JIS K 3835:1990 精密ろ過膜エレメント及びモジュールの細菌捕捉性能試験方法

JIS K 3835:1990 規格概要

この規格 K3835は、試験菌としてシュードモナスデミニュータ(Pseudomonas diminuta)を用いて,空気又は液体ろ過用精密ろ過膜のフィルタディスク,フィルタカートリッジの細菌捕捉性能を試験する方法について規定。

JISK3835 規格全文情報

規格番号
JIS K3835 
規格名称
精密ろ過膜エレメント及びモジュールの細菌捕捉性能試験方法
規格名称英語訳
Testing methods for determining bacterial retention of membrane filters
制定年月日
1990年10月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

71.120.99
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1990-10-01 制定日, 2002-05-20 確認日, 2006-10-20 改正日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS K 3835:1990 PDF [13]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K3835-1990

精密ろ過膜エレメント及びモジュールの細菌捕捉性能試験方法

Testing methods for determining bacterial retention of membrane filters

1. 適用範囲 この規格は,試験菌としてシュードモナスデミニュータ (Pseudomonas diminuta) を用いて,
空気又は液体ろ過用精密ろ過膜のフィルタディスク,フィルタカートリッジ及びディスポーザブルフィル
タの細菌捕捉性能を試験する方法について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. この規格の中で{}を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
規格値である。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 3802によるほか,次のとおりとする。
(1) 細菌捕捉性能 精密ろ過膜エレメント及びモジュールの評価に用い,次の式で定義する値。
A
M log10
B
ここに, M : 細菌捕捉性能(1)(無次元)
A : 精密ろ過膜に負荷した試験菌の総数。
B : 試験用分析フィルタに捕捉された試験菌の数。
注(1) 対数減少値又はLRV (Log Reduction Value) とも表現される。
(2) フィルタディスク シート状のフィルタエレメント。
(3) フィルタカートリッジ プリーツ状,円筒状などのフィルタエレメント。
(4) ディスポーザブルフィルタ 使い捨てになっているフィルタアセンブリ。
(5) フィルタアセンブリ ハウジング又はホルダにフィルタエレメントが組み込まれたもの。
(6) ホルダ フィルタディスクを使用するための容器。
3. 試験菌,試薬及び培地
3.1 試験菌 試験菌は,シュードモナスデミニュータATCC 19146又はIFO 14213とする。
3.2 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(1) 水 JIS K 0101の2.(9)(水)に規定する蒸留水若しくはイオン交換水又はそれと同等以上の水。
(2) 塩化ナトリウム JIS K 8150に規定するもの。
3.3 培地 培地は,次のとおりとする。
(1) 加塩乳糖ブイヨン培地 三角フラスコ2 000mlに水970mlを入れ,塩化ナトリウム7.6gを加えて溶か
す。別に,ラクトースブロスの粉末又はか(顆)粒1.3gを水100mlに溶かしたものから30mlをとり,

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この三角フラスコに入れ,pHを6.9±0.1に調整し,121℃で約20分間高圧蒸気滅菌する。
(2) 標準寒天培地 肉エキス5.0g,ペプトン10.0g,ぶどう糖1.0g及び寒天1518gを水1 000mlに溶か
し,滅菌後のpHが7.07.2となるように調整(2)し,121℃で約20分間高圧蒸気滅菌する。
注(2) 既製の乾燥粉末培地を用いて調製してもよい。
(3) ラクトースブロス (Lactose Broth) ペプトン5.0g,肉エキス3.0g及び乳糖5.0gを水1 000mlに加え,
pHを6.9±0.2に調整(2)する。
4. 器具 器具は,次のとおりとする。
(1) 分析用精密ろ過膜 直径142mm,孔径0.45 下のもの。
(2) ペトリ皿 (3)直径約50mm及び約150mmのガラス製のもの。
注(3) ペトリ皿は,乾熱滅菌器を用い170℃で3時間乾熱滅菌をしておく。市販のプラスチックス製滅
菌シャーレを用いてもよい。
(3) 三角フラスコ JIS R 3503に規定するもの。
(4) 乾熱滅菌器 150200℃に調節できるもの。
(5) 高圧蒸気滅菌器 121℃以上に加熱でき,210kPa [{2.1kgf/cm2}] 以上の器内絶対圧力で使用できるもの。
(6) ふ卵器 30±2℃に調節ができるもの。
(7) クリーンベンチ JIS B 9922に規定するもの。
(8) 圧力容器 容積12l以上のステンレス鋼製の容器で,0350kPa [{03.5kgf/cm2}] の圧力計を備えたも
の。
(9) 142mmフィルタホルダ ステンレス鋼製のもの。
(10) ハウジング ステンレス鋼製のもの。
(11) フィルタアセンブリ 精密ろ過膜エレメント又はモジュールを組み込んだホルダ又はハウジング。
(12) マニホールド 121℃の高圧蒸気滅菌に耐える分岐管。
(13) 圧力計 測定圧力範囲が0400kPa [{04kgf/cm2}] のダイアフラム式圧力計,又はそれと同等以上の
性能をもつもの。
(14) 温度計 JIS B 7411に規定する温度計,半導体センサー方式によるデジタル温度計,又はその他の方
式による温度計をあらかじめ標準温度計で校正したもの。
(15) 流量計 JIS B 7551に規定する流量計のうち,最小目盛が測定する流量の510%で,最大測定流量が
測定する流量の1.52倍程度の流量計又はそれと同等以上の性能をもつもの。
5. 試験装置の構成及び構成部品 試験装置は,圧力調整器,耐圧貯蔵容器,流量計,試験フィルタアセ
ンブリ,対照分析フィルタアセンブリ,試験用分析フィルタアセンブリなどで構成し,構成部品は,次に
よる。構成例を図1に示す。
備考 弁4は2方向弁で,必要に応じて設置し,試験フィルタの浸せき液などを排出するときに用い
る。
(1) 試験フィルタアセンブリ 試験をするフィルタディスク,フィルタカートリッジ及びディスポーザブ
ルフィルタ(以下,試験フィルタという。)並びにそれを組み込んだホルダ又はハウジング。
(2) 対照用分析フィルタアセンブリ 対照試験のための直径142mmのフィルタディスクを組み込んだ
142mmフィルタホルダ。
(3) 試験用分析フィルタアセンブリ 試験フィルタの試験のための直径142mmのフィルタディスク及び

