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G 1216-1 : 2022
記号説明
1 : 電位掃引装置
2 : ポテンショスタット
3 : 参照電極(飽和カロメル電極又は銀−塩化銀電極)
4 : 作用電極(白金電極)
5 : 対極(白金電極)
6 : 電解槽(ビーカー)
7 : 試料溶液
8 : 析出金属
図1−定電位電解装置の構成例
7.3 pH計
8 試料のはかりとり
試料のはかりとり量は,表2による。
表2−試料のはかりとり量
単位 g
ニッケル定量範囲
はかりとり量
[質量分率(%)]
0.1 以上 0.5 未満 3.0
0.5 以上 2 未満 1.0
2 以上 30 以下 0.50
9 操作
警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険がある。過塩
素酸の蒸発処理は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で行わなければならない。
9.1 試料の分解
試料の分解操作は,次による。
a) 試料をはかりとって,ビーカー(300 mL)に移し入れる。
――――― [JIS G 1216 pdf 6] ―――――
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G 1216-1 : 2022
b) 時計皿で覆い,塩酸(6.1)20 mL及び硝酸(6.3)5 mLを加え,加熱して分解する。時計皿の下面を
水で洗って,時計皿を取り除く。
9.2 試料溶液の調製
9.2.1 多量のけい素,クロムなどを含まない試料で,9.3.19.3.3のいずれかを適用する場合
試料溶液の調製操作は,次による。
a) 9.1で得た溶液を,穏やかに加熱して蒸発し,乾固する。放冷した後,塩酸(1+1)(6.2)20 mLを加
え,加熱して塩類を溶解し,温水約50 mLを加える。
b) 溶液をろ紙(5種B)を用いてろ過し,ろ紙及び残さを,温塩酸(2+100)(6.2)と温水とで交互に数
回洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー(500 mL)に受け,主溶液として保存する。
c) ろ紙上に残さが認められない場合は,ろ紙を捨て,d)の操作を行う。
ろ紙上に残さを認めた場合は,残さを,ろ紙とともに白金るつぼ(30 mL)に移し入れ,乾燥した後,
ろ紙を灰化する。放冷した後,二硫酸カリウム(6.13)又は二硫酸ナトリウム(6.12)約2 gを加え,
加熱して残さを融解する。放冷した後,融成物を少量の塩酸(1+1)及び温水で溶解し,溶液をろ紙
(5種B)を用いてろ過する。ろ紙を温水で洗浄し,ろ液及び洗液をb)で保存しておいたビーカーに
受け,これを主溶液とする。残さは,捨てる。
d) 試料中のニッケル含有率(質量分率)が5 %未満の場合は,主溶液をそのまま試料溶液とする。
試料中のニッケル含有率(質量分率)が5 %以上の場合は,b)又はc)で保存した主溶液を常温まで
冷却した後,250 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。この溶液をニッ
ケル含有量が10 mg25 mgとなるように分取し,ビーカー(500 mL)に移し入れ,試料溶液とする。
9.2.2 多量のけい素,クロムなどを含む試料,及び/又は9.3.4を適用する試料の場合
試料溶液の調製操作は,次による。
a) 9.1で得た溶液に,ふっ化水素酸(6.7)を数滴加え,更に過塩素酸(6.5)を,試料のはかりとり量に
応じて,表3によって加える。
b) 加熱して,過塩素酸の白煙が発生するまで蒸発させる。乾いた時計皿で覆い,引き続き加熱して,ク
ロムを二クロム酸に酸化する。
注記1 二クロム酸に酸化すると,溶液は赤橙色となる。
多量のクロムを含む試料の場合は,過塩素酸の白煙を発生させながら塩酸(6.1)を滴加して,大部
分のクロムを二塩化二酸化クロムとして揮散させてもよい。
また,9.3.4を適用する場合は,過塩素酸の残量が10 mL以下になるまで蒸発させる。
c) 放冷した後,水を加えて液量を約100 mLとし,塩類が溶解するまで加熱して沸騰させる。
d) 溶液をろ紙(5種B)を用いてろ過し,ろ紙及び残さを,過塩素酸(2+100)(6.6)と温水とで交互に
数回,最後に温水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー(500 mL)に受け,主溶液とする。
e) 以降,9.2.1 c)及びd)の操作を行う。なお,9.2.1 c)の融剤には,二硫酸ナトリウム(6.12)を用いる。
注記2 二硫酸カリウムで融解すると,融成物を溶解して得た溶液が白濁することがある。
――――― [JIS G 1216 pdf 7] ―――――
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G 1216-1 : 2022
表3−試薬の添加量
くえん酸溶液(6.15)又は
試料のはかりとり量 過塩素酸(6.5)添加量
L(+)-酒石酸溶液(6.16)添加量
