JIS K 6394:2007 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―動的性質の求め方―一般指針 | ページ 4

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以上の換算方法は,充てん剤又は結晶化領域によって制限があり注意が必要である。温度及び周波数が
広範囲にわたるため得られた換算が適切でないとき,また,実験値に対して一けた以上の温度及び周波数
の換算を行うことは,信頼性を低下させる場合があるので十分な注意が必要である。

5. 試験装置

5.1 試験装置の概要

 試験装置の基本構成は,次による。
なお,強制振動非共振方法を用いたときの,大形試験装置及び小形試験装置の例を,図4及び図5に示
す。また,自由振動方法の試験装置の基本構成は,ISO 4663による。
a) 加振装置架台 加振装置架台は,加振による共振の影響をなくすため,堅固な構造のものを用いるも
のとする。
b) 加振機 加振機は,定常的に安定したたわみ振幅を試験片に与えることができるものとする。また,
加振機から試験片へ伝達される振動は,高調波が10 %を超えない正弦波振動とする。
c) クロスヘッド クロスヘッドは,加振機の反力を受け止め,かつ,荷重検出器に加振機の反力による
振動及び加振装置各部からの振動を伝達させない構造のものとする。
d) 検出器 検出器は,荷重,たわみ,周波数,温度などの実験パラメータが測定できるものとする。
参考 荷重検出器の剛性は,1 μm/定格出力以上のものとする。
なお,剛性を満足できない場合には,荷重検出器のたわみを適切な方法で補正する。
e) 試験片つかみ具又は固定具 試験片つかみ具又は固定具は,試験片の変形方法及び試験装置によって
異なるが,いずれの場合も試験条件範囲で試験片が滑らずに振動を伝達できるものとする。
f) 恒温槽 試験室の標準温度以外に規定された温度で試験を行う場合には,恒温槽を用いる。恒温槽は,
試験片を試験温度に維持できるものとする。
g) 制御回路部 制御回路部は,周波数の発振制御,恒温槽の温度制御,荷重又はたわみを負荷する制御
回路によって構成される。
h) データ処理部 データ処理部は,各検出器からの出力を受け取り,各データの処理,演算及び作図に
よる解析ができるものが望ましい。
i) 試験片寸法測定器 試験片寸法測定器は,JIS K 6250の10.(寸法測定方法)による。

――――― [JIS K 6394 pdf 16] ―――――

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図 4 小形試験装置の例
図 5 大形試験装置の例

5.2 試験装置の校正

 試験装置の校正は,装置の各パラメータごとに実施し,それぞれの許容差は,表6
による。
なお,静的たわみ及び静的荷重の校正は,JIS K 6272による。

――――― [JIS K 6394 pdf 17] ―――――

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表 6 装置の各パラメータの許容差
パラメータ たわみ 荷重 周波数 温度 試験片寸法
許容差 ±1 % ±1 % ±2 % ±1 ℃ ±1 %
ねじり振り子を用いた自由振動方法の場合には,試験片つり下げ具の復元力,つり下げ具及びディスク
の減衰に対する補正も行う。

6. 試験片

6.1 試験片の形状及び寸法

 試験片の形状及び寸法は,変形方法の種類及び試験装置の容量によって異
なるので,それぞれの試験方法による,試験片の形状及び寸法は,表7,表8及び7.1.7による。金属板と
の加硫接着を施した試験片は,金属板の厚さを成形前に測定しておくことで,ゴムの厚さを事前に推定し
ておく必要がある。

6.2 試験片の採取・作製

 試験片の採取・作製は,JIS K 6250の8.(試験片の採取・作製)によって,
成形しても加硫シートから作製してもよい。せん断方法及び圧縮方法の試験片は,成形で作製することが
望ましい。せん断方法及び圧縮方法でゴムと金属板とを接着する場合には,加硫接着又は成形後薄膜の接
着剤でゴムと金属板とを接着してもよい。
なお,試験片は,製品の一部から切り出し又はバフ掛けによって採取してもよく,必要に応じて最終製
品を用いてもよい。

6.3 試験片の数

 試験片の数は,3個以上が望ましい。

6.4 試験片の厚さ及び直径又は幅の測定

 試験片の厚さ(1)及び直径又は幅(2)の測定は,JIS K 6250の10.
(寸法測定方法)による。
なお,金属板と組み合わせた試験片は,JIS B 7507に規定するノギス又はこれと同等以上の精度をもつ
ものを用いて測定する。
注(1) 厚さは,数箇所測定し,その中央値とする。金属板と組み合わせた試験片は,金属板間を測定
する。
(2) 直径又は幅は,試験片厚さ方向中央部を数箇所測定し,その中央値とする。

