JIS H 6310:2005 ジュエリー用金合金中の金定量方法 | ページ 2

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単位 mm
図 2 白金トレーの例
f) 磁器分金るつぼ うわ薬が使われていないもの。
g) ローラー
h) るつぼばさみ はさみの先端を白金で被覆したもの。
i) 試金用ブラシ 堅い荒毛又はナイロン製のもの。黄銅製は用いない。
j) 天びん 質量を0.001 mgのけたまではかることのできるもの。

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7.3 試料はかりとり量

 試料はかりとり量は,金含有率に応じて,表2によるものとし,0.01 mgのけた
まではかる。
表 2 試料はかりとり量
金含有率 試料はかりとり量
質量‰ g
333以上990未満 0.1250.250
990以上333以上 0.250以上

7.4 操作

7.4.1  準備操作 準備操作は, 次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとり,鉛はく[7.2.1 b) (1)(2)(3)に移し入れる。これに銀量がはかりとった試料中の金量の
2.33倍となるように銀[7.2.1 c) を加え(4),こぼれないようにしっかり包む。
b) 試料中の金量及び銀量に相当する金[7.2.1 d) 及び銀 [7.2.1 c) をはかりとり(5) (6),a)で用いた鉛量と
同量の鉛はく[7.2.1 b) に移し入れ(7),こぼれないようにしっかり包み,照校試料とする(8)。
注(1) 試料のはかりとり量0.201 g未満の場合は,鉛4 g以上,試料のはかりとり量0.201 g以上の場
合は,鉛6 g以上を用いる。ただし,金含有率が990 ‰(m/m)以上の試料の場合は,鉛2 g以上
を用いる。
(2) 試料中にニッケルが含まれる場合には,更に鉛[7.2.1 b) 4 gを追加する。この場合は溶融物が
あふれない大きさの灰皿を用いる。 小さい灰皿を用いるときは,7.4.2 b)の操作で鉛酸化物の蒸
気の発生が終わったとき,貴金属粒が熱いうちに4 gの鉛粒を追加し,更に灰吹を続ける。
(3) 鉛はく[7.2.1 b) の一部に鉛粒[7.2.1 b) 又は鉛錠[7.2.1 b) を用いることができる。
(4) 金含有率が990 ‰(m/m)以上の試料の場合は,銀とともに銅[7.2.1 g) 20±5 mgを加える。また,
並行して分析する試料に加える銀量は同一量とする。
(5) はかりとった試料中に含まれる銀量及びa)で加えた銀量の合計量。金含有率が990 ‰(m/m)以
上の試料の場合は,a)で加えた銀量±10 mg。
(6) 試料中にニッケル又はパラジウムが含まれる場合は,試料中に含まれる量と同量のニッケル
[7.2.1 f) 又はパラジウム[7.2.1 e) を加える。
また,その他の貴金属元素を含むときは,その合計量と同じ量の銅[7.2.1 g) を加える。
(7) 金含有量が990‰(m/m)以上の試料の場合には,銅[7.2.1 g)]20±5 mgを加える。
(8) 照校試料は同一組成の試料について2個以上を調製し,灰吹及び分金の操作は対応する試料と
同一条件で行う。
7.4.2 灰吹 灰吹は,次の手順によって行う。
a) 7.4.1のa)及びb)で得た試料及び照校試料を,灰吹炉内で1 000 ℃ (9)以上に十分予熱してある灰皿
[7.2.2 b)]の上に置く(10)。
b) 灰吹炉の戸を閉じ, 1 0501 150 ℃ (9)で完全に融解した後,戸を少し開き,空気を流入させて灰吹
を行う。灰吹の終点は,貴金属粒の輝いた表面のしま目が消失したときとする。灰吹が約25分間(11)
で終了するように空気の流入量を調節する。
c) 灰吹が終了した後,灰吹炉の戸を閉じ,温度を徐々に低下させて約500 ℃ とする。約1時間後に灰
皿を取り出し,得られた貴金属粒をピンセットで取り出し,ハンマーなどで軽くつち打ちした後,試