g mL
mL
3.0 30 30
1.0 20 10
0.50 15 10
9.3 沈殿の生成
9.3.1 試料溶液中のコバルト及び銅の含有量が,いずれも5 mg未満の場合
沈殿の生成操作は,次による。
a) 9.2で得た試料溶液に,くえん酸溶液(6.15)又はL(+)-酒石酸溶液(6.16)を,試料のはかりとり量
に応じて,表3によって加え,更に溶液中のクロム量0.1 gにつき20 mLを追加する。
b) 水を加えて,液量を200 mLとする。アンモニア水(6.8)を加えてpHを7とし,更に過剰に約2 mL
加えた後,温水で液量を300 mLとする。
c) この溶液を,沸騰直前まで加熱した後,溶液中のニッケルの予想含有量10 mgにつき10 mLの割合で
ジメチルグリオキシム溶液(6.19)を,溶液をかき混ぜながら少量ずつ加える。アンモニア水を加えて
pHを7とし,更に過剰に約2 mL加え,3分5分間かき混ぜる。
d) 溶液を,沈殿生成後30分間以上静置する。
なお,試料のニッケル含有率が低い場合,又は沈殿の生成が不完全と認めた場合は,数時間静置し
て,沈殿を熟成させる。
e) 生成した沈殿が,ジメチルグリオキシムニッケル以外の不純物を含有するおそれがある場合は,次の
再沈殿操作を行う。
d)で得た沈殿を,ろ紙(5種A)でろ過し,ろ液は,元のビーカーとは別のビーカー(500 mL)に受
ける。ろ液中のニッケルを9.5によって定量し,箇条11で加算する。
ろ紙上の沈殿を,硝酸(1+2)(6.4)30 mLで溶解した後,ろ紙を温水で洗浄し,ろ液及び洗液を元
のビーカーに受け,温水約50 mL及び,くえん酸溶液又はL(+)-酒石酸溶液10 mLを加え,水で液
量を200 mLとする。
アンモニア水を加えてpHを7とし,更に過剰に約2 mL加えた後,温水で液量を300 mLとする。
以降,c)及びd)の操作を行う。d)の溶液を静置する時間は,30分間1時間でよい。
9.3.2 試料溶液中のコバルト含有量が5 mg以上,かつ,銅含有量が5 mg未満の場合
沈殿の生成操作は,次による。
a) 9.3.1 a)の操作を行う。
b) 水を加えて,液量を200 mLとする。アンモニア水(6.8)を加えてpHを7とし,更に過剰に約2 mL
加えた後,酢酸(6.14)2 mL5 mLを加えて弱酸性とする。
c) 臭素酸カリウム(6.11)1 g3 gを加え,加熱して液温を80 ℃に約10分間保持し,コバルトを酸化
した後,温水で液量を300 mLとする。
d) 以降,9.3.1 c) e)の操作を行う。なお,ジメチルグリオキシム溶液(6.19)を加える量は,溶液中のニ
ッケルとコバルトとの合計予想含有量10 mgにつき10 mLの割合とする。
――――― [JIS G 1216 pdf 8] ―――――
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G 1216-1 : 2022
9.3.3 試料溶液中のコバルト含有量が2 mg未満,かつ,銅含有量が5 mg以上の場合
沈殿の生成操作は,次による。
a) 9.2で得た試料溶液に,L(+)-アスコルビン酸溶液(6.17)20 mLを加えてかき混ぜ,5分10分間放
置し,銅をマスキングする。くえん酸溶液(6.15)又はL(+)-酒石酸溶液(6.16)を,試料のはかり
とり量に応じて,表3によって加え,更に溶液中のクロム含有量0.1 gにつき20 mLを追加し,更に
10 mL過剰に加える。
b) 以降,9.3.1 b) e)の操作を行う。なお,ジメチルグリオキシム溶液(6.19)を加える量は,溶液中のニ
ッケルと銅との合計予想含有量10 mgにつき10 mLの割合とする。
9.3.4 試料溶液中のコバルト含有量が2 mg以上,かつ,銅含有量が5 mg以上の場合
沈殿の生成操作は,次による。
a) 次のいずれかの方法によって,銅を還元析出して除去する。
1) アルミニウム還元法 アルミニウムによる還元析出は,次による。
1.1) 9.2.2で得た試料溶液に,くえん酸水素二アンモニウム溶液(6.18)5 mLを加え,水で液量を約150
mLとする。なお,この液量は,過塩素酸濃度が0.5 mol/L1.0 mol/Lとなるように,適宜減らす。
注記 9.2.2 b)で過塩素酸の残量を10 mLとし,9.2.1 d)の分取操作を行わずに,1.1)で液量を150
mLとした場合,過塩素酸濃度は0.6 mol/L0.8 mol/Lとなる。
1.2) アルミニウム片(6.10)約1 gを加え,穏やかに加熱して二クロム酸を還元した後,更に3分5
分間加熱を続ける。
1.3) ろ紙(5種B)を用いて,析出した金属銅を,残ったアルミニウム片とともにろ過し,ろ紙及び残
さを温水で7,8回洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー(500 mL)に受け,硝酸(6.3)10 mLを加
え,加熱して5,6分間沸騰し,鉄などを酸化する。残さは,捨てる。
2) 定電位電解法 定電位電解法による還元析出は,次による。
2.1) 9.2.2で得た試料溶液に,硫酸ヒドラジニウム溶液(6.20)を滴加し,クロムを完全に還元する。
