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K 0155 : 2018
附属書A
(規定)
ラスターサイズ,イオンビーム電流値,分析するフレーム数
及びカウント数の計算
A.1 記号
ラスターサイズ,イオンビーム電流値,分析するフレーム数及びカウント数の計算に関する記号を,次
に示す。
A 選択したピークのピーク強度(counts)
c 一次イオンパルス当たりの二次イオンカウント数(counts)
d ビーム径(m)
e 電子の電荷(C)
F パルス繰返しレート又は周波数(s−1)
iP パルスイオンビーム電流値(A)(すなわち,パルス化中の時間平均電流値)
I 直流イオンビーム電流値(ions/s)(すなわち,非パルス化中の電流値)
J イオンフルエンス(ions/m2)
M ラスター中の1走査線当たりのピクセル数
P 取得時間 Tにおける全一次イオンパルス数(無単位)
Q 全入射イオン数
R ラスターサイズ(m)
T 全スペクトル取得時間(s)
w パルス幅(s)
A.2 計算
計算は,次による。
a) ビームの焦点を十分にぼかした条件においては,ビーム径dは,式(A.1)によって求める。
d>2R/M (A.1)
b) イオンフルエンスJは,式(A.2)によって求める。
iPT
J (A.2)
2
eR
装置によっては,iPは未知のため,代わりに直流電流値Iを記録し,Jは,式(A.3)によって求める。
FIwT
J (A.3)
eR2
磁場セクター形及び四重極形のような非パルス化の装置では,式(A.2)を用いるが,パルス電流値iPに非
パルス化電流値Iを代入する。
c) データ取得中にラスターを完了したフレーム数nは,式(A.4)で求める。
――――― [JIS K 0155 pdf 21] ―――――
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K 0155 : 2018
2
JeR F
n (A.4)
2
iPM
イオンビーム電流値及び/又は取得時間はn>20となるように調節することが望ましい。
d) 一次イオンパルス当たりのカウント数は,式(A.5)によって求める。
A
c (A.5)
P
全パルス数が装置ソフトウェアによって与えられない場合は,式(A.6)を使う。
A
c (A.6)
FT
A.3 スタティックSIMSにおける値の例
十分に高品質なスペクトルを得るには,Q=4×108入射イオンが必要である。イオンフルエンスJが1016
ion/m2未満であれば,式(A.2)から,式(A.7)のように表される。
R≧200 μm (A.7)
質量分解能が低くなり過ぎないためには,R=200 μmであることが望ましい。よりよい計数統計が要求
された場合は,Rを増大させる必要がある。これには,質量分解能の低下という代償が伴う。128×128ピ
クセルのラスターに対して,式(A.1)から,式(A.8)のように表される。
d≧3.1 μm (A.8)
ビームの焦点をこれほどぼかすことができないときは,Mを増大するのがよい。典型的には多くの装置
で,パルスイオンビーム電流値(iP)0.5 pA,繰返しレート 10 kHz,128ピクセルの正方形ラスター(M)
を用いる。すると,推奨条件であるJ=1016 ions/m2及びR=200 μmでは,
T=128 s (A.9)
かつ
n=78 (A.10)
である。
――――― [JIS K 0155 pdf 22] ―――――
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附属書B
(参考)
帯電中和の設定
一般に,飛行時間形(TOF)SIMSの実験は,分析する試料に損傷を与えないと考えられている。高分子
におけるイオンビーム損傷のフルエンス限界は参考文献[10]に報告があり,最近の装置のほとんどはこれ
らの指針値より低い値で容易に動作する。この限界の典型的な値は1×1016 ions/m2である。しかしながら,
帯電の安定化のために用いられる中和銃からの低エネルギー電子が引き起こす損傷はしばしば見落とされ
ている。絶縁物の所定のスタティックSIMSのスペクトルでは,おおよそ2×1020 electrons/m2の電子フル
エンスが供給される。これらの電子は,通常,エネルギーが低く,損傷の断面積も小さい一方で,単位面
積当たりの各々のイオンに対しては104個ほどの電子になる。
スタティックSIMSにおいて帯電の安定化のために用いられる中和銃からの低エネルギー電子が有機物
及び高分子に及ぼす損傷の効果に関する詳細な研究が,参考文献[4]及び[11]に報告されている。ポリスチ
