JIS K 6394:2007 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―動的性質の求め方―一般指針 | ページ 3

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a) oigt−Kelvinモデル b) axwellモデル
図 2 ゴムの力学モデル

4.2 試験の用途

 動的性質試験は,材料の特性,設計資料,製品性能などを比較及び評価するために用
いられる。動的性質試験結果は,ひずみ,応力,周波数,試験温度,試験片の形状などに対する依存性が
大きく,試験装置の能力,ヒステリシス曲線の直線性,試験片の内部発熱などの影響によって制約される
場合がある。したがって,結果を比較する場合には,これらの項目を特定化し調整する必要がある。
重要なことは,データを得るための条件及び装置が試験目的に合致していなければならないことである。
小形試験装置のような材料特性を評価するのに適切な装置は,設計資料のデータ採取又は製品特性を測定
するための,周波数,振幅,変形方法などの試験条件で測定を行うことができない場合がある。

4.3 試験の分類

 動的性質試験は,試験の用途,振動方法,変形方法などによって選定され,次のよう
に分類される。
a) 振動方法による分類 振動方法には,振動を外部入力によって与え維持させる強制振動方法と,試験
片を固定し,振幅を系の内部摩擦によって減衰させる自由振動方法との2種類の方法がある。さらに,
強制振動方法には,非共振方法と共振方法との2種類の方法がある。
b) 変形方法による分類 変形方法には,圧縮方法,せん断方法,引張方法,曲げ方法及びねじり方法が
ある。
c) 試験装置による分類 試験装置は,試験の用途,振動方法,変形方法,試験片の種類などによって選
定し,実用的には,強制振動方法を用いた大形試験装置及び小形試験装置が一般的である。動的性質
試験の試験装置による分類は,表5による。
表 5 動的性質試験の分類
試験装置 小形試験装置 大形試験装置
試験の目的 材料特性の比較及び評価 設計資料及び製品性能の比較並びに評価
振動方法 強制振動非共振方法 強制振動非共振方法
強制振動共振方法
自由振動方法
変形方法 引張方法,曲げ方法,圧縮方法及びせん断方法 圧縮方法,引張方法,ねじり方法及びせん断方法
試験片の形状 短冊状,円柱状,角柱状 円柱状,角柱状,円すい状及び製品

4.4 試験装置選定の留意点

 試験装置選定に当たっての試験方法が与える長所及び短所は,次による。
a) 一般的にせん断方法は,他の変形方法と比較し,応力−ひずみ曲線が大きなひずみまで線形となる。
しかし,試験片は,金属板との組合せが必要となる。

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b) 圧縮方法は,実用条件の再現,特に製品試験に有効であるが,一般的に大きな負荷容量を必要とし,
試験片の形状要素の考慮が必要である。
c) 曲げ方法,ねじり方法及び引張方法は,負荷容量は小さく試験片が簡単に作製できるが,応力の絶対
値を測定するためにはやや不十分である。
d) 設計資料を採取するには,せん断方法で強制振動非共振方法を用いるとよい。
e) 負荷容量が大きく高価な試験装置は,ひずみ振幅が大きいせん断方法,圧縮方法及び製品試験に用い
るために必要である。
f) 材料特性の比較及び評価には,変形方法はあまり重要ではなく,負荷容量の大きな試験装置も必要な
い。周波数,温度及びひずみが自動走査できる試験装置が有効である。
g) 自由振動方法は,通常ねじり方法を用いた低周波数及び低ひずみ振幅の場合に制限される。
h) 強制振動共振方法は,通常曲げ方法に適用され,周波数及び振幅の依存性を測定できない。

4.5 動的運動

4.5.1  強制振動方法 試験片に正弦波振動を加えた場合の応力及びひずみの時間波形は,図3のとおりで
ある。
図 3 応力及びひずみの時間波形
なお,ひずみは,式(1)によって求める。
0sin t (1)
ここに, 柿 ひずみ
最 最大ひずみ振幅
角周波数(rad/s)
t : 時間(s)

