JIS G 1220:1994 鉄及び鋼―タングステン定量方法

JIS G 1220:1994 規格概要

この規格 G1220は、鉄及び鋼中のタングステン定量方法について規定。

JISG1220 規格全文情報

規格番号
JIS G1220 
規格名称
鉄及び鋼―タングステン定量方法
規格名称英語訳
Iron and steel -- Methods for determination of tungsten content
制定年月日
1954年3月29日
最新改正日
2019年10月21日
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‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

77.080.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属分析 I 2019, 金属分析 II 2019
改訂:履歴
1954-03-29 制定日, 1957-03-29 確認日, 1958-04-26 改正日, 1961-03-29 確認日, 1963-03-01 改正日, 1966-04-01 確認日, 1969-05-01 改正日, 1972-07-01 確認日, 1975-07-01 確認日, 1978-04-01 確認日, 1980-02-01 改正日, 1988-04-01 確認日, 1993-05-01 確認日, 1994-09-01 改正日, 2000-02-20 確認日, 2005-01-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS G 1220:1994 PDF [15]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
G 1220-1994

鉄及び鋼−タングステン定量方法

Iron and steel−Methods for determination of tungsten content

1. 適用範囲 この規格は,鉄及び鋼中のタングステン定量方法について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS G 1201 鉄及び鋼の分析方法通則
JIS G 1217 鉄及び鋼中のクロム定量方法
JIS G 1218 鉄及び鋼−モリブデン定量方法
JIS G 1221 鉄及び鋼中のバナジウム定量方法
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS Z 8402 分析・試験の許容差通則
2. 一般事項 定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1201による。
3. 定量方法の区分 タングステンの定量方法は,次のいずれかによる。
(1) シンコニン沈殿分離酸化タングステン (VI) 重量法 この方法は,タングステン含有率0.5% (m/m) 以
上20% (m/m) 以下の試料に適用するもので,附属書1による。
(2) タンニン酸ニオブ共沈分離チオシアン酸塩吸光光度法 この方法は,タングステン含有率0.05% (m/m)
以上7.0% (m/m) 以下の試料に適用するもので,附属書2による。ただし,チタン含有率0.25% (m/m)
以上,ニオブ含有率1.5% (m/m) 以上及び/又はタンタル含有率1.5% (m/m) 以上の試料には適用でき
ない。
(3) モリブデン分離テトラフェニルアルソニウムクロリド・チオシアン酸塩抽出吸光光度法 この方法は,
タングステン含有率0.01% (m/m) 以上7.0% (m/m) の試料に適用するもので,附属書3による。

――――― [JIS G 1220 pdf 1] ―――――

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G 1220-1994
附属書1 シンコニン沈殿分離酸化タングステン (VI) 重量法
1. 要旨 試料を適切な酸で分解し,タングステンをタングステン酸とし,シンコニンを加えてタングス
テンを完全に沈殿させる。沈殿をこし分け,強熱した後,硫酸とふっ化水素酸とで処理して二酸化けい素
を除去し,再び,強熱して不純酸化タングステン (VI) の質量をはかる。次に,不純酸化タングステンを
炭酸ナトリウムで融解し,温水に溶かしてこし分け,不溶解残さを強熱して質量をはかり,不純酸化タン
グステン (VI) の質量から差し引く。
2. 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 塩酸 (1+1)
(3) 硝酸
(4) 過塩素酸
(5) ふっ化水素酸
(6) ふっ化水素酸 (1+10)
(7) 硫酸 (1+1)
(8) りん酸
(9) アンモニア水
(10) 水酸化ナトリウム溶液 (500g/l)
(11) 炭酸ナトリウム(無水)
(12) 炭酸カリウム(無水)
(13) 鉄溶液 (10mgFe/ml) できるだけ純度が高く,モリブデンを含有しないか,又はモリブデン含有率が
できるだけ低く,既知である鉄1.00gを過塩素酸10mlで加熱して分解し,さらに,加熱を続けて過塩
素酸の白煙を発生させる。室温まで放冷した後,水約50mlを加えて塩類を溶解する。常温まで冷却
した後,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
(14) 硫酸マグネシウム・塩化アンモニウム溶液 硫酸マグネシウム七水和物20g及び塩化アンモニウム20g
をはかり採ってビーカー (300ml) に移し入れ,アンモニア水2ml及び水を加えて溶解し,水で液量を
250mlとした後,ときどきかき混ぜながら穏やかに加熱して溶解し,室温まで冷却する。この溶液は,
使用の都度調製する。
(15) 硫酸マグネシウム洗浄液 硫酸マグネシウム七水和物20g及び塩化アンモニウム20gをはかり採って
ビーカー (1l) に移し入れ,水約300mlとアンモニア水4mlを加え,穏やかに加熱して溶解する。さ
らに,炭酸カリウム(無水)10gを加え,かき混ぜながら穏やかに加熱して溶解し,室温まで冷却し
た後,水で液量を1 000mlとする。
(16) 酒石酸溶液 (500g/ml)
(17) シンコニン溶液 シンコニン (C19H22N2O) 12.5gを塩酸 (1+1) 100mlに溶解する。
(18) シンコニン洗浄液 シンコニン溶液 [(17) ] 30mlを水で1 000mlに薄める。
(19) ローダミンB溶液 ローダミンB (C28H31O3N2Cl) 2gを温水200mlに溶解する。
この溶液は,使用の都度調製する。

