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I.4.6 多元素標準溶液,ω(元素)=100 mg/L
一般的に,多元素標準溶液を組み合わせる場合,化学的相性及び加水分解を考慮する。化学反応(例え
ば,沈殿など)を防ぐよう注意する。
I.4.7 内標準液
全ての試料及び校正用溶液に同じ量の内標準を使用する場合は,標準溶液(I.5.4.1を参照)及び試料両
方に同じ量の内標準溶液を添加する。次に,1 Lの内標準溶液を準備する例を示す。
− 10 gの内標準(表I.2)を1 000 mLのメスフラスコで計量し,20 mLの硝酸(I.4.3)を加え,脱イオン
水で標線まで加え混合する。
− 内標準の量は,ICP-OES装置に合わせて調整可能である。
I.4.8 アルゴン 純度99.996 %以上
I.5 手順
I.5.1 干渉
定量対象の微量成分が,樹脂製容器(試料瓶,メスフラスコなど)の内面に付着している可能性もある。
それゆえに,内面は使用前に酸(I.4.3又はI.4.4)で常に洗浄しておかなければならない。
I.5.2 試料の前処理
軸方向測光トーチ又は側面横方向測光トーチ用に異なるサンプルを準備する方法がある。
側面横方向測光プラズマは,より堅ろう(牢)なプラズマ条件であるため,試料は高い塩濃度で調製可
能である。軸方向測光プラズマ条件は感度が高いため,高い希釈率で調製可能である。
側面横方向測光又は軸方向測光プラズマ条件の前処理の二つの例を,次に示す。
例1 側面横方向測光プラズマ条件の前処理手順
− 520 gの試料を0.01 gの誤差範囲内でひょう量し,100 mLのメスフラスコに入れる。
− 約350 mLの水(I.4.1)及び5 mLの酸(I.4.3又はI.4.4)を順番に加える。
− 内標準を加える場合は,内標準溶液(I.4.7)を10 mL加える。
− メスフラスコの標線まで水(I.4.1)を加え,その溶液を均質化する。
例2 軸方向測光プラズマ条件の前処理手順
− 20 gの試料を0.1 gの誤差範囲内でひょう量し,100 mLのメスフラスコに入れる。
− 約60 mLの水(I.4.1)及び5 mLの酸(I.4.3又はI.4.4)を加える。
− 内標準を加える場合は,内標準溶液(I.4.7)を10 mL加える。
− メスフラスコの標線まで水(I.4.1)を加え,その溶液を均質化する。
I.5.3 ICP-OESの設定
ICP-OESの設定及び装備は,メーカーの推奨条件に従う。
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分析パラメーターは,最適なシグナル/バックグラウンド比になるようにする。
バックグラウンド強度の大きさはサンプルの種類に依存するため,正味強度だけを評価する。バックグ
ラウンドノイズを最小に抑えるため,信号とバックグラウンドとを同時に測定する。
分析波長の正味強度は,測定強度からバックグラウンドを差し引く。ほとんどの装置は,バックグラウ
ンドを自動補正できるソフトウエアが装備されている。
注記 長時間分析では,ネブライザーガスにアルゴンガスを追加することで,インジェクターチューブ
のつまりを防ぐことが可能である。
I.5.4 検量線の作成
検量線作成の頻度は,用いる発光分析装置(装置製造業者の仕様及びガイドライン)による。検量線を
点検し,そのドリフトを修正するために,作業日ごとに最低濃度及び最高濃度の標準溶液を測定すること
が望ましい。
I.5.4.1 標準溶液
横方向測光プラズマ条件は表I.3に,軸方向測光プラズマ条件は表I.4に示す元素濃度が推奨される。
表I.3−横方向測光プラズマ条件の標準溶液の準備例
参照標準溶液 調製標準溶液 酸添加量 内標準溶液 32.5 %尿素溶液 水
ω(元素) (I.4.6) (I.4.7) (I.4.2) (I.4.1)
ω(元素)=100 mg/L (使用する場合)
mg/L mL mL mL mL
5 5 5 10 50 全量で100 mL
2 2 5 10 50 となるよう水
1 1 5 10 50 を加える
0.3 0.3 5 10 50
0 0 5 10 50
検量線校正用 0.5 5 10 50
表I.4−軸方向測光プラズマ条件の標準溶液の準備例
参照標準溶液 調製標準溶液 酸添加量 内標準溶液 32.5 %尿素溶液 水
ω(元素) (I.4.6) (I.4.7) (I.4.2) (I.4.1)
ω(元素)=100 mg/L (使用する場合)
mg/L mL mL mL mL
1 1 5 10 20 全量で100 mL
0.4 0.4 5 10 20 となるよう水
0.2 0.2 5 10 20 を加える
0.05 0.05 5 10 20
0 0 5 10 20
検量線校正用 0.1 5 10 20
全ての処理液は,激しく振とうし均質化する。
表I.3及び表I.4に元素濃度と市販の多元素標準溶液又は単元素標準溶液による調製例を示す。
検量線校正用の標準溶液は,校正のための参照溶液の調製に使用されるものとして,一つ以上のロット,
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バッチ又は供給業者から取得するものとする。
調製した標準溶液は,冷暗所でボトルに保存し,保存期間内に使用する。
I.5.4.2 検量線の設定
検量線校正用溶液(I.5.4.1)は,検査対象の全ての元素について測定する。
調製した各溶液は,少なくとも3回繰り返し測定する。各サンプルの交換後の洗浄時間は,十分な時間
を確保しなければならない。中間洗浄は,脱イオン水が推奨される。
内標準を使用する場合,元素の正味発光信号強度IEと内標準の正味発光信号強度IISとを,各波長につい
て測定する。
