JIS K 0805:1988 有機体炭素(TOC)自動計測器

JIS K 0805:1988 規格概要

この規格 K0805は、水中の有機体炭素の濃度を連続的に測定するためのTOC自動計測器について規定。

JISK0805 規格全文情報

規格番号
JIS K0805 
規格名称
有機体炭素(TOC)自動計測器
規格名称英語訳
Continuous total organic carbon analyzer
制定年月日
1988年3月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

71.040.40
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
環境測定 II 2021
改訂:履歴
1988-03-01 制定日, 1994-06-01 確認日, 2000-12-20 確認日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS K 0805:1988 PDF [7]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 0805-1988

有機体炭素 (TOC) 自動計測器

Continuous Total Orgaric Carbon Analyzer

1. 適用範囲 この規格は,水中の有機体炭素(以下,TOCという。)の濃度を連続的に測定するための
TOC自動計測器(以下,計測器という。)について規定する。
備考 この規格において{}を付けて示してある数値及び単位は,従来単位によるものであって,
規格値である。
引用規格 :
JIS C 1302 絶縁抵抗計(電池式)
JIS C 1303 高絶縁抵抗計
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0101 工業用水試験方法
JIS K 0102 工場排水試験方法
JIS K 0151 赤外線ガス分析計
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 8532 酒石酸(試薬)
JIS K 8622 炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)(試薬)
JIS K 8625 炭酸ナトリウム(無水)(試薬)
JIS K 8789 1, 10−フェナントロリン−水和物(o−フェナントロリン)(試薬)
JIS K 8809 フタル酸水素カリウム(試薬)
JIS K 8839 2−プロパノール(イソプロピルアルコール)(試薬)
JIS K 9047 L−グルタミン酸(試薬)
JIS Z 8103 計測用語
2. 共通事項 共通事項は,JIS K 0050(化学分析方法通則),JIS K 0101(工業用水試験方法)及びJIS K
0102(工場排水試験方法)による。
3. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS K 0211[分析化学用語(基礎部門)],JIS K 0151
(赤外線ガス分析計)及びJIS Z 8103(計測用語)によるほか次による。
(1) 間欠式 反応検出部に,無機体炭素を除去した試料を一定時間間隔で導入する方式。
(2) 連続式 反応検出部に,無機体炭素を除去した試料を一定流量で導入する方式。
4. 種類及び測定範囲 計測器の種類及び測定範囲(レンジ)は,表1のとおりとする。

――――― [JIS K 0805 pdf 1] ―――――

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K 0805-1988
表1 計測器の種類及び測定範囲
種類 測定範囲
間欠式 最大目盛値
一般用
連続式 1mgC/lを超えるもの
間欠式 最大目盛値
超純水用
連続式 1mgC/l以下
5. 定格電圧及び定格周波数 計測器の定格電圧は単相交流100V,定格周波数は50若しくは60Hz専用,
又は50Hz及び60Hz共用とする。
6. 性能 計測器の性能は,8.による試験を行ったとき,表2を満足しなければならない。
表2 計測器の性能
項目 性能 試験方法
繰返し性 8.4(1)
ゼロドリフト 8.4(2)
最大目盛値の±3%以内
スパンドリフト 8.4(3)
直線性 8.4(4)
間 欠 式 5分間以内
応答時間 8.4(5)
連 続 式 15分間以内
一 般 用 95%以上
検出率 8.4(6)
超純水用 90%以上
一 般 用 最大目盛値の3%以内
無機体炭素残留率 8.4(7)
超純水用 最大目盛値の10%以内
電圧変動に対する安定性 最大目盛値の3%以内 8.4(8)
絶縁抵抗 1M 坎 上 8.4(9)
耐電圧 異常のないこと 8.4(10)
7. 構造 計測器の構造は,次のとおりとする。
7.1 構造一般 計測器の構造は,次の各項目に適合しなければならない。
(1) 形状が正しく,組立て及び各部の仕上がりが良好,かつ,堅ろうであること。
(2) 通常の運転状態において危険が生じるおそれがなく,安全かつ円滑に作動すること。
(3) 各部は,容易に機械的及び電気的故障を起こさず,危険を生じない構造であること。
(4) 水漏れ,水はね,結露などによって,計測器の作動に支障を生じない構造であること。
(5) 保守,点検の作業がしやすく,かつ,危険のない構造であること。
7.2 構成 計測器は,図に示す試料導入口,無機体炭素除去部及び反応検出部で構成する。