――――― [JIS G 1220 pdf 2] ―――――

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G 1220-1994
(20) ローダミンB洗浄液 ローダミンB溶液 [(19) ] 10mlを水で1 000mlに薄め,これに塩酸3mlを加え
る。この溶液は,使用の都度調整する。
(21) メチルオレンジ溶液 調製方法は,JIS K 8001の4.4(指示薬)表7(中和滴定用)による。
3. 試料はかり採り量 試料はかり採り量は,附属書1表1による。
附属書1表1 試料はかり採り量及び塩酸 (1+1) の添加量
タングステン含有率 試料はかり採り量 塩酸 (1+1) の添加量
% (m/m) g ml
0.5以上 1.0未満 5.0 80
1.0以上 10.0未満 2.0 60
10.0以上 20.0以下 1.0 50
4. 操作
参考 警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険があ
る。
4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかによる。
(1) 塩酸・硝酸で分解容易な試料 試料をはかり採ってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩
酸 (1+1) を試料はかり採り量に応じて表1によって加え,加熱して分解する。硝酸510mlを加え,
煮沸してタングステンをタングステン酸とする。時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,液量
が約15mlになるまで加熱して蒸発し,再び,時計皿で覆い,さらに,加熱して酸化窒素などを発生
させ,約10mlになるまで濃縮する(1)。室温まで放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取
り除き,塩酸 (1+1) 10ml及び温水を加えて液量を約100mlとする。
注(1) 工具鋼,高速度鋼など,タングステン含有率が5% (m/m) 以上の試料の場合は,ふっ化水素酸 (1
+10) 5mlを加え,引き続き加熱して液量が約5mlになるまで濃縮する。
(2) 塩酸・硝酸で分解困難な試料 試料をはかり採ってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩
酸及び硝酸をそれぞれ30mlずつ加えて加熱して分解する。過塩素酸を15ml,更に試料1gにつき7ml
ずつ加えた後,ふっ化水素酸13mlを加えて加熱を続け,過塩素酸の白煙を発生させてクロムを酸
化し,引き続き約5分間白煙を発生させる。室温まで放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿
を取り除き,温水を加えて液量を約200mlとする。
4.2 酸化タングステン (VI) の分離とひょう量 酸化タングステン(VI)の分離とひょう量は,次のいずれ
かによる。
(1) ニオブ及びタンタルを含まない試料
(a) 4.1の(1)又は(2)で得た溶液に,シンコニン溶液 [2.(17) ] 5mlを加えて加熱し,ときどき振り混ぜなが
ら,3060分間約90℃に保持する。室温まで冷却した後(2),沈殿を少量のろ紙パルプを加えたろ紙
(6種)を用いてこし分け,温シンコニン洗浄液 [2.(18) ] で洗液に鉄イオンが認められなくなるま
で洗浄する。ろ液と洗液は捨てる。沈殿は,ろ紙と共に,質量既知の白金るつぼ(30番)に移し入
れる。ビーカーの内壁に沈殿が付着している場合は,アンモニア水で湿したろ紙(6種)の小片で
ぬぐい取って,沈殿を入れた白金るつぼに合わせる。るつぼを穏やかに加熱して乾燥し,次第に温
度を高めて,ろ紙などを灰化した後,750800℃の範囲で強熱し,室温まで放冷する。硫酸 (1±1)
2,3滴及びふっ化水素酸35mlを加え,加熱して蒸発乾固する。

