JIS K 0060:1992 産業廃棄物のサンプリング方法 | ページ 2

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(3) 荷役中の荷役用具からインクリメントを採取してもよい。ただし,この場合,どの荷役用具から採取
するかは系統サンプリング方法によって決め,その中のランダムな位置からインクリメントをとる。
4.1.3 パイプサンプリング ロットがパイプ,溝などを流れている場合に,その落ち口又は流れから系統
サンプリング方法によって,インクリメントを採取する。
備考 パイプ中の廃棄物の流れが乱流になっており,均一と認められる場合には,パイプ中から継続
的に流量にほぼ比例して,採取してもよい。
例 幅約1m,深さ50cmの溝を流れている場合 1時間に20インクリメントをとるときに表面
に油分が浮いていなければ,断面を上下2層,左右3層,計6層に分けて,各層の中から順
次インクリメントをとる。
例えば,さいころを振って,6,1,5,3,4,2という順が決まったら,6の中のランダムな
位置から,約200mlの採取瓶で1インクリメントをとる。以後60分/20=3分間隔に1,5,3,
4,2,6,1······と順次インクリメントをとって行き,計200ml×20=4lの大口試料をとる。
図3 パイプサンプリングの一例
4.1.4 コンベヤサンプリング ロットがコンベヤによって移動しているとき,コンベヤ又はその落ち口か
ら系統サンプリング方法によってインクリメントを採取する。
(1) コンベヤ上の特定の場所(採取箇所指定)又はその落ち口でインクリメントを採取する。
(2) コンベヤの全流幅をインクリメントとして採取する場合は,次による。
(a) 運転中のコンベヤから採取する場合には,その落ち口で落下する廃棄物の全流幅から,試料採取器
を(図4参照)用いてインクリメントを採取する。
図4 試料採取器の一例(カッタバケット形サンプラー)
(b) コンベヤを停止して採取する場合には停止前に採取起点を決め,規定のインクリメントの大きさ以
上の量を,コンベヤの長さの方向に沿って,ロットの最大粒度の3倍以上の幅をもって,コンベヤ
の全流幅にわたって全量を採取する。
(3) コンベヤの全流幅のうちの一部分をインクリメントとして採取する場合は,JIS M 8100の附属書6(サ
ンプリングのかたよりをチェックする実験方法)によってチェック実験を行い,偏りの入らないこと

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が確認された場合は,ロットの最大粒度に応じた試料採取器を用い,コンベヤ上又はその落ち口から
全流幅(2)の中のランダムな位置からインクリメントを採取する。
注(2) 全流幅とは,コンベヤの移動方向又は落ち口における落下方向に沿ったある長さがあり,かつ,
それらの方向にほぼ直角な全断面のことをいう。
4.1.5 コンクリート固形化物サンプリング
(1) 試験片を作成する場合 固形化のときに,系統サンプリング方法によってテストピースを作成し,こ
の試験片をインクリメントとする。
(2) コンクリート固形化物で粉砕容易な場合 コンクリート固形化物を一次サンプリング単位として抜き
取り,これを,それぞれ粉砕・混合し,二段サンプリング方法によって,4.2.1に準じてインクリメン
トを採取する。
(3) 大形コンクリート固形化物で粉砕困難な場合 コンクリート固形化物を一次サンプリング単位とし
て抜き取り,そのそれぞれからランダムに5か所の部分を選び,破砕して約100gずつ集め,これを1
インクリメントとする。
4.1.6 船倉サンプリング ロットがグラブ,バケット,もっこなどの荷役用具による荷役中に,ハッチ内
の荷役直後の位置からインクリメントを採取する。
(1) 廃棄物をグラブ,バケット,もっこなどの荷役用具を用いて荷役するとき,荷役用具を系統サンプリ
ング方法によって選び,ハッチ内の荷役直後の位置からランダムに1インクリメントを採取する。
備考 荷役した直後の位置からインクリメントを採取することが困難な場合には,その荷役用具の中
からランダムにインクリメントを採取してもよい。ただし,その場合には,試料の粒度構成に
よって偏りが入る危険性があるので,注意が必要である。
4.2 インクリメントの採取方法
4.2.1 固体の場合 インクリメントは,最大粒度に応じた採取用具を用い,機械式又は手動式によって,
指定された箇所から1作業動作でほぼ同一質量を採取する。
備考1. インクリメントの大きさは,サンプリングのとき,ほぼ一定となるようにしなければならな
い。ほぼ一定とは,インクリメントの大きさのばらつきが,変動係数として20%以下である
ことをいう。
CV 100
ここに, CV : 変動係数
S : インクリメントの大きさの標準偏差
x : インクリメントの平均の大きさ
2. ほぼ一定にとれない場合で小口試料又は大口試料にまとめたいときは,個々のインクリメン
トごとに,必要に応じて粉砕,混合し,これからほぼ同一質量ずつ採取して混合してもよい。
3. 1作業動作で採取することが困難な場合には,指定した1か所から数動作によって規定量を
採取してもよい。
4. 粉の場合に,採取管(米のサンプル採取用のさしのようなもの)を用いると,表面の部分だ
けが多く採取されるから,原則として使用しない方がよい。
4.2.2 液体の場合(流動的な汚泥や溶さいの場合を含む。) 次のいずれかの方法による。
(1) 原則として移動中(排出,パイプ輸送,積荷中など)に液体の落下口からインクリメントを採取する。
溝などからとる場合には,油分の分離などが起こっている可能性があるから,注意しなければならな