レン,ポリ塩化ビニル,ポリメチルメタクリレート及びPTFEの一連の高分子の分子断片化の解析による
と,イオン強度の真のレベルからのずれを1 %以内に保つ電子フルエンスの上限値として6×1018
electrons/m2が定められている。電子フルエンス7.5×1020 electrons/m2では,高分子によっては相対信号強
度が4倍を超えて変動した。スタティックSIMSスペクトルの高い繰返し性と一定性とを確保するための
推奨値が規定されており,それらはまた,有効なG-SIMS [12] [13] スペクトルの計算にも使うことができ
る。これらの結果は,図B.1にまとめられている。網掛けされた領域は,顕著な帯電又は損傷があるスペ
クトルが得られる動作範囲を示している。
注記 電子フルエンスの上限は顕著な損傷を生じない最大フルエンスによって定義され,下限値は適
正な電荷中和に必要な値によって定義される。フルエンスのスケール及び正方形ラスターの一
辺の長さは,イオンビーム電流値1 pAで取得時間100 sに対して計算したものである。
――――― [JIS K 0155 pdf 23] ―――――
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X2
1023x102 102 4x101
Electron damage zone
電子損傷領域
1019
電子上限
101 upper electron limit
Y1
Y2
Workin
動作
g zone
領域
1018
100
電子下限
帯電領域
1017
10-1
10-2 10-1 100
X1
X1 イオン電流密度(mA/m2)
X2 イオンラスターサイズ(μm)
Y1 電子電流密度(mA/m2)
Y2 電子フルエンス(electrons/m2)
図B.1−低エネルギー電子による帯電及び損傷がないスペクトルを取得するための条件を明示する
パラメータのマップ
――――― [JIS K 0155 pdf 24] ―――――
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附属書C
(参考)
イオン検出器の設定
MCPの検出効率に及ぼす二次イオンの入射エネルギー,質量及び組成の効果は,飛行時間形質量分析計
を用いて詳細に研究されている[5]。この質量分析計は,スタティックSIMSに用いられるが,データはあ
らゆるイオン検出システムにも関連している。質量の増加及びMCPへ入射するイオン衝突エネルギーの
減少に伴い検出効率がどのように低下するかを示す理論的モデルが開発されている。20 keVの衝撃エネル
ギーにおいて,質量10 000ダルトンのカチオン化ポリ(スチレン)オリゴマーの検出効率は約80 %であ
るのに対し,5 keVでは約5 %に低下した。この理論モデルは,二次イオンの組成が検出効率に与える影響
を評価するために拡張されている。
図C.1は,高い水素含有率の二次イオンが,高原子数の原子からなる二次イオンよりも低い検出効率で
あることを示している。二次イオンの組成と質量との両方の効果から生じる検出効率の広がりは,二次イ
オン衝撃エネルギー(ポストアクセラレーション電圧)を増加させることによって減少させることができ,
4 000ダルトンの質量までは,5 keVのイオン衝撃の場合に観察される検出効率が100 %に広がるが,20 keV
の衝撃エネルギーの二次イオンに対しては,無視できるほどの広がりに低減され,検出効率は二次イオン
の組成とは無関係でほぼ単一である。特定の検出効率でMCPを動作させるための正しい電圧を決定する
簡単な方法が開発されている。検出器のプラトー効率の50 %に当たるトランジション電圧[14](VT)は,
急しゅん(峻)な検出効率の勾配のため,迅速かつ正確に決定することができる。VTに対比した98 %の
プラトー効率となる電圧VNの値を,図C.2に示す。動作電圧Vは,1.3(VN−VT)+VTと定義される。図
C.2の値の場合,動作電圧Vは,式(C.1)によって求める。
V VT 291. .0057 2m (C.1)
この動作電圧Vは,要求される範囲の最高質量数のイオンに対して決定することが望ましい。
――――― [JIS K 0155 pdf 25] ―――――
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JIS K 0155:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 17862:2013(MOD)