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K 7238-2 : 2009
3.3.1.9 オーブン オーブンは,エポキシ樹脂の硬化及び後硬化に必要な温度に設定できるものとする
(3.3.3.5参照)。
3.3.2 試薬
試薬は,次による。
3.3.2.1 硬化剤 硬化剤は,エポキシ樹脂用(例えば,メチルテトラヒドロ無水フタル酸)(3.3.3.5の警
告を参照)を用いる。
3.3.2.2 硬化促進剤 硬化促進剤は,該当する材料規格,樹脂製造業者の材料仕様書又は受渡当事者間の
協定による。例えば,2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール又はN,N-ジメチルベンジルアミ
ンを用いる。
3.3.2.3 外部離型剤 外部離型剤は,硬化樹脂の特性を変えないものを用いる。
3.3.3 手順
手順は,次による。
3.3.3.1 プレート(3.3.1.1)に離型剤を薄く塗る。作製する硬化エポキシ樹脂シートの表面を平滑にするた
めに,プレートは,表面上の異物の除去及び離型剤の均一化を行うように柔らかい布などで磨いておく。
3.3.3.2 シリコーン又はゴム製のジョイント及びスペーサ(厚さ2 mm,3 mm又は4 mm)を,図1のよ
うに2枚のプレートの間に配置する。適切なクランプでセットを挟み,垂直に保持する。
3.3.3.3 はかり(3.3.1.8)を用いて,次の配合となるよう,樹脂及び試薬をガラスビーカにはかりとる。
単位 : 質量部 (phr)
− エポキシ樹脂 100
− メチルテトラヒドロ無水フタル酸 無水物/エポキシ価の当量比が0.9/1
に相当する質量部
− 2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール 0.5
又は
N,N-ジメチルベンジルアミン 2
スターラを用いて,均一になるまでかくはんする。このとき,できるだけ気泡が入らないようにする。
3.3.3.4 遠心分離機(3.3.1.5参照)を用いて,混合物から気泡を抜く。次に,樹脂に気泡を取り込まない
ように注意しながら,混合物をプレート/ジョイント/スペーサを組み立てた試験シート用型に注意深く
注入する。遠心分離機がない場合には,組立セットに反応混合物を注入し終わったら直ちに真空デシケー
タ(3.3.1.5参照)に入れて垂直に保持し,静かに真空引きし,十分時間をかけて完全に気泡を除去する。
混合物の粘度が高い場合,高い温度(約100 ℃)で気泡を抜く。このように高い温度で気泡を抜く場合,
硬化促進剤の量を減らす必要があり,2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールは0.25 phr,N,N-
ジメチルベンジルアミンは1 phrとする。
――――― [JIS K 7238-2 pdf 6] ―――――
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1 ジョイント 2 ガラス又はステンレスプレート 3 スペーサ
図1−試験シート用型
3.3.3.5 オーブン内で硬化する間,組立セットを垂直に保つ。硬化剤として,メチルテトラヒドロ無水フ
タル酸と2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールとの組合せ,又はN,N-ジメチルベンジルアミ
ンとの組合せを用いる場合は,100 ℃,2時間熱処理を行い,次いで150 ℃,15時間熱処理を行う。
警告 硬化剤(メチルテトラヒドロ無水フタル酸)から発生する煙霧(ヒューム)は,呼吸器官及び
皮膚を刺激する。作業する場所に換気装置を設置し,かつ,作業者は,防毒マスク,手袋及び
ゴーグルを着用しなければならない。
3.4 試験片の切出し
試験片は,JIS K 7144によって,シート(厚さ2 mm,3 mm又は4 mm)から切り出す。
3.5 試験片の状態調節
特に指定がなければ,表1の特性を測定する前に,試験片を温度23 ℃±2 ℃,相対湿度(50±5)%で
少なくとも16時間状態調節を行う。
4 特性の求め方
硬化エポキシ樹脂の特性は,JIS K 7140-1に規定するものから選定したもので,各特性の求め方は,次
による。
4.1 特性の求め方は,表1による。
4.2 特性の求め方では,結果の表示,試験規格,補足説明及び注記は,JIS K 7140-1による。試験は,表
1で特に条件を規定している場合を除き,温度23 ℃±2 ℃,相対湿度(50±5)%の雰囲気下で行う。
注記 表1の特性は,JIS K 7140-1からエポキシ樹脂ベースの製品に適切なものを引用したことから,
他の熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の特性値と比較可能なものとなる。
――――― [JIS K 7238-2 pdf 7] ―――――
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表1−硬化樹脂の特性及び試験条件
特性 記号 規格 試験片タイプ 単位 試験条件及び補足説明
寸法 (mm)
1 レオロジー的特性
1.1 熱硬化性樹脂の SMp 平行
ISO 2577 %
1.2 成形収縮率 SMn 垂直
2 機械的特性
2.1 引張弾性率 Et JIS K 7162 JIS K 7139 MPa 試験速度1 mm/min
2.2 引張破壊応力 A形 MPa 降伏点のない破壊
2.3 引張破壊ひずみ 攀 攀 : 試験速度 5 mm/min
%
攀 : 試験速度 50 mm/min
2.4 曲げ弾性率 Ef JIS K 7171 80×10×4 試験速度 2 mm/min
MPa
2.5 曲げ強さ ぜい性材料では,任意の特別情報。
2.6 シャルピー衝撃強さ acU 80×10×4 エッジワイズ衝撃
JIS K 7111-1
ノッチなし kJ/m2 破壊のタイプを記録する。
又は
2.7 シャルピー衝撃強さ acA 機械加工,V-ノッチ
JIS K 7111-2
ノッチ付き r=0.25
3 熱的特性
3.1 ガラス転移温度 Tg ISO 11357-2 ℃ 中心温度を記録10 ℃/min
3.2 荷重たわみ温度 Tf 1.8 JIS K 7191-2 80×10×4 1.80 最大表面応力
