JIS H 7903:2008 ポーラス金属の熱伝導率試験方法 | ページ 4

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H 7903 : 2008
附属書A
(規定)
ポーラス金属の構造の判別,気孔径,気孔率及び気孔傾き角の測定方法

序文

  この附属書は,ポーラス金属の構造の判別,気孔径,気孔率及び気孔傾き角の測定方法について,規定
する。
A.1 内部構造及び気孔径の測定方法
A.1.1 原理
ポーラス金属の断面写真から,内部構造及び気孔径を求める。
A.1.2 測定装置
測定装置は,次による。
A.1.2.1 撮影装置 カメラ及び実体顕微鏡からなる装置で,気孔分布が撮影できるものとする。その構成
の例を,図A.1に示す。
A.1.2.2 画像解析装置 画像を二値化処理することによって,コントラストの異なる二つの相を色分けし
て面積を計算することができる画像解析ソフトウェアを備えた画像解析装置を用いる。
A.1.3 試験片
測定に用いる試験片は,断面を研磨紙を用いて研磨し,あらかじめ表面に付着した研磨くず及びほこり
を十分に除去しておく。
A.1.4 ポーラス金属の構造及び気孔径の求め方
ポーラス金属の構造及び気孔径の求め方は,次による。
a) ポーラス金属の構造は,ポーラス金属の断面写真から,その構造がクローズドセル型構造,ロータス
型構造又はオープンセル型構造のいずれであるかを判別する。
b) 平均気孔径は,ポーラス金属の断面写真から,式 (A.1) によって算出する。
n
k
Ak
1
d 2 (A.1)
πn
ここに, d : 平均気孔径 (m)
Ak : 各気孔の断面積 (m2)
n : 気孔数
A.1.5 測定方法
測定は,次の手順によって行う。
a) 試験片を撮影装置 (A.1.2.1) に装着し,写す方向が試験片の測定断面に対して垂直になるように撮影
装置を調節した後,断面写真を撮影する。
b) 撮影した試験片断面写真の画像データを画像解析装置 (A.1.2.2) に保存し,画像解析ソフトを使って
二値化処理した後,気孔数及び各気孔の断面積を求め,式 (A.1) によって平均気孔径を算出する。
なお,気孔長軸方向が断面に対して垂直な方向から撮影した,ロータス型構造のポーラス金属試験
片の断面写真を図A.2 a) に,それを二値化処理した後の写真を図A.2 b) に示す。

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図A.1−撮影装置の構成の例
a) 撮影した断面写真 b) 二値化処理した後の写真
図A.2−画像解析よる二値化処理測定の例
A.2 気孔率の測定方法
A.2.1 原理
ポーラス金属の質量とかさ体積とから,気孔率を求める。
A.2.2 測定装置
測定装置は,次による。
A.2.2.1 ノギス JIS B 7507に規定する最小読取値,又は最小表示量が0.01 mmのノギスを用いる。
A.2.2.2 化学はかり 測定精度0.01 g以下の化学はかりを用いる。
A.2.3 気孔率の求め方
気孔率は,式 (A.2) 及び式 (A.3) によって算出する。
ρ0 ρ
φ 100 (A.2)
ρ0
W
(A.3)
V
ここに, φ : 気孔率 (%)
真密度 (kg/m3)(値は,文献値を使用する。)

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かさ密度 (kg/m3)
W : 質量 (kg)
V : かさ体積 (m3)
A.2.4 試験片
測定に用いる試験片のかさ体積は,103 mm3以上とする。ただし,かさ体積が103 mm3未満の場合は,JIS
R 1634を参考にして,アルキメデス法を用いてかさ密度を測定する。
なお,試験片は,直方体に加工し,あらかじめ表面に付着したほこりを十分に除去しておく。
A.2.5 測定
測定は,次の手順によって行う。
a) 試験片の寸法をノギス (A.2.2.1) で測定し,かさ体積Vを計算する。
b) 試験片の質量を化学はかり (A.2.2.2) ではかる。
c) 試験片のかさ体積と質量とから式 (A.3) によってかさ密度を算出した後,式 (A.2) によって気孔率を
算出する。
A.3 気孔傾き角の測定方法
A.3.1 原理
ポーラス金属の断面写真から,気孔傾き角を求める。
A.3.2 測定装置
測定装置は,次による。
A.3.2.1 撮影装置 A.1.2.1による。
A.3.2.2 角度計 撮影した写真から気孔傾き角を測定することができる角度計を用いる。
A.3.3 気孔傾き角の求め方
気孔傾き角は,式 (A.4) によって算出する。気孔傾き角の模式図及び測定の例を,図A.3に示す。
1 2
tan tan1 tan 2 (A.4)
ここに, 燿 気孔傾き角(°)
び 基準方向対する気孔傾き角(°)(図A.4参照)
A.3.4 試験片
測定に用いる試験片は,断面を研磨紙を用いて研磨し,あらかじめ表面に付着した研磨くず及びほこり
を十分に除去しておく。
A.3.5 測定
測定方法は,次の手順によって行う。
a) 試験片を撮影装置 (A.3.2.1) に装着し,写す方向が試験片の測定断面に対して垂直になるように,か
つ,測定断面が,図A.4のように基準方向対して平行になるように,撮影装置を調節した後,断面写
真を撮影する。
b) 撮影した試験片断面写真の画像データから角度計 (A.3.2.2) を用いて基準方向に対する気孔傾き角を
求め,式 (A.4) によって気孔傾き角を算出する。
例 気孔の長軸方向がa面,b面,c面及びd面に現れるように切り出して撮影した断面写真が,図
A.5である場合,c面,d面はそれぞれa面,b面の投影面になるので,a面とb面とから気孔

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傾き角の 定すると, 11°, 5°であるから,基準方向に対する気孔傾き
を式 (A.5) によって算出できる。
1 2 2
tan tan 11 tan 5 12 (A.5)
a) 気孔傾き角の模式図 b) 気孔傾き角の測定の例
図A.3−気孔傾き角の模式図及び測定の例
図A.4−気孔傾き角の求め方

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図A.5−気孔傾き角の測定の例
参考文献 (1) 日本機械学会編,伝熱工学資料改訂第4版,(1991)
(2) . Behrens, Thermal Conductivities of Composite Materials, J. Composite Materials, vol.2, No.1,
pp. 2-17, (1968)
(3) .Ogushi, H.Chiba, T.Ikeda and H.Nakajima, Measurement and Analysis of Effective Thermal
Conductivity of Lotus Type Porous Copper, Journal of Applied Physics Vol.95, No.10, pp5 843-5
847, (2004)
(4) .N.Dul'nev et al, Thermal Conductivity of Fibrous Systems, RTS 4881, National Landing Library
for Science and Technology, Boston SPA, Yorkshire, (1968)
(5) IS R 1634 ファインセラミックスの焼結体密度・開気孔率の測定方法

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