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K 0166 : 2011
6.13 校正の時期
6.13.1 次回の校正は,校正の不確かさU95及び分光器変動の和としての校正の全不確かさが信頼水準95 %
で,±δを超える前に行うのがよい。したがって,6.14で定義される校正間隔又はそれより前に校正する
必要がある。この校正間隔が不明な場合,6.14に示された方法でまず校正間隔を決定し,その校正間隔で
6.13.2の手順を実行する。
6.13.2 分光器が改造されていないか,又は明らかに変化をしていなければ,6.14で定義される校正間隔で,
6.26.6,6.11及び6.12の手順を繰り返す。常に,校正を開始してからの校正でなされた変更及び累積し
た変化の全てを記録する。累積した変化が分光器製造業者によって推奨された値を超えていないことを確
認する。全ての場合において,パスエネルギー,減速比,スリット又は絞りの設定,レンズの設定及び使
用した電子線の加速電圧を含む,校正に用いた全ての分光器設定条件を記録する。
6.14 校正時期の決定
分光器を終日運転してCu M2, 3VV及びAu M5N6, 7N6, 7の運動エネルギーを,1時間間隔で測定する。どの
ような分光器変動を示すとしても,十分な安定性を得るため,電気系統は事前に指定された最小限の時間,
暖気運転しておく必要がある。測定のときに,周囲の温度を記録して,何らかの相関関係がないかを検査
しておく。どのような手順が用いられても,この規格に準拠した分析をするには,暖気運転時間などの項
目を含めた校正手順の全ての手続きが,実際の分析においても使われなければならない。
注記1 多くの場合,分光器の電源の温度変化によって,分光器変動が生じる。これらの変動は,操
作した時間に関連して発生するので,毎日同じように繰り返されるかもしれない。このため,
例えば,毎日午前9時にだけ確認を行うと,これ以外の時間に生じる変動を見逃してしまう。
Au M5N6, 7N6, 7ピークのエネルギー変動は,Cu M2, 3VVのそれに比べてより大きく観測される。
初日に一日を通じて十分な安定性が得られた場合,Δ1とΔ4とで大きな方をU95に加えた値が,校正間隔
内で±0.7δ以下なら,順次,より長い間隔でCu M2, 3VVとAu M5N6, 7N6, 7の運動エネルギーを測定する。
どの程度の校正間隔が適切であるかを示す実際のデータが得られるまでは,最後に行った校正間隔が最大
の有効な校正間隔である。この校正間隔は4か月を超えてはならない。
注記2 多くの分光器では,1か月又は2か月の校正間隔が適切である。校正間隔の適正値及び適切
な許容限界は,分析上の必要条件又は分光器の状況に依存する。
――――― [JIS K 0166 pdf 21] ―――――
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K 0166 : 2011
附属書A
(規定)
0.1 eVのエネルギー間隔のピークにサビツキー・ゴーレイ法による
平滑化を1回適用する場合の最大点数
二次又は三次のサビツキー・ゴーレイ法の平滑化の1回限りの適用は,スペクトルに大きなひずみ(歪)
を与えることなく,見かけ上のノイズを減少させるために利用される。サビツキー・ゴーレイ関数の幅は,
平滑化されるスペクトルの元のピークの半値における全幅の0.5より小さい幅とする。この平滑化の最大
点数は,0.1 eVのエネルギー間隔で翼弦法によるピークエネルギーの評価が行われる場合,表A.1による。
表A.1−相対分解能の異なる分光器に対して,各ピークにサビツキー・ゴーレイ法による
平滑化を適応する場合の最大点数
ピーク番号 帰属 分光器の相対分解能
n 0.01 % 0.05 % 0.1 % 0.15 % 0.2 %
1 Cu M2, 3VV 9 9 9 9 9
2 Cu L3VV 5 5 7 7 9
3 Al KL2, 3L2, 3 5 5 7 11 15
4 Au M5N6, 7N6, 7 13 13 15 19 23
――――― [JIS K 0166 pdf 22] ―――――
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K 0166 : 2011
附属書B
(規定)
簡易的な計算手法を用いた最小二乗法による
ピークの運動エネルギーの決定
B.1 記号及び略語
この附属書に用いる記号及び略語は,次による。
ci : i番目のチャンネルの計数値
E0 : ピーク中で絶対的最大強度に対応するチャンネルより低運動エネルギー側で最初のデータチャン
ネルの運動エネルギー値(eV)
Ep : 最小二乗法で推定されたピークの運動エネルギー値(eV)
g : チャンネル間隔(eV)
i : ピーク中で絶対的最大強度に対応するチャンネルより低運動エネルギー側で最初のデータチャン
ネルを原点としたチャンネル番号
P : Sの値に依存したpの係数
p : ピーク前後のSチャンネル分のカウント数の合計
Q : Sの値に依存したqの係数
q : ピーク前後のSチャンネル分のカウント分布をgで除した一次モーメント
r : ピーク前後のSチャンネル分のカウント分布をg2で除した二次モーメント
S : 最小二乗法の計算に用いられる連続した値の数
B.2 最小二乗法
最小二乗法を用いたピークのエネルギー位置の推定は,0.1 eVのチャンネル間隔で,Sが表B.1で表さ
れるとき,推定されるピークの運動エネルギー値の前後のSの半分の点数で等間隔でとられたデータ点数
(δの値)を表から選択することで簡便に決定できる。
表B.1−式(B.1)の最適な利用のためのSの最大値
ピーク番号 帰属 分光器の最小の相対分解能
n 0.01 % 0.05 % 0.1 % 0.15 % 0.2 %
2 Cu L3VV 6 6 6 10 10
3 Al KL2, 3L2, 3 6 6 10 14 14
