JIS K 2258-1:2009 原油及び石油製品―蒸気圧の求め方―第1部:リード法 | ページ 2

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浴に入れ,この類似の液体の温度を測定することによって行う。
g) 蒸気圧の測定に用いる試料は,試料容器から最初に小分けした試料分について実施する。試料容器に
残った試料は,2回目の測定に用いてはならない。再測定が必要な場合は,新しい試料を箇条6の方
法で採取する。

8 試験器の準備

8.1   試料室
開放した試料室を冷却浴に垂直に立て,完全に浸せきした状態で,10分間以上保持し,試料室の温度を
5 ℃以下にする。試験手順A,B及びDの場合は,図1に示す試料注入用連結管も同じ時間だけ入れてお
く。冷蔵庫の冷凍室を用いる場合は,冷却所要時間を短縮することができる。
図1−試料注入用連結管
8.2 空気室
試験の直前,圧力計を取り付け,37.8 ℃に保った恒温槽中に10分間以上,浸せきする。このとき,空
気室の頂部は,少なくとも水面下25 mmの深さまで浸せきしなければならない。空気室は,試料室と連結
するまで,恒温槽から取り出してはならない。

9 試料の移替え及び蒸気圧ボンベの組立

9.1   試験手順A,B及びD
試験手順A,B及びDの試料の移替え及び蒸気圧ボンベの組立は,次による。試料容器から一つ口試料
室への試料の移替えの説明図を,図2に示す。
a) 冷却した試料容器を冷却浴から取り出し,試料容器のふたを取り,冷却した試料注入用連結管を差し
込む。
b) 冷却した一つ口試料室を冷却浴から取り出し,水をよく切ってから試料注入管を差し込み,全体を手
早く逆さまにし,一つ口試料室を垂直の位置に置き,試料注入管の先端が一つ口試料室の底部から約
6 mm以内になるようにする。
c) 一つ口試料室からあふれ出るまで試料を満たし,一つ口試料室の底を実験台上で軽くたたいて泡を除
いた後,更にあふれるまで試料を注ぎ足す。試料の移替えの前に,あふれ出た試料が,広がらないよ
うな方策をしておく。また,引火源が近くにないように注意する。あふれ出た試料は,安全に廃棄す
る。

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d) 恒温槽から空気室を取り出し,速やかに水をよく切る。空気室内の37.8 ℃の空気と室内の空気とが置
換しないように,空気室を不用意に動かさないよう注意する。空気室と試料を満たした一つ口試料室
とを速やかに接続し,蒸気圧ボンベを組み立てる。この蒸気圧ボンベの組立操作は,空気室を恒温槽
から取り出してから10秒以内で行う。
(1) (2) (3) (4)
試料移替え前 ふたを取り試料注入 試料室に試料注入管 試料室に試料を注ぐ。
の試料容器。 用連結管を付ける。 を差し込む。
図2−試験手順A,B及びDの試料の移替え説明図
9.2 試験手順C
試験手順Cの試料の移替え及び蒸気圧ボンベの組立は,次による。
a) 冷却した密閉形試料容器を冷却浴から取り出し,試料の圧力が大気圧より高くなる温度になるまで静
置する。加温してもよいが,35 ℃以上にしてはならない。
b) 冷却した冷却コイルを密閉形試料容器の出口弁に接続する。冷却コイルは,直径6 mm,長さ約8 m
の銅管をらせん状に巻いたもので,10 Lの冷却浴に浸せきして,あらかじめ冷却したものを用いると
よい。
c) 二つ口試料室を冷却浴から取り出し,水をよく切ってから下方弁と冷却コイルとを接続する。
d) 二つ口試料室の上方弁を閉じ,密閉形試料容器の出口弁を開ける。わずかに二つ口試料室の上方弁を
開き,二つ口試料室を試料で徐々に満たし,更に0.2 L以上をあふれさせる。
e) 二つ口試料室の上方弁,下方弁の順に閉じ,試料採取系統のすべての弁を閉じる。二つ口試料室を冷
却コイルから外す。
f) 恒温槽から空気室を取り出し,速やかに水をよく切る。空気室内の37.8 ℃の空気と室内の空気とが置
換しないように,空気室を不用意に動かさないよう注意する。空気室と試料を満たした二つ口試料室
とを速やかに接続し,蒸気圧ボンベを組み立てる。この蒸気圧ボンベの組立操作は,空気室を恒温槽
から取り出してから10秒以内で行う。蒸気圧ボンベを組み立てた後,直ちに上方弁を開ける。

