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5.3 マーカー マーカーは,ダンベル状試験片に標線を付与する時に使用し,2本の平行なエッジをもつ
ものとする。エッジ幅は,0.05 mm0.1 mmで,滑らかで精確に作製されなければならない。
マーカーでゴム表面にきずを付けてはならない。
5.4 標線の材質 標線は,鮮明に付与でき,試験片に有害な影響を与える物質を用いてはならない。
5.5 寸法測定機器 ダンベル状試験片及びリング状試験片の厚さの測定は,JIS K 6250の10.1(寸法測
定)に規定する機器を用いる。
6 試験装置の校正
試験装置の校正は,附属書Bによる。
7 試験片
7.1 一般
試験片は,ダンベル状試験片又はリング状試験片とする。試験片の形状及び寸法が変わると,変形した
試験片の断面内での応力分布が変化するため試験結果が異なるので,試験報告書に記録しなければならな
い。比較試験は,同一形状及び寸法の試験片で行わなければならない。
注記 基本的に,適切に作製された試験片からは,同じ結果が得られるのが普通であるが,実際の加
硫ゴムに内在する固有の欠陥は,試験片サイズに敏感である。ダンベル状試験片は,試験部分
のゴムの体積が小さいので,リング状試験片より疲労寿命が長くなる。
7.2 ダンベル状試験片
ダンベル状試験片の形状は,JIS K 6251に規定するダンベル状3号形,5号形及び6号形とし(図2参
照),ダンベル状試験片打抜き刃の寸法は,表1による。試験片の厚さは,1.5 mm±0.2 mm又は2.0 mm±
0.2 mmとする。1個の試験片において平行部分の厚さは,平均厚さから2 %を超える部分があってはなら
ない。また,2組の試験片の結果を比較するときは,その組の平均厚さは,互いに10 %以内でなければな
らない。
表1−ダンベル状試験片打抜き刃の寸法
単位 mm
形状 寸法測定箇所
A a) B b) C b) D E F R1 R2
+
ダンベル状3号形 100 (15) (25) 20.02.0
0 5.0±0.1 25.0±0.5 11.0±1.0 25.0±2.0
ダンベル状5号形 115 (16) (25) 33.0±2.0 6.2±0.2 25.0±1.0 14.0±1.0 25.0±2.0
ダンベル状6号形 75 (12.5) (12.5) 25.0±1.0 4.0±0.1 12.5±1.0 8.0±0.5 12.5±1.0
注a) ダンベル状試験片の肩の部分(R1又はR2部分)での切断を避けるため,広い部分(つかみ部)の長さは,
引張試験機のつかみ具が挟み込むだけの十分な長さが必要となる。
b) 及びCは,目安の数値で,R1及びR2で決まる。
――――― [JIS K 6270 pdf 6] ―――――
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1 標線
2 標線間距離(表2参照)
3 平行部分
図2−ダンベル状試験片の形状
疲労寿命は,試験片の厚さに依存しており,厚さ1.5 mmの場合が,厚さの変化に対して最も影響を受
けにくいことが知られている。厚さが2.0 mmの試験片で試験を行った場合,異なる結果となる場合があ
るので,試験報告書に記録しなければならない。
打抜きは,シートから打抜き刃を用い,一挙動で採取する。打抜き刃の下敷きに用いる板(例として,
板紙又はポリエチレン)は,試験片を保持する部分に切りきずや他の欠陥があってはならない。ダンベル
状試験片は,等方性で残留応力のない部分から採取する。疑わしい場合には,応力−ひずみを確認し,異
なる方向又は異なる場所の試験片を採取し,試験を行うことが望ましい。
7.3 ダンベル状試験片の標線間距離
ダンベル状試験片の標線間距離は,表2による。標線間距離は,0.2 mmまで読み取る。
表2−標線間距離
単位 mm
試験片の形状 標線間距離
ダンベル状3号 20±0.5
ダンベル状5号 25±0.5
ダンベル状6号 20±0.5
7.4 リング状試験片
リング状試験片の形状及び寸法は,表3による。標準試験片は,リング状A形試験片とし,1個の試験
片において,幅は,4.0 mm±0.2 mmで幅の平均値から0.2 mmを超える変化があってはならず,厚さは,
1.5 mm±0.2 mmで,平均厚さから2 %を超える部分があってはならない。
表3−リング状試験片の形状及び寸法
単位 mm
形状 内径 外径 幅 厚さ
リング状A形 44.6 52.6 4.0±0.2 1.5±0.2
リング状B形 44.6 52.6 4.0±0.2 2.0±0.2
リング状C形 44.6 48.6 2.0±0.2 3.0±0.2
リング状試験片は,打抜き刃又は回転刃で作製する。回転刃で作製する場合は,潤滑剤として水を使用
してもよいが,最小限とし,試験前に完全に乾燥させなければならない。試験片は,等方性で残留応力の
ない部分から採取する。疑わしい場合には,応力−ひずみを確認し,異なる方向又は異なる場所の試験片
――――― [JIS K 6270 pdf 7] ―――――
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を採取して,試験を行うことが望ましい。
