JIS G 1257-0:2013 鉄及び鋼―原子吸光分析方法―第0部:一般事項 | ページ 3

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G 1257-0 : 2013
6.2.4.2 検量線の直線性の装置性能基準
検量線の直線性は,フレーム原子吸光分析,電気加熱原子吸光分析とも0.7以上とする。
6.2.5 1 %吸収濃度
6.2.5.1 1 %吸収濃度の求め方
溶液のマトリックスがゼロメンバーと同じで,定量元素について吸光度が約0.1になるような濃度とな
る溶液A2を調製し,A2及びゼロメンバー(A0)について,スケール拡大なしで吸光度を測定する。
1 %吸収濃度は,次の式で求める。
A2 0.0044
x,k
A2 A0
ここに, ρx, k : 1 %吸収濃度(μg/mL)
ρA2 : 溶液A2中の定量成分濃度(μg/mL)
A2 : 溶液A2の吸光度
A0 : ゼロメンバーA0の吸光度
6.2.5.2 1 %吸収濃度の装置性能基準
1 %吸収濃度の装置性能基準は,各部で規定されている場合はその規定による。各部で規定されていな
い場合は,表2による。
注記 表2に示す1 %吸収濃度の装置性能基準規定値は,フレーム原子吸光分析において,その部で
規定した試料調製方法によって定量範囲下限の含有率(質量分率)の試料を調製したときの定
量成分の濃度の1/2を基準とし,装置性能の実態及びISO規格での規定値を考慮して求めた値
である。1 %吸収(吸光度0.004 4)の値が定量下限値の1/2であれば,吸光度の0.001の変化に
よって,定量値が定量下限値のほぼ1/10の値の変化を生じることを意味する。
6.2.6 1 %吸収質量
6.2.6.1 1 %吸収質量の求め方
溶液のマトリックスがゼロメンバーと同じで,定量元素について吸光度が約0.1になるような濃度とな
る溶液A2を調製し,A2及びゼロメンバー(A0)について,スケール拡大なしで吸光度を測定する。
1 %吸収質量は,次の式で求める。
A2 0.0044 V
mc
A2 A0
ここに, mc : 1 %吸収質量(pg)
ρA2 : 溶液A2中の定量成分濃度(ng/mL)
A2 : 溶液A2の吸光度
A0 : ゼロメンバーA0の吸光度
V : 注入した溶液の量(μL)
6.2.6.2 1 %吸収質量の装置性能基準規定
1 %吸収質量の装置性能基準規定は,各部で規定されている場合はその規定による。各部で規定されて
いない場合は,表2による。
注記 表2に示す1 %吸収質量の装置性能基準規定値は,電気加熱原子吸光分析において,その部で
規定した試料調製方法及び吸光度測定方法によって定量範囲下限の含有率(質量分率)の試料
を調製・測定したときの定量成分の量の1/2を基準とし,装置性能の実態及びISO規格での規
定値を考慮して求めた値である。1 %吸収(吸光度0.004 4)の値が定量下限の1/2なら,定量
値が定量下限値のほぼ1/10の値の変化で吸光度が0.001変化することを意味する。

