JIS K 7351:2018 プラスチックに含まれる過酸化物の微弱発光の高感度測定方法

JIS K 7351:2018 規格概要

この規格 K7351は、物質の酸化による劣化程度を評価するために,プラスチックの酸化反応によって生成した過酸化物からの微弱な発光を高感度で検出する測定方法について規定。

JISK7351 規格全文情報

規格番号
JIS K7351 
規格名称
プラスチックに含まれる過酸化物の微弱発光の高感度測定方法
規格名称英語訳
Sensitive measurement method of peroxide in plastics by detecting ultra-weak photon emission
制定年月日
2018年1月22日
最新改正日
2018年1月22日
JIS 閲覧
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

主務大臣
経済産業
JISハンドブック
プラスチック I(試験) 2021, プラスチック II(材料) 2021
改訂:履歴
2018-01-22 制定
ページ
JIS K 7351:2018 PDF [20]
                                                                                   K 7351 : 2018

pdf 目 次

ページ

  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 用語及び定義・・・・[1]
  •  3 測定原理・・・・[1]
  •  4 試料・・・・[2]
  •  5 化学発光測定装置・・・・[2]
  •  5.1 装置本体の構成・・・・[2]
  •  5.2 試料室の構成・・・・[3]
  •  5.3 装置の設置環境・・・・[3]
  •  6 測定方法・・・・[3]
  •  6.1 装置準備・・・・[3]
  •  6.2 装置の正常動作確認・・・・[4]
  •  6.3 測定手順・・・・[4]
  •  7 測定結果の表示・・・・[5]
  •  7.1 一般事項・・・・[5]
  •  7.2 不活性ガス雰囲気測定の場合・・・・[5]
  •  7.3 酸化促進雰囲気で測定する場合・・・・[6]
  •  8 測定結果の記録・・・・[7]
  •  附属書A(参考)化学発光測定による酸化劣化検出・・・・[8]
  •  附属書B(参考)加熱酸化させたポリエチレン(PE)の酸化劣化度測定・・・・[10]
  •  附属書C(参考)平衡化学発光強度の測定及び酸化防止能の評価・・・・[11]
  •  附属書D(参考)押出回数が異なる各種プラスチックの酸化劣化度測定・・・・[13]
  •  附属書E(参考)酸化誘導時間(OIT)の評価・・・・[14]
  •  附属書F(参考)酸化誘導時間(OIT)測定による寿命推定・・・・[15]
  •  附属書G(参考)プラスチック以外の物質の酸化劣化度測定の参考事例・・・・[16]
  •  参考文献・・・・[18]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS K 7351 pdf 1] ―――――

K 7351 : 2018

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS K 7351 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 7351 : 2018

プラスチックに含まれる過酸化物の微弱発光の高感度測定方法

Sensitive measurement method of peroxide in plastics by detecting ultra-weak photon emission

1 適用範囲

  この規格は,物質の酸化による劣化程度を評価するために,プラスチックの酸化反応によって生成した
過酸化物からの微弱な発光を高感度で検出する測定方法について規定する。
この規格の測定方法は,プラスチック以外の有機材料に含まれる過酸化物の測定にも準用できる。有機
材料とは,例えば,ゴム,エラストマーなどの高分子材料ほか,食品,油,薬などをいう。

2 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2.1
化学発光,CL(chemiluminescence)
化学反応によって生じるエネルギーによって,電子が一段階以上高いエネルギー準位に励起され,それ
らのエネルギー準位から基底状態へ失活するときに放出される発光現象。
2.2
暗電流値
検出素子自体に光が当たらない状態で計測される数値データ。
2.3
バックグラウンド
試料容器に試料を入れない状態で計測される数値データ。
2.4
酸化誘導時間,OIT(oxidation induction time)
プラスチック内で生じた過酸化物の生成速度と消滅速度の平衡が崩れて,発光強度が急激に増大する時
間。
注記 酸化誘導時間は,抗酸化剤の種類,添加量,測定温度などによって変化する。

3 測定原理

  酸素原子を二つ以上もつ過酸化物を熱によって分解したときの微弱な発光(CL)を,高感度な光検出素
子(光電子増倍管,CCDカメラなど)を用いた装置によって測定する。発光量の経時変化を測定ピーク高
さ,傾き,時間,ピーク面積,発光画像などで表示し,光エネルギーを発した物質の酸化による劣化程度
を測定する。物質の発光量の測定及び酸化劣化の考え方についての詳細を附属書Aに示す。一般的な化学