7.5 リング状試験片の標線間距離
リング状試験片の標線間距離は,内周長とする。内径の測定には,コーンゲージを使用することが望ま
しい。内径は,0.2 mmまで読み取る。
7.6 試験片の採取・作製
試験片の採取・作製は,JIS K 6250の8.(試験片の採取・作製)及び8.3による。試験片作製の詳細は,
試験報告書に記録する。
7.7 試験片の数
各試験ひずみにおける疲労寿命の測定に必要な試験片の数は,試験目的,材料などによって異なる。既
に特性の判明している材料について,日常の品質管理用の試験を行う場合でも5個以上必要である。試験
目的,材料などによっては,代表的な結果を得るためにそれ以上の数が必要である。
7.8 試験片の保管及び状態調節
試験片の保管は,JIS K 6250の7.(試料及び試験片の保管)による。試験片の状態調節は,JIS K 6250
の9.(試験片の状態調節)による。
保管場所は,試験室の標準状態の温度で暗所とし,試験片どうしを接触させてはならない。
異物の混入したもの,気泡及びきずのある試験片は,使用してはならない。
8 試験条件
8.1 試験ひずみ
試験ひずみは,通常,50 %125 %の範囲で行う。特別な目的のために,他の試験ひずみで行ってもよ
い。
試験ひずみの水準及び水準数は,試験目的によって異なる。疲労寿命の試験ひずみ,最大応力,みかけ
の最大ひずみエネルギー密度などに対する依存性を求めることが望ましいが,これらの目的のためには,
最低4水準以上必要である。一般的には,水準は,25 %間隔がよい。試験は,最も高い試験ひずみから始
めるとよい。
8.2 試験周波数
試験周波数は,通常,1 Hz5 Hzの範囲で行う。比較試験を行う場合は,同一の周波数で行う。特別な
目的のために,他の周波数で行ってもよい。
8.3 試験温度
試験温度は,通常,試験室の標準状態で行う。特殊な試験のときは,JIS K 6250の11.2.2(その他の試
験温度)の中から選ぶのが望ましい。
注記 極端な温度で行う場合は,注意が必要である。例えば,高温の場合は試験中に残留ひずみが非
常に大きくなり,試験結果に著しい影響を及ぼす。
8.4 試験環境
試験環境は,紫外線ランプのようなオゾンを発生する装置のない部屋でなければならない。また,通常
の室内空気に含まれる以上のオゾンを含む環境で行ってはならない。
注記 オゾン濃度が,1 pphm(parts per hundred million)未満であることを定期的に点検することが望
ましい。この環境では,疲労寿命に重大な影響がないことが知られている(附属書A参照)。
――――― [JIS K 6270 pdf 8] ―――――
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9 試験手順
9.1 ダンベル状試験片の標線
ダンベル状試験片の標線は,5.3及び5.4によって,ひずみのない状態で付与する。線の幅は,0.5 mm
以下で,試験片の平行部の中心から等分で直角に付与する。
9.2 試験片の寸法測定
9.2.1 ダンベル状試験片
ダンベル状試験片の厚さは,5.5によって,中央部及び標線部分を測定する。試験片の幅は,打抜き刃の
内法寸法を0.05 mmまで読み取る。試験片の断面積は,厚さ及び幅の中央値から計算する。
標線間距離は,ノギス等を用い,0.2 mmまで読み取る。
9.2.2 リング状試験片
リング状試験片の厚さ及び幅の測定は,リング上の等間隔の6か所を5.5によって測定する。試験片の
断面積は,厚さ及び幅の中央値から計算する。
試験片の内径をコーンゲージを用い0.2 mmまで読み取る。試験を開始する前に試験片にひずみを与え
てはならない。試験前の標線間距離(内周長)lr,0は,次の式(1)によって算出する。
l0
,r πdi (1)
ここに, lr,0 : 試験前の内周長(mm)
円周率
di : 内径(mm)
9.3 試験片の取付け
9.3.1 ダンベル状試験片の取付け
ダンベル状試験片の準備及びつかみ具への取付けは,次による。
a) 試験片の厚さを測定し,標線を付ける。試験を開始する前に試験片にひずみを与えてはならない。
b) 試験片を試験装置のつかみ具に引張ひずみを与えない状態で取り付ける。このとき締付けが強すぎる
と,つかみ具の部分で早期破壊が起こるので注意する。
c) 駆動装置をゆっくりと動かし,試験片の標線間距離が試験ひずみになるように調整し,1分後につか
み具の距離を再調整する。標線間距離の精度は,試験ひずみの±2 %以内とし,ノギス又は他の方法
で測定する。調整中に試験片に試験ひずみを超えるひずみを与えてはならない。試験ひずみに対応す
る試験片の標線間の設定距離ld,eは,次の式(2)によって算出する。
e 100
ld,e ld,0 (2)
100
ここに, e : 試験ひずみ(%)
ld,0 : 試験前の試験片の標線間距離(mm)
例 試験ひずみ100 %の場合,標線間の設定距離は試験前の標線間隔の2倍になる。
d) つかみ具を,ひずみを与えない元の位置に戻す。
9.3.2 リング状試験片の取付け
リング状試験片の準備及びつかみ具への取付けは,次による。
