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8 試薬及び培地
8.1 一般 試験に使用する試薬は,分析用グレード及び/又は微生物試験用のもの。
培地の調製については,市場に無水製品がある場合には,厳密に製造業者の指示に従うことを前提に,
それを使用することを推奨する。
8.2 水 微生物試験用又は試薬調製用の分析用グレードの水。新たに蒸留されたもの,イオン交換され
たもの及び/又は逆浸透膜を使用してろ過されたものとする。また,あらゆる毒性物質及びかび阻害物質
がないものとする。
8.3 陰イオン界面活性剤 かび胞子懸濁液用のジオクチルスルホこはく酸ナトリウム。
8.4 発光測定試薬,試薬及び緩衝液
8.4.1 一般 8.4.28.4.8に規定する試薬及び緩衝液を使用する。市場で入手できるものは,適切な検証
試験を行ってから使用しなければならない。
8.4.2 ATP標準試薬原液(10−3 mol/L)(以下,ATP標準液という。) アデノシン-5'3りん酸二ナトリウ
ム三水和物(C10H14O13P3Na23H2O)60.5 mgを水に溶解し,100 mLに調製したもの。
調製後,容器に入れ,しっかり密封して,−20 ℃以下で冷凍保存する。保存期間は6か月までとする。
一度溶解したものを再凍結してはならない。
8.4.3 ATP発光試薬の緩衝液 次の成分からなり,pHを7.5±0.2に調整したもの。
− N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン 1 117 mg
− エチレンジアミン四酢酸二水和物ジナトリウム塩 183 mg
− 酢酸マグネシウム四水和物 808 mg
− DL-ジチオスレイトール 6.7 mg
− デキストリン 25 000 mg
− スクロース 925 mg
−水 250 mL(調製後)
8.4.4 ATP発光試薬 次の成分からなり,発光光度計(7.23)を使用し,8.4並びに箇条11及び箇条13
で規定する試験で,1×10−11 mol/L1×10−5 mol/LのATP濃度を測定できるもの。
− ルシフェラーゼ 0.7 mg
− D-ルシフェリン 12.6 mg
− うし血清アルブミン 56 mg
− 緩衝液(8.4.3参照) 30 mL
使用前に一度完全溶解させ,室温で15分間おき,3時間以内に使用する。
上記以外のATP発光試薬を使用する場合は,その成分を試験報告書に記載する。
8.4.5 ATP抽出試薬 次の成分からなり,pHを12.0±0.5に調整したもので,かび細胞内ATPを80 %又
はそれ以上の効率で抽出できなければならない。
なお,pHの調整は,水酸化ナトリウムによる。
− N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン 45 mg
− 塩化ベンザルコニウム10 %水溶液 0.2 mL
−水 9.8 mL
上記以外のATP抽出試薬を使用する場合は,その成分を試験報告書に記載する。
――――― [JIS L 1921 pdf 6] ―――――
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8.4.6 ATP消去試薬 次の成分からなり,pHを6.0±0.5に調整したもので,ATP消去試薬を培地の1/10
量を加えたときに,培地(8.5.1参照)のATP含有量を15分以内に10−11 mol/Lまで減少させる能力がなけ
ればならない。調製後は,8時間以内に使用する。
− アピラーゼ(EC:3.6.1.5) 4.6国際単位/mL
− アデノシンりん酸デアミナーゼ(EC:3.5.4.6 又EC:6.3.5.4.17) 4.6国際単位/mL
− スクロース 37 mg
− うし血清アルブミン 20 mg
− 0.05 mol/Lの2-モノホリノエタンスルホン一水和物酸緩衝液 10 mL
上記以外のATP消去試薬を使用する場合は,その成分を試験報告書に記載する。
8.4.7 生理食塩水 JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム(NaCl)8.5 gを水に溶解し,1 000 mLに調製
したもの。その後,オートクレーブ(7.4)で滅菌する。
8.4.8 湿潤剤添加水 陰イオン界面活性剤(8.3参照)を水で溶解し,1 000 mLに調製したもの。その後,
オートクレーブ(7.4)で滅菌する。
8.5 培地
8.5.1 一般
8.5.28.5.5に規定する培地を使用する。市場で入手できる培地は,適切な検証試験を行ってから使用す
る。調製後すぐに使用しない培地は,5 ℃10 ℃の冷蔵庫に保存する。1か月を経過したものは,使用し
てはならない。
8.5.2 サブローデキストロース液体培地(SDB) 次の成分からなり,pHを5.6±0.2に調整後,オート