――――― [JIS G 1220 pdf 3] ―――――

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G 1220-1994
(b) 沈殿の入った白金るつぼを750800℃の範囲で強熱し,デシケーター中で常温まで放冷して質量を
はかる。
(c) (b)の操作を繰り返して恒量とし,その質量から(a)で用いた質量既知の白金るつぼの質量を差し引く。
注(2) タングステン含有率が1% (m/m) 未満の場合は,室温で更に一夜間放置する。
(2) ニオブ及びタンタルを含む試料
(a) (1)(a)の操作を行う。
(b) 沈殿の入った白金るつぼを750800℃の範囲で強熱し,室温まで放冷する。炭酸カリウム(無水)
4gを加え,加熱して融解する。室温まで放冷した後,温水約20mlを加え,穏やかに加熱して融成
物を溶解する。
(c) 溶液をビーカー (500ml) に水を用いて移し入れ,水を加えて液量を約200mlとし,硫酸マグネシウ
ム・塩化アンモニウム溶液 [2.(14) ] 25mlを加えてよく振り混ぜ,14時間放置する。沈殿は,ろ紙
(6種)を用いてろ過する。硫酸マグネシウム洗浄液 [2.(15) ] で5,6回洗浄し,ろ紙と残さは捨て
る。ろ液及び洗液をビーカー (500ml) に集め,メチルオレンジ溶液 [2.(21) ] を指示薬として1,2
滴加え,溶液の色が黄色から赤に変わるまで塩酸を滴加した後,溶液100mlにつき,塩酸1mlを加
える。この溶液を煮沸するまで加熱した後,かき混ぜながらローダミンB溶液 [2.(19) ] 20mlを加え,
12分間煮沸して沈殿を凝集させる。しばらく静置し沈殿を沈降させた後,沈殿を少量のろ紙パル
プを加えたろ紙(6種)を用いてこし分け,ローダミンB洗浄液 [2.(20) ] で5,6回洗浄する。沈殿
を,ろ紙と共に,質量既知の白金るつぼ(30番)に移し入れ,ビーカーの内壁に付着した沈殿は,
アンモニア水で湿したろ紙(6種)の小片でぬぐい取って沈殿を入れたるつぼ内の沈殿に合わせる。
ろ液と洗液は捨てる。るつぼを穏やかに加熱して乾燥し,次第に温度を高め,ろ紙を灰化する。
(d) るつぼを750800℃の範囲で強熱し,デシケーター中で常温まで放冷した後,質量をはかる。
(e) (d)の操作を繰り返して恒量とし,その質量から(c)で用いた質量既知の白金るつぼの質量を差し引く。
4.3 不純酸化タングステン (VI) の分解及び炭酸ナトリウム不溶性不純物の定量 4.2の(1)(c)又は(2)(e)
で得た質量の約10倍量(約13g)の炭酸ナトリウム(無水)を4.2の(1)(c)又は(2)(e)で恒量とした白金
るつぼに加え,加熱して融解する。室温まで放冷した後,白金るつぼ中に温水約10mlを加え,穏やかに
加熱して融成物を溶解する。溶液をろ紙(5種A)を用いてろ過し,白金るつぼ及びろ紙を温水でよく洗
浄し,ろ液及び洗液をビーカー (200ml) に集めて保存する。ろ紙上の残さは,ろ紙と共に,元の白金るつ
ぼに移し,穏やかに加熱して乾燥する。次第に温度を高めて,ろ紙を灰化し,以下,4.2(2)の(d)及び(e)の
手順に従って操作する。
4.4 不純酸化タングステン (VI) 中のクロム,モリブデン及びバナジウムの定量 不純酸化タングステン
(VI) 中のクロム,モリブデン及びバナジウムの定量は,次の手順によって行う。
(1) 定量用溶液の調製 4.3で保存しておいた溶液を加熱して蒸発し,液量が約70mlになるまで濃縮する。
常温まで冷却した後,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
(2) クロムの定量(3)
(a) (1)で得た溶液から20ml(4)を分取してビーカー (200ml) に移し入れる。りん酸で中和し,更に2ml
を過剰に加え,水で液量を約60mlとした後,硫酸 (1+1) 1mlを加える。
(b) (a)で得た溶液を用いて,JIS G 1217の7.(ジフェニルカルバジド吸光光度法)の操作の項の7.5.3
(呈色)の“ジフェニルカルバジド溶液 [7.3(10) ] 3mlを正確に加えて振り混ぜ,約1分間静置して
から,ふっ化水素酸 (1+11) 5mlを加え,水で標線まで薄める。”以降,7.5.4(吸光度の測定)及び
7.6(検量線の作成)の手順に従って処理し,7.5.4で得た吸光度と7.6で作成した検量線(5)とからク

