JIS G 1220:1994 鉄及び鋼―タングステン定量方法 | ページ 3

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G 1220-1994
A3 : 7.2(1)(a)で試料溶液を10ml分取した場合の7.2(2)(b)で得たバ
ナジウム吸光度補正値
(2) タングステン含有率が0.25% (m/m) 以上の試料
A3
A A1 A2
2
ここに, A : 4.2(2)(a)で試料溶液を5ml分取した場合のタングステンだけ
の吸光度
A1 : 4.2(2)(a)で試料溶液を5ml分取した場合の4.3で得た吸光度
A2 : 7.1(1)(a)で試料溶液を5ml分取した場合の7.1(2)(b)で得たモ
リブデン吸光度補正値
A3 : 7.2(1)(a)で試料溶液を10ml分取した場合の7.2(2)(b)で得たバ
ナジウム吸光度補正値
8. 計算 計算は,次のいずれかによる。
(1) 注(3)の補正を行わない場合 4.3及び5.で得た吸光度と6.で作成した検量線とからタングステン量を
求め,試料中のタングステン含有率 [W% (m/m) ] を次の式によって算出する。
m1 m0
W%(m/m )
m B / 100
ここに, m1 : 分取した試料溶液中のタングステン検出量 (g)
m0 : 分取した空試験液中のタングステン検出量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
B : 試料溶液及び空試験溶液の分取量 (ml)
(2) 注(3)の補正を行った場合 7.3の(1)又は(2)で得たタングステンだけの吸光度及び5.で得た吸光度と6.
で作成した検量線とからタングステン量を求め,試料中のタングステン含有率 [W% (m/m) ] を次の式
によって算出する。
m1 m0
W%(m/m )
m B / 100
ここに, m1 : 分取した試料溶液中のタングステン検出量 (g)
m0 : 分取した空試験液中のタングステン検出量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
B : 試料溶液及び空試験溶液の分取量 (ml)
9. 許容差 許容差(4)は,附属書2表2による。
附属書2表2 許容差(4)
単位% (m/m)
タングステン含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
0.05以上1.0未満 D [0.013 5× (W) +0.003 9]
D [0.009 3× (W) +0.001 9]
1.0 以上7.0以下 D [0.014 2× (W) −0.003 4]
D [0.008 7× (W) +0.004 6]
注(4) 許容差計算式中のDは,D (n, 0.95) を意味し,その値は,JIS Z 8402の表4による。
nの値は,室内再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許
容差の場合は分析に関与した分析室数である。
また, (W) は,許容差を求めるタングステン含有率 [% (m/m) ] である。
参考 この許容差は,タングステン含有率0.05% (m/m) 以上7.0% (m/m) 未満の試料を用いて共同実
験した結果から求めたものである。

――――― [JIS G 1220 pdf 11] ―――――

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G 1220-1994
附属書3 モリブデン分離テトラフェニルアルソ
ニウムクロリド・チオシアン酸塩抽出
吸光光度法
1. 要旨 試料を王水で分解し,硫酸及びりん酸を加え,硫酸の白煙を発生させた後,塩酸の濃度を調節
し,モリブデンをイソプロピルエーテルで抽出して分離する。塩化すず (II) を加えてタングステンを還元
した後,しゅう酸,テトラアルソニウムクロリド(以下,TPACという。)及びチオシアン酸カリウムを加
え,生成するTPAC・チオシアン酸・タングステン錯体をクロロホルムに抽出し,光度計を用いて,その
吸光度を測定する。
2. 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (2+1)
(2) 王水(塩酸3,硝酸1)
(3) 混酸(硫酸1,りん酸1,水1)
(4) 鉄 できるだけ純度の高い鉄で,タングステンを含有しないか,又はタングステン含有率ができるだ
け低く,既知であるもの。
(5) 鉄溶液 (1mgFe/ml) 鉄 [(4) ] 0.100gを王水10mlで加熱して分解し,混酸15mlを加え,加熱して2
3分間硫酸の白煙を発生させる。室温まで放冷した後,塩酸 (2+1) 約50mlを加えて塩類を溶解する。
常温まで冷却した後,溶液を100mlの全量フラスコに塩酸 (2+1) を用いて移し入れ,塩酸 (2+1) で
標線まで薄める。
(6) 塩化すず (II) 溶液 塩化すず (II) 二水和物20gを塩酸 (2+1) 約30mlに溶解し,塩酸 (2+1) で液
量を100mlとする。この溶液は,使用の都度調製する。
(7) チオシアン酸カリウム溶液 (150g/l)
(8) しゅう酸溶液 しゅう酸15gを塩酸 (2+1) 500mlに溶解する。
(9) PAC溶液 TPAC [(C6H5) 4AsCl] 1gを水100mlに溶解する。
(10) イソプロピルエーテル
(11) クロロホルム
(12) 標準タングステン溶液 (1.0mgW/ml) タングステン酸ナトリウム二水和物 (Na2WO4・2H2O) 1.794g
をはかり採り,温水約100mlに溶解した後,常温まで冷却し,溶液を1 000mlの全量フラスコに水を
用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
3. 試料はかり採り量 試料はかり採り量は,附属書3表1による。