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金用ブラシ[7.2.2 i) を用いて貴金属粒の底部に付着している灰皿の材料を完全に取り除く(12)。
注(9) 骨灰製灰皿[7.2.2 b)]を用いるときは,900 ℃ とする。
(10) 試料及び照校試料は,灰吹条件が同一となるように,なるべく近接している灰皿の上に置く。
例えば,試料を入れた灰皿の両隣に又は試料を囲むように,照校試料を入れた灰皿を置くこと
が望ましい。また,一つの灰皿に4個のくぼみのある灰皿を用いて対角線上のくぼみにそれぞ
れ試料と照校試料とを置いて灰吹してもよい。金の補正量の計算には,対応する試料と灰吹条
件が同じ照校試料で得られる分金後の金の質量と7.4.1 b)ではかりとった金の質量との差を用
いる。
(11) 金含有率が990 ‰(m/m)以上の試料の場合は,約15分間とする。
(12) 灰吹操作は, 試料中の金の損失がないように注意する。灰皿上に小粒が認められたときは, 小
さな灰皿を用いて再分析する。
7.4.3 分金 分金は, 次の手順によって行う(13)。
a) 7.4.2のc)で得た貴金属粒をつち打ちしてへん(扁)平とし, 数分間赤熱(14)して焼きなました後, ロー
ラーで圧延して厚さ0.120.15 mmの薄片とする。再び数分間赤熱(14)して焼きなました後, 渦巻き
状に巻く(15)。
b) 次のいずれかの手順に従って操作する(16)。
1) 分金フラスコを用いる場合
1.1) 渦巻き状に巻いた貴金属薄片を分金フラスコに移し入れ,約90 ℃ に加熱した硝酸 [33 %
(m/m)(密度1.2 g/cm3) ] 20 m1を加え,加熱して約15分間又は窒素酸化物が発生しなくなるまでの
時間のいずれか長い時間煮沸した後,6070 ℃ の水を用いて傾斜洗浄法で渦巻き状の金を洗浄
する(17)。
1.2) 硝酸 [49 % (m/m)(密度1.3 g/cm3) 20 m1を加え,加熱して約15分間穏やかに煮沸する。6070 ℃
の水を用いて傾斜洗浄法で渦巻き状の金を洗浄した後,再び硝酸 [49 % (m/m)(密度1.3 g/cm3) 20
m1を加え,加熱して約10分間穏やかに煮沸する。 6070 ℃ の水を用いて傾斜洗浄法で洗液に
硝酸銀が認められなくなるまで渦巻き状の金を洗浄した後,渦巻き状の金を磁器分金るつぼ[7.2.2
f)]に移し入れる。
1.3) 渦巻き状の金を磁器分金るつぼとともに乾燥し,700750 ℃ のマッフル炉中で約5分間加熱し
た後,マッフル炉から取り出して少し放冷し,デシケーター中で室温まで放冷する。
2) 白金カップを用いる場合
2.1) 渦巻き状に巻いた貴金属薄片を白金カップ[7.2.2 d)]又は石英カップに移し入れ,これを白金ト
レー[7.2.2 e)]の所定の位置に並べる。
2.2) 貴金属薄片を白金トレーとともに約90 ℃ に加熱した硝酸 [33 % (m/m)(密度1.2 g/cm3) ]中に浸し,
加熱して約15分間又は窒素酸化物が発生しなくなるまでの時間のいずれか長い時間煮沸した後取
り出し,直ちに6070 ℃ の水中に入れ,白金トレーを数回上下させて渦巻き状の金を洗浄する
(17)。
2.3) 白金カップ又は石英カップに入っている渦巻き状の金を,再び白金トレーとともに硝酸 [49 %
(m/m)(密度1.3 g/cm3) ]中に浸し,加熱して約15分間穏やかに煮沸した後取り出し,直ちに60
70 ℃ の水中に入れ,白金トレーを数回上下させて洗液に硝酸銀が認められなくなるまで渦巻き
状の金を洗浄する。
2.4) 洗浄した渦巻き状の金を白金カップ又は石英カップに入れたまま白金トレーとともに乾燥し,

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700750 ℃ のマッフル炉中で約5分間加熱した後,マッフル炉から取り出して少し放冷し,デ
シケーター中で室温まで放冷する。
注(13) 金含有率が990 ‰(m/m)以上の試料の場合は,並行して分析する試料及び照校試料の貴金属薄
片の大きさ及び厚さ並びに分金時の酸濃度,加熱温度,分金時間,焼なまし温度及び焼なまし
時間などを同一にしなければならない。
(14) 赤熱は,貴金属粒を磁器るつぼ又は酸化アルミニウムるつぼに入れてマッフル炉内で行うか,
貴金属粒をピンセットなどでつかんで直接バーナーで加熱する。ただし,金含有率が990 ‰
(m/m)以上の試料の場合には,試料と照校試料の貴金属粒の赤熱は,マッフル炉内で同じ条件で
行わなければならない。
(15) 渦巻き状にしたとき,貴金属の薄片がお互いに接触しないようにする。
(16) 分金操作は分金フラスコを用いる方法よりも白金カップを用いる方法の方が優れている。
(17) 試料中にパラジウムが含まれるときは,次による。
1.1)又は2.2)で得た渦巻き状の金を乾燥した後,試料中の金量及び照校試料中の金量の2.5倍
量の銀[7.2.1 c) 及び約50 mgの銅[7.2.1 g) を加え,約4 gの鉛はく[7.2.1 b) でこぼれないよう
にしっかり包み,灰吹炉内で約900 ℃ 以上に加熱してある灰皿[7.2.2 b) の上に置き,以下再
び7.4.2 b)7.4.3の手順に従って操作する。
7.4.4 ひょう量 7.4.3 b)の1.3)又は2.4)で得た渦巻き状の金の質量を,0.01 mgのけたまではかる。