クレーブ(7.4)で滅菌する。
− ペプトン 10 g
− デキストロース 20 g 40 g
−水 1 000 mL
8.5.3 ポテトデキストロース寒天培地(PDA) 次の手順によって作成したもの。
a) きずの少ないじゃがいもを洗い,皮をむく。各芽の周り約10 mmを取り除き,約10 mm角のサイコ
ロ状に切る。
b) この細断したじゃがいも200 gを1 000 mLの水に入れ,1時間煮沸する。その後,23枚重ねのガー
ゼ(7.1)で包み,脱水する。
c) 次に,合計容量が1 000 mLになるよう水を加える。
d) 続いて,20 gのグルコース,15 g20 gの寒天を加える。完全に溶解させてオートクレーブ(7.4)に
よって処理する。
8.5.4 斜面培地 次の手順によって作成したもの。
a) 完全に溶解させたPDA(8.5.3)約10 mLを試験管に入れて栓をし,オートクレーブ(7.4)で処理す
る。
b) 滅菌後,清潔な実験台に水平面に対し約15°の角度で静置し,寒天培地を固化させる。固化した寒天
培地上に凝結水がない場合は,再度溶解し,固化させて凝結水を確認してから使用する。
8.5.5 サブローデキストロース寒天培地(SDA) 次の成分からなり,pHを5.6±0.2に調整後,オート
クレーブ(7.4)で滅菌する。
− 牛肉由来ペプトン 10 g
− デキストロース 35 g
――――― [JIS L 1921 pdf 7] ―――――
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− 寒天 15 g
−水 1 000 mL(調製後)
注記 この培地は,トランスファー法で使用する。
9 かびの保存及び使用
9.1 かびの保存
試験かびの継代培養及び取扱いは,安全キャビネット(7.5)又は同等の設備の中で行い,次による。
a) 継代培養の前後に,試験管の栓と試験管口周辺とを火炎滅菌するか又は化学滅菌する。
b) 元株から少量のかび胞子を白金耳(7.6)及びかぎ型白金耳(7.7)でかき取り,斜面培養の下部の凝結
水に分散させ,斜面培養の上部に直線状又は波線状に塗り付ける(図1参照)。
c) 異なるかびの継代培養を行う都度,白金耳及びかぎ型白金耳を火炎滅菌する。
d) 継代培養された斜面培養を25 ℃±2 ℃に設定された培養器(7.8)に少なくとも8日間培養する。十
分な胞子が発生したことを確認し,5 ℃10 ℃で保存する。
e) 3か月以内に,更なる培養又は保存のために継代培養されたかびを新しい斜面培養に移植する。
f) 継代培養を最大3か月間隔で繰り返す。ただし,継代培養は5回までとする。また,3か月を過ぎた
かびは,それ以上の継代培養に使用してはならない。
1 凝結水
2 斜面状の寒天培地
図1−斜面培地での継代培養
9.2 試験かびの前培養
かび胞子懸濁液調製のための前培養は,9.1で保存されたかび胞子を白金耳及びかぎ型白金耳でかき取り,
平板培地中央に接種し,25 ℃±2 ℃の条件で少なくとも8日間培養する。培養後,直ちに使用しない場合
は,5 ℃10 ℃に保存し,7日以内に使用する(図2参照)。
10 かび胞子懸濁液
かび胞子懸濁液の調製手順は,次による。
――――― [JIS L 1921 pdf 8] ―――――
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1 PDA平板上での9.2の前培養
2 ステップ1
3 ステップ2
4 ステップ3
5 ステップ4
6 ステップ5
図2−かび胞子懸濁液調製手順
10.1 培地から胞子の洗い出し
培地から胞子の洗い出しは,次による。
a) パスツールピペット(7.13)又は同等の器具を用いて,湿潤剤添加水(8.4.8)約0.5 mLをとる(ステ
ップ1)。
b) 寒天培地の中央の胞子上に湿潤剤添加水をゆっくり滴下し,寒天の表面をピペッティングでゆっくり
と5回すすぎ洗う(ステップ2)。
注記 湿潤剤添加水量の変更のような軽微な変更を行った場合は,その変更した条件を試験報告書
に記載する。
10.2 培地からのかび胞子懸濁液の採取及び分散
培地からのかび胞子懸濁液の採取及び分散は,次による。
a) 10.1のかび胞子懸濁液をパスツールピペット又は同等の器具を用いて採取する。
b) その懸濁液の適量を,湿潤剤添加水5 mL入りの容器に入れる。
c) 胞子を十分に分散させるため,約100回のピペッティングをするか,試験管かくはん機でかくはんす
るか,又は約5分間軽い超音波洗浄を行う。
d) 目視によって,懸濁液が僅かに濁っていることを確認する(ステップ3)。
10.3 菌糸の除去
ガーゼ又はガラスウール(7.1)を置いた漏斗,若しくはこれらと同等の器具でろ過する(ステップ4)。
