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JIS K 6227:1998 規格概要
この規格 K6227は、ゴム中のカーボンブラック含有量の測定に用いる熱分解法(A法)及び二つの化学分解法(B法及びC法)について規定。
JISK6227 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K6227
- 規格名称
- ゴム―カーボンブラックの定量―熱分解法及び化学分解法
- 規格名称英語訳
- Rubber -- Determination of carbon black content -- Pyrolytic and chemical degradation methods
- 制定年月日
- 1998年3月20日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 1408:1995(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 83.060
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ゴム・エラストマー I 2020, ゴム・エラストマー II 2020
- 改訂:履歴
- 1998-03-20 制定日, 2002-08-20 確認日, 2006-10-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS K 6227:1998 PDF [11]
K 6227 : 1998 (ISO 1408 : 1995)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
今回の制定は,国際規格に整合させるために,ISO 1408 : 1995, Rubber−Determination of carbon black
content−Pyrolytic and chemical degradation methodsを基礎として用いた。
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS K 6227 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 6227 : 1998
(ISO 1408 : 1995)
ゴム−カーボンブラックの定量−熱分解法及び化学分解法
Rubber−Determination of carbon black content− Pyrolytic and chemical degradaion methods
序文 この規格は,1995年に第3版として発行されたISO 1408, Rubber−Determination of carbon black
content−Pyrolytic and chemical degradation methodsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更すること
なく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“箇所”は,原国際規格にはない事項である。
警告 この規格の利用者は,通常の実験室の作業に精通しているべきである。この規格は,その使用に
関連して起こるすべての安全上の問題を扱おうとするものではない。この規格の利用者は,各自の責任に
おいて安全及び健康に対する適切な措置を講じ,各国の規制条件に合致することを確認しなければならな
い。
1. 適用範囲
1.1 この規格は,ゴム中のカーボンブラック含有量の測定に用いる熱分解法(A法)及び二つの化学分
解法(B法及びC法)について規定する。
1.2 A法 本法が望ましい方法であり,次に示す重合体に用いるのがよい。ただし,鉛塩及びコバルト
塩,黒鉛カーボンブラック,フェノール樹脂及びその他の樹脂,ビチューメン,セルロースなどは,熱分
解中に炭素質残さを生成するため,これらの配合材料が存在する場合は適用しない。
− ポリイソプレン(天然又は合成)
− ポリブタジエン
− スチレンブタジエン共重合体
− ブチルゴム
− アクリルゴム
− エチレンプロピレン共重合体
− エチレンプロピレンターポリマー
− ポリエーテル
− ポリエチレン誘導重合体
− シリコーンゴム
− フルオロシリコーンゴム
− クロロスルホン化ポリエチレン[塩素含有量が30% (m/m) 未満]
熱分解温度で,アルミナや炭酸カルシウムのように分解又は脱水する無機充てん剤が存在する場合,
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K 6227 : 1998 (ISO 1408 : 1995)
若しくは,この温度で,ハロゲン化重合体と揮発性ハロゲン化物を生成する無機充てん剤が存在する
場合は,この試験方法の精度が影響を受けることがある。
この方法は,クロロプレンゴム及びアクリロニトリルを30% (m/m) を超えて含有するアクリロニト
リルブタジエンゴムには適用できない。
参考 ポリエチレン誘導重合体の中で,塩素化ポリエチレンは,窒素中での熱分解時に炭素質残さを
生成するので,A法を適用しないことが望ましい。また,エチレン酢酸ビニル共重合体の未加
硫ゴムは,アセトン抽出時に,又はETA液抽出時にポリマーが溶解しカーボンブラックが損失