――――― [JIS G 1220 pdf 12] ―――――

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G 1220-1994
附属書3表1 試料はかり採り量及び試料溶液の分取量
タングステン含有率 試料はかり採り量 試料溶液の分取量
% (m/m) g ml
0.01 以上 0.40 未満 0.50 10
0.40 以上 1.0 未満 0.20
1.0 以上 2.0 未満 0.10
2.0 以上 4.0 未満 5
4.0 以上 7.0 以下 2
4. 操作
4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり採ってビーカー (100ml) に移し入れる。
(2) 時計皿で覆い,王水10mlを加え,加熱して分解する。混酸15mlを加え,加熱して濃縮する。時計皿
の下面を水で洗って取り除き,再び加熱して23分間硫酸の白煙を発生させた後,室温まで放冷する。
塩酸 (2+1) 約30mlを加えてよく振り混ぜ,再び時計皿で覆い,穏やかに加熱して塩類を溶解する。
常温まで冷却した後,時計皿の下面を塩酸 (2+1) で洗って時計皿を取り除き,溶液を100mlの全量
フラスコに塩酸 (2+1) を用いて移し入れ,塩酸 (2+1) で標線まで薄める。
4.2 モリブデンの分離 モリブデンの分離は,次の手順によって行う。
(1) 4.1 (2) で得た溶液を表1に従って分取する(1)。
(2) 分取した溶液を分液漏斗 (100ml) に移し入れる。分取量が5mlの場合は,鉄溶液 [2.(5) ] を正確に5ml,
分取量が2mlの場合は,鉄溶液 [2.(5) ] を正確に8ml加える。イソプロピルエーテル20mlを加え,10
15秒間激しく振り混ぜる。静置して二層に分離した後,下層の水相をビーカー (100ml) に移し入れ,
分液漏斗内を塩酸 (2+1) 5mlで2回洗浄し,その都度,水相を先のビーカー (100ml) に合わせる。有
機相は捨てる。
注(1) 分取した溶液中のモリブデン量が0.4mg未満の場合には,附属書3表1に従って分取した試料溶
液を直接ビーカー (100ml) に移し入れ,次の(2)の操作を省略し,4.3の手順に移る。
4.3 呈色及び抽出 呈色及び抽出は,次の手順によって行う。
(1) 4.2(2)で得た溶液に塩化すず (II) 溶液 [2.(6) ] 10mlを加えて振り混ぜる。
(2) 時計皿で覆い,熱板上で加熱し,煮沸による気泡が出始めたら,直ちに熱板から降ろし,常温まで冷
却する。溶液を分液漏斗 (200ml) に移し入れ,ビーカー内をしゅう酸溶液 [2.(8) ] 30mlで洗って洗液
を分液漏斗に合わせた後,TPAC溶液 [2.(9) ] を正確に1.6ml加え,1分間激しく振り混ぜる。チオシ
アン酸カリウム溶液3mlを加えて振り混ぜた後,クロロホルムを正確に20ml加え,1分間激しく振り
混ぜた後,静置する。
4.4 吸光度の測定 4.3(2)で得た下層の有機相を乾いたろ紙(5種A)を用いてろ過し,その一部を光度
計の吸収セル (10mm) に移し入れ,クロロホルムを対照液として波長404nm付近における吸光度を4.3(2)
の操作終了後10分間以内に測定する。
5. 空試験 4.1(1)ではかり採った試料と同量の鉄 [2.(4) ] をはかり採ってビーカー (100ml) に移し入れ,
以下,4.1(2)4.4の手順に従って試料と同じ操作を試料と併行して行う。
6. 検量線の作成 検量線の作成は,次の手順によって行う。