――――― [JIS K 2258-1 pdf 7] ―――――

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10 試験の手順

10.1 蒸気圧ボンベの恒温槽への導入
10.1.1 試験手順A及びD
試験手順A及びDにおける蒸気圧ボンベの恒温槽への導入手順は,次による。
a) 組み立てた蒸気圧ボンベを逆さまにして,一つ口試料室の試料を空気室に流し込み,逆さまのまま蒸
気圧ボンベを上下に8回激しく振とうする。
b) 蒸気圧ボンベを,逆転してブルドン管圧力計が上方になるようにして,一つ口試料室と空気室との連
結部が水面下になるように,37.8 ℃の恒温槽に斜めに入れる。漏れの有無を注意深く観察する。
c) 漏れがないことを確認した後,空気室の頂部が少なくとも水面下25 mmの深さになるように,蒸気圧
ボンベを垂直に浸せきする。試験中は,絶えず漏れの有無を観察する。漏れを確認した場合には,直
ちに試験を中止する。液体の漏れの発見は,気体の漏れよりも困難である。一つ口試料室と空気室と
の連結部は,特に注意を要する。
10.1.2 試験手順B
試験手順Bにおける蒸気圧ボンベの恒温槽への導入手順は,次による。
a) 組み立てた蒸気圧ボンベを垂直に持ち,直ちに自在継手を急速脱着継手に接続する。蒸気圧ボンベを
下向きに2030°傾け,試料を45秒間かけて空気室に流し込む。このとき,試料が圧力センサか
ら空気室に伸びている細管に入らないように注意する。
b) 蒸気圧ボンベを37.8 ℃の恒温槽に入れる。一つ口試料室の底部と駆動接続部とを接続し,もう一方を
支持ベアリングの上に載せる。
c) スイッチを入れ,組み立てた蒸気圧ボンベを回転させる。試験中は,絶えず蒸気圧ボンベから漏れの
有無を10.1.1 c)を参照して観察する。漏れを確認した場合には,直ちに試験を中止する。
10.1.3 試験手順C
試験手順Cにおける蒸気圧ボンベの恒温槽への導入手順は,次による。
a) 組み立てた蒸気圧ボンベを逆さまにし,二つ口試料室の試料を空気室に流し込む。蒸気圧ボンベを振
とうしてはならない。
b) 蒸気圧ボンベを,逆転してブルドン管圧力計が上方にくるようにして,10.1.1 b)及び10.1.1 c)に従って,
37.8 ℃の恒温槽に入れる。漏れの有無については,10.1.1 c)に従って絶えず観察を行う。漏れを確認
した場合には,直ちに試験を中止する。
10.2 蒸気圧の測定
10.2.1 試験手順A及びD
試験手順A及びDにおける蒸気圧の測定は,次による。
a) 蒸気圧ボンベを5分間以上恒温槽に静置した後,ブルドン管圧力計を軽くたたいて圧力示度を読み取
る。圧力示度は,100 kPa未満の場合は,0.25 kPa単位で,100 kPa以上の場合は,0.5 kPa単位で読み
取る。
b) 蒸気圧ボンベを恒温槽から取り出し,逆さまにして,蒸気圧ボンベを上下に8回激しく振とうする。
蒸気圧ボンベを逆転して,蒸気圧ボンベが冷えないように,できるだけ速やかに恒温槽に戻し,2分
間以上静置する。ブルドン管圧力計を軽くたたいて圧力示度を読み取る。
c) )の操作を2分間以上の間隔で,少なくともあと4回繰り返す。最後の2回の読取値が同じ場合は,
これを未補正蒸気圧として記録する。最後の2回の読取値が同じでない場合は,連続2回の圧力の読
取値が同じになるまで繰り返す。