――――― [JIS K 0805 pdf 2] ―――――

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図 計測器の構成(一例)
7.3 試料導入口 試料採取部から試料導管を通じて計測器に試料を送入する接続部分であって,試料導
管を接続できるもの。
7.4 無機体炭素除去部 試料中の無機体炭素を二酸化炭素として除去する部分で,一定量の酸添加,か
き混ぜ,ばっ気などの機構をもつもの。
7.5 反応検出部 無機体炭素を除去した試料の一定量又は一定流量を導入し,TOCを二酸化炭素に変換,
定量する部分で,キャリヤーガス供給器,注入器,酸化反応器,気液分離器及び検出器(赤外線ガス分析
計)で構成する。
(1) キャリヤーガス供給器 主として,無機体炭素除去後の試料,酸化生成物の移送及び試料中のTOC
の反応に必要な酸素の供給を行うキャリヤーガスの供給・制御を行う部分で,キャリヤーガスには空
気又は窒素(純度99.99%以上)を用いる。
なお,空気をキャリヤーガスとする場合には,二酸化炭素除去のための空気精製機能をもたなけれ
ばならない。
また,窒素をキャリヤーガスとする場合には,供給器と酸化反応器との中間に酸素混入機構を設け
ることがある。
(2) 注入器 注入器は,間欠式又は連続式とする。
間欠式の場合には,無機体炭素除去後の試料の一定量を計量し,キャリヤーガスで酸化反応器へ送
入するもので,例えば計量管をもったスライドバルブを用いる。
連続式の場合には,一定流量で無機体炭素除去後の試料を酸化反応器へ送入するもので,例えば定
量ポンプを用いる。
なお,いずれの場合も反応検出部だけの性能点検のため,ゼロ校正液,スパン校正液などの導入を
この部分で行う構造とすることができる。
(3) 酸化反応器 酸化反応器は,乾式又は湿式とする。
(a) 乾式酸化反応器 白金系,アルミナ系,コバルト系などの酸化触媒を充てんした燃焼管を6001
000℃に保持し,キャリヤーガスによって導入された試料中のTOCを燃焼するもの。乾式酸化反応
器は,キャリヤーガスが常に燃焼管中を連続通気する方式,及び燃焼管を一時閉鎖し,キャリヤー
ガスを停止した状態で試料中のTOCの燃焼を行う方式がある。
(b) 湿式酸化反応器 試料にペルオキソ二硫酸カリウムなどの酸化剤を添加し,紫外線照射などによっ
て外部エネルギーを与えてTOCを酸化するもの。
(4) 気液分離器 酸化反応器から送られたガスについて,ミストを除去した後又はそのまま冷却してガス

――――― [JIS K 0805 pdf 3] ―――――

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K 0805-1988
中の水分を除去する部分で,電子又は電気冷却器,凝縮管及びドレントラップで構成する。
(5) 検出器 JIS K 0151に規定するもの。
7.6 指示記録部 原則としてTOC値を等分目盛で指示記録するものとする。
7.7 附属装置 計測器には,次のものを附属することができる。
(1) データ処理装置 TOC値のディジタル表示及び印字機能及び平均値演算を含むデータ処理を行うも
の。
(2) 自動校正器 分析計のゼロ及びスパン校正を一定周期ごとに自動的に行わせるもの。
8. 試験 試験は,次のとおりとする。ただし,複数のレンジをもつ計測器において,8.4(4)はすべてのレ
ンジについて行うものとし,8.4(1)(3)及び(5)(8)の試験については,最小レンジにおける試験結果をも
って各レンジごとの性能としてもよい。
8.1 試験条件 試験条件は,次のとおりとする。
(1) 温度 1030℃の間の任意の気温であって,温度の変化幅は5℃以内
(2) 相対湿度 65±20%
(3) 大気圧 変化幅2kPa [{20mbar}] 以内
(4) 電源電圧 定格電圧±2%
(5) 電源周波数 定格周波数±0.2Hz
8.2 試薬 試験に使用する試薬などは,次によって調製したものとする。
(1) ゼロ校正液 JIS K 0102の2.(9)(a)の蒸留水(1),(2)又はこれと同等の品質に精製した水。低レンジの試
験において溶存二酸化炭素の影響が無視できない場合には,JIS K 0102の2.(9)(d)の炭酸を含まない水
を用いるか,又は蒸留水に塩酸,硝酸又はりん酸を加えpHを13とし,窒素(99.99%以上)又は空
気(二酸化炭素を除いたもの。)を蒸留水1l当たり毎分1lの流量で20分間以上通気したものを用い
る。
超純水用の場合は,TOC値を極力低くした水(2),(3)を用いる。
(2) スパン校正原液 (1mg C/ml) IS K 8809[フタル酸水素カリウム(試薬)]を100℃で約30分間乾燥
した後,デシケーター中で放冷し,その2.125gを量り取り,ゼロ校正液に溶かして全量フラスコ1 000
mlに移し,ゼロ校正液を標線まで加える。
(3) スパン中間校正液 計測器の使用レンジの50%付近に相当するTOC値になるようにスパン校正原液
(1mg C/ml) の適量を全量フラスコに取り,ゼロ校正液を標線まで加える。使用時に調製する。
(4) スパン校正液 計測器の使用レンジの80%以上に相当するTOC値になるように,スパン校正原液
(1mg C/ml) の適量をそれぞれ全量フラスコに取り,ゼロ校正液を標線まで加える。使用時に調製する。
(5) 検出率試験液 計測器の使用レンジの80%付近に相当するTOC値になるように,(a)(d)の各溶液の
適量を全量フラスコに取り,ゼロ校正液を標線まで加える。使用時に調製する。
(a) 酒石酸溶液 (1mg C/ml) IS K 8532[酒石酸(試薬)]を過塩素酸マグネシウムを入れたデシケー
ター中に18時間以上放置し,その3.125gを量り取り,ゼロ校正液に溶かして全量フラスコ1 000ml
に移し,ゼロ校正液を標線まで加える。
(b) 1, 10−フェナントロリン溶液 (1mg C/ml) IS K 8789[1, 10−フェナントロリン−水和物(o−フ
ナントロリン)(試薬)]を1.376g量り取り,ゼロ校正液に溶かして全量フラスコ1 000mlに移し,
ゼロ校正液を標線まで加える。
(c) −グルタミン酸溶液 (1mg C/ml) IS K 9047[L−グルタミン酸(試薬)]を80℃で3時間乾燥し,

