この規格ページの目次
13
K 0804 : 2022
±5 %であって,その他の不確かさ成分に比較して極めて小さいことから,不確かさの合成には影
響を受けないため,評価には含めない。
表1−検知管の試験における測定での不確かさの要因
不確かさの要因 不確かさの評価
(不確かさの成分に関連して使用される記号) タイプA タイプB
変色層の長さ[読みとしての濃度a)] 〇 −
検知管の読みのばらつきの不確かさ成分(uS)
検知管の読みの平均値のかたより(B) 不確かさ成分としては評価しない。
ガス採取器の内容積(up)b) 〇 −
ガス採取器の気密性 無視できる範囲であり適用しない。
温度の影響(uT) − 〇
相対湿度の影響(uH) − 〇
試験用ガス濃度(uEC) − 〇
変色層の長さの読取り 明確には考慮されない。
反応の変化 明確には考慮されない。
気圧の影響 必要に応じて補正するので,不確かさ
の成分としては扱わない。
採取流量の過渡変化 一般的に無視できるので適用しない。
注a) タイプAの要因(読み,分析精密さ及び採取体積の精密さ)を含む。
注b) この不確かさは検知管の変色層の長さの不確かさ成分に含んでいるため,7.3に規
定する合成標準不確かさの計算の対象とはしない。
7.2 不確かさ成分の推定
7.2.1 合成される対象としての変色の要素
7.2.1.1 一般
表1に記載されている不確かさの要因は,概略であるが,全ての不確かさの要因を考慮するとなると,
無視できる不確かさの要因を含む数多くの試験を実施することになるため現実的ではない。そのため,変
色層の長さの読取結果を,関係する不確かさ成分が合成された結果として用いる。
干渉影響については,一般的に扱うのではなく個別の評価で考慮する。
7.2.1.2 検知管の変色の要素
具体的には,箇条6に規定された評価に使用される3種類の試験用ガス濃度に対し,それぞれに10台
のガス採取器と組み合わせて通気した10本の検知管の変色層の先端までの長さを目盛から読み取る。そ
こで,検知管の読みの標準偏差(“非精密さ”)を,式(3)で計算する。
10
1 2
SS CC
t (3)
9 t 1
検知管の読みの平均値Cを,式(4)で計算する。
10
1
C Ct (4)
10 t 1
相対標準不確かさuSを,式(5)で計算する。
――――― [JIS K 0804 pdf 16] ―――――
14
K 0804 : 2022
SS
uS 100% (5)
C
式(3)式(5)で, SS : 検知管の読みの標準偏差
Ct : t番目(t=110)の検知管の濃度の読み
C : 検知管の読みの平均値
C : 試験用ガス濃度
7.2.1.3 かたより
検知管の読みの平均値と試験用ガス濃度との差のかたよりBを,式(6)で計算する。
CC
B (6)
C
ここで, B : かたより
C : 検知管の読みの平均値
C : 試験用ガス濃度
7.2.2 ガス採取器の内容積
検知管の試験で使用するガス採取器10台の内容積に関係する不確かさを,ガス採取器の内容積の標準
偏差で推定する。
この標準偏差を,式(7)で計算する。
10
1 2
Sp Vp V (7)
9 p 1
ここで, Sp : ガス採取器の内容積の標準偏差
Vp : 試験する番号pのガス採取器の内容積(p=110)
(それぞれ6回の試験の平均値)
V : 10台のガス採取器の内容積の平均値
ガス採取器の内容積の平均値Vを,式(8)で計算する。
10
1
V Vp (8)
10 p 1
ガス採取器の内容積に関連する相対標準不確かさupを,式(9)で計算する。
Sp
up 100% (9)
V
ガス採取器の内容積に関する相対標準不確かさは,変色層の長さ成分に関連する相対標準不確かさuSに
既に含まれていることから,7.3で行う合成標準不確かさの計算には含めない(7.2.1.2参照)。
7.2.3 温度による影響
6.1.2.4のa)及びb)の条件で試験を行ったとき,試験温度T(10 ℃及び30 ℃)の範囲での試験用ガス濃
度の(温度補正後の)検知管の読みの相対変化 CT,cor / C ( T) が,試験温度範囲で一様分布するものとし,温
度による不確かさを,式(10)でタイプB評価として計算する。
――――― [JIS K 0804 pdf 17] ―――――
15
K 0804 : 2022
CT,cor 100%
uT (10)
C(T) 23
ここで, ΔCT,cor : 6.1.2.4のa)及びb)の条件で試験を行ったときのそれぞれ
の温度条件での検知管の濃度の読みの平均値(温度補正
後)の差
C( T) 6.1.2.4のa)及びb)の条件で試験を行ったときの検知管の
濃度の読み(温度補正後の)の平均値
7.2.4 相対湿度による影響
6.1.2.4のb)及びc)の条件で試験を行ったとき,試験相対湿度H(20 %及び80 %)の範囲での試験用ガ
ス濃度の(湿度補正後の)検知管の読みの相対変化 CH,cor / C(65%) が,試験相対湿度範囲で一様分布するも
のとし,相対湿度による不確かさを,式(11)でタイプB評価として計算する。
CH,cor 100%
uH (11)
C(H) 23
ここで, ΔCH,cor : 6.1.2.4のb)及びc)の条件で試験を行ったときのそれぞれ
の湿度条件での検知管の濃度の読み(湿度補正後)の平
均値の差
C( H) 6.1.2.4のb)及びc)の条件で試験を行ったときの検知管の
濃度の読み(湿度補正後)の平均値
7.2.5 試験用ガス濃度の不確かさ
異なる製造業者の検知管式ガス測定器の評価を別の日に行うことがある。さらに,発生から又は独立し
