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K 5600-1-7 : 2014
4.2 機械式測定方法
4.2.1 原理
機械式測定方法では,素地の表面は塗膜を貫通した測定器具の測定部と接触し,塗膜の表面は,同時に
(図1参照)又は継続的に(図2及び図3参照)測定器具の別の部位と接触する。
ぬれ膜厚は,これら二つの接触しているポイント間の高さの差であり,直接読むことができる。
4.2.2 適用分野
機械式測定方法は,全ての塗膜と素地との組合せに適用できるが,次の素地及び塗膜の性質によって表
A.1の中の方法から選択する必要がある。素地の測定を行う部分の形状は,平面でなければならず,球体
などには,用いることができない。ただし,管の内部又は外部の表面のように一方向でも平滑部があれば
よい。
4.2.3 共通事項
膜厚測定において,破壊試験法又は非破壊試験法のいずれを用いるかについては,次の条件による。
a) 塗膜材料の粘弾性特性
b) 測定器械の接触面と,塗膜材料の間の濡れ接触の性質
c) 厚さの測定をすることで,対象の塗膜が不適切な状態になるようなことがないか。
測定機器の接触面と素地との間に顔料の粒子が残存する可能性を除くことができないので,全ての機械
式測定方法は測定方法に起因する誤差を含んでいる。すなわち,表示されるフィルム厚さは,顔料の粒子
の少なくとも平均直径だけ実際のぬれ膜厚より小さい。
ロータリ形ゲージ(測定法1B,4.2.5参照)の場合には,輪は塗膜材料によってぬれなければならない。
ぬれていなければ,この測定方法に起因する一層の誤差要因となり,過大な膜厚の読みとなり得る。この
ようなことを制御する要因として,次のものが挙げられる。
− 塗膜材料の表面張力と粘弾性特性
− ロータリ形ゲージの材質料
− 測定時の輪が回る速度
4.2.4 測定法1A くし形ゲージ
4.2.4.1 くし形ゲージ
くし形ゲージは,両端部に沿って歯をもつ耐食性材料で作られた平らな板である(図1参照)。
板の両端の一対の歯の内側に隙間の異なる歯列があり,両端の歯は間隙の基準線となっている。各歯に
は,割り当てられた隙間と基準線との距離が,刻印されている。
市販のくし形ゲージによって測定することができる最大の膜厚は,一般的に2 000 μmであり,最小の間
隙増分は,一般的に5 μmである。
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1 素地
2 塗膜
3 ぬれ接触点
4 くし形ゲージ
図1−くし形ゲージの例
4.2.4.2 手順
a) くし形ゲージの歯に汚れがなく,摩耗及びきずがないことを確認する。
b) ぬれた塗膜面に,歯が垂直になるように,くし形ゲージを置く。
c) ゲージを取り除くまでに,ぬれた塗膜が歯をぬらすだけの十分な時間をとる。
d) 一つの平面で湾曲した試験片の場合には,くし形ゲージは,湾曲の軸線に対して平行に当てる。厚さ
の測定の結果は,塗装後,測定までの時間の影響を受ける。したがって,厚さは,塗装の後できるだ
け早く測定する。ぬれ膜厚は,塗料によってぬれる歯の最も大きいギャップの読みとする。
4.2.5 測定法1B ロータリ形ゲージ
4.2.5.1 ロータリ形ゲージ
ロータリ形ゲージは,強化防しょく(蝕)性鋼鉄で作られており,円筒から3組の枠(リム)が出てい
る構造となっている(図2参照)。二つの枠は,丸く同じ直径であり,同軸となるように形状が決められ
ている。第3の枠は,直径が小さく偏心している。外側の枠の一方には,目盛が刻まれており,偏心枠の
数値は,同心枠の目盛と対比して読み取ることができる。
次の2種類の方式のゲージがある。
− 方式1では,同心の枠の間に偏心した枠がある。
− 方式2では,偏心した枠は,同心の二つの枠の外側にあり,そのうちの一つに隣接している。
方式2は,方式1より,視差の少ないぬれ膜厚の読取りができる。
市販のロータリ形ゲージによって測定することができる最大の膜厚は,一般的に1 500 μm,最小の膜厚
測定間隔は,一般的に2 μmである。
ロータリ形ゲージの場合には,枠は,塗膜材料によってぬれなければならない。ぬれていなければ,こ
の測定方法に起因する一層の誤差要因となり,過大な膜厚の読みとなり得る。このようなことを制御する
要因として,次のものが挙げられる。