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また,そのときの応力は,ひずみと位相が異なって損失角 ‰ 冐 式(2)によって求める。
0 sin t (2)
ここに, 応力(Pa)
最大応力振幅(Pa)
損失角(rad)
動的性質は,参考図2のような平面上のベクトルを用いて考えると便利である。式(2)の応力 ‰ 式(1)
のひずみ 最‰桔 位相の応力ベクトル と
rad 位相の異なった応力のベクトル に分解できる。したが
2
って,複素弾性係数M*は,貯蔵弾性係数M と虚数単位( 1 )とを乗じた損失弾性係数M の和として,式
(3)で示される。損失弾性係数に虚数単位を乗じることは,貯蔵弾性係数に対して位相を rad 進めたこと
2
を意味している。
M* M iM (3)
ここに, M* : 複素弾性係数(Pa)
M : 貯蔵弾性係数(Pa)
M : 損失弾性係数(Pa)
i : 虚数単位= 1
貯蔵弾性係数及び損失弾性係数は,式(4)及び式(5)によって求める。
0
M cos M * cos (4)
0 0
0
M sin M * sin (5)
0 0
ここに, 瓰 : ひずみと同位相の応力(Pa)
瓰 : ひずみと
rad 位相の異なった応力(Pa)
2
複素弾性係数の大きさを表す絶対弾性係数は,式(6)によって求める。
2
M* M M (6)
ここに, |M*| : 絶対弾性係数(Pa)
また,動的運動によって損失したエネルギー量を表す損失正接は,式(7)によって求める。
M
tan (7)
M
ここに, tan 損失正接

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参考図 2 複素平面上のベクトルで表した動的性質
4.5.2 自由振動方法 加硫ゴム及び熱可塑性ゴムと質量との系を考え自由に振動させたときの運動方程
式は,式(8)になる。
d2x K dx
m 2
Kx 0 (8)
dt dt
ここに, K : 貯蔵ばね定数(N/m)
K : 損失ばね定数(N/m)
m : 質量(kg)
x : たわみ(m)
自由振動方法は,参考図3に示す減衰振動の波形を考え,振幅が徐々に減少することから,振幅の減衰
の自然対数をとり対数減衰率を式(9)によって求め,貯蔵ばね定数,損失ばね定数及び損失係数は,式(10)
(12)によって求める。
x
Λ logex n (9)
n
2
2
K m 1 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                                    4
2
m
K (11)
Lf 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                               1     2
4
ここに, 対数減衰率
n : 振動の回数
xn : 周期n時の振幅(m)
xn+1 : 周期n+1時の振幅(m)
Lf : 損失係数

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参考図 3 自由振動方法のときの時間波形

4.6 周波数と温度との換算

 広範囲にわたる周波数及び温度の試験が要求される場合には,試験装置の
能力によっては測定領域外となり試験ができない場合がある。この場合,低温度時の弾性係数と高周波数
時の弾性係数とに同じような変化が見られることから,この温度と周波数との相互依存性を利用した換算
方法がある。周波数の換算は,WLF (Williams,Landel,Ferry)の実験式(13)を用いてWLFのシフトファク
タa(T)を求めることによってできる。また,換算した周波数における換算弾性係数は,式(14)及び式(15)
で試験温度を変化させ左辺を求め,同じ式によって求める。
C1 T T0
log10 aT (13)
C2 T T0
T
M f ,T M f a(T), T0 (14)
0 T0
T
M f ,T M f a(T), T0 (15)
0 T0
ここに, a(T) : WLFのシフトファクタ
T : 試験温度(K)
T0 : 基準温度(K)
C1,C2 : 物質係数
M (f,T) : 実験貯蔵弾性係数(Pa)
M (f,T) : 実験損失弾性係数(Pa)
M [f・a(T),T0] : 換算貯蔵弾性係数(Pa)
M [f・a(T),T0] : 換算損失弾性係数(Pa)
f : 実験周波数(Hz)
f・a(T) : 換算周波数(Hz)
試験温度でのゴムの密度(Mg/m3)
基準温度でのゴムの密度(Mg/m3)
WLFの式は,概算値を求める場合には,基準温度にガラス転移温度を,C1に17.44を,C2に51.6を代
入し,式(16)によって求める。
17.44 T Tg
log10 a T (16)
516. T Tg
ここに, Tg : 低周波数におけるガラス転移温度(K)

――――― [JIS K 6394 pdf 15] ―――――

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JIS K 6394:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4664-1:2005(MOD)

JIS K 6394:2007の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 6394:2007の関連規格と引用規格一覧