た確認方法からのいずれで決定されるような公称値からの試験用ガス濃度の日間変化が,起こることがあ
る。したがって,検知管の読みの測定されたかたよりは,暴露チャンバーをとおして独立性によって推定
された又は測定された実施日間の分散によって特徴付けられる不確かさであるにもかかわらず,それ自身
かたよりがあり,評価の平均では無視する場合がある。評価で使用する試験用ガス濃度に関する相対標準
不確かさuECを,式(12)で計算する。
1
uEC SR2 100% (12)
C
2
ここで, S :
R 実施日間での分散
C : (評価に使用した)試験用ガス濃度
7.2.6 変色層の長さの読取り
この不確かさの成分は,変色層の長さの読取りの標準偏差を測定することによって推定する。影響は,
検知管の変色層の長さに関連する相対標準不確かさuSに既に含まれているので,合成標準不確かさの計算
には含まれない(7.2.1.2参照)。
7.2.7 反応の変化
変色層の長さに影響を与える化学反応の変化が,例えば,検知管内の反応カラムの同質性に関連して,
存在することがある。ただし,この影響は,検知管の変色層の長さに関連する相対標準不確かさuSに既に
含まれているとして,合成標準不確かさの計算に含めない(7.2.1.2参照)。
――――― [JIS K 0804 pdf 18] ―――――
16
K 0804 : 2022
7.2.8 気圧の影響
気圧の影響を不確かさ成分としては考慮しない。気圧の影響については,取扱説明書を参照し補正する
[4.2.11 i) 参照]。
7.2.9 (削除)
7.2.10 採取流量の過渡変化
ほとんどのガス採取器では,およそ1分間のサンプリング期間の間の瞬時流量は,高流量で始まり,減
少してゼロまで下がるというように過渡変化する。これは多くの変動する濃度,例えば,サンプリング周
期内のパルス状の濃度をサンプリングするのに影響を与えることが考えられる。しかし,検知管は,一般
的におよそ1分間より長い時間で一定であるサンプル濃度の推定に使用されるので,不確かさの成分とし
てはこの影響を考慮しない。
7.3 合成標準不確かさ
合成標準不確かさuCを,次のように式(13)に従って個々の不確かさ成分から計算する。
2 2 2 2
uC uS uT uH uEC (13)
ここで, uS : 検知管の変色層の長さに関連する相対標準不確かさ
uT : 温度の影響に関連する相対標準不確かさ
uH : 相対湿度の影響に関連する相対標準不確かさ
uEC : 評価に使用する試験用ガス濃度に関連する相対標準不確か
さ
7.4 拡張不確かさ
拡張不確かさUを,式(14)で計算する。
U=k×uC (14)
ここで, k : 包含係数,この規格では2とする。
uC : 合成標準不確かさ
注記1 拡張不確かさの計算では,包含係数kを23とするのが一般的である。
注記2 拡張不確かさの計算の例を附属書Cに示す。
7.4A 平均値のかたよりと拡張不確かさとの合成
最後に,7.2.1.3で求めた検知管の読みの平均値のかたよりBと7.4で求めた拡張不確かさUとを式(15)
のように代数和をとる。
B+U (15)
ここで, B : かたより
U : 拡張不確かさ
8 試験報告書
8.1 検知管
試験報告書には少なくとも次の情報を含む。
――――― [JIS K 0804 pdf 19] ―――――
17
K 0804 : 2022
a) この規格(JIS K 0804)を参照したこと
b) 検知管の形式
c) 使用したガス採取器の形式
d) 指定測定範囲
e) 試験用ガスの仕様及び不確かさ
f) 試験用ガスの独立した確認方法
g) 試験結果
h) 合否基準を満たしているか
i) 結果までに指摘された何らかのまれな特徴
j) 結果に影響を及ぼす可能性がある,この規格に含まれない操作
8.2 ガス採取器
試験報告書には少なくとも次の情報を含む。
a) この規格(JIS K 0804)を参照したこと
b) ガス採取器の形式
c) 試験結果
d) 合否基準を満たしているか
e) 結果までに指摘された何らかのまれな特徴
f) 結果に影響を及ぼす可能性がある,この規格に含まれない操作
9 表示
9.1 検知管の収納箱
検知管の収納箱には次の事項を表示しなければならない。
a) 製造業者名又は商標,及び形式識別表示
b) 第三者認証又は自己適合宣言の場合には,この規格の番号(JIS K 0804)及び検知管のクラス
c) 検知管の測定対象のガス又は蒸気の種類,及びその指定測定範囲
d) 製造番号
e) 有効期限
f) 推奨保管条件(輸送時を含む。)
g) 検知管の収納本数又は測定回数
9.2 検知管
各検知管には次の事項を表示しなければならない。
a) 製造業者名又は商標,及び形式識別表示
b) 検知管の測定対象ガス又は蒸気
c) 通気方向の表示
d) 目盛及び測定の単位
――――― [JIS K 0804 pdf 20] ―――――
次のページ PDF 21
JIS K 0804:2022の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 17621:2015(MOD)
JIS K 0804:2022の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.30 : 作業場所の雰囲気
JIS K 0804:2022の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0055:2002
- ガス分析装置校正方法通則
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態