JIS L 0860:2020 ドライクリーニングに対する染色堅ろう度試験方法 | ページ 2

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図2−洗濯試験機の一例(恒温槽によるもの)
3) 回転装置 試験瓶を回転するもので,電動機,回転軸及び回転軸に放射状に取り付けてある試験瓶
保持器からなり,試験瓶保持器の保持軸の中心線と試験瓶の中心線とが同一線上になるように試験
瓶が取り付けられるもので,1分間当たりの回転数は40回±2回で,恒温水槽又は恒温槽中で試験
瓶を回転できるもの。
なお,回転軸の中心から試験瓶の底までの寸法は,45 mm±10 mmとする。
4) ステンレス鋼円板 JIS G 4303に規定するSUS304製で,直径30 mm±2 mm,厚さ3 mm±0.5 mm
のもの。
5) ステンレス鋼球 JIS G 4303に規定するSUS304製で直径約6 mmのもの。
b) 乾燥機 JIS L 0801の箇条5 c)(乾燥機)に規定するもので,強制排気装置を附属したもの。ただし,
B−1法及びB−2法には用いない。
c) 添付白布 JIS L 0803に規定する多繊交織布を用いる。ただし,受渡当事者間の協定によって,単一
繊維布を用いてもよい。
d) 変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの。
e) 汚染用グレースケール JIS L 0805に規定するもの。
f) 測色計 JIS L 0809の4. a)(測色計)に規定するもの。
g) パークロロエチレン 純度99.0 %以上のもの(テトラクロロエチレン)。
h) 工業ガソリン JIS K 2201に規定する工業ガソリン5号(クリーニングソルベント)。
i) 非イオン(ノニオン)界面活性剤 ポリオキシエチレンアルキルエーテルで,エチレンオキサイド付
加モル数 78(EO:78モル)HLB 1213のもの。
j) 陰イオン(アニオン)界面活性剤 スルホこはく酸ジ-2-エチルヘキシルナトリウム。純度が90 %以上
のものが望ましい。

5 複合試験片の調製

  複合試験片の調製は,次による。

――――― [JIS L 0860 pdf 6] ―――――

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a) −1法,A−2法,B−1法及びB−2法に使用する複合試験片の調製は,JIS L 0801の6.2(複合試験
片の調製)による。ただし,使用する添付白布は,多繊交織布交織1号とし,これを試験片の片面に
縫い付けて複合試験片とする。他の交織布を用いたときは,記録する。また,単一布を用いるときは,
JIS L 0801の表1(試験片及び添付白布の繊維の種類)に示す組合せとし,2枚の添付白布の間に試験
片を挟み,四辺の全てを縫い付けて複合試験片とする。
b) −3法に使用する複合試験片の調製は,次による。
1) 試験片が布の場合 100 mm×40 mmの試験片を試験片の表側が多繊交織布交織2号若しくは多繊交
織布交織3号と接するようにし,短辺の一つに沿って縫い合わせるか,又は2枚の単一繊維布の間
に挟み,短辺の一つに沿って縫い付ける。
2) 試験片が糸又はばら繊維の場合 添付白布の合計質量のほぼ半分の質量の糸を引きそろえるか又は
編んで布状にして,b) 1)と同様に添付白布の質量とほぼ同量の試験片を試験片の表側が添付白布と
接するように,4辺全てに沿って縫い合わせるか,又は100 mm×40 mmの大きさの多繊交織布と未
染色の布との間若しくは単一繊維布の間に挟んで4辺全てに沿って縫い合わせる。

