JIS G 1216-1:2022 鉄及び鋼―ニッケル定量方法―第1部:ジメチルグリオキシムニッケル重量法 | ページ 3

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G 1216-1 : 2022
表4−許容差
ニッケル含有率 室内再現許容差(Rw) 室間再現許容差(R)
[質量分率(%)] [質量分率(%)] [質量分率(%)]
0.1以上 19.6 以下 f(n)×[0.002 7×(Ni)+0.004 9]
f(n)×[0.008 7×(Ni)+0.011 0]
許容差計算式中のf(n)の値は,JIS Z 8402-6の表1[許容範囲の係数 f(n)]による。nの値は,室内
再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した分析室
数である。また,(Ni)は,許容差を求めるニッケル定量値の平均値[質量分率(%)]である。
ニッケル含有率(質量分率)19.6 %超え30 %以下における許容差は,JIS G 1201の7.3(許容差が規
定されていない場合の取扱い方)による。
注記 この許容差は,日本鉄鋼認証標準物質の認証値決定の分析結果から,ジメチルグリオキシム
ニッケル重量法による定量値を集計し,解析して求めた。なお,この分析においては,9.5の
操作を行っていない。

――――― [JIS G 1216 pdf 11] ―――――

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G 1216-1 : 2022
附属書A
(規定)
ろ液中のニッケル含有量の原子吸光分析方法による定量
A.1 一般
9.5で得たろ液及び洗液中のニッケル含有量は,原子吸光分析方法によって定量する。
A.2 試薬
試薬は,次による。
なお,次の原液又は標準液の代わりに,濃度が同レベルで,トレーサビリティーがとれ,かつ,他の成
分 1)の混入がないか,又は微量でその量が既知である市販の標準液を用いてもよい。この場合,規格で規
定している濃度は,その液に記載されている濃度又はファクターで補正して用いる。
注1) 他の成分とは,ニッケル,塩酸及び硝酸以外の成分を指す。
A.2.1 ニッケル原液(Ni : 1 000 g/mL) ニッケル(質量分率99.9 %以上)1.000 gをはかりとって,ビ
ーカー(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆う。硝酸(1+1)40 mLを加え,穏やかに加熱して溶解し,引
き続き加熱して窒素酸化物などを追い出す。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取
り除く。溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめてニッケル原液とす
る。
A.2.2 ニッケル標準液(Ni : 100 g/mL) ニッケル原液(A.2.1)を,使用の都度,水で正確に10倍にう
すめて,ニッケル標準液とする。
A.3 装置
装置は,次による。
A.3.1 原子吸光分析装置 アセチレン·空気フレーム及びニッケル中空陰極ランプを備えたもの。
警告 JIS K 0121の10.(安全)の項目を遵守する。
A.4 操作
A.4.1 検量線の作成
200 mLの全量フラスコを5個準備し,表A.1によってニッケル標準液(A.2.2)を正確に加える。塩酸
(6.1)50 mLを加えて,水で標線までうすめる。
A.4.2 原子吸光分析装置の調整
原子吸光分析装置(A.3.1)の調整は,次によるほか,JIS K 0121及び装置の製造業者の指示書に従う。
− 検量線用溶液の最高濃度溶液とゼロメンバーの吸光度との差が,最大となるようにバーナーの位置(水
平,垂直及び回転方向)及び各ガス流量を調節する。

――――― [JIS G 1216 pdf 12] ―――――

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G 1216-1 : 2022
− 分光光度計が,測定する波長(232.0 nm)に正確に調整されていることを確認する。
表A.1−ニッケル標準液(A.2.2)添加量
ニッケル標準液添加量 検量線用溶液中のニッケル量
mL mg
0 0
2 0.2
5 0.5
10 1.0
15 1.5
A.4.3 吸光度の測定
9.5で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光分析装置のアセチレン·空気フレーム中
に噴霧し,ニッケル中空陰極ランプから放射される,波長232.0 nmの光の吸光度を測定する。
A.4.4 検量線の作成
A.4.1で調製した検量線用溶液の各液について,A.4.3の手順によって,9.5で得た溶液と併行して吸光度
を測定し,得た吸光度と溶液中のニッケル量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移
動して,検量線とする。
A.5 計算
A.4.3で得た吸光度とA.4.4で得た検量線とから,ニッケル含有量を求め,ろ液中のニッケル含有量を試
料中の含有率[質量分率(%)]に換算した値を,次の式によって算出する。
wf= m4
×100
m×1 000×B
250
ここで, wf : 9.5で得た,ろ液及び洗液中のニッケルの,試料中での含有
率[質量分率(%)]
m3 : 9.5で得た,ろ液及び洗液中のニッケル含有量(mg)
m4 : 箇条10で得た,ろ液及び洗液中のニッケル含有量(mg)
m : 箇条8ではかりとった試料の量(g)
B : 9.2.1 d)で分取した,試料溶液又は空試験液の量(mL)
ただし,分取の操作を行わなかった場合は,250とする。