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表2−1 %吸収濃度,1 %吸収質量及び検出下限の装置性能基準規定値
規格番号 適用 定量方法 原子吸光 1 %吸収濃度 1 %吸収質量 検出下限
成分 測定元素 装置性能基準 装置性能基準 装置性能基準
及び波長 規定値 規定値 規定値
nm μg/mL pg
Mn 279.5 0.1 a) − 0.18μg/mL
G1257-1 Mn 酸分解フレーム法
Mn 403.1 5.0 − 6.0 μg/mL
G1257-2 P 抽出間接フレーム法 Mo 313.3 0.15 − 0.18μg/mL
Ni 232.0 0.15 − 0.18μg/mL
G1257-3 Ni 酸分解フレーム法
Ni 352.5 2.5 − 3.0 μg/mL
Cr 357.9 0.15 b) − 0.075 c) μg/mL
G1257-4 Cr 酸分解フレーム法
Cr 425.4 5 − 6.0 μg/mL
G1257-5 Mo 酸分解フレーム法 Mo 313.3 0.5 − 0.6 μg/mL
Cu 324.7 0.1 a) − 0.18μg/mL
G1257-6 Cu 酸分解フレーム法
Cu 327.4 2.5 − 3.0 μg/mL
G1257-7 V 酸分解フレーム法 V 318.4 0.25 − 0.3 μg/mL
G1257-8 Co 酸分解フレーム法 Co 240.7 0.5 − 0.6 μg/mL
G1257-9 Ti 酸分解フレーム法 Ti 364.3 1.5 b) − 0.6 μg/mL
G1257-10-1 Al 酸分解フレーム法 Al 309.3 1.5 b) − 0.3 μg/mL
酸可溶 酸可溶性アルミニウ −
G1257-10-2 Al 309.3 1.5 b) 0.3 μg/mL
性Al ム定量方法
G1257-10-3 Al 鉄分離フレーム法 Al 309.3 1.5 b) − 0.3 b)
μg/mL
G1257-10-4 Al 電気加熱法 Al 309.3 − 100 −
Sn 224.6
G1257-11-1 Sn 抽出フレーム法 1 − 1.2 μg/mL
Sn 286.3
G1257-11-2 Sn 電気加熱法 Sn 286.3 − 120 −
Pb 217.0
G1257-12-1 Pb 酸分解フレーム法 0.5 − 0.6 μg/mL
Pb 283.3
G1257-12-2 Pb 抽出フレーム法 Pb 283.3 0.5 b) − 0.3 μg/mL
G1257-12-3 Pb 電気加熱法 Pb 283.3 − 120 b) −
G1257-13 Mg 酸分解フレーム法 Mg 285.2 0.025 0.03μg/mL
G1257-14 Ca 酸分解フレーム法 Ca 422.7 0.05 − 0.03 c) μg/mL
G1257-15-1 Zn 酸分解フレーム法 Zn 213.9 0.25 − 0.3 μg/mL
G1257-15-2 Zn 抽出フレーム法 Zn 213.9 0.125 − 0.15μg/mL
G1257-16-1 Bi 抽出フレーム法 Bi 223.1 0.25 − 0.3 μg/mL
G1257-16-2 Bi 電気加熱法 Bi 223.1 − 120 b) −
G1257-17-1 Sb 抽出フレーム法 Sb 217.6 0.75 − 0.9 μg/mL
G1257-17-2 Sb 電気加熱法 Sb 217.6 − 25 a) 30 c) g
G1257-18-1 Te 抽出フレーム法 Te 214.3 0.4 b) − 0.2 μg/mL
G1257-18-2 Te 電気加熱法 Te 214.3 − 100 −
G1257-19-1 As 電気加熱法 As 193.7 − 100 −
G1257-20 Se 電気加熱法 Se 196.0 − 100 −
注a) 対応するISO規格での規定値を採用した値。
b) 装置の性能実態を反映した値。
c) 対応するISO規格での検出下限規定値に3/2を乗じた値(ISO規格では,標準偏差と検出下限との関係係数k
についてk=2とした値を採用しているが,この表においては,6.2.3.1の規定に従ったk=3とした値を記載
している。)。

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7 規格群共通規定

7.1 原液及び標準液

  規格群で使用する各元素原液及び/又は標準液は,基本的には高純度金属又は高純度酸化物を塩酸及び
/又は硝酸で分解して調製した液を用いる。
市販されている標準液は,濃度が各規格で規定されている各元素原液又は標準液と同レベルで,トレー
サビリティがとれ,かつ,他の成分1) の混入がないか,又は微量でその量が既知の場合には,規格群で規
定している標準液の代わりに用いてもよい。市販標準液は,規格群で規定している濃度について,その液
に記載されている濃度又はファクターで補正して用いる。
標準液調製は,原液又は他の標準液を薄めて調製するが,元の液の採取量は,少なくとも2 mL以上と
し,5 mL以上採取するのが望ましい。
注1) 他の成分とは,定量成分,塩酸,硝酸以外の成分を指す。