6 試験液

6.1   一般
6.26.6に規定の試験液を調製する際は,ドラフトチャンバーなど強制排気装置のある設備を用いて行
う。
6.2 A−1法の場合
パークロロエチレン1 Lに対し,陰イオン界面活性剤5 g,非イオン界面活性剤5 g及びJIS L 0801の箇
条5 j)(試薬及び試験液)に規定する水1 mLを加えてよくかき混ぜて溶かし,均一透明な溶液に調製した
ものを試験液とする。
6.3 A−2法の場合
パークロロエチレンだけを試験液とする。
6.4 A−3法の場合
パークロロエチレンだけを試験液とする。ただし,受渡当事者間の協定によって,パークロロエチレン
以外の溶剤を用いてもよい。その場合は試験報告書に記載する。
6.5 B−1法の場合
工業ガソリン5号1 Lに対し,陰イオン界面活性剤5 g,非イオン界面活性剤5 g及びJIS L 0801の箇条
5 j)(試薬及び試験液)に規定する水1 mLを加えてよくかき混ぜて溶かし,均一透明な溶液に調製したも
のを試験液とする。
6.6 B−2法の場合
工業ガソリン5号だけを試験液とする。

7 試験方法

7.1   一般
7.27.6に規定の試験方法において,試験液,複合試験片,ステンレス鋼球及びステンレス鋼円板を試
験瓶に入れる際は,ドラフトチャンバーなど強制排気装置のある設備の中で行う。同様に,複合試験片の
取り出し,試験液のすすぎ及び試験片の乾燥の際もドラフトチャンバーなど強制排気装置のある設備の中
で行う。

――――― [JIS L 0860 pdf 7] ―――――

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7.2 A−1法
試験瓶の中に,6.2で調製したパークロロエチレンの試験液100 mL及びステンレス鋼球20個を入れ,
試験液を30 ℃±2 ℃に調整する。これに複合試験片を入れて密閉し,洗濯試験機に取り付け,30 ℃±2 ℃
で30分間運転する。試験瓶から複合試験片を取り出し,パークロロエチレン100 mLで軽くすすいだ後,
ろ紙又は乾いた白綿布の間に挟むなどの方法で余分の液を除き,試験片と添付白布とを縫い合わせたまま
風乾する。乾燥は,60 ℃以下で乾燥機を使用してもよい。排気は,強制的に室外に排出する。複合試験片
が乾燥した後,複合試験片から添付白布を外し,判定を行う。
7.3 A−2法
試験瓶の中に,ステンレス鋼球は入れずにパークロロエチレンだけを100 mL入れ,A−1法(7.2)と同様
に操作する。
7.4 A−3法(ISO法)
a) 恒温槽又は恒温水槽が30 ℃±2 ℃になるように洗濯試験機を予熱する。
b) 正方形の未染色のコットンツイル布2枚の3辺を縫い合わせて,内寸100 mm×100 mmの袋1枚にし
たものを用意し,複合試験片及びステンレス鋼円板12枚をその袋に入れ,適切な方法で袋をとじる。
c) 洗濯試験機から試験瓶を取り外し,蓋,シール材など試験瓶の各部分が乾いていることを確認する。
なお,試験瓶の乾燥状態を確認するには乾いた綿布で容器の各部品を拭くのが望ましい。
d) 複合試験片及びステンレス鋼円板の入った袋を試験瓶に入れる。
e) 各試験瓶に30 ℃±2 ℃に調整したパークロロエチレンを200 mLずつ入れ,容器を密閉し,洗濯試験
機に取り付ける。
なお,他の溶剤を使用する場合は,試験報告書に記載しなければならない。
f) 全ての容器を試験機に取り付け,30 ℃±2 ℃で30分間運転する。
g) 洗濯試験機から試験瓶を取り外し,試験瓶から複合試験片及びステンレス鋼円板12枚の入った袋を取
り出し,複合試験片を取り出して吸収性のある白紙か白布に挟み,絞るか又は遠心分離して余分な試
験液を取り除く。その後,縫い目だけを触って複合試験片を解いて,試験片を60 ℃以下でつ(吊)
り下げて風乾させる。
h) 変退色用グレースケール又は汚染用グレースケールを用いて,それぞれ元の試験片及び元の添付白布
を基準にして,試験片の変退色及び添付白布の汚染を評価するか,又は計器法で評価する。
7.5 B−1法
試験瓶の中に,6.5で調製した工業ガソリン5号の試験液100 mL及びステンレス鋼球20個を入れ,試
験液を30 ℃±2 ℃に調整する。これに複合試験片を入れて密閉し,洗濯試験機に取り付け,30 ℃±2 ℃
で30分間運転する。試験瓶から複合試験片を取り出し,工業ガソリン5号100 mLで軽くすすいだ後,ろ
紙又は乾いた白綿布の間に挟むなどの方法で余分の液を除き,試験片と添付白布とを縫い合わせたまま風
乾する。排気は,強制的に室外に排出する。複合試験片が乾燥した後,複合試験片から添付白布を外し,
判定を行う。
7.6 B−2法
試験瓶の中に,ステンレス鋼球を入れずに工業ガソリン5号だけを100 mL入れ,B−1法(7.5)と同様に
操作する。