するので,A法及びB法を適用しないことが望ましい。
1.3 B法 主として熱分解法(A法)で測定できない試料に適用する。
なお,この方法はイソブチレンイソプレン共重合体を除くすべての不飽和ゴムに適用できる。
参考1. イソブチレンイソプレン共重合体は,ブチルゴムと同じである。
2. B法において,イソブチレンイソプレン共重合体の場合,硝酸分解が完全でなくても,後操
作の熱分解でポリマーによる炭素質残さを生成しない場合は,B法を適用できる可能性があ
る。
1.4 C法 かなり危険な方法である。A法及びB法で測定できない場合に,イソブチレンイソプレン共
重合体,並びに,エチレンプロピレン共重合体及び関連ターポリマーに限って適用するのがよい。
備考 この規格の対応国際規格は,ISO 1408 : 1995, Rubber−Determination of carbon black content−
Pyroytic and chemical degradation methodsである。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの
規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付
記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 6229 ゴム−溶剤抽出物の定量
備考 ISO 1407 : 1992 Rubber−Determination of solvent extractからの引用事項は,この規格の該当
事項と同等である。
JIS K 8180 塩酸(試薬)
備考 ISO 6353-2 : 1983 Reagents for chemical analysis−Part2 : Specifications R13 Hydrochloric acid
からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS K 8541 硝酸(試薬)
備考 ISO 6353-2 : 1983 Reagents for chemical analysis−Part2 : Specifications R19Nitric acidからの引
用事項は,この規格の該当事項と同等である。
ISO 383 : 1976 Laboratory glassware−Interchangeable conical ground joints
ISO 5478 : 1990 Rubber−Determination of styrene content−Nitration method
3. 原理
3.1 A法 ひょう量したゴム試験片をアセトンで抽出する。ビチューメンを含有する場合には,ジクロロ
メタンで抽出する。抽出したゴムを燃焼ボートに入れ,窒素を流しながら850℃で熱分解する。冷却し,
不揮発性残さと燃焼ボートの質量を測定する。
カーボンブラックを同じ温度の加熱炉に入れ,空気中又は酸素雰囲気中で燃焼させる。冷却し,燃焼ボ
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ートとその内容物の質量を測定する。質量の減少分が,カーボンブラック含有量を表す。
3.2 B法 ゴム試験片の質量を量り,アセトンで抽出する。硝酸で酸化して有機成分を分解すると同時
に,酸に可溶な無機成分を硝酸中に溶解させる。ろ過残さは,カーボンブラック及び酸に不溶な無機充て
ん剤である。残さを水洗し,カーボンブラックの酸化を防ぐために窒素零囲気中で850℃で恒量になるま
で乾燥させる。
残さの質量を測定した後,(無機物の質量がそれ以上変化しないように)同じ温度 (850℃) で再加熱す
る。ただし,今度は大気中で加熱し,カーボンブラックを酸化させて二酸化炭素とする。残さを冷却し,
質量を測定する。質量の減少分が,カーボンブラック含有量を表す。
3.3 C法 熱したp-ジクロロベンゼンで試験片を膨潤させた後,tert-ブチルヒドロパーオキシドで有機成
分を酸化させる。不溶のカーボンブラック及び無機充てん剤をろ過する。残さを水洗し,カーボンブラッ
クの酸化を防ぐために窒素雰囲気中で850℃で恒量になるまで乾燥させる。
残さの質量を測定した後,(無機物の質量がそれ以上変化しないように)同じ温度 (850℃) で再加熱す
る。ただし,今度は大気中で加熱し,カーボンブラックを酸化させて二酸化炭素とする。残さを冷却し,
質量を測定する。質量の減少分が,カーボンブラック含有量を表す。
4. A法
警告 この手順を実行するときには,必要と認められる健康及び安全に対する措置をすべて講じなけれ
ばならない。揮発工程は,すべてドラフトチャンバーの中で行うものとする。
4.1 試薬 分析中は,特に指定がない限り,分析用(又は同等の)試薬及び蒸留水又は同等の純度の水
だけを用いる。
4.1.1 窒素 乾燥気体。酸素を含まないもの。
備考1. 市販の“無酸素”窒素には,更に精製が必要なものもある。
4.1.2 酸素又は空気 乾燥気体。
4.1.3 キシレン 通常の実験用試薬。
4.1.4 アセトン
4.1.5 ジクロロメタン
4.1.6 エタノール・トルエン・アゼオトロープ(ETA液) 無水エタノール70容とトルエン30容を混
合する。又は市販級試薬のエタノール70容とトルエン30容を混合し,無水酸化カルシウム(生石灰)と
