JIS G 1215-2:2010 鉄及び鋼―硫黄定量方法―第2部:クロマトグラフ分離硫酸バリウム重量法

JIS G 1215-2:2010 規格概要

この規格 G1215-2は、鉄中及びセレンを含有しない鋼中の硫黄をクロマトグラフ分離硫酸バリウム重量法で定量する方法について規定。

JISG1215-2 規格全文情報

規格番号
JIS G1215-2 
規格名称
鉄及び鋼―硫黄定量方法―第2部 : クロマトグラフ分離硫酸バリウム重量法
規格名称英語訳
Iron and steel -- Determination of sulfur content -- Part 2:Gravimetric method after chromatographic separation
制定年月日
2010年5月20日
最新改正日
2015年10月20日
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対応国際規格

ISO

ISO 4934:2003(IDT)
国際規格分類

ICS

77.080.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属分析 I 2019, 金属分析 II 2019
改訂:履歴
2010-05-20 制定日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS G 1215-2:2010 PDF [11]
                                                                  G 1215-2 : 2010 (ISO 4934 : 2003)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 原理・・・・[2]
  •  4 試薬・・・・[2]
  •  5 装置・・・・[3]
  •  6 サンプリング・・・・[4]
  •  7 操作・・・・[4]
  •  7.1 試料はかりとり量・・・・[4]
  •  7.2 空試験・・・・[5]
  •  7.3 定量・・・・[5]
  •  8 結果の表示・・・・[6]
  •  8.1 計算・・・・[6]
  •  8.2 精度・・・・[7]
  •  9 分析報告書・・・・[7]
  •  附属書A(参考)国際共同実験についての付加情報・・・・[8]
  •  附属書B(参考)精度データのグラフ表示・・・・[9]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS G 1215-2 pdf 1] ―――――

G 1215-2 : 2010 (ISO 4934 : 2003)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本鉄鋼連盟(JISF)から,工業標
準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業
大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS G 1215:1999は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
JIS G 1215の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS G 1215-1 第1部 : 鉄分離硫酸バリウム重量法
JIS G 1215-2 第2部 : クロマトグラフ分離硫酸バリウム重量法
JIS G 1215-3 第3部 : 硫化水素気化分離メチレンブルー吸光光度法
JIS G 1215-4 第4部 : 高周波誘導加熱燃焼−赤外線吸収法

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS G 1215-2 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
G 1215-2 : 2010
(ISO 4934 : 2003)

鉄及び鋼−硫黄定量方法−第2部 : クロマトグラフ分離硫酸バリウム重量法

Iron and steel-Determination of sulfur content- Part 2: Gravimetric method after chromatographic separation

序文

  この規格は,2003年に第2版として発行されたISO 4934を基に,技術的内容及び対応国際規格の構成
を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1 適用範囲

  この規格は,鉄中及びセレンを含有しない鋼中の硫黄をクロマトグラフ分離硫酸バリウム重量法で定量
する方法について規定する。この方法は,認証値を決定する基準分析法として特に適している。
この方法は,硫黄含有率(質量分率)0.003 %以上0.35 %以下の定量に適用する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 4934:2003,Steel and iron−Determination of sulfur content−Gravimetric method(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0417 鉄及び鋼−化学成分定量用試料の採取及び調製
注記 対応国際規格 : ISO 14284,Steel and iron−Sampling and preparation of samples for the
determination of chemical composition(IDT)
JIS Z 8402-1 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第1部 : 一般的な原理及び定義
注記 対応国際規格 : ISO 5725-1,Accuracy (trueness and precision) f measurement methods and results
−Part 1: General principles and definitions(IDT)
JIS Z 8402-2 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第2部 : 標準測定方法の併行精度及
び再現精度を求めるための基本的方法
注記 対応国際規格 : ISO 5725-2,Accuracy (trueness and precision) f measurement methods and results
−Part 2: Basic method for the determination of repeatability and reproducibility of a standard
measurement method(IDT)
JIS Z 8402-3 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第3部 : 標準測定方法の中間精度

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2
G 1215-2 : 2010 (ISO 4934 : 2003)
注記 対応国際規格 : ISO 5725-3,Accuracy (trueness and precision) f measurement methods and results
−Part 3: Intermediate measures of the precision of a standard measurement method(IDT)
ISO 565,Test sieves−Metal wire cloth, perforated metal plate and electroformed sheet−Nominal sizes of
openings
ISO 3696,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods

3 原理

  試料を,臭素の共存下で,希硝酸又は塩酸と硝酸との混酸で分解する(硫黄の損失を防ぐため,適切な
器具を併用する。)。
過塩素酸を加え,過塩素酸の白煙が発生するまで蒸発させる。
ろ過し,けい素,タングステン,ニオブなどの脱水物を除去する。
沈殿生成を助けるため,硫酸の一定量を添加する。
硫酸イオンをアルミナカラムへの吸着によって試料液から分離し,アンモニア水で溶出させる。
硫酸イオンを,管理した条件下で,硫酸バリウムとして沈殿させ,ろ過して洗浄し,加熱した後ひょう
量する。