――――― [JIS G 1216 pdf 13] ―――――

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G 1216-1 : 2022
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS G 1216-1 ISO 4938:2016,(MOD)
a) JISの箇 b) 対応国際 c) 箇条ご d) JISと対応国際規格との技術的差異の e) JISと対応国際規格
条番号 規格の対 との評 内容及び理由 との技術的差異に対
応する箇 価 する今後の対策
条番号
1 1 変更 現状のままとする。
ニッケル含有率(質量分率)適用範囲の下限
を,JISは0.1 %,ISO規格は1 %と規定し
ている。JISは,日本鉄鋼認証標準物質の認
証値決定の実績から,適用範囲を拡大した。
3 − 追加 JISは,JIS Z 8301の改正に伴い追加した。 現状のままとする。
4 − 追加 JISは,定量方法に共通な一般事項を規定し
現状のままとする。
た。鉄及び鋼の定量における共通事項を,
JIS G 1201に規定し,原子吸光分析装置を
用いた定量分析における共通事項は,JIS K
0121に規定している。
5 3 変更 ISO規格は,原理を記載しているが,JISは,
現状のままとする。
要旨を記載し,日本独自の操作を追記して
いる。
6 4 変更 現状のままとする。
操作方法の追加及び変更によって,使用す
る試薬の種類及び/又は濃度が異なる。
7.1 5.1 変更 ガラスろ過器の規格において,JISとISO規
現状のままとする。
格とで規定している孔径が異なる。
7.2 5.3 追加 JISは,国内で多用している銀−塩化銀電極
現状のままとする。
の使用を認めている。
JISは,定電位電解装置の構成図を追加して
いる。
− 6 削除 ISO規格は,試料の採取方法を規定したISO

14284を引用している。JISは,この国際一
致規格であるJIS G 0417を,JIS G 1201に
規定しており,規定内容は一致している。
8 7.1 変更 はかりとり量を,JISは,ニッケル含有率(質
現状のままとする。
量分率)によって,ISO規格は,ジメチルグ
リオキシムニッケルの生成量によって規定
している。
− 7.1 削除 ISO規格は,はかりとりの最小読取値を規−
定している。JISは,JIS G 1201に規定して
おり,規定内容は一致している。
9.1 7.2.1 変更 JISとISO規格とは,試料分解操作の区分 −
9.2 が異なるが,技術的な差異はない。
9.2.1 c) 7.2.1 選択 JISは,酸分解後のろ過操作において,残さ
現状のままとする。
(渣)が認められない場合は,残さ(渣)処
理の省略を認める規定としている。

――――― [JIS G 1216 pdf 14] ―――――

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G 1216-1 : 2022
a) JISの箇 b) 対応国際 c) 箇条ご d) JISと対応国際規格との技術的差異の e) JISと対応国際規格
条番号 規格の対 との評 内容及び理由 との技術的差異に対
応する箇 価 する今後の対策
条番号
9.2.1 c) 7.2.1 変更 残さ(渣)の融剤として,JISは二硫酸ナト

9.2.2 e) リウム又は二硫酸カリウムを,ISO規格は
亜硫酸水素ナトリウムを規定している。技
術的な差異はない。
9.3 7.2.2 変更 JISとISO規格とでは,沈殿生成操作の区 −
分が異なるが,技術的な差異はない。
9.3.1 a) 7.2.2.1 選択 鉄のマスキング剤として,ISO規格のくえ−
9.3.3 a) 7.2.3 ん酸に,JISは,L(+)-酒石酸を追加し,い
ずれかを選択するとしている。
9.3.1 e) 7.2.2 変更 ISO規格は,ろ液中のニッケルを定量し,ニ
現状のままとする。
9.5 7.2.4 ッケル含有率の計算に含めることを,要求
事項として規定している。JISは,これを許
容事項としている。
9.3.2 c) 7.2.2.3 変更 コバルトを酸化する試薬として,JISは臭素
現状のままとする。
酸カリウムを,ISO規格はヘキサシアノ鉄
(III)カリウムを規定している。
9.3.4 a) 7.2.2.4 選択 銅の析出方法として,ISO規格の定電位電現状のままとする。
解法に,JISは,金属アルミニウムによる還
元析出法を追加し,いずれかを選択すると
している。
9.4 7.2.4 変更 ガラスろ過器及び沈殿を恒量とする温度 現状のままとする。
を,JISは115 ℃±5 ℃,ISO規格は110 ℃
と規定している。
10 − 変更 JISは,空試験を規定している。ISO規格は,
現状のままとする。
空試験を規定していない。
11 8.1.1 変更 JISは,空試験の結果,及び分取率を計算式

追加 に含めている。ISO規格は,空試験の結果の
項を,空のるつぼの質量としている。また,
分取操作がないため,分取率の項がない。技
術的な差異はない。
12 8.2 変更 JISは,許容差を,日本鉄鋼認証標準物質の
現状のままとする。
認証値決定の分析結果を集計し,解析して
独自に求めている。国内の分析技術の実態
を反映しており,ISO規格と差がある。
− 9 削除 ISO規格は,試験報告の記載事項を規定し現状のままとする。
ている。JISは,製品規格で規定する。
− Annex A 削除 ISO規格は,許容差を求めるための国際共現状のままとする。
Annex B 同実験の情報を記載している。JISは,独自
に許容差を求めている。
A.2 C.2.2 選択 JISは,市販標準液の使用を認める規定を追
現状のままとする。
C.2.3 加している。
警告 − 追加 現状のままとする。
JISは,高圧ガス取扱い作業時の注意喚起の
ために,警告の記載を追加している。
A.4.2 C.4.2 変更 JISは,JIS K 0121を引用している。技術的

な差異はない。

――――― [JIS G 1216 pdf 15] ―――――

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JIS G 1216-1:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4938:2016(MOD)

JIS G 1216-1:2022の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 1216-1:2022の関連規格と引用規格一覧