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い。
(2) 容器に入っているとき(例 : タンク,ドラム缶など)
(a) かき混ぜ,振とうできる場合には,十分に混合して,その均一性を確認してから,細い管を底まで
ゆっくり差し込んで,管の上端を押さえてインクリメントを採取する。
(b) 2層以上に分離していて,かき混ぜることができない場合には,各層の量に応じて層別比例サンプ
リングを行う。沈殿が固まっており,それを廃棄しない場合は,採取しなくてよい。
(c) 大きなタンクに入っている場合には,おもり付きガラス製採取器(図5参照)を用いて,上・中・
下・底層などに層別して,層別比例サンプリングによって,インクリメントを採取する。
備考1. 2層以上を別々のロットと考えて採取を行わなければならない場合もある。
2. ポンプなどによって,タンクへ送入中又は排出中にはパイプから採取するとよい。
図5 おもり付きガラス製採取器
3. おもり付き採取器の栓をしたまま,上・中・下・底層などに,できるだけゆっくり沈め,次
にたぐり綱を急にしゃくり上げて栓を抜き,液面に気泡が上がってこなくなるまで,その位
置に保って採取器を満量にした後,できるだけゆっくり引き上げて試料を採取する。
(3) 溶さいのとき 溶さい落下口からインクリメントを採取する。流れの途中でとる場合には,流れの上
下左右の偏りに注意しなければならない。
備考1. 炉内からとる場合には,特に偏りに注意しなければならない。
2. 採取用スプーンは溶さいなどになるべく侵食されないような有害物を含まない材質のものを
用いなければならない。
3. 鉱さいを水で処理する場合(水さい,散水冷却など)で水によって変質する場合には,溶さ
いから採取せずに,水で処理したものから4.2.1に準じて採取する。

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4.2.3 揮発性化学物質を含む場合 トリクロロエチレンなどを測定しようとする廃棄物の採取は,次によ
る。
(1) 廃棄物の組成・性状及びロットの大きさを目視して,できるだけ平均性状が得られるようなインクリ
メントを採取する。この場合,インクリメントの大きさはなるべく縮分を行わないですむように定め,
また,採取しようとする廃棄物の部位はかくはんしないようにする必要がある。
(2) 採取した試料は運搬中も遮光して,010℃に保つとともに,試料の調製までは同様な条件で保管する。
(3) 試料の採取容器は,密閉できるガラス容器とする。
4.2.4 コンクリート固形化物の場合 混練りが十分行われており,性状が均一とみなせるコンクリート固
形化物群を1ロットとして,次によって採取を行う。
(1) 試験片を作製する場合
(a) 原則として,固形化するときに,あらかじめコップで,コンクリート混練物をランダムに採取し,
型(4.3.4参照)に流し込み,試験片を成形し,これをコンクリート固形化物と同一条件で養生を行
う。これを1インクリメントとする。
試験片が作られていない場合には,(2),(3)による。
(b) 試験片の作製個数(インクリメントの採取個数)は,4.4.2による。
(2) コンクリート固形化物で粉砕容易な場合
(a) 粉砕容易なコンクリート固形化物の場合には,これを一次サンプリング単位と考えて,粉砕して,
4.2.1に準じて採取を行う。
(b) コンクリート固形化物の採取個数及びそれぞれを粉砕・混合したものから採取するインクリメント
の採取個数は,4.4.2(3)による。
備考 コンクリート固形化物を粉砕したものを全部よく混合してから,インクリメントを採取しても
よい。例えば,120個のコンクリート固形化物があるときは,10個を一次サンプリング単位と
して抜き取り,これを全部破砕してよく混合し,インクリメント縮分方法に準じて,2×10=20
個のインクリメントをとってもよい。
(3) 大形コンクリート固形化物で粉砕困難な場合
(a) 大形コンクリート固形化物で,粉砕困難な場合には,コンクリート固形化物のランダムな5か所を
選び,その部分を破砕して約100g×5=500gを集め,これを1インクリメントとする。
備考 コンクリートで固形化した場合には,固形化後試験の目的に応じて適当期間放置後に試料を調
製して,測定を行う。
(b) 固形化物の採取個数は,表3による[表3の備考2.参照]。
4.3 インクリメントの大きさ
4.3.1 固体の場合
(1) 粉状,塊状のとき インクリメントの大きさ(平均体積)は,ロットの最大粒度によって表1に規定
する体積以上とする。
表1 最大粒度とインクリメントの大きさ(平均体積)
最大粒度
1 5 10 16 22.4 31.5 40 50 71 100 125 150
mm
インクリメントの
約16 約70 約120 約180 約270 約380 約730 約1 600約3 700約11 000 約21 000 約35 000
平均体積ml