4 試薬

  分析には,分析用保証試薬及びISO 3696の等級2の水を用いる。
注記 ISO 3696の等級2の水は,JIS K 0557(用水・排水の試験に用いる水)で規定する種別A3の
水とほとんど同等の純度である。
4.1 酸化アルミニウム(アルミナ,Al2O3) クロマトグラフ用に調製された,75 μm150 μmの目開き
(ISO 565の補助シリーズR40/3)に対応する粒径のもの。
アルミナは,アルカリ性,中性又は酸性のどの呼称のものも使用してよい。
約200 gの乾燥アルミナを水300 mLが入った500 mLのビーカーに入れ,ビーカーを流しの中に置く。
内径5 mmのガラス管をビーカーの底につくように差し込み,水の供給口とつなぐ。水中に懸濁している
微粉体がビーカーの縁から流れ出すように水量を調節する。この処理を続けて,水流を止めても1分以内
に沈降しないような微粉を全部除去する。
上澄み液を捨て,塩酸(4.5)をアルミナを覆う程度に加え,かき混ぜて12時間以上放置する。塩酸を
捨て,前の段落に記載したように処理してアルミナを水洗する。
カラムを作るには,水洗したアルミナに塩酸(4.8)を加えてスラリーとする。
4.2 臭素(Br2) 質量分率99 %以上
4.3 硝酸 密度約1.40 g/mL
4.4 硝酸 密度約1.40 g/mLの希釈液(1+1)
4.5 塩酸 密度約1.19 g/mL
4.6 塩酸 密度約1.19 g/mLの希釈液(1+1)
4.7 塩酸 密度約1.19 g/mLの希釈液(1+9)
4.8 塩酸 密度約1.19 g/mLの希釈液(1+19)
4.9 過塩素酸 密度約1.54 g/mL
この試薬中に硫酸分が多く含まれる場合は,硫酸分を吸着クロマトグラフ用カラム(5.4)に通して除去
してよい。

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G 1215-2 : 2010 (ISO 4934 : 2003)
4.10 過塩素酸 密度約1.54 g/mLの希釈液(1+49)
4.11 混酸 塩酸(4.5)と硝酸(4.3)とを試料の分解を保証する比率で混合する。この混酸は,必要に応
じて新しく調製するのが望ましい。
注記 一般に王水が使われる。ある種の試料には塩酸と硝酸との比率が調整されて使われる。
4.12 アンモニア水 密度約0.90 g/mL
4.13 アンモニア水 密度約0.90 g/mLの希釈液(1+19)
4.14 アンモニア水 密度約0.90 g/mLの希釈液(1+99)
4.15 硫酸 S約48 mg/L溶液
硫酸(密度約1.84 g/mL)2.8 mLを,水約500 mL中に振り混ぜながら徐々に加えて水で1 000 mLに薄
める。この溶液30 mLを分取して,水で1 000 mLに薄める。
4.16 塩化バリウム二水和物(BaCl2・2H2O) 1.22 g/L溶液
塩化バリウム二水和物(BaCl2・2H2O)1.22 gを,水に溶解して1 000 mLに薄め,かき混ぜる。この溶液
を使用直前に,ろ紙(5種C)でろ過する。
この溶液1 mLは,硫黄約0.16 mgに相当する。
4.17 メチルオレンジ(C14H14N3NaO3S) 0.50 g/L溶液
4.18 酢酸(CH3COOH) 密度約1.05 g/mL
4.19 過酸化水素(H2O2) 密度約1.10 g/mL

5 装置

  装置は,一般的な分析室の器具,及び次のものを使用する。
5.1 天びん 測定のトレーサビリティを与える,国又は国際的にトレーサブルな質量によって校正を行
って調整されたもの。
5.2 三角フラスコ 体積1 000 mL,すり合わせ口付き
注記 すり合わせ口付きの三角フラスコは,JIS R 3503(化学分析用ガラス器具)に規定がある。
5.3 球管冷却器 46球型
5.4 吸着クロマトグラフ用カラム(図1参照) 吸着クロマトグラフ用カラムは,次のように調製する。
カラム管を,コックの真下で,管を吸引ろ過フラスコに固定させるためのゴム栓の孔に取り付ける。カ
ラム管を吸引ろ過フラスコの口へ固定し,管の下端部の細い部分に,約20 mmの厚さにしっかり詰めた石
英ガラス綿の詰め物をする。コックを開ける。カラム管の中へ,カラムの長さが100200 mmになるよう
にアルミナスラリー(4.1)を移し入れる。塩酸(4.8)を使って,アルミナ粒子の全部を上部の貯液槽から
カラム部へ洗い落とす。石英ガラス綿の詰め物を入れ,ガラス棒で石英ガラス綿がアルミナと接触するよ
うに押さえつける。アルミナカラムとの接触が維持できないときは,再び詰め物を固く詰め直す。アルミ
ナ粒子が,上部詰め物の上のカラムの側面にないことを確認する。
カラムに塩酸(4.8)20 mLを通した後,水20 mLを通し,続けてアンモニア水(4.13)20 mLを通した
後,水20 mLを通す。後の2回の溶出液を合わせ,微アンモニア性になるまで溶液のpHを調節して,ア
ルミニウム塩が残っていないことを確認する。静置して水酸化アルミニウムが沈殿するときは,塩酸(4.7)
20 mLを,次に水20 mLをカラムに通す。アンモニア水(4.13)20 mLと水20 mLとをカラムに通し,前
と同じようにして,アンモニア性の溶出液中にアルミニウム塩が残っていないことを確認する。
なお,まだ水酸化アルミニウムの沈殿が生じる場合は,塩酸(4.6)の少量を吸引しないで1時間カラム
に通し,更に水50 mLで洗う。アンモニア水(4.13)20 mLと水20 mLとをカラムに通し,アルミニウム

――――― [JIS G 1215-2 pdf 5] ―――――

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