− 塗膜材料の表面張力及び粘弾性特性
− ロータリ形ゲージの材質料
− 測定時の枠が回る速度
――――― [JIS K 5600-1-7 pdf 7] ―――――
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方式1 方式2
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1 素地
2 塗膜
3 偏心した枠
4 ロータリ形ゲージ
5 回転軸
正面 側面
図2−ロータリ形ゲージの例
4.2.5.2 手順
a) 親指及び人差し指で,ロータリ形ゲージの回転軸をつかみ,目盛の最も大きい読み点で接するように
同心の枠をぬれた塗膜面に押し付ける。一つの平面で曲がった試験片の場合には,湾曲の軸線とゲー
ジの枠とは平行にする。
b) 軸を中心として一方向にロータリ形ゲージの枠を転がし,ぬれた塗膜面から持ち上げ,偏心した枠が
まだ塗料材料によってぬれている最も高い目盛の値を読み取る。
c) ゲージをきれいにし,他の方向で繰り返す。
d) これらの読みを算術平均して,ぬれ膜厚を計算する。
厚さの測定結果は,塗装から測定までの時間によって影響を受ける。したがって,厚さは,塗装の後,
できるだけ早く測定する。
結果に対する表面張力の影響を最小にするために,偏心した枠が塗料でどのようにぬれるかを観察し,
最初の接触点の目盛を記録する。この記録の方法は,ロータリ形ゲージの方式2にだけ可能である。
4.3 質量法
4.3.1 原理
ぬれ膜厚tw(μm)は,塗膜材料の質量を,密度及び塗装された面積で除すことにより,次の式(1)によ
って計算される。
m 0 (1)
tw
ここに, m0 : 未塗装の試験板の質量(g)
m : 塗装した試験片の質量(g)
A : 塗装した表面領域の面積(m2)
ρ : 塗料の密度(g/ml)
塗料の密度は,ISO 2811-1,ISO 2811-2,ISO 2811-3又はISO 2811-4によって決定する。
注記 膜厚単位換算 mL/M 2=1 μm(mL=1×10−6M 3,1×10−6 M 3/M 2=10−6 M =1 μm)
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4.3.2 適用分野
質量法は,一般的に液状塗料中の高揮発性物質の量が少ないものに用いる。
4.3.3 共通事項
質量法の測定では,全塗装表面領域を通してのぬれ膜厚の平均値が得られる。
スプレー塗装においては,試料の裏面は,部分的なオーバースプレーによる測定誤差を防ぐために覆う
必要がある。裏面に覆いを施した場合は,試験片の質量を測定する前に,覆いを取り除く。
4.3.4 測定法2 質量の差による方法
4.3.4.1 機器
最小桁1 mgで,500 gまで質量を量ることができるはかり。
4.3.4.2 手順及び結果のまとめ方
未塗装の試験板の質量を測定し,次に塗装した試験板の質量を測定し,式(1)によってぬれ膜厚を算出す
る。
5 乾燥膜厚の測定
5.1 共通事項
乾燥膜厚の測定に使用する方法の一覧を示す(附属書A参照)。
この規格では,機械式測定方法,質量法,光学的方法,磁気法,放射線法及び音響法を規定する。
5.2 機械式測定方法
5.2.1 原理
マイクロメータ又はダイヤルゲージ(5.2.4参照)を用いて,全体の厚さ(素地+塗膜)と素地の厚さと
の差として膜厚を測定する。膜厚の測定には,次の二つの方法がある。
a) 塗膜除去法(破壊的試験法) 最初に一定の測定領域で全体の厚さを測定し,その後測定領域の塗膜
を取り除いて素地の厚さを測定する。
b) 塗装法(非破壊的試験法) 最初に素地の厚さを測定し,塗装後に同じ測定範囲の全体の厚さを測定
する。
乾燥膜厚は,塗装有無での二つの厚さの差として算出する。
マイクロメータ又はダイヤルゲージは,塗装法で用いる。デプスゲージ(5.2.5参照)又はプロフィロメ
ータ(5.2.6参照)は,塗膜除去法で用いる。
なお,塗膜の除去は,試験片の塗膜の一部をナイフ又は切削工具によって,素地に達するまで削り,段
差を生じさせる。素地が柔らかい場合には,溶剤によって塗膜を取り除かなければならない。
5.2.2 適用分野
機械的方法は,基本的に全ての塗膜と素地との組合せに適用できる。機械的方法を実施する場合は,測
