JIS K 6227:1998 ゴム―カーボンブラックの定量―熱分解法及び化学分解法 | ページ 2

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K 6227 : 1998 (ISO 1408 : 1995)
4.4.9 燃焼ボートを燃焼管の非加熱部に引き出し,10分間放冷する。この間も窒素を一定流量で流し続
ける。
4.4.10 燃焼ボートをデシケーター(4.2.4参照)に移し,完全に冷却してから質量を0.1mgまで量り,記
録する(質量m1)。
4.4.11 燃焼ボートを再度燃焼管に入れ,管を閉じる。吸気システムを酸素又は空気(4.1.2参照)供給に
切り替え,約100cm3/minでガスを流す。燃焼ボートを加熱部に移し,カーボンブラックのこん(痕)跡が
完全になくなるまでそのまま加熱する。
4.4.12 4.4.11の代わりの方法としては,燃焼ボートを850℃±25℃に保ったマッフル炉(4.2.5参照)に入
れ,カーボンブラックのこん跡が完全になくなるまで加熱する。
4.4.13 燃焼ボートをデシケーターに移し,室温まで放冷する。
4.4.14 燃焼ボートの質量を0.1mgまで量り,記録する(質量m2)。
4.4.15 この測定を2回行う。
4.5 結果の表示 カーボンブラック含有量は,次の式を用いて質量百分率で表す。
m1 m2
100
m0
ここに, m0 : 試験片の質量 (g) (4.4.2参照)
m1 : 窒素雰囲気中で加熱後の燃焼ボート,及びその残さの質量
(g) (4.4.10参照)
m2 : 酸素又は空気中で加熱後の燃焼ボート,及びその残さの質量
(g) (4.4.14参照)
備考3. 試験片は,あらかじめ抽出してあった試料から採取してもよい。この場合には,溶剤抽出レ
ベルについて補正を行ってm0を求める。
4. カーボンブラック(購入のまま)中の850℃で揮発する物質は,窒素雰囲気中での熱分解の
過程ですべて失われる。したがって,カーボンブラックの質量百分率の最終結果は,この分
だけ小さくなる。カーボンブラックの種類及び出所が既知の場合には,適切な補正を行うこ
とができる。
5. B法
警告 この手順の実施には,本質的に健康及び安全上の危険が伴うため,酸及び溶剤の使用に当たって
は必要と認められる健康及び安全に対する措置をすべて講じなければならない。作業は,すべてドラフト
チャンバーの中で行い,温浸,抽出,洗浄作業の際には保護眼鏡を着用する。
5.1 試薬 4.1に規定する試薬,及び次の試薬を用いる。
5.1.1 硝酸 JIS K 8541に規定するもの。( 1.42kg/l)
5.1.2 塩酸溶液 JIS K 8180に規定する塩酸 ( 1.18kg/l) 2容に水98容を加える。
5.1.3 クロロホルム
参考 クロロホルムは,健康及び環境上の問題物質である。現在,クロロホルムの代替溶剤として使
用可能な塩素系溶剤としては,ジクロロメタンが挙げられる。
5.1.4 アセトン・クロロホルム混合溶液 1+1 (V/V)
5.1.5 水酸化ナトリウム溶液 250g/l
5.1.6 水酸化ナトリウム溶液 150g/l
5.2 装置 4.2に規定する器具に加えて,次の器具を用いる。