2.2) 銅がカソード(白金電極)に析出し始める還元電位−0.15 V(対飽和カロメル電極)から−0.30 V
(対飽和カロメル電極)まで,徐々に電位を下げる定電位電解によって,溶液中の銅を除去する。
約40分経過し,電流が非常に低い一定値となったときを,銅の析出完了とすることが望ましい。
試料溶液に水20 mLを加え,電解を継続して,析出が完了したことを確認することが可能であ
る。カソードが溶液に新たに浸せき(漬)した部分に,5分経っても銅が析出しなければ,析出は
完了している。電解回路を切り,飽和カロメル電極,白金電極の順に取り出して,水で洗浄する。
洗液は,試料溶液のビーカーに受ける。
2.3) 硝酸(6.3)約5 mLを加えて,過塩素酸の濃厚な白煙が発生するまで,溶液を蒸発させる。ビーカ
ーを乾燥した時計皿で覆い,引き続きクロムが完全に酸化するまで加熱した後,放冷する。溶液
を,水100 mLでうすめて,加熱して塩類を溶解し,約5分間沸騰させて塩素化合物を追い出す。
b) くえん酸溶液(6.15)又はL(+)-酒石酸溶液(6.16)を,試料のはかりとり量に応じて,表3によっ
て加え,更に溶液中のクロム量0.1 gにつき20 mLを追加する。
c) 以降,9.3.2 b) d)の操作を行う。なお,試料溶液のコバルト含有量が2 mg以上5 mg未満の場合は,
9.3.1 b) e)の操作を行ってもよい。
9.4 沈殿のひょう量
沈殿のひょう量操作は,次による。
――――― [JIS G 1216 pdf 9] ―――――
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G 1216-1 : 2022
a) ガラスろ過器(7.1)を,あらかじめ115 ℃±5 ℃で乾燥して,質量差が0.3 mg以内の恒量とする。
b) 9.3で得た沈殿を,このガラスろ過器でろ過し,アンモニア性洗浄水(6.9)で十分に洗浄する。ろ液及
び洗液は,元のビーカーとは別のビーカー(500 mL)に受ける。
ろ液及び洗液中のニッケルを,9.5によって定量して,箇条11で加算する。
c) 沈殿をガラスろ過器とともに115 ℃±5 ℃で約1時間乾燥し,デシケーター中で常温まで放冷した
後,質量をはかる。恒量となるまでこの操作を繰り返し,得た質量からガラスろ過器の質量を差し引
いて,ジメチルグリオキシムニッケルの質量とする。
9.5 ろ液中のニッケル定量
ろ液中のニッケルの定量を原子吸光分析方法によって行う手順は,次による。定量して得た値は,箇条
11で加算する。なお,ろ液中のニッケル量が,試料中のニッケル含有率に比べて十分に少ないことが分か
っている場合は,定量を行わなくてもよい。
a) 9.4 b)で得たろ液及び洗液を加熱し,シロップ状となるまで蒸発させる。
なお,9.3.1 e)の再沈殿操作によってろ液を得た場合は,これを,9.4 b)で得たろ液及び洗液に移し入
れた後に,加熱する。
b) 塩酸(6.1)を50 mL加えて,液量が10 mL15 mLとなるまで加熱した後,熱水50 mLを加え沸騰さ
せる。放冷した後,200 mLの全量フラスコに移し入れ,水で標線までうすめる。
c) b)で得た溶液中のニッケル量は,附属書Aによって定量する。定量値が,試料中のニッケル含有率[質
量分率(%)]として0.2 %を超えないことが望ましい。
注記 ろ液中のニッケル量が多い場合,ろ過が不完全であるおそれがある。
10 空試験
試料を用いないで,9.1 b)9.5の手順に従って,試料と同じ操作を,試料と併行して行う。
11 計算
計算は,次の式による。
Ni= m2 0.203 2
×100+wf
m×B
250
ここで, Ni : 試料中のニッケル含有率[質量分率(%)]
m1 : 9.4で得たジメチルグリオキシムニッケルの質量(g)
m2 : 箇条10で得たジメチルグリオキシムニッケルの質量(g)
m : 箇条8ではかりとった試料の量(g)
B : 9.2.1 d)で分取した,試料溶液又は空試験液の量(mL)
ただし,分取の操作を行わなかった場合は,250とする。
wf : A.5で得たろ液及び洗液中のニッケルの,試料中での含有率
[質量分率(%)]
12 許容差
許容差は,表4による。
――――― [JIS G 1216 pdf 10] ―――――
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JIS G 1216-1:2022の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4938:2016(MOD)
JIS G 1216-1:2022の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 1216-1:2022の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG1201:2014
- 鉄及び鋼―分析方法通則
- JISG1201:2022
- 鉄及び鋼―分析方法通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方