REは,式(I.1)に従い,全ての検量線校正用溶液の強度比として計算する。
IE
RE (I.1)
IIS
検量線は,検量線校正用溶液(I.5.4.1)の各元素濃度(X)と元素の平均強度比(Y)からの回帰直線に
よって,式(I.2)に基づいて作成する。
Y=m×X+b (I.2)
ここで, Y : 元素のシグナル強度
X : 元素濃度(mg/L)
m : 検量線の傾き(線形直線)
b : 検量線の切片(線形直線)
この線形直線は,分光計のソフトウエアを使用して作成可能である。
I.5.4.3 検量線の検証
検量線の校正は,サンプル測定の前及び10サンプルごとに検量線校正用溶液(I.5.4.1)で行う。検量線
校正用溶液の元素濃度が基準値から10 %以上逸脱した場合は,新しく検量線校正用溶液を作成する。新し
い検量線校正用溶液の元素濃度が基準値から10 %を超えている場合は,新しく検量線校正用溶液を作成す
る。新しく作成した検量線によって全ての試料を分析する。
I.5.5 試料の測定
AUS 32の各元素は,I.5.4.2の検量線の作成に使用した装置,機器の設定,波長を使用して測定する。
バックグラウンド強度の大きさは,サンプルの種類に依存するため,正味強度だけ記録する。
バックグラウンドノイズを最小に抑えるため,信号とバックグラウンドとを同時に測定する。
分析線の正味強度は,測定強度からバックグラウンド波長を差し引くことで計算される。
バックグラウンドの差し引きは,他の波長によって妨害されない波長で実施する。
各元素IE及び内標準IISの正味発光信号強度の3回の測定は,選択された各波長について平均値を計算
する。
IISの相対標準偏差(RSD)が2 %未満である必要がある。そうでない場合,アトマイザに問題がある可
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能性がある。
式(I.1)に従って各元素の補正した信号強度を計算し,濃度は式(I.2)で計算する。
各試料の前後又は少なくとも10回の測定ごとに,分光計のドリフトを検量線校正用溶液(I.5.4.1)で検
査しなければならない。検量線校正用溶液の元素濃度が基準値から10 %以上逸脱した場合,I.5.4.3に規定
しているように継続する。
I.5.6 測定手順
測定は,機器の指示に従わなければならない。はじめに,ゼロ溶液と検量線校正用溶液とを測定し,試
料溶液を測定する。検量線校正用溶液及び試料溶液は同時に,同じ日に測定しなければならない。各測定
は,最低3回の測定を行い平均する。直線性及び再現性に注意する。
成分の含有量が高い場合は,十分な洗浄時間をとる必要がある。サンプリングの間にゼロ溶液と校正用
試料とを測定し,適合性を確認する。
I.6 結果
I.6.1 計算
試料溶液中の各元素の濃度は,式(I.1)に従ってシグナル強度比から計算し,対応する濃度は式(I.2)で計算
する。これは,手動で行うこともICP-OES装置のソフトウエア機能を使用して行うことも可能である。
試料溶液中の各元素濃度は,式(I.3)及び式(I.4)によって計算する。
Fd=V/w (I.3)
CE=cE×Fd (I.4)
ここで, V : メスフラスコの容量(L)
w : 試料の重量(g)
CE : 試料中の元素濃度(mg/kg)
cE : 試料溶液中の元素濃度(mg/L)
Fd : 希釈倍率
りん含有量に係数3.066 2を乗じてりん酸塩(PO4)に換算する。
I.6.2 結果の表示
元素濃度は,mg/kgで記録する。
成分ごとの結果は,全測定値の算術平均値とする。その結果は,正確に有効数字2桁まで表示する。
I.7 精度
I.7.1 一般
表I.5に示す範囲のAUS 32サンプルにおける微量元素濃度分析結果のラボ間試験結果を,ISO 4259規
格群に準拠した統計的検定によって決定した精度を,I.7.2,I.7.3及び表I.5に示す。
この精度は,他元素同時ICP-OESによるものである。精度が同等又はそれ以上の場合,シーケンシャル
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ICP-OESを使用してもよい。
I.7.2 併行精度,r
同一測定者が,同じ装置を用いて一定の操作条件の下で,同一の試料を測定したときの2回の測定結果
の差が,表I.5の値を超える確率は,正常な試験方法で適正に実施した場合,究極的に5 %になる。
I.7.3 室間再現性,R
異なる測定者が,異なる試験室において同一の試料をお互いに関与することなく,1回測定したときの
二つの測定結果の差が,表I.5の値を超える確率は,正常な試験方法で適正に実施した場合,究極的に5 %
になる。
表I.5−精度
単位 mg/kg
元素 濃度範囲 併行精度 室間再現精度
r R
AL 0.110.7 0.02 0.06
Ca 0.210.5 0.01 0.04
Cr 0.210.8 0.01 0.03
Cu 0.210.6 0.01 0.02
Fe 0.110.7 0.02 0.04
K 0.211.1 0.03 0.15
Mg 0.410.5 0.01 0.02
Na 0.211.1 0.01 0.03
Ni 0.210.5 0.01 0.04
P 0.211.1 0.003 0.012
Zn 0.210.8 0.01 0.03
I.8 試験報告書
報告書は,次のデータを含まなければならない。
a) 試験に供した製品のタイプ及び名称
b) この規格の規格番号
c) 用いた試料採取方法
d) 試験結果(I.6参照)
e) この規格で規定した測定方法からの逸脱事項
f) 観察された異常事項
g) 試験日
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