ともに還流器を付けて4時間煮沸する。次に,アゼオトロープを蒸留し,沸点から1℃以内の留分を捕集
して試験に用いる。
4.2 装置 通常の実験室用装置に加えて,次の装置を用いる。
4.2.1 燃焼ボート 石英製。取っ手付きで長さが50mm60mmのもの。
参考 磁器製も使用可。腐食性ガスが出る場合は,白金製を用いる。
4.2.2 管状炉(図1参照) 次の部分からなる。
4.2.2.1 燃焼管 石英又は不通気性アルミナ磁器製で,燃焼ボート(4.2.1参照)を出し入れするための手
段を備えたもの。管の内径は燃焼ボートが入り,中で容易に動かすのに適したもので,管長は,管状炉
(4.2.2.2参照)より30cm長いものとする。管の一端には,窒素ガスの供給システムを取り付け,もう一
端には,熱分解の間に生じる蒸気を排出するのに適した排気システムを取り付ける。
4.2.2.2 横型管状炉 燃焼管(4.2.2.1参照)を炉の加熱部に挿入するのに適した内径をもつもの。炉は,
電気で加熱され,温度計付きで,サーモスタットで850℃±25℃に保たれるもの。
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K 6227 : 1998 (ISO 1408 : 1995)
4.2.2.3 かぎ付き石英ガラス製棒 燃焼管(4.2.2.1参照)及び吸気管(4.2.2.4参照)内に届く長さのもの
で,吸気管に取り付けたゴム管に密着する直径のもの。
4.2.2.4 吸気管 窒素ガスを供給するための枝管と,短いゴム管が附属したもの。
石英ガラス製棒(4.2.2.3参照)は,気密継ぎ手でゴム管に取り付けられ,燃焼管(4.2.2.1参照)内をス
ライドして動かすことができる。吸気システムに用いる管類は,可塑化PVC製か,酸素及び水蒸気の透過
性が小さい他の材質のものでなければならない。
4.2.2.5 蒸気吸収装置 燃焼管(4.2.2.1参照)の排気システムと凝縮しやすい蒸気用のトラップをつなぐ
ゴム管,キシレン(4.1.3参照)を入れた2個のガス洗浄瓶,並びに,窒素,酸素又は空気を供給するため
の流量計及び流量調節器からなる。
4.2.3 適切な抽出装置 JIS K 6229に規定するもの。
4.2.4 デシケーター
4.2.5 マッフル炉 電気式,サーモスタットで850℃±25℃に制御できるもの。
4.3 試料採取 実験室試料から少なくとも1.5gの試験用試料を切り出す。実験室試料全体を適切に代表
するものとするため,2か所以上から試料を切り出すことが望ましい。
4.4 手順
4.4.1 ロール間げきが0.5mmを超えないように設定した実験室用ロール機にゴムを6回通してゴム板を
作製する。
作製したゴム板から質量が0.1g0.5gの試験片を切り出す。ロール機で試料を圧延できない場合には,
一辺が1mm以下の小片に切断してもよい。
4.4.2 試験片の質量を0.1mgまで量り採り,記録する(質量m0)。試験片をろ紙で包み,アセトン(4.1.4
参照)で4時間,又は試験片と接触している溶剤が無色になるまで抽出する。配合ゴム中にビチューメン
が存在する場合は,ジクロロメタン(4.1.5参照)で4時間,又は試験片と接触している溶剤が無色になる
まで抽出する。
未加硫ゴムは,ジクロロメタンで抽出することができない。アセトン又はジクロロメタンの代わりにETA
液(4.1.6参照)を用いてもよい。
備考2. ジクロロメタンによる抽出が必要となるのは,ビチューメンのようにアセトンに必ずしも完
全に溶解しない物質が含まれている場合だけである。
質量を量る前に試験片を粉砕することによって,抽出を容易にすることができる。このためには,間げ
きを最小に設定したロール機に試験片を通過させる。
4.4.3 抽出した試験片をろ紙から取り出し,100℃±3℃に保った乾燥器の中で溶剤が完全になくなるまで
乾燥させる。
4.4.4 乾燥した試験片の全量を燃焼ボート(4.2.1参照)に移し,燃焼ボートを窒素供給システムの近く
の燃焼管(4.2.2.1参照)に入れる。
4.4.5 入口側の継ぎ手で燃焼管を閉じ,窒素(4.1.1参照)を供給する。燃焼管を850℃±25℃に加熱した
管状炉(4.2.2.2参照)に挿入する。ただし,燃焼ボートは,加熱部に入れず,燃焼管の非加熱部に置いた
ままにする。管の反対側を蒸気吸収装置(4.2.2.5参照)に接続する。
4.4.6 燃焼管に約200cm3/minで5分間以上窒素を流し,燃焼管内の空気を完全に追い出す。
4.4.7 窒素流量を約100cm3/minに下げ,燃焼ボートを燃焼管の加熱部に約5分間かけてゆっくり挿入す
る。
4.4.8 燃焼ボートを加熱部に更に5分間放置し,完全に熱分解させる。
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JIS K 6227:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 1408:1995(IDT)
JIS K 6227:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.060 : ゴム
JIS K 6227:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK6229:2015
- ゴム―溶剤抽出物の求め方(定量)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)