIS Z 2371:2015の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 2371:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG3141:2017
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3141:2021
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISK5600-1-4:2004
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第4節:試験用標準試験板
- JISK5600-1-7:2014
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第7節:膜厚
- JISK8145:2018
- 塩化銅(II)二水和物(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8284:2011
- くえん酸水素二アンモニウム(試薬)
- JISK8284:2021
- くえん酸水素二アンモニウム(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8847:2019
- ヘキサメチレンテトラミン(試薬)
- JISZ8802:2011
- pH測定方法