7. 試験方法

7.1 試験条件

7.1.1  試験室の標準状態 試験室の標準状態は,JIS K 6250の6.(試験室の標準条件)による。
7.1.2 試験片の保管 試験片の保管は,JIS K 6250の7.(試料及び試験片の保管)による。
7.1.3 試験片の状態調節 試験片の状態調節は,次による。
a) 熱的状態調節 試験片は,試験前にJIS K 6250の9.(試験片の状態調節)を行うものとする。次に試
験温度で平衡に達するまで十分な時間調節を行う。特に試験温度が高温の場合には,この温度調節は,
試験片が劣化するため,必要以上長い時間行ってはならない。試験片の温度調節時間は,試験片の大
きさに関係し,JIS K 6250の附属書Aによる。
b) 機械的状態調節 充てん剤入りのゴムの動的性質は,ひずみ及び温度に対する依存性が大きい。再現
性のよい結果を得るためには,試験片を事前に機械的調節をする必要がある。機械的状態調節は,試
験で用いる最大ひずみ及び試験温度で最低6回行い,平衡状態をとるために試験開始まで12時間放置
する。

――――― [JIS K 6394 pdf 18] ―――――

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なお,平均ひずみを加えて試験を行う場合には,放置時間中,試験片に試験で用いる平均ひずみを
加えておくことが望ましい。
この機械的状態調節は,自由振動方法のような小さなひずみしか与えない場合には,省略してもよ
い。
7.1.4 試験ひずみの一般事項 充てん剤を多く配合したゴムの動的性質は,ひずみに対する依存性を示す。
一般的に,試験ひずみは,実際使用時のひずみに相当するように選定するが,試験装置の能力,応力−ひ
ずみ曲線の直線性及び内部発熱の影響によって制限される。推奨する試験ひずみは,表7,表8及び7.1.7
による。
一連の試験において,これらのひずみ振幅すべてが要求されるわけではない。どれか一つのひずみ振幅
が使われた場合,その値が試験目的に合致していなければならない。
実際は,試験装置の感度によっては,与えるひずみの下限側が制限されたり,高周波数域及びガラス転
移温度付近では,与えるひずみの上限側が制限される場合がある。実際の使用時に製品は,静的ひずみと
動的ひずみとを同時に受けることがあり,静的ひずみは,必ずしも同じ変形方法とは限らない。このよう
な条件に対して適切な結果を得るためには,動的ひずみを静的ひずみに重複させて与えてもよい。この方
法は,主に製品試験に適用され,通常は圧縮用試験片に適用される。
7.1.5 試験周波数及び試験温度の一般事項 試験ひずみと同様に加硫ゴム及び熱可塑性ゴムは,周波数及
び温度に対する依存性をもつ。この依存性は,特に転移点付近では大きく見られる。したがって,実際の
使用に適した周波数及び温度を選択する必要がある。材料の比較及び評価を行う場合には,広範囲の周波
数及び温度における測定が要求される場合がある。推奨する試験周波数及び試験温度は,表7,表8及び
7.1.7による。
7.1.6 強制振動非共振方法を用いたときの試験片及び試験条件 強制振動非共振方法を用いたときの試
験片及び試験条件は,次による。

――――― [JIS K 6394 pdf 19] ―――――

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a) 小形試験装置 小形試験装置を用いたときの試験片及び試験条件は,表7による。
表 7 小形試験装置を用いたときの試験片及び試験条件
変形方法 備考
引張方法 曲げ方法 圧縮方法 せん断方法
試験方法 曲げ方法は,通常ゴ
ム−繊維複合体な
どの弾性率が高く
比較的曲げにくい
材料に適用される。
試験片の形状 短冊状 短冊状 円柱状 円柱状 試験片の寸法は,引
及び寸法 張方法及び曲げ方
法の場合,厚さ,幅
及びつかみ具間距
離又は曲げ支点間
h : d=1 : 4以上 距離を測定し,圧縮
h : d≒1 : 1.5
h≦12 mm 方法及びせん断方
h=15 mm
法の場合,厚さ及び
角柱状 幅又は直径を測定
する。各寸法は,±
つかみ具間隔は,曲げ支点間距離
1 %以内で測定で
幅(b)の2.5倍からは,厚さ(h)の16
きなければならな
5倍とする。 倍が望ましい。
い。
h=13 mm h=13 mm h : b=1 : 4以上
b=412 mm b=412 mm h≦12 mm
つかみ具間隔
=2060 mm
試 与える条件が装置
平均ひずみ
験 110 0 110 0 パラメータに依存
%
条 する場合がある。
件 検出器の最大許容
ひずみ振幅±0.5,±1,±2
差は,±1 %以内が
% ひずみを走査するひずみ特性を測定してもよい。
望ましい。
周波数の最大許容
周波数 1,5,10,15,30,50,100,150,200
差は,±2 %以内が
Hz 周波数を走査する周波数特性を測定してもよい。
望ましい。
JIS K 6250の11.2(試験温度及び試験湿度)から選択 検出器の最大許容
試験温度
差は,±1 ℃以内が
特性が急激に変化する転移点付近では,より細かい温度が必要な場合がある。

温度を走査する温度特性を測定してもよい。 望ましい。
結果の評価に 温度,ひずみ,周波
必要な項目 数を走査した場合,
|M*|,M ,M ,tan
結果をグラフで表
す場合がある。

――――― [JIS K 6394 pdf 20] ―――――

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  • ISO 4664-1:2005(MOD)

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