a) 2個のローラの円の周りを通る全周長が,試験ひずみの周長になるように試験装置のローラ間隔を調
整する。試験ひずみの周長の設定精度は,±2 %以内とする。試験ひずみに対応する周長lr,eは,次の
式(3)によって算出する。
e 100
lr,e lr,0 (3)
100
――――― [JIS K 6270 pdf 9] ―――――
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ここに, e : 試験ひずみ(%)
lr,0 : 試験前の試験片の内周長(mm)
注記 ローラ間隔は,ローラの寸法及び試験片の内周長によって定まる。
b) ローラ間隔をひずみを与えない位置にして,試験片をローラに取り付ける。
9.4 疲労寿命の測定
各試験ひずみにおける疲労寿命の測定は,試験片を9.3によってつかみ具に取り付けて試験装置を動か
し,各試験片が破断するまでの繰返し回数を測定する。
なお,試験は,特に必要のない限り,繰返し回数が2×106回で破断しない場合は,試験を終了してもよ
い。
注記 疲労寿命のばらつきを測定する必要がない場合は,試験片の過半数が破断すれば,全ての試験
片が破断する前に試験を終了してもよい。
9.5 残留ひずみ及び最大ひずみの測定
残留ひずみの測定は,各試験ひずみにおいて2個の試験片を9.3によってつかみ具に取り付けて試験装
置を動かし,繰返し回数1×103回後停止させる。1個の試験片に応力が掛からないような位置に停止し,1
分後に試験片の標線間距離を測定する。ダンベル状試験片の場合は,試験片を試験装置に取り付けたまま
静かに動かし,試験片に応力が掛からない位置で標線間距離を測定する。リング状試験片の場合は,試験
片を試験装置から外し内周長を測定するか,自動の力−伸び測定装置を用いて,力がゼロのときの円筒ロ
ーラ間隔から内周長を算出してもよい。さらに,100回繰り返した後,もう1個の試験片についても同様
に測定する。必要に応じ,試験装置に試験片を再び取り付けて,全体で繰返し回数1×104回後及び10の
べき乗回ごとに(例えば,1×105回後,1×106回後など)この測定を繰り返す。
一定振幅で試験片に引張変形を加えると,試験片に残留ひずみが生じるため,試験片に実際に掛かる引
張ひずみは徐々に低下する。繰返し疲労中の最大ひずみは,その時点での1サイクル中の引張ひずみゼロ
での標線間距離又は試験片内周長と最大変形時の標線間距離又は試験片内周長とから,計算によって求め
ることができる。各試験ひずみにおける最大ひずみの測定は,2個の試験片を9.3によってつかみ具に取り
付けて行う。引張ひずみゼロにおける標線間距離の測定は,残留ひずみの測定と同じ手順で行う。最大変
形時の標線間距離は,ダンベル状試験片の場合,残留ひずみの測定手順と同じ手順で試験装置を動かし,
停止時に2個のつかみ具を最大間隔の位置にして1分後に標線間距離を測定する。リング状試験片の場合
は,円筒ローラの周りを通る線長になるので,試験ひずみから算出する。
2個の試験片が交互に引張変形を繰り返す試験装置の場合は,残留ひずみの測定と同時に測定してもよ
い。
9.6 最大応力及びみかけの最大ひずみエネルギー密度の測定
各試験ひずみにおける最大応力及びみかけの最大ひずみエネルギー密度の測定は,箇条7によって寸法
及び標線間距離を測定した疲労試験前の試験片を,試験ひずみの範囲で力−伸び測定装置を用いて力−伸
び関係を一定速度で測定する。
注記 引張速度は,20 mm/minが望ましい。
ダンベル状試験片の場合は力及び標線間距離を測定し,リング状試験片の場合は力及び円筒ローラ間の
距離を測定する。次にその試験片を9.3によってつかみ具に取り付けて,試験ひずみで疲労寿命の中央値
(10.1参照)と同じ10のべき乗回数まで疲労試験を行う。疲労試験後,再度同様に力−伸びの関係を測定
する。
例 中央値が6×104の場合は,新しい試験片を用いて1×104回の疲労試験を行う。
――――― [JIS K 6270 pdf 10] ―――――
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JIS K 6270:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6943:2017(MOD)
JIS K 6270:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.060 : ゴム
JIS K 6270:2018の関連規格と引用規格一覧
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- 規格名称
- JISK6200:2019
- ゴム―用語
- JISK6250:2019
- ゴム―物理試験方法通則
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- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―引張特性の求め方
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方