℃
3.3 Tf 8.0 8.0 (MPa)
3.4 線膨張係数 αp JIS K 7139によって 平行 23 ℃55 ℃の範囲の
ISO 11359-2 ℃−1
αn 作製 直角 セカント値を記録。
3.5 燃焼性 B50/3 JIS C 60695 125×13×3 クラスV-0,V-1,V-2,HB40又は
B50/h -11-10 3 mmを超える厚さh HB75の一つを記録する。
3.6 B500/3 JIS C 60695 ≧150×≧150×3 クラス5VA,5VB 又は Nを記録す
B500/h -11-20 3 mmを超える厚さh る。
3.7 酸素指数 JIS K 7201-2 80×10×4 % 手順A(上面着火)を用いる。
4 電気的特性
4.1 比誘電率 εr100 JIS C 2138 100 Hz 電極のエッジの影響を
εr1M 1 MHz 補正する。
4.2 誘電正接 tanδ 100 100 Hz
tanδ 1M 1 MHz
≧60×≧60×2
4.3 体積抵抗率 ρe JIS C 2139 m 電圧 : 1分間の値
4.4 表面抵抗率 500 V 幅12 mm,長さ50
δe 圀 mm及び間げき5 mm
の電極を用いる。
4.5 耐電圧 EB1 ≧60×≧60×1 直径20 mmの球形電極を用い,
kV/
IEC 60243-1 IEC 60296の変圧器油に浸せきす
mm
EB2 ≧60×≧60×2 る。電圧速度2 kV/sとする。
4.6 耐トラッキング性 CTI JIS C 2134 ≧20×≧20×2 溶液Aを用いる
5 その他の特性
5.1 吸水率 WW JIS K 7209 厚さ≧1 % 23 ℃の水中での飽和値
WH 23 ℃,相対湿度50 %での平衡値
参考文献
[1] JIS K 7147 プラスチック−エポキシ樹脂−試験方法通則
注記 対応国際規格 : ISO 18280,Plastics−Epoxy resins−Test methods (MOD)
――――― [JIS K 7238-2 pdf 8] ―――――
附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
ISO 3673-2 :2007,Plastics−Epoxy resins−Part 2: Preparation of test specimens and
JIS K 7238-2 :2009 プラスチック−エポキシ樹脂−第2部 : 試験片の作製方法及び
特性の求め方 determination of properties
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び名称 の評価
1適用範 1 変更 1未硬化エポキシ樹脂の特性 1未硬化エポキシ樹脂の特性の求
囲 の求め方を削除した。 め方は,JIS K 7147に規定されて
いるため。
2注記1として,未硬化エポキ 2前記理由による。
シ樹脂を求める規格の参照を
追加した。
3注記2に,適用範囲としてふ 3適用範囲の明確化のため,参考
さわしくない事項を移した。 事項を注記とした。
ISOに提案する。
4 特性の 4 変更 未硬化エポキシ樹脂に関する 適用範囲の変更による。
求め方 特性の求め方の記述及び表1
ISOに提案する。
を削除した。表2を表1に変更。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 3673-2 :2007,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 変更·················· 国際規格の規定内容を変更している。
K7
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
2
− MOD··················国際規格を修正している。
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2 : 2009
2
JIS K 7238-2:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3673-2:2007(MOD)
JIS K 7238-2:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.080 : プラスチック > 83.080.10 : 熱硬化性材料
JIS K 7238-2:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2138:2007
- 電気絶縁材料―比誘電率及び誘電正接の測定方法
- JISC2139:2008
- 固体電気絶縁材料―体積抵抗率及び表面抵抗率の測定方法
- JISC60695-11-10:2015
- 耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
- JISC60695-11-20:2018
- 耐火性試験―電気・電子―第11-20部:試験炎―500W試験炎による燃焼試験方法
- JISK7111-1:2012
- プラスチック―シャルピー衝撃特性の求め方―第1部:非計装化衝撃試験
- JISK7111-2:2006
- プラスチック―シャルピー衝撃特性の求め方―第2部:計装化衝撃試験
- JISK7139:2009
- プラスチック―試験片
- JISK7140-1:2008
- プラスチック―比較可能なシングルポイントデータの取得及び提示―第1部:成形材料
- JISK7144:1999
- プラスチック―機械加工による試験片の調製
- JISK7162:1994
- プラスチック―引張特性の試験方法 第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチックの試験条件
- JISK7171:2016
- プラスチック―曲げ特性の求め方
- JISK7191-2:2015
- プラスチック―荷重たわみ温度の求め方―第2部:プラスチック及びエボナイト
- JISK7201-2:2007
- プラスチック―酸素指数による燃焼性の試験方法―第2部:室温における試験
- JISK7209:2000
- プラスチック―吸水率の求め方