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d) 蒸気圧ボンベを速やかに恒温槽から取り出し,直ちにブルドン管圧力計を取り外す。ブルドン管圧力
計に残った試料を除去せず,ブルドン管圧力計を検査用圧力計に接続し,検査用圧力計及びブルドン
管圧力計の読みを記録する。この測定を短時間に実施すると,二つの圧力計は,両者に共通の安定し
た圧力となり,その圧力の読取値の差は1 kPa以内となる。
なお,圧力計の取外しは,蒸気圧ボンベが37.8 ℃から冷えないように速やかに行う。検査用圧力計
の圧力は,ブルドン管圧力計を接続した後,図A.2を参照して,試料の未補正蒸気圧付近まで加圧す
るとよい。
e) 検査用圧力計の読取値からブルドン管圧力計の読取値を減じ,この値をブルドン管圧力計補正値とし
て記録する。
f) 未補正蒸気圧にブルドン管圧力計補正値を加え,この値を蒸気圧とする。
10.2.2 試験手順B
試験手順Bにおける蒸気圧の測定は,次による。
a) 組み立てた蒸気圧ボンベを恒温槽から引き上げず,10.2.1 a) c)の操作を行う。ただし,振とう操作は,
手で振とうせずに,附属書Bの試験器を用いて回転させる。圧力計について,軽くたたく操作及び読
取方法については,10.2.1のとおりである。ただし,圧力計に圧力センサを用いた場合には,軽くた
たく操作は不要である。
b) 検査用圧力計を用いて未補正蒸気圧を補正する手順は,10.2.1 d) f)による。
10.2.3 試験手順C
試験手順Cにおける蒸気圧の測定は,次による。
a) 組み立てた蒸気圧ボンベを恒温槽から引き上げず,10.2.1 a) c)の操作を行う。ただし,振とう操作は,
危険なので行わない。
b) 検査用圧力計を用いて未補正蒸気圧を補正する手順は,10.2.1 d) f)による。蒸気圧が180 kPaを超え
る場合,検査用圧力計には,基準重すい(錘)形圧力計を用いるのが望ましい。
注記 最後の2回の読取値が同じになるまでの所要時間は,蒸気圧ボンベを振とうしないため,試
験手順A,B及びDと比較して長時間を要する。

11 次回の試験のための試験器の準備

11.1 試料室,空気室及び試料注入用連結管の清浄
試料室,空気室及び試料注入用連結管の清浄は,次による。
a) 試料室と空気室との組立を外す。試料室,空気室及び試料注入用連結管は,32 ℃以上の温水を満たし
て,残った試料を十分除去する。この除去作業を5回以上繰り返す。各部品は,適切な溶剤で数回洗
浄し,次いでアセトンで数回洗浄し,乾燥空気で乾燥する。試料室は,次回の試験に備えて冷却浴に
入れる。
注記 部品を適切に洗浄するために用いる溶剤には,石油エーテル,石油ナフサ,ヘプタン,2,2,4-
トリメチルペンタンなどがある。
b) 空気室の洗浄に恒温槽を用いる場合は,恒温槽から空気室を引き上げるとき,水面に浮いている試料
などからの油膜が付かないように,空気室の上下の開口部をふさいでおく。
11.2 ブルドン管圧力計の清浄
ブルドン管圧力計の清浄は,次による。
a) 検査用圧力計からブルドン管圧力計を取り外す。

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b) ブルドン管圧力計を手に持って,弧を描くように3回以上繰り返して振り,遠心力によってブルドン
管にたまった試料の大部分を除去する。振り方としては,ねじを切った接続部を前にして,両方の手
で圧力計の面を挟むように持つ。腕を伸ばして,前方45°の角度に持ち上げた後に下方に振り下げ,
更に約135°の弧を描くように腕を上下に振るとよい。
c) ブルドン管圧力計中に乾燥空気を細管で5分間以上吹き込んで,残った試料をすべて除去する。
11.3 圧力センサの清浄
圧力センサの清浄は,次による。
a) 試験手順Bでは,検査用圧力計から圧力センサを取り外す。
b) 圧力センサのらせん管の中に乾燥空気を細管で吹き込んで,らせん管に残った試料をすべて除去する。
T形の取っ手継手も乾燥空気を用いて乾燥する。
注記 試験手順Bの場合,10.1.2 a) を適切に行えば,圧力計又は圧力センサに試料が入り込む可能
性は少ない。また,圧力センサに試料が残るようなくぼみは,ない。
11.4 圧力計と空気室との接続
圧力計と空気室との接続は,次による。
a) 圧力計と空気室の圧力計接続部とを接続する。
b) 空気室を37.8 ℃の恒温槽に入れ,次の試験に備える。空気室及び圧力計は,準備のためでも必要以上
に恒温槽に放置してはならない。水蒸気がブルドン管に凝縮した場合,試験結果に誤差を生じること
がある。

12 結果の表し方

  蒸気圧が100 kPa未満の場合は,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.25に丸める。ただし,100 kPa
以上の場合は,丸めの幅0.5に丸める。

13 精度

  この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。ただし,精度は,蒸気圧
が10 kPaを超える揮発性原油には適用しない。
試験結果が許容差を外れた場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
13.1 室内併行精度
同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験したとき,試験結果
の差の許容差は,表1による。
13.2 室間再現精度
異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求めた2個の試験
結果の差の許容差は,表1による。

――――― [JIS K 2258-1 pdf 10] ―――――

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