7.2 鉄

  検量線用溶液及び空試験液調製に用いる鉄は,定量成分の含有率(質量分率)が定量下限の1/10未満で
あることが保証されているか,又は定量下限以下で値が特定されているものを用いる。
特定された値としては,妥当性が確認されていれば,認証値でなくてもよい。
妥当性の確認方法としては,例えば,自所でJIS K 0133の附属書A(高周波プラズマ質量分析計の使用
判定項目)の使用判定項目が対象元素の定量の基準を満たすICP質量分析装置を用いて行う。対象元素の
定量下限に近い含有率(質量分率)の認証値が得られている認証標準物質を定量し,許容差内の妥当な定
量値が得られていれば,併行して定量した鉄の定量値は妥当である。また,鉄の試薬の製造業者が,同様
な手順で分析結果について妥当性を示していればその製造業者の表示値を採用してもよい。妥当性確認方
法としては,他に標準添加法,同位体希釈ICP質量分析法などがある。
定量下限の1/10未満であることも,同様に妥当性が示されることで保証されたものとする。

7.3 検量線用溶液の調製

  検量線用溶液は,定量成分の濃度が高い場合(酸分解フレーム法を規定している各部)は,試料と同じ
手順で調製するが,試料と併行には調製せずに,あらかじめ調製して保管しておき,原子吸光測定だけを
試料溶液と併行に行って検量線を作成してもよい。
検量線用溶液の調製は,鉄に分析対象成分だけを添加して調製する。ただし,共存元素の影響が,相互
に影響されないことが確認できていて,調製された標準液中の不純物が他の成分の分析に影響を及ぼさな
い場合には,複数成分を添加してもよい。
分析試料が高合金鋼の場合は,試料溶液に類似した組成となる検量線用溶液を調製して検量線を作成す
ることが望ましい。

7.4 吸光度の測定

7.4.1  フレーム原子吸光分析における吸光度の測定
6.1で調整した原子吸光分析装置を用いて,次の点に留意して各液を測定する。
・ 各溶液の噴霧時間は,吸光度が安定するのに十分な時間をとる。
・ 試料溶液,空試験液及び/又は検量線用溶液の噴霧測定の間には,常に溶液の主成分である水又は
有機溶媒を噴霧し,水又は有機溶媒の吸光度が安定していることを確認する。各溶液の前後に噴霧
する水又は有機溶媒の吸光度測定値の平均値と溶液の吸光度測定値との差を溶液の吸光度とするこ
とが望ましい。
・ 空試験液,検量線用溶液及び各試料溶液を濃度の高くなる順で測定し,更にその逆の順序で測定し,

――――― [JIS G 1257-0 pdf 13] ―――――

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各溶液の測定吸光度の平均値を最終測定値とすることが望ましい。
・ 測定を続けたため,溶液の残さがバーナーに付着し,アセチレンフレームが不均一となった場合は
バーナーを清掃する。同様に溶液の残さの付着のため水又は有機溶媒の吸光度が上がってきた場合
には,付着物を取り除いて水又は有機溶媒の吸光度を元に戻す。
・ 一連の試料溶液測定の間に検量線用溶液及び/又は空試験液を頻繁に測定して,その吸光度が変化
していないことを確認することが望ましい。確認に用いる検量線用溶液は,その前後で測定する試
料溶液と吸光度が類似したものが望ましい。検量線用溶液の吸光度が変化したときは,検量線の再
作成を行う。
7.4.2 電気加熱原子吸光分析の吸光度の測定
6.1で調整した原子吸光分析装置を用いて,次の点に留意して各液を測定する。
・ 実験室雰囲気からの汚染がないよう厳重な注意を払う。
・ 一連の試料溶液測定の間に検量線用溶液及び/又は空試験液を頻繁に測定して,その吸光度が変化
していないことを確認することが望ましい。確認に用いる検量線用溶液は,その前後で測定する試
料溶液と吸光度が類似したものが望ましい。検量線用溶液の吸光度が変化したときは,補正ファク
ターを用いての補正を行うか,又は検量線の再作成を行う。
・ 空試験液,検量線用溶液及び各試料溶液を濃度の高くなる順で測定し,更にその逆の順序で測定し,
各溶液の測定吸光度の平均値を最終測定値とすることが望ましい。

8 安全

  JIS K 0121の10.(安全)の項目を遵守する。高輝度フレームからの眼の保護,アセチレン・一酸化二窒
素フレームの点火及び消火手順は,特に気を付ける。

JIS G 1257-0:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 1257-0:2013の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISG1201:2014
鉄及び鋼―分析方法通則
JISK0121:2006
原子吸光分析通則
JISK0133:2007
高周波プラズマ質量分析通則
JISZ8103:2019
計測用語