――――― [JIS G 1220 pdf 4] ―――――

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G 1220-1994
ロムの量 (Cr) を求める。
(c) 次の式によって酸化クロム (III) の量 (Cr2O3) を求める。
Cr2O3=Cr×1.462
注(3) 試料中にクロムが含まれる場合に行う。
(4) (1)で得た溶液中に含まれるクロムの量によっては,20mlの分取液量を増減する必要がある。
(5) クロム定量用の検量線は,鉄を添加せずに作成する。
(3) モリブデンの定量(6) (1)で得た溶液から20ml(7)を分取してビーカー (100ml) に移し入れる。塩酸を
滴加してわずかに酸性とし,鉄溶液 [2.(13) ] 5ml及び過塩素酸2mlをそれぞれ正確に加え,時計皿で
覆い,加熱してわずかに過塩素酸の白煙が発生するまで濃縮した後,室温まで放冷し,酒石酸溶液5ml
を加える。溶液を水酸化ナトリウム溶液で中和して,わずかにアルカリ性として酸化タングステン
(VI) を溶解する。室温まで冷却した後,時計皿の下面を洗って時計皿を取り除く。過塩素酸を滴加し
て中和した後,更に8mlを過剰に加え,常温まで冷却した後,溶液を50mlの全量フラスコに水を用
いて移し入れる。以下,JIS G 1218の附属書2(チオシアン酸塩吸光光度法)の4.3(呈色)6.(検
量線の作成)の手順に従って操作し,4.4で得た吸光度と6.で作成した検量線とからモリブデンの量
(Mo) を求め,次の式によって酸化モリブデン (VI) の量 (MoO3) を求める。
MoO3=Mo×1.500
注(6) 試料中にモりブデンが含まれる場合に行う。
(7) (1)で得た溶液中に含まれるモリブデンの量によっては,20mlの分取液量を増減する必要がある。
(4) バナジウムの定量(8) (1)で得た溶液から20ml(9)を分取してビーカー (200ml) に移し入れる。りん酸
5ml及び過塩素酸20mlを加え,時計皿で覆い,加熱して過塩素酸の白煙を発生させ,ビーカーの内部
が透明になってから,更に23分間加熱を続ける。以下,JIS G 1221の5.(N-BPHA抽出吸光光度法)
における5.5.2(二クロム酸の還元)5.6(検量線の作成)の手順に従って操作し,5.5.5(吸光度の測
定)で測定した吸光度と5.6で作成した検量線とからバナジウムの量 (V) を求め,次の式によって酸
化バナジウム (V) の量 (V2O5) を求める。
V2O5=V×1.785
注(8) 試料中にバナジウムが含まれる場合に行う。
(9) (1)で得た溶液中に含まれるバナジウムの量によっては,20mlの分取液量を増減する必要がある。
5. 空試験 試薬だけを用いて,試料と同じ操作を試料と併行して行う。
6. 計算 試料中のタングステン含有率 [W% (m/m) ] を,次の式によって算出する。
100 100 100
m1 (m2 m3 m4 m5 m0 ) .0793 0
B1 B2 B3
W %(m/m ) 100
m
ここに, m1 : 4.2の(1)(c)又は(2)(e)で得た質量 (g)
m2 : 4.3で得た質量 (g)
m3 : 4.4.(2)(c)で得た酸化クロム (III) の量 (g)
B1 : 4.4(2)(a)で分取した溶液の量 (ml)
m4 : 4.4(3)で得た酸化モリブデン (VI) の量 (g)
B2 : 4.4(3)で分取した溶液の量 (ml)
m5 : 4.4(4)で得た酸化バナジウム (V) の量 (g)

――――― [JIS G 1220 pdf 5] ―――――

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JIS G 1220:1994の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 1220:1994の関連規格と引用規格一覧