定端子がへこ(凹)みを作ることによって誤った結果の読みとなることを避けるため,素地と塗膜とは十
分に硬くなければならない。マイクロメータ又はダイヤルゲージ(5.2.4)は,円形断面をもつ円筒形試料
の乾燥膜厚測定にも適用できる(例えば,ワイヤ及びパイプ)。また,プロフィロメータ(5.2.6)は,問題
があったときの判定方法として認められている。
5.2.3 共通事項
“塗装法”による測定では,素地の厚さと全体の厚さとの測定が,正確に同じ点で確実に実行できるよ
うに,ラベルを付けた穴をもつテンプレートを用いる。
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注記1 ほとんどのプラスチック素地の場合,素地にきずを付けずに除去することができないので“塗
装法”による測定を適用する。
“塗膜除去”による測定では,測定領域を丸く囲み,区別しなければならない。塗膜は,素地を機械的
又は化学的に損傷することなく,測定領域の中で,注意深く完全に取り除かれなければならない。
塗装の各段階を明確にするために,次の層を塗装する前に,素地を粘着テープで部分的にマスキングす
ることがある。デプスゲージ及びプロフィロメータ(5.2.5及び5.2.6)の場合,測定領域の中で取り除か
ない塗膜は,損傷のないようにしなければならない。プロフィロメータ(5.2.6)の場合,素地と塗膜表面
との間の肩の部分は,十分に明確になっていなければならない。
硬い素地(例えば,ガラス)に塗った塗膜は,機械的に取り除くことができるが,少し硬度の低い素地
(例えば,鉄)に塗った塗膜は,溶剤又は塗料離剤を用いて化学的に取り除かなければならない。
注記2 鉄のような多少柔らかい素地の場合,塗膜は直径10 mmのコアドリルを用いて素地ごと切り
離すことができる。切り離した円盤状の試験片から塗膜は,溶剤又は塗料離剤で取り除く
ことができる。
接触又は測定する全ての表面(塗膜,素地及び標本の裏面)は,清浄に保ち,塗膜の残留物がないよう
にしなければならない。
5.2.4 測定法4A 厚さの差による方法
5.2.4.1 機器
5.2.4.1.1 マイクロメータ
マイクロメータは,JIS B 7502に規定するものを用いる。
方式1−スタンド固定 スピンドルの測定面が,平らなマイクロメータのヘッド(JIS B 7502参照)を,
高さ調整ができる平らな支持台をもった堅固なスタンドに固定する。測定面は,支持台の天面に対し平行
に調整する。
方式2−手持ち 外側マイクロメータ(JIS B 7502参照)を用いる。
注記 外側マイクロメータはキャリパとしても知られているが,この種の器具の一般用語は,外側マ
イクロメータである(図3参照)。スピンドルとアンビルの測定面は,平滑でお互いに平行なも
のを用いる。
図3−外側マイクロメータ
5.2.4.1.2 ダイヤルゲージ
ダイヤルゲージは,JIS B 7503に規定するものを用いる。測定子の形状は,厚さを測定する塗膜の硬さ
の程度によって選択する(硬い物質用には測定面が球状,柔らかい物質用には測定面が平面状の測定子を
用いる。)。
方式1−スタンド固定 ダイヤルゲージは,図4に示すようなスタンドに固定する。平面状の測定子を
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JIS K 5600-1-7:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 2808:2007(MOD)
JIS K 5600-1-7:2014の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 5600-1-7:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7503:2017
- ダイヤルゲージ
- JISG3141:2017
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3141:2021
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISK5500:2000
- 塗料用語
- JISR6252:2006
- 研磨紙
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