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例 最大粒度40mmのロットは,ふるい目の大きさ40mmでふるい分けたとき,ふるい上に残る量が約5%のロ
ットのことで,例えば,インクリメントの大きさを平均約730mlとすればよい。
備考1. インクリメント採取用スコップは,ロットの最大粒度に応じてほぼ一定量ずっとれるように,かつ,採
取した廃棄物が側面から脱落しないように設計(付表1,付図1参照)されたものが望ましい。
2. 粒度差の大きいものが混合している場合には,表1に示す体積より一段大きな体積のとれるインクリメ
ント採取用具を用いる。
(2) ケーキ状(泥状)のとき 100ml以上の容器などで採取したものを1インクリメントとする。
4.3.2 液体の場合(流動的な汚泥や溶さいの場合を含む。) 100ml以上の容器などで採取したものを1
インクリメントとする。
4.3.3 揮発性化学物質を含む場合 4.3.1及び4.3.2による。
4.3.4 コンクリート固形化物の場合 4.2.4(1)(a)の成形に用いる型は直径5cm,高さ10cmの円筒型とする。
4.4 インクリメントの採取個数 インクリメントの採取個数は,次による。
備考 大口試料の量が必要量より少ない場合には,インクリメントの数を増加するか,インクリメン
トの大きさを大きくして必要量の大口試料を採取する。
4.4.1 ストックパイルサンプリングの場合 インクリメントの採取個数は,表2による。特に問題がある
と考えられる場合,又はそのロットに対する予備知識がない場合には,表2の最小必要個数の2倍以上の
インクリメントを採取する。
表2 ロットの大きさと1ロットからの採取するインクリメントの最小必要個数
ロットの大きさ 単位 液体 kl インクリメントの
固体 t 最小必要個数
1 未満 6
1 以上 5 未満 10
5 以上 30 未満 14
30 以上 100 未満 20
100 以上 500 未満 30
500 以上 1 000 未満 36
1 000以上 5 000 未満 50
5 000 以上 60
備考 廃棄物が生成又は処理される工程が十分に管理さ
れている場合には,表2に関係なく35インクリ
メントを採取すればよい。
4.4.2 容器サンプリング,車両サンプリング又はコンクリート固形化物サンプリングの場合
(1) 1容器を1ロットとする場合,原則として表2の最小必要個数の21を採取する。
(2) 210容器を1ロットとする場合,各容器から次の式で求めたインクリメントの数を採取する。
n
ni
m
ここに, ni : インクリメントの必要個数
n : 表2による最小必要個数
m : 容器数
ただし,niは少数以下を切り上げた整数値とする。
(3) 11容器(一次サンプリング単位)以上を1ロットとする場合,第一段として表3に規定する最小必要
容器数(一次サンプリング単位)をランダムに選び,第二段として選ばれた各容器(一次サンプリン
グ単位)から各2インクリメントをランダムに採取する。

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JIS K 0060:1992の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0060:1992の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISM8100:1992
粉塊混合物―サンプリング方法通則
JISZ8101:1981
品質管理用語
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8801:1994
試験用ふるい