ガーゼ又はガラスウールは,50 mm×50 mm角のものを4±1枚使用する。
10.4 培地成分の除去
培地成分の除去は,次による。
a) ろ過後,遠心分離機を用い,25 ℃±2 ℃において,約2 000 Gで少なくとも5分間遠心分離する。遠
心分離機に温度調節機能がない場合は室温でもよい。
b) 上澄み液をピペットで除去する。
c) 湿潤剤添加水約5 mLを加える。
d) 胞子を十分に分散させるため,十分にピペッティングをするか,試験管かくはん機でかくはんするか,
――――― [JIS L 1921 pdf 9] ―――――
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又は約5分間軽い超音波洗浄を行う(ステップ5)。
10.5 胞子濃度確認
胞子濃度確認は,ヘモサイトメータで,次の項目を確認する。
a) 胞子数及び胞子の状態 胞子数が1×106 /mL3×106 /mL内にあることを確認する。また,その90 %
以上が菌糸から離れた単一の遊離胞子とする。胞子数の確認は,ヘモサイトメータでの測定場所を異
なる2か所以上で行い,その平均値を胞子数とする。
b) 胞子数が過剰な場合 胞子数が1×106 /mL3×106 /mL内になるように湿潤剤添加水で10.4のd)で処
理したかび胞子懸濁液を希釈する。希釈後,再度a) によって胞子数を確認する。
c) 胞子数が過少な場合 遠心分離を繰り返し,上澄み液を除去する。胞子数が1×106 /mL3×106 /mL
内になるように湿潤剤添加水で胞子数を調整する。調整後,再度a) によって胞子数を確認する。
d) トランスファー法の場合 胞子数を1×108 /mL3×108 /mLに調整し,それを試験に使用する。
10.6 吸収法のかび胞子懸濁液の調製
吸収法のかび胞子懸濁液の調製は,次による。
a) 20倍希釈したSDBによって,10.5のかび胞子懸濁液の胞子濃度を1×105 /mL3×105 /mLに調製す
る。この濃度を接種胞子濃度とする。接種胞子濃度は,胞子濃度(10.5)を希釈倍率で除した値から
求める。SDBを20倍希釈する場合は,湿潤剤添加水を使用する。
b) 希釈時の懸濁液については,十分にかくはんする。
c) 調製後,懸濁液を氷で冷却し,4時間以内に使用する。
11 ATP検量線の作成
ATP検量線作成の手順は,次のとおりとする。また,検量線は,ATP発光試薬の調製ごとに作成しなけ
ればならない。
a) TP標準試薬原液(8.4.2)を水で希釈し,1×10−8 mol/L,1×10−7 mol/L及び1×10−6 mol/Lの濃度水
準を作製する。
b) 第1希釈の作製手順 各濃度水準から0.1 mLを別のプラスチック試験管にとる。それに,0.05 mLの
水及び0.35 mLの生理食塩水を入れ,十分にかくはんする。
c) 第2希釈の作製手順 第1希釈の試験管から0.1 mLをとり,別のプラスチック試験管に入れ,0.4 mL
の生理食塩水を加えてよくかくはんする。
d) 測定用希釈ATP標準液の準備 測定用希釈ATP標準液測定のため,二つのプラスチック試験管に第2
希釈の0.1 mLをそれぞれ入れる。
e) 第1ブランクの準備 プラスチック試験管に0.1 mLの湿潤剤添加水を加え,0.35 mLの生理食塩水及
び0.05 mLのATP消去試薬を加える。よくかくはんし,その後,10分間20分間静置する。
f) 第2ブランクの準備 第1ブランクから0.1 mLをプラスチック試験管にとり,次に,生理食塩水0.4 mL
を加え,よくかくはんする。
g) ブランク測定準備 第2ブランクから二つのプラスチック試験管にそれぞれ0.1 mLを入れ,これらを
ブランク測定に使用する。
h) ) で準備した二つのプラスチック試験管に,各々0.1 mLのATP抽出試薬を加え,よくかくはんする。
i) h) で準備した二つの試験管に,各々0.1 mLのATP発光試薬を加え,試験管かくはん機で5秒間かく
はんする。
j) ブランクの発光量 発光光度計で二つのプラスチック試験管のブランク発光量を直ちに測定する。
――――― [JIS L 1921 pdf 10] ―――――
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JIS L 1921:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 13629-1:2012(MOD)
JIS L 1921:2015の国際規格 ICS 分類一覧
JIS L 1921:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISL0803:2011
- 染色堅ろう度試験用添付白布
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方