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G 1220-1994
(1) 7個のビーカー (100ml) を準備し,それぞれに鉄 [2.(4) ] を0.200gずつはかり採って移し入れ,標準
タングステン溶液 [2.(12) ] を正確に,0,0.2,0.4,0.8,1.2,1.6,2.0ml(タングステンとして02.0mg)
加える。時計皿で覆い,王水10mlを加え,加熱して分解する。さらに,混酸15mlを加え,加熱して
濃縮する。時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,再び加熱して23分間硫酸の白煙を発生さ
せた後,室温まで放冷する。塩酸 (2+1) 30mlを加えてよく振り混ぜ,再び時計皿で覆い,穏やかに
加熱して塩類を溶解し,常温まで冷却した後,時計皿の下面を塩酸 (2+1) で洗って時計皿を取り除
き,100mlの全量フラスコに塩酸 (2+1) を用いて移し入れ,塩酸 (2+1) で標線まで薄める。
(2) (1)で得た溶液から10mlを分取して(2)分液漏斗 (100ml) に移し入れる。イソプロピルエーテル20ml
を加え,1015秒間激しく振り混ぜる。静置して二層に分離した後,下層の水相をビーカー (100ml) に
移し入れ,分液漏斗内を塩酸 (2+1) 5mlで2回洗浄し,その都度,水相を先のビーカー (100ml) に合
わせる。有機相は捨てる。
(3) 塩化すず (II) 溶液 [2.(6) ] 10mlを加えて振り混ぜた後,4.3(2)及び4.4の手順に従って試料と併行して
操作し,得た吸光度と呈色溶液中の標準タングステン溶液として加えたタングステン量との関係線を
作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
注(2) 注(1)を適用した場合は,直接,ビーカー (100ml) に移し入れて,次の(3)の操作に移る。
7. 計算 4.4及び5.で得た吸光度と6.で作成した検量線とからタングステン量を求め,試料中のタングス
テン含有率 [W% (m/m) ] を次の式によって算出する。
m1 m0
W%(m/m ) 100 m2
m B / 100
ここに, m1 : 分取した試料溶液中のタングステン検出量 (g)
m0 : 分取した空試験液中のタングステン検出量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
B : 試料溶液及び空試験溶液の分取量 (ml)
m2 : 鉄 [2.(4) ] 中のタングステン含有率 [% (m/m) ]
8. 許容差 許容差(3)は,附属書3表2による。
附属書3表2 許容差(3)
単位% (m/m)
タングステン含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
0.01 以上 1.0未満 D [0.020 9× (W) −0.000 1]
D [0.006 4× (W) +0.000 9]
1.0 以上 7.0以下 D [0.008 2× (W) +0.024 7]
D [0.008 1× (W) −0.000 9]
注(3) 許容差計算式中のDは,D (n, 0.95) を意味し,その値は,JIS Z 8402の表4による。
nの値は,室内再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許
容差の場合は分析に関与した分析室数である。
また, (W) は,許容差を求めるタングステン含有率 [% (m/m) ] である。
参考 この許容差は,タングステン含有率0.05% (m/m) 以上7.0% (m/m) 以下の試料を用いて共同実
験した結果から求めたものである。

――――― [JIS G 1220 pdf 14] ―――――

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G 1220-1994
原案作成委員会 構成表
(1) 社団法人日本鉄鋼協会標準化委員会JE4分科会
氏名 所属
(主査) 佐 伯 正 夫 新日本製鐵株式会社
(委員) 大 磯 義 和 工業技術院標準部
大 野 義 信 新日本製鐵株式会社
土 屋 武 久 新日本製鐵株式会社
船 曳 佳 弘 日本鋼管株式会社
磯 部 健 日本鋼管株式会社
岡 野 輝 雄 川崎製鉄株式会社(編集WG兼務)
滝 沢 佳 郎 川鉄テクノリサーチ株式会社
蔵 保 浩 文 住友金属工業株式会社
山 下 良 一 住友金属工業株式会社
金 子 晃 司 株式会社神戸製鋼所
河 村 恒 夫 株式会社コベルコ科研
伊 藤 清 孝 大同特殊鋼株式会社
藤 田 昇 平 日新製鋼株式会社
余 語 英 俊 愛知製鋼株式会社
永 井 宣太郎 日本冶金工業株式会社
(編集WG) 稲 本 勇 新日本製鐵株式会社
吉 川 裕 泰 日本鋼管株式会社
(幹事) 小 野 昭 紘 新日本製鐵株式会社(編集WG兼務)
柿 田 和 俊 社団法人日本鉄鋼協会(編集WG兼務)
大 槻 孝 社団法人日本鉄鋼協会(編集WG兼務)
(2) 社団法人日本鉄鋼協会鉄鋼JIS三者委員会鉄鋼分析JIS三者小員会
氏名 所属
(委員長) 大河内 春 乃 科学技術庁金属材料技術研究所
(委員) 青 柳 挂 一 通商産業省基礎産業局
服 部 幹 雄 工業技術院標準部
加 山 英 男 財団法人日本規格協会
藤 貫 正 社団法人日本分析化学会
広 川 吉之助 東北大学金属材料研究所
永 山 宏 日立マテリアルエンジニア株式会社
束 原 巌 古河電気工業株式会社
橋 本 勝 株式会社日産アーク
岩 田 英 夫 日本鋼管株式会社
岡 野 輝 雄 川崎製鉄株式会社
蔵 保 浩 文 住友金属工業株式会社
河 村 恒 夫 株式会社コベルコ科研
成 田 正 尚 大同特殊鋼株式会社
藤 田 昇 平 日新製鋼株式会社
(幹事) 佐 伯 正 夫 新日本製鐵株式会社
(事務局) 柿 田 和 俊 社団法人日本鉄鋼協会
大 槻 孝 社団法人日本鉄鋼協会

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JIS G 1220:1994の関連規格と引用規格一覧