――――― [JIS K 0805 pdf 4] ―――――

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デシケーター中で放冷し,その2.450gを量り取り,ゼロ校正液に溶かして全量フラスコ1 000mlに
移し,ゼロ校正液を標線まで加える。
(d) 2−プロパノール溶液 (1mg C/ml) 全量フラスコ50mlにゼロ校正液約30mlを入れ密栓してその質
量を測定する。これにJIS K 8839[2−プロパノール(イソプロピルアルコール)(試薬)]の約10.6ml
を速やかに加えて密栓し,その質量を測定する。次いでゼロ校正液を標線まで加える。この溶液の
濃度は,前後の質量の差から求める[2−プロパノール1gは炭素 (C) 0.599gに相当する]。
この溶液10mlを全量フラスコ1 000mlに取り,ゼロ校正液を標線まで加える。
(6) 無機体炭素残留率試験原液 (0.4mg C/ml) JIS K 8625[炭酸ナトリウム(無水)(試薬)]を500600℃
で約30分間加熱した後,デシケーター中で放冷し,その1.77gを量り取る。JIS K 8622[炭酸水素ナ
トリウム(重炭酸ナトリウム)(試薬)]を過塩素酸マグネシウムを入れたデシケーター中に18時間以
上放置した後,その1.40gを量り取る。両者をゼロ校正液に溶かし全量フラスコ1 000mlに移し,ゼ
ロ校正液を標線まで加える。
(7) 無機体炭素残留率試験液 計測器の使用レンジの80%付近に相当するTOC値になるように,無機体
炭素除去率試験原液 (0.4mg C/ml) の適量を全量フラスコに取り,ゼロ校正液を標線まで加える。
注(1) 蒸留水は蒸留後速やかに使用する。蒸留水を容器に入れて保存しても徐々に汚染され,TOC値
が高くなる例があるので注意する。
(2) 蒸留水のTOC値を極力少なくするには,イオン交換水又は蒸留水を蒸留フラスコに取り,過マ
ンガン酸カリウム溶液 (0.3 V%)
W
を着色するまで滴加し,水1l当たり硫酸 (1+1) 23mlを加
えて蒸留する(蒸留が終わるまで過マンガン酸カリウムによる着色が残るようにする)。初留分
(全蒸留水量の約51に相当する)を捨て,その後の蒸留水を取る(通常TOC 1mg C/l以下の水が
得られる)。
(3) イオン交換水又は蒸留水を空気に触れない状態で活性炭層,精密ろ過層などを通せば,一般に
TOC値の低い水が得られる。計測器の使用に際しても,空気に触れないように直接計測器に導
入する。
8.3 試験準備及び校正 試験準備及び校正は,次のとおりとする。
8.3.1 暖機運転 計測器は電源投入後,取扱説明書に示す暖機時間まで暖機運転を行い,各部の機能及び
指示記録部を安定させる。
8.3.2 校正 計測器の取扱説明書の校正方法によって,8.2の(1)ゼロ校正液,(4)スパン校正液を用いて計
測器のゼロ校正及びスパン校正を行う。
8.4 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 繰返し性 ゼロ校正液を導入し,指示値が安定したことを確認(4)した後ゼロ値を読み取る。同じ条件
でスパン校正液を導入し,指示値が安定したことを確認(4)した後,スパン値を読み取る。この操作を
同一条件で3回以上繰り返し,ゼロ値及びスパン値を読み取る。ゼロ値及びスパン値の各々の平均値
を算出し,各測定値と平均値との差の最大目盛値に対する百分率を算出する。
(2) ゼロドリフト 計測器をゼロ校正後,24時間連続測定を行う。この間におけるゼロ値の初期の値から
最大の変動幅を求め,最大目盛値に対する百分率を求める。この試験においては,ゼロ点を使用レン
ジの5%程度に設定してもよい。
なお,間欠式計測器の導入間隔は,530分間とする。
(3) スパンドリフト ゼロドリフトの試験において,試験開始直後と24時間後及び中間に1回以上ゼロ校
正液の代わりにスパン校正液を導入する。この間におけるスパン値の初期の値から最大の変動幅をゼ

――――― [JIS K 0805 pdf 5] ―――――

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