7.5 計算

7.5.1  金補正量の計算 試料に対応する個々の照校試料(18)について金の質量差を式(1)によって算出し,
その平均値を金補正量とする(19)。
△T1 = M1−M2 (1)
ここに, △T1 : 個々の照校試料の金の質量差(mg)
M1 : 7.4.1 b)で調製した個々の照校試料の金はかりとり量(mg)
M2 : 7.4.4で得た,7.4.1 b)で調製した個々の照校試料から得ら
れた渦巻き状の金の質量(mg)
注(18) 試料と灰吹条件などが同一の照校試料をいう[注(10)参照]。
注(19) 金含有率が990 ‰(m/m)以上の試料の場合には, 並行して操作した照校試料の△T1の値の差が,
0.04 mgを超えたときは,改めて初めから試料及び2個の照校試料を用いて再分析をしなくては
ならない。
7.5.2 金含有率の計算 試料中の金含有率を,式(2)によって算出する。
M3 ΔT
Au 1 000 (2)
M4
ここに, Au : 試料中の金含有率[‰(m/m) ]
M3 : 7.4.4で得た,試料から得られた渦巻き状の金の質量(mg)
M4 : 試料はかりとり量(mg)
△T : 7.5.1で求めた金補正量(mg)

8. ICP発光分光法(差数法)

8.1 要旨

 試料を王水で溶解し,その溶液から不純物をICP発光分光法で定量し,試料中の不純物の合
計含有率を1 000 ‰から差し引く。

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8.2 試薬

 試薬は,次による。
a) 王水(硝酸1,塩酸3) この溶液は,使用の直前に調製する。
b) 金 999.9 ‰(m/m)以上の線又は板で,8.6で質量比を求める元素の含有率が既知のもの。
c) 標準銀溶液(10 mgAg/mL) 銀[99.9 %(m/m)以上] 500 mgをはかりとってビーカー(50 mL)に移し入れ,
硝酸(1+1)20 mLを加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の
下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を50 m1の褐色の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水
で標線まで薄める。
d) 標準白金溶液(10 mgPt/mL) 白金[99.9 %(m/m)以上] 500 mgをはかりとってビーカー(50 mL)に移し入
れ, 王水[a) 20 mLを加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計
皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を50 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で
標線まで薄める。
e) 標準ビスマス溶液(10 mgBi/mL) ビスマス[99.9 %(m/m)以上] 500 mgをはかりとってビーカー(50
mL)に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mLを加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却
した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を50 mLの全量フラスコに水を用いて移
し入れ,水で標線まで薄める。
f) 標準カドミウム溶液(10 mgCd/mL) カドミウム[99.9 %(m/m)以上] 500 mgをはかりとってビーカー
(50 mL)に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mLを加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで
冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を50 mLの全量フラスコに水を用い
て移し入れ,水で標線まで薄める。
g) 標準コバルト溶液(10 mgCo/mL) コバルト[99.9 %(m/m)以上] 500 mgをはかりとってビーカー(50
mL)に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mLを加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却
した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を50 mLの全量フラスコに水を用いて移
し入れ,水で標線まで薄める。
h) 標準銅溶液(10 mgCu/mL) 銅[99.9 %(m/m)以上] 500 mgをはかりとってビーカー(50 mL)に移し入れ,
硝酸(1+1) 20 mLを加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の
下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を50 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線
まで薄める。
i) 標準鉄溶液(10 mgFe/mL) 鉄[99.9 %(m/m)以上] 500 mgをはかりとってビーカー(50 mL)に移し入れ,
硝酸(1+1) 20 mLを加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の
下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を50 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線
まで薄める。
j) 標準イリジウム溶液(10 mgIr/mL) 塩化イリジウム(III)三水和物920 mgをはかりとってビーカー(50
mL)に移し入れ,塩酸(1+1) 20 mLを加えて溶解した後,溶液を50 mLの全量フラスコに水を用いて移
し入れ,水で標線まで薄める。
k) 標準マンガン溶液(10 mgMn/mL) マンガン[99.9 %(m/m)以上] 500 mgをはかりとってビーカー(50
mL)に移し入れ,塩酸(1+1) 20 mLを加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却
した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を50 mLの全量フラスコに水を用いて移
し入れ,水で標線まで薄める。
l) 標準ニッケル溶液(10 mgNi/mL) ニッケル[99.9 %(m/m)以上] 500 mgをはかりとってビーカー(50
mL)に移し入れ,硝酸(1+1) 20 mLを加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却

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JIS H 6310:2005の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11426:1997(MOD)
  • ISO/DIS 15093:2001(MOD)

JIS H 6310:2005の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 6310:2005の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0116:2014
発光分光分析通則
JISK8701:1994
鉛(試薬)
JISZ8401:2019
数値の丸め方