――――― [JIS L 0860 pdf 8] ―――――

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8 判定

  試験片の変退色の判定及び添付白布の汚染の等級の判定は,JIS L 0801の箇条10(染色堅ろう度の判定)
による。

9 試験報告書

  試験結果の報告事項は,次による。ただし,汚染は,その程度の最も著しい部分の等級及びその部分の
繊維名を記録する。また,必要があるときは,繊維ごとの等級及びその繊維名を記録してもよい。
なお,等級の判定を計器法によった場合には,繊維名の後に,“(計器法)”を付記する。
a) この規格名称又は規格番号
b) 試験年月日
c) 試料の照合に必要な詳細
d) 試験の種類
e) 添付白布の種類
f) 試験結果
例1 ドライクリーニング試験 A−1法 変退色4級 汚染3−4級(綿)
例2 ドライクリーニング試験 B−1法 変退色4級 汚染3−4級(ナイロン)(計器法)
例3 ドライクリーニング試験 A−3法 変退色4級 汚染3−4級(ポリエステル)

――――― [JIS L 0860 pdf 9] ―――――

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L0
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附属書JA
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(参考)
0 : 2
JISと対応国際規格との対比表
020
JIS L 0860:2020 ドライクリーニングに対する染色堅ろう度試験方法 ISO 105-D01:2010,Textiles−Tests for colour fastness−Part D01: Colour fastness to
drycleaning using perchloroethylene solvent(MOD)
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
3 試験 試験の原理の記載 3 JISとほぼ同じ 追加 JISでは国内の使用に合わせて, ISO改正の際,提案する。
及び試験の種類を ISO法に追加してJIS独自の方法を
規定 追加した。
4 装置及び この規格で使用す 5, JISとほぼ同じ 追加 JISは工業ガソリン,界面活性剤,ISO改正の際,提案する。
材料 る試験機及び試験 6 ステンレス鋼球,ガラス製瓶及び恒
液を規定 温槽による試験機を追加。
f) 測色計を規定 6 JISとほぼ同じ 変更 JISでは,JIS L 0809に規定するも実質的な技術的差異はない。
のとした。
5 複合試験 複合試験片の調製 7 JISとほぼ同じ 追加 JIS独自の試験方法の試験片の調製実質的な技術的差異はない。
片の調製 を規定 を追加。
6 試験液 試験液について規 5 JISとほぼ同じ 追加 ISO規格ではパークロロエチレン ISO改正の際,提案する。
定 だけ規定しているが,JISは工業ガ
ソリンを追加。
7 試験方法 試験方法を規定 8 JISとほぼ同じ 追加 国内の使用に合わせて,ISO法に追ISO改正の際,提案する。
加してJIS独自の方法を追加。
JISでは7.4 A−3 8 JISとほぼ同じ 変更 JISでは,60 ℃以下でつ(吊)り ISO改正の際,提案する。
法(ISO法)のg)で, 下げて風乾させる。
試験片を60 ℃以下
でつ(吊)り下げて
風乾させる。

――――― [JIS L 0860 pdf 10] ―――――

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JIS L 0860:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 105-D01:2010(MOD)

JIS L 0860:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS L 0860:2020の関連規格と引用規格一覧