――――― [JIS K 6227 pdf 6] ―――――

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K 6227 : 1998 (ISO 1408 : 1995)
5.2.1 ろ過層付きグーチるつぼ 不活性で耐熱性のある適切なろ過助剤を底に敷いたもの。ろ過助剤は,
次の手順で調製する。
ろ過助剤を水に分散させ,グーチるつぼに流し込み,適度に吸引ろ過する。グーチるつぼの底面が,ろ
過助剤の繊維層で厚く覆われたら,その上に小さな孔が多数開いたセラミックス製のディスクを置く。デ
ィスクが均一な厚さの繊維層で覆われるまで更にろ過助剤分散液を流し入れ,適度に吸引ろ過する。使用
に先立って5.3.55.3.16に規定する手順に従って,グーチるつぼを処理し,850℃±25℃で2時間加熱する。
管状炉及び関連システム(4.2.2参照)は,このグーチるつぼが入る大きさのものでなければならない。
5.3 手順
5.3.1 薄板状の試験片0.3g0.5gを0.1mg(質量m0)まで量り採り,質量を記録する。4.4.2及び4.4.3に
従って,試験片を抽出処理し,乾燥させる。
5.3.2 乾燥した試験片の全量を硝酸(5.1.1参照)10cm3を入れた100cm3ビーカーに移し,時計皿でふた
をする。
5.3.3 通常,室温では数分間で酸化反応が始まる。反応が始まらない場合には,ビーカーを沸騰水浴上で
反応が始まるまで徐々に暖める。室温で酸化反応の第1段階を完全に行わせる。必要ならば,ときどき沸
騰水浴上で加温する。
5.3.4 硝酸(5.1.1参照)を用いてビーカーの内壁を洗い流し,全量を50cm3とし,沸騰水浴上で2時間,
ときどき,かき混ぜながら加熱し,酸化反応を完全に行わせる。溶液の表面に気泡又は泡が認められなく
なれば,酸化反応は完了している。
備考5. 5.3.3及び5.3.4に述べた加熱時間,加熱条件を厳守しなければならない。酸化が不十分なとき
には,未酸化の重合体の存在によって,カーボンブラック含有量が過大に評価されることに
なる。一方,加熱時間が長すぎると,カーボンブラックは二酸化炭素に酸化され失われる。
これは,ゴム−スチレン含有量の測定−ニトロ化法 (ISO 5478 : 1990, Rubber−Determination
of styrene content−Nitration method) において,カーボンブラックを一部又は全部除去するた
めに強熱することと同じ理由による。このようなカーボンブラックの損失は,微粒子状のカ
ーボンブラックの場合に特に起こりやすい。
5.3.5 不溶解物質の大部分をビーカーに残すように注意しながら,溶液を熱いうちにグーチるつぼ(5.2.1
参照)に流し入れ,適度に吸引ろ過する。
5.3.6 10cm3の温硝酸(5.1.1参照)でビーカー内の残さを3回洗浄する。不溶解物質の大部分をビーカー
に残すようにしながら,洗浄液をグーチるつぼに入れ,吸引ろ過する。
5.3.7 ろ液を捨て,吸引瓶を水で十分に洗浄し,硝酸のこん跡を完全に除去する。
警告 硝酸とアセトンは,反応して爆発することがある。
5.3.8 10cm3のアセトン(4.1.4参照)でビーカー内の不溶解物質を3回洗浄する。不溶解物質の大部分を
ビーカーに残すように注意しながら,洗浄液をグーチるつぼでろ過する。
5.3.9 10cm3のアセトン・クロロホルム混合溶液(5.1.4参照)でビーカー内の不溶解物質を3回洗浄し,
不溶解物質の大部分をビーカー内に残すように注意しながら,グーチるつぼを用いて洗浄液をろ過する。
5.3.10 10cm3のクロロホルム(5.1.3参照)でビーカー内の不溶解物質を3回洗浄し,不溶解物質の大部分
をビーカー内に残すように注意しながら,グーチるつぼを用いて洗浄液をろ過する。
警告 塩基性条件下では,クロロホルムとアセトンの混合物は爆発することがある。吸引瓶をアセトン
で十分に洗浄し,次に水洗してから5.3.11の操作を行う。