――――― [JIS K 7351 pdf 3] ―――――

2
K 7351 : 2018
反応における発光種の発光波長範囲として,表1に示した値が報告されている。
表1−一般的な化学反応における発光種(化学物質種)の発光波長範囲及びピーク波長(例)[1]
単位 nm
発光種 発光波長a)
3-アミノフタール酸 350550(425)
N-メチルアクリドン 400600(470)
ジベンゾイルベンゾアミド 520590(530)
1O2
420720(478,634)
励起カルボニル 420450,530
HCHO 300600(435)
NO2 5403 000(1 200)
SO2 250400(312)
注a) 括弧内の数値は,ピーク波長(極大波長)を示す。

4 試料

  試料は,1 mgまで測定できるひょう(秤)量器で10 mg20 gをはかりとる。試料は全て同じ組成のプ
ラスチックで,いずれか一つの条件が異なるもの(例えば,劣化度,添加剤種類,添加量)をそれぞれ同
じ質量はかりとる。固体試料の場合は試料面積もそろえる。試料の形状・寸法,質量は受渡当事者間の協
定による。試料は素手では触らず,手袋を着用して扱う。測定前には,試料の汚れを十分落とす。
注記 化学発光強度は,原理的に試料の表面積に比例するため,同一形状の場合は絶対値を比較でき
るが,異なる形状のものの比較はできない。

5 化学発光測定装置

5.1 装置本体の構成

  化学発光測定装置(以下,CL装置という。)本体は,試料への加熱制御が可能で,雰囲気の選択ができ
るものとする。温度は,等温測定及び/又は昇温測定が可能な構造とする。試料からのCLを検出する受
光部は,高感度な検出素子(例えば,光電子増倍管,高感度CCDカメラなど)を用いる。検出素子は,
対象とする過酸化物の発光を検出できるものとする。検出素子は冷却することで感度が向上するため,0 ℃
以下の温度まで冷却することが望ましい。試料室は検出素子の直下に位置し,加熱によって試料中に存在
する過酸化物を分解してCLを発生させる。図1にCL装置本体の構成の例を示す。データ処理装置は発
光量を数値データ(発光カウント値など)として計測し,モニタ画面に経時変化を表示できるものが望ま
しい。
また,ある一定以上の強い光が検出素子に入射した場合は,検出素子保護のために自動的にシャッター
を閉じるなどして,測定を中止する機能をもつ。検出素子の測定限界値(上限)は,CL装置又は検出素
子製造業者の設定による。

――――― [JIS K 7351 pdf 4] ―――――

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K 7351 : 2018
11
1 1 光電子増倍管(PMT)
2 電子冷却
3 冷却水
4 試料室
5 試料容器
3 2 6 試料
7 窓板付き内蓋
8 加熱部
12 9 ガス導入管
7 10 ガス排出管
9 11 データ処理
12 シャッター
5 10
6
8
4
図1−CL装置本体の構成(例)

5.2 試料室の構成

  試料室の構成は,ガス出入口及び加熱部から成り,試料室内は窓板付きの内蓋によって密閉する。窓板
は,発光を阻害しない透過性のよい材質を使用し,通常は石英ガラスとする。
試料容器は,底面が平らで,開口面積が一定であるものとする。試料容器の材質は,熱伝導性が高く,
測定温度で発光を示さないもの又は発光量が少ないもの,例えばステンレス製,アルミニウム製とする。
測定目的によっては,ガラス製,セラミック製などの耐食性をもつ容器を用いてもよい。
試料室は,窒素などの不活性ガス及び/又は酸素などの酸化促進ガスを導入及び排出できる機能をもつ
ものとする。

5.3 装置の設置環境

  装置の設置環境は,次による。
a) 直射日光の当たらない場所(暗幕設置環境を推奨)
b) 強い紫外線,電磁波及び振動のない場所
c) 化学物質を含む粉じん(塵),ばい(煤)煙などの影響を受けない場所
d) 室内温度をほぼ一定に維持できる場所(2025 ℃程度を推奨)
e) 室内湿度をほぼ一定に維持できる場所(4565 %程度を推奨)
f) エアコンの吹き出し口から遠方に設置できる場所
g) 一般精密分析機器などの設置環境と同等な場所

6 測定方法

6.1 装置準備

a)   L装置に冷却機能が付いている場合は,その機能を有効にする。例えば,冷却水循環装置の場合は,
冷却水の循環が適切に行われていることを確認する。
b) 装置を起動させて,検出素子が安定するまで待つ。

――――― [JIS K 7351 pdf 5] ―――――

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