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フィルタディスクを組み込んだ142mmホルダ。
図1 試験フィルタの細菌捕捉性能試験装置
6. 準備
6.1 試験菌の同定 試験菌の同定は,附属書1による。
6.2 試験菌液の準備 試験菌液は,滅菌した加塩乳糖ブイヨン培地又は0.9%食塩水にあらかじめ作製し
ておいた保存用試験菌液を加えて調製する(4)。試験用保存菌液の調製方法は,附属書2による。
注(4) 試験菌液の濃度は,特定しないが,試験を行ったときに,ろ過膜に,有効ろ過面積1cm2当たり
107以上負荷されるようにする。
6.3 試験装置の準備 試験装置の準備は,次のとおりとする。
(1) 試験フィルタアセンブリの準備
(a) 試験フィルタホルダ又はハウジングに取り付け(5),ホルダ又はハウジングの入口及び出口を高圧蒸
気滅菌用紙で包み,取扱説明書に従い高圧蒸気滅菌(6)を行う。
注(5) 試験フィルタがディスポーザブルフィルタのときは,ホルダ又はハウジングと取り替える。
(6) インライン高圧蒸気滅菌を行ってもよい。
備考 滅菌が行われているかどうかを生物学的インジケーター(7)又は熱電対(8)を用いて確認する。
注(7) 通常,耐熱試験菌であるバチルスステアロサーモフィラス (Bacills stearothermophilus) が用いら
れる。
(8) 滅菌する部分が所定温度になっていることを確認するためのもの。
(b) IS K 3832若しくはJIS K 3833又は取扱説明書に従って無菌的に完全性試験を行い,試験フィルタ
の破損などの欠陥がないことを確認する。
(c) 組立てを行うまでクリーンベンチ内に置く。
(2) 対照用分析フィルタアセンブリ及び試験用分析フィルタアセンブリの準備
(a) 対照用分析フィルタアセンブリ及び試験用分析フィルタアセンブリに分析用精密ろ過膜を組み込む。
(b) フィルタアセンブリの入口及び出口に高圧蒸気滅菌用チューブを取り付け,チューブの末端を高圧
蒸気滅菌用紙で包み,取扱説明書に従い高圧蒸気滅菌を行う。