――――― [JIS K 6227 pdf 7] ―――――

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K 6227 : 1998 (ISO 1408 : 1995)
5.3.11 ビーカーに250g/lの水酸化ナトリウム溶液(5.1.5参照)25cm3を加え,沸騰水浴上で,ときどき,
かき混ぜながら30分間加熱する。
5.3.12 温水35cm3を加え希釈し,グーチるつぼでろ過する。このとき,不溶解物の全量をグーチるつぼに
移す。
5.3.13 150g/lの水酸化ナトリウム溶液(5.1.6参照)10cm3でビーカーとグーチるつぼを3回洗浄する。
5.3.14 塩酸溶液(5.1.2参照)でビーカーとグーチるつぼを洗浄し,不溶解物質の全量を完全にグーチる
つぼに移す。
5.3.15 アセトン(4.1.4参照)10cm3でグーチるつぼを洗浄する。
5.3.16 管状炉及び関連装置(4.2.2参照)を用いて,850℃±25℃の窒素雰囲気中でグーチるつぼを乾燥さ
せる。デシケーター(4.2.4参照)中で放冷し,質量を0.1mgまで量り,記録する(質量m1)。
5.3.17 管状炉への窒素の供給を止め,空気又は酸素(4.1.2参照)に切り替える。850℃±25℃でカーボン
ブラックのこん跡が完全になくなるまでグーチるつぼを再加熱する。グーチるつぼをデシケーター中で放
冷し,質量を0.1mgまで量り,記録する(質量m2)。
5.3.18 初めに,同一品質のカーボンブラックの含有量が既知の試料を用いて,これらの手順を最初から最
後まで行い,実験操作を確認することが重要である。
5.3.19 この測定を2回行う。
5.4 結果の表示 カーボンブラック含有量は,次の式を用いて質量百分率で表す。
m1 m2
100
m0
ここに, m0 : 試験片の質量 (g) (5.3.1参照)
m1 : 窒素雰囲気中で850℃で加熱後のグーチるつぼ,及び残さの
質量 (g) (5.3.16参照)
m2 : 酸素又は空気中で850℃で加熱後のグーチるつぼ,及び残さ
の質量 (g) (5.3.17参照)
備考6. カーボンブラック(購入のまま)中の850℃で揮発する物質は,窒素雰囲気中での熱分解の過
程ですべて失われる。したがって,カーボンブラックの質量百分率の最終結果は,この分だ
け小さくなる。カーボンブラックの種類及び出所が既知の場合には,適切な補正を行うこと
ができる。
6. C法
警告 この手順の実施には,本質的に健康及び安全上の危険が伴うため,過酸化物及び溶剤の使用に当
たっては必要と認められる健康及び安全に対する措置を講じなければならない。作業は,すべてドラフト
チャンバーの中で行い,温浸,抽出,洗浄作業の際には保護眼鏡を着用する。
6.1 試薬 4.1及び5.1に規定する試薬に加え,次の試薬を用いる。
6.1.1 1,4-ジクロロベンゼン(p-ジクロロベンゼン)又は1,2-ジクロロベンゼン(o-ジクロロベンゼン)
6.1.2 tert-ブチルヒドロパーオキシド水溶液 純度60%以上のもので,通常残部40%は水,ジ-tert-ブチル
パーオキシド又はtert-ブタノールである。
これらの溶液は,冷所に保管すれば数箇月間安定である。
6.1.3 トルエン
6.2 装置 4.1及び5.2に規定する器具に加え,次の器具を用いる。