4 Au M5N6, 7N6, 7 14 14 18 22 26
最小二乗法を用いて推定されたピークの運動エネルギーEpは,参考文献[15]から式(B.1)によって求める。
g r Qq 3Pp
Ep E0 (B.1)
2 r q 5Pp
パラメータp,q及びrは,次のように定義される。
3
ic
p (B.2)
i 2
――――― [JIS K 0166 pdf 23] ―――――
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K 0166 : 2011
3
q ici (B.3)
i 2
3
r i2ic (B.4)
i2
さらに, P及びQの値は,表B.2による。
表B.2−Sの値に対する係数P及びQの値
係数 Sの値
6 10 14 18 22 26
P 8/15 8/5 16/5 16/3 8 56/5
Q 47/15 37/5 69/5 67/3 33 229/5
表B.3は,0.05 %の相対分解能で測定されたCu L3VVピークに対して式(B.1)式(B.4)の計算に用いられ
る完全な表を示している。
参考文献[15]では,ポアソン分布に基づくピーク計数の不確かさに起因するEp値の不確かさを示す式が
与えられている。ここで定義された条件では,標準的な不確かさは,25 meVより小さい。
表B.3−0.05 %の相対分解能及び6個のデータ値で測定された
Cu L3VVピークに対する式(B.1)式(B.4)の計算例
i エネルギー 計数値 ici i2ci
E ci
−2 918.3 972889 −1945778 3891556
−1 918.4 997619 −997619 997619
0 918.5 1002390 0 0
1 918.6 993814 993814 993814
2 918.7 968876 1937752 3875504
3 918.8 935287 2805861 8417583
E0 p q r
918.5 5870875 2794030 18176076
g r 47q/ 158 p/ 5
Ep E0 918.495
2 r q 8 p/ 3
注記 斜字体の数値は(例題として)表の中に挿入されたときのデータであり,空の表は参
考文献[15]にある。
――――― [JIS K 0166 pdf 24] ―――――
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附属書C
(参考)
不確かさの計算法
C.1 エネルギー軸の線形性誤差の不確かさの計算法
Cu M2, 3VV,Au M5N6, 7N6, 7又はAl KL2, 3L2, 3ピークに対する,σR1,σR4又はσR3の繰返し性の標準偏差を
定義するため,k回の測定を行う。この規格では,kは7とする。エネルギーEref 1,Eref 4又はEref 3での分光
器のオフセットエネルギーΔ1,Δ4又はΔ3で決まる不確かさは,信頼水準95 %で, U95E
c c
, U95E
ref 1 又
ref 4
U95Eref 3 で与えられる。
c
は
ここで,
c k 12
U95 Eref 1t 1 R1 k (C.1)
及び,
c k 12
U95 Eref 4t 1 R4 k (C.2)
であり,Eref 3についても同様である。ここでtk−1は,自由度k−1の両側分布に対するステューデントの検
定に基づく係数tである。この附属書では,全ての不確かさは信頼水準95 %としている。
測定エネルギー値Emeasでのオフセットエネルギーの不確かさは,エネルギーEref 1及びEref 4でのオフセ
ットエネルギーΔ1及びΔ4を通る直線から予測でき,参考文献[4]から式(C.3)によって求める。
1
2 2 2
2 2
Emeas Eref 1 Eref 4Emeas
U95cEmeas tk 1 R4 R1
(C.3)
Eref 4Eref 1 k Eref 4Eref 1 k
この点において,σRが,σR1,σR4又はσR3のいずれかの大きい方と一致するようであれば,線形性を試験
したエネルギー値Eref 2での校正の不確かさはU95E
c
である。
ref 2
ここで,
1
2 2 2
Eref 2Eref 1 Eref 4Eref 2
U95cEref 2tk 1 R
12 (C.4)
k Eref 4Eref 1 Eref 4Eref 1
tk R
.071 1 (C.5)
k1 2
係数0.71は,Au M5N6, 7N6, 7を用いた校正に対して計算された値である。Al KL2, 3L2, 3に対しての係数は
0.74である。線形性試験のためのピークエネルギー測定における不確かさは,tk−1σR2/k1/2で与えられる。測
定されたエネルギー軸の線形性に関する誤差ε2の不確かさの項と,次の更に二つの項との二乗和で与えら
れる。
c
一つは,式(C.5)から算出されるU95E であり,もう一つはCu M2, 3VV,及びAu M5N6, 7N6, 7又は
ref 2
Al KL2, 3L2, 3ピークの運動エネルギーに対応する線形性試験用ピークの運動エネルギーの不確かさである。
なお,この不確かさは0.04 eVの値をもつ。
したがって,ここでσRが,σR1,σR2若しくはσR4又はσR3の最も大きいものと一致するとすれば,
――――― [JIS K 0166 pdf 25] ―――――
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JIS K 0166:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 17974:2002(MOD)
JIS K 0166:2011の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 0166:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0147:2004
- 表面化学分析―用語