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(3) マニホールド及び接続ホースの滅菌
(a) 弁を開いて接続したマニホールド及び接続ホースを高圧蒸気滅菌用紙に包み,高圧蒸気滅菌器に入
れて滅菌する。
また,フィルタアセンブリを接続ホースを介してマニホールドに接続し,インラインで高圧蒸気
滅菌を行ってもよい。
備考 滅菌が行われているかどうかを生物学的インジケーター(7)又は熱電対(8)を用いて確認する。
(b) 組立てを行うまでクリーンベンチ内に置く。
(4) 耐圧貯蔵容器及び試験フィルタアセンブリの上流側配管類
耐圧貯蔵容器及び試験フィルタアセンブリ上流側配管類は,使用前によく洗浄し,消毒を行った後,
無菌水ですすぎ洗いをしておく。
備考 耐圧貯蔵容器は,5%の次亜塩素酸ナトリウムの1 000分の1希釈液又は消毒用エタノールで消
毒した後,十分に水洗する。
7. 細菌捕捉性能試験操作 本試験を実施する前に,図1の装置の配管の接続をクリーンベンチ内で無菌
的に行った後,次の対照試験を行う。
7.1 対照試験 対照用分析フィルタアセンブリを用い,次のとおり行う。
(1) 耐圧貯蔵容器に滅菌した緩衝液又は塩化ナトリウム溶液 (0.9%) (以下,液という。)を入れる。
(2) 弁1, 2及び3を閉じる。
(3) 耐圧貯蔵容器内を210kPa [{2.1kgf/cm2}] に加圧する。
(4) 弁1を徐々に開き,試験フィルタアセンブリに液を満たす。このとき,試験フィルタアセンブリの通
気弁を開いておき,試験フィルタアセンブリに液が満たされたなら,通気弁を閉じる。
(5) 弁3を開き,弁1を調節して耐圧貯蔵容器内の液の全量を対照分析フィルタアセンブリでろ過する。
(6) ろ過が終了した後,加圧を停止し,耐圧貯蔵容器内を大気圧に戻す。
(7) 弁3と対照用分析フィルタアセンブリの間をクランプで締め,弁3とクランプの間でチューブを切断
し,対照用分析フィルタアセンブリをクリーンベンチに移す。
(8) 対照用分析フィルタアセンブリの二次側から吸引して対照用分析フィルタアセンブリの全液を除き分
析用精密ろ過膜を取り出し,標準寒天培地の入ったペトリ皿に入れ,30±2℃で培養し,72時間及び7
日後のコロニー数を計数する(9)。
注(9) この分析用精密ろ過膜の培養は,本試験の分析用精密ろ過膜の培養と同時に行う。この対照試
験では,いかなる細菌も検出されてはならない。細菌が検出された場合には,試験フィルタの
細菌捕捉性能試験全体を無効とする。
7.2 本試験 図1の装置で試験フィルタアセンブリを用い,次のとおり行う。この試験は,7.1の対照試
験実施後直ちに行う。
(1) 試験菌液の必要量を耐圧貯蔵容器に入れる。
(2) 試験菌液の生菌数を附属書3によって測定する。
(3) 通気弁を開き,弁1を徐々に開いて,試験フィルタアセンブリに試験菌液を満たし,液が満たされた
ら,通気弁を閉じる(10)。
注(10) 排気は,殺菌剤の入った液中に導く。
(4) 弁1と弁2を調節して,試験フィルタの有効ろ過面積1cm2当たり (2-4) ×10-3l/minの流速又は最大
210kPa [{2.1kgf/cm2}] の差圧で試験用分析フィルタアセンブリに通液し,試験菌液の全量をろ過する。

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(5) ろ過終了後,加圧を停止し,耐圧貯蔵容器内を大気圧に戻す。
(6) 弁2を閉じ,弁2と試験用分析フィルタアセンブリの間の接続チューブをクランプで締め,クランプ
と弁2の間を切断し,試験用分析フィルタアセンブリをクリーンベンチに移す。
(7) 試験用分析フィルタアセンブリの二次側から吸引してアセンブリの液を除き,分析用精密ろ過膜を取
り出し,標準寒天培地の入ったペトリ皿に入れ,30±2℃で培養し,48時間及び7日後のコロニー数
を計数する。
また,コロニーが試験菌であるかを6.1により識別する(11)。
注(11) 試験菌以外の細菌が存在していた場合には,この試験は無効とする。
(8) 細菌捕捉性能試験終了後,JIS K 3832若しくはJIS K 3833又は取扱説明書に従って試験フィルタの完
全性試験を行う。
8. 計算 次の式によって,細菌捕捉性能を算出する。
A
M log10
B
ここに, M : 細菌捕捉性能(無次元)
A : 精密ろ過膜に負荷した試験菌の総数。
B : 試験用分析フィルタに捕捉された試験菌の数。
A
備考 試験菌の数が0の場合は,Bに1を用いて, M≧log10 B と表示できる。
9. 試験の報告事項 試験の報告事項は,次のとおりとする。
(1) 試験フィルタ
(a) 製造業者名
(b) フィルタの形状又は製品名
(c) 製品番号
(d) 製造番号(ロット番号)
(e) 表示孔径
(f) 有効ろ過面積
(2) 試験条件
(a) 試験圧力(入口,出口)
(b) 試験用懸濁液の温度
(c) 流量
(d) 試験日時
(e) 試験者名
(3) 試験菌液中の菌数
(4) ろ液中の菌数
(a) 対照試験の結果,分析用精密ろ過膜にコロニーが観察された場合は,コロニー数。
(b) 本試験の結果,分析用精密ろ過膜にコロニーが観察された場合は,コロニー数(シュードモナスデ
ミニュータのコロニー数とその他のコロニー数別)。
(5) 試験フィルタの完全性

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