――――― [JIS K 6227 pdf 8] ―――――

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K 6227 : 1998 (ISO 1408 : 1995)
6.2.1 平底フラスコ 容量150cm3,円すい(錐)形ガラスすり合わせ34/35(めす)付きのもので,ISO 383
に規定するもの。
6.2.2 空冷式冷却管 円すい形ガラスすり合わせ34/35(めす)付きのもので,ISO 383に規定するもの。
6.2.3 水冷式冷却管 長さ250mm,円すい形ガラスすり合わせ34/35(おす)付きのもので,ISO 383に
規定するもの。
6.2.4 加熱板 200℃に制御できるもの。
6.2.5 ろ過層付きグーチるつぼ 5.2に規定する方法で調製され,6.3.76.3.15に規定する手順に従って
処理した後,850℃±25℃で2時間加熱したもの。
6.3 手順
6.3.1 薄板状の試験片0.3g0.5gを0.1mgまで量り採り,質量を記録する(質量m0)。試料をジクロロベ
ンゼン(6.1.1参照)20gを入れたフラスコ内に入れる。
6.3.2 ドラフトチャンバーの中で,空冷式冷却管(6.2.2参照)を用いて混合物を緩やかに(炭化しない
ように)30分60分間還流させる。
備考7. 試験片が炭化する可能性を最小に抑えるため,還流中に試料混合物をかき混ぜるとよい。四
ふっ化エチレン樹脂を被覆した回転子とマグネチックスターラーを用いると便利である。
6.3.3 混合物(6.3.2参照)を80℃90℃まで放冷した後,空冷式冷却管を外して水冷式冷却管(6.2.3参
照)を取り付け,tert-ブチルヒドロパーオキシド水溶液(6.1.2参照)5cm3を加える。
6.3.4 ドラフトチャンバーの中で,混合物を30分60分間緩やかに還流させ,50℃60℃まで放冷する。
6.3.5 冷却管の上からトルエン(6.1.3参照)100cm3150cm3を加える。
6.3.6 溶液を1時間2時間放置する。この放置時間の経過後には,不溶解物がフラスコの底に沈殿し,
溶液が透明になっていなければならない。2時間経過しても溶液が透明にならない場合には,6.3.26.3.4
に規定する時間を長くして測定を繰り返す。
6.3.7 グーチるつぼ(6.2.5参照)に溶液を入れ,適度に吸引してろ過する。トルエン(6.1.3参照)10cm3
でフラスコを3回洗浄し,洗浄液をグーチるつぼでろ過する。ろ過の際に問題が発生した場合には,6.3.5
6.3.7の操作でトルエンの代わりにアセトン(4.1.4参照)を用いて測定を繰り返す。ろ液にカーボンブラ
ックが含まれていないことを確認し,ろ液を捨てる。
6.3.8 アセトン(4.1.4参照)10cm3でフラスコを3回洗浄し,グーチるつぼで洗浄液をろ過する。
6.3.9 ろ液を捨て,吸引瓶を水洗する。
警告 硝酸とアセトンは,反応して爆発することがある。
6.3.10 温硝酸(5.1.1参照)10cm3でフラスコ及びグーチるつぼをそれぞれ3回洗浄する。
6.3.11 塩酸溶液(5.1.2参照)でフラスコ及びグーチるつぼを洗浄し,不溶解物の全量をグーチるつぼに
移す。
6.3.12 ろ液を捨て,吸引瓶を水洗する。
6.3.13 アセトン(4.1.4参照)10cm3でグーチるつぼを洗浄する。
6.3.14 管状炉及び関連装置(4.2.2参照)を用いて,850℃±25℃の窒素雰囲気中でグーチるつぼを乾燥さ
せる。デシケーター(4.2.4参照)中で放冷し,質量を0.1mgまで量り,記録する(質量m1)。
6.3.15 管状炉への窒素の供給を止め,空気又は酸素(4.1.2参照)に切り替える。850℃±25℃でカーボン
ブラックのこん跡が完全になくなるまでグーチるつぼを再加熱する。グーチるつぼをデシケーター中で放
冷し,質量を0.1mgまで量り,記録する(質量m2)。

――――― [JIS K 6227 pdf 9] ―――――

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K 6227 : 1998 (ISO 1408 : 1995)
6.3.16 初めに,同一品質のカーボンブラックの含有量が既知の試料を用いて,これらの手順を最初から最
後まで行い,実験操作を確認することが重要である。
6.3.17 この測定を2回行う。
6.4 結果の表示 カーボンブラック含有量は,次の式を用いて質量百分率で表す。
m1 m2
100
m0
ここに, m0 : 試験片の質量 (g) (6.3.1参照)
m1 : 窒素雰囲気中で850℃で乾燥後のグーチるつぼ,及び残さの
質量 (g) (6.3.14参照)
m2 : 酸素又は空気中で850℃で乾燥後のグーチるつぼ,及び残さ
の質量 (g) (6.3.15参照)
備考8. カーボンブラック(購入のまま)中の850℃で揮発する物質は,窒素雰囲気中での熱分解の過
程ですべて失われる。したがって,カーボンブラックの質量百分率の最終結果は,この分だ
け小さくなる。カーボンブラックの種類及び出所が既知の場合には,適切な補正を行うこと
ができる。
7. 試験報告書 試験報告書には,次の事項が含まれていなければならない。
a) この規格を引用した旨の記述
b) 試料を完全に特定するために必要なすべての詳細情報
c) 使用した試験方法(A法,B法又はC法)
d) 2回の試験結果の平均値と単位
e) 試験中に気付いた異常現象
f) この規格又はこの規格に引用されている規格に含まれない操作,及び任意の操作とみなされる操作に
ついての記述
g) 試験を実施した日付
図1 管状炉組立図

――――― [JIS K 6227 pdf 10] ―――――

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JIS K 6227:1998の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 1408:1995(IDT)

JIS K 6227:1998の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 6227:1998の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK6229:2015
ゴム―溶剤抽出物の求め方(定量)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)