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k) 測定用希釈ATP標準液の測定は,最低濃度のものから順に行う。ATP抽出試薬0.1 mLをd) で準備し
た第2希釈のプラスチック試験管それぞれに加える。その後,十分にかくはんする。
l) ATP発光試薬0.1 mLを加える。次に,試験管かくはん機で5秒間かくはんする。
m) 測定用希釈ATP標準液の発光量 発光光度計で二つのプラスチック試験管の発光量を直ちに測定す
る。
n) 検量線を求めるために,式(1)を用いて係数A及び係数Bを次によって計算する。
1) 係数Aは,対応するATP濃度(mol/L)をm) で得られた測定用希釈ATP標準液の発光量のそれぞ
れの平均値で除して得られる三つの値の平均値である。
2) 係数Bは,式(1)に係数Aを入れ,ブランクの発光量の平均値をXに代入して,Yをゼロとして計算
する。
Y AX+B (1)
ここに, Y : ATP濃度(mol/L)
X : 発光量(RLU=相対発光量)
Y及びXの相関係数が0.9を下回ったときは,再度,検量線作成を実施する。
12 試験方法
12.1 試験片の準備及び接種
12.1.1 一般
接種方法は,吸収法又はトランスファー法を選択する。トランスファー法は,吸水性のない試験片に適
用する。
12.1.2 吸収法
12.1.2.1 試験片の質量及び形状
試料から0.20 g±0.03 gをとり,試験に適切な大きさに裁断する。対照試料を6検体及び試験試料を6
検体準備する。
注記 対照試料3検体及び試験試料3検体は,接種直後の測定に使用し,残りは培養後の測定に使用
する。
12.1.2.2 試験片の準備
試験片の準備は,試験片の特性に合わせ,次の方法の中から適切な方法を選択し,試験片を別々のバイ
アル瓶にそれぞれ入れる。
a) 試験片がカールしやすい織編物製品の場合,詰め物又は羽毛を含んでいる場合は,バイアル瓶の中の
試験片をガラス棒で押さえる。別の方法として,試験片の両端を糸で縛ってもよい。
b) 試験片が糸の場合は,その糸を束にしてバイアル瓶に入れ,試験片をガラス棒で押さえる。
c) 試験片がカーペットなどの場合は,カーペット又はそのパイルを切り,それをバイアル瓶に入れ,ガ
ラス棒で押さえる。
d) 必要な場合は,試験当事者間の合意に基づき前処理を行う。実施した前処理に関しては,その詳細を
試験報告書に記載する。
e) 汚染がないことが確認されている場合以外には,次の手順に従って,オートクレーブによって試験片
を滅菌する。
1) 試験片が入っているバイアル瓶の上部の口にアルミニウムホイルをかぶせる。
2) アルミニウムホイルでカバーされたバイアル瓶を金網かごに入れる。
――――― [JIS L 1921 pdf 11] ―――――
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3) バイアル瓶のキャップをアルミニウムホイルで包み,金網かごに入れる。
4) 試験片が入ったバイアル瓶及びキャップを,オートクレーブで121 ℃(103 kPa)の条件で15分
20分間処理する。
5) 滅菌後,バイアル瓶及びキャップを安全キャビネット又は他の空中汚染の危険がないところに置き,
アルミニウムホイルを取り除き,60分間又はそれ以上の時間乾燥させる。
6) バイアル瓶のキャップをしっかりと締める。
注記1 オートクレーブ以外の他の滅菌法,例えば,エチレンオキサイドガス及びγ線照射を使
用した場合は,その方法を試験報告書に記載する。
注記2 滅菌法によっては,抗かび加工を不活性化する,又はある種の抗微生物薬剤を放出する
可能性があり,誤った結果になることがある。
注記3 対照試料も試験試料の滅菌方法と同様に滅菌できる。
12.1.2.3 試験片への接種
10.6で準備したかび胞子懸濁液をピペットで正確に0.2 mLとり,12.1.2.2で準備した試験片に接種する。
試験片に接種する前に懸濁液をよくかくはんする。
接種は,かび胞子懸濁液を試験片の数箇所に行い,十分にかび胞子懸濁液が吸収されるようにピペット
チップなどを用いて処置を行う。接種直後の発光量の測定は,13.1による。
注記 容易にかび胞子懸濁液を吸収しない試験片については,トランスファー法を使用することがで
きる。
12.1.3 トランスファー法
12.1.3.1 試験片の準備
裁断型枠を用いて,直径約38 mmの対照試料6検体及び試験試料6検体を準備する。
対照試料及び試験試料検体の各々を計量し,その質量を記録する(質量mA)。
必要な場合は,試験当事者間の合意に基づき前処理を行う。実施した前処理に関しては,その詳細を試
験報告書に記載する。
12.1.3.2 寒天平板への接種
直径55 mm60 mmのシャーレにSDA寒天培地(8.5.5)を入れたものを対照試料用に6枚,及び試験
試料用に6枚用意する。これらに10.5 d)で準備したかび胞子懸濁液1 mLを滴下する。シャーレを多方向
に傾け,寒天の表面に懸濁液が行きわたった後,余分な液体を可能な限り吸い取る。その後,300秒間±
30秒間静置する。
12.1.3.3 試験片への転写
各々の試験片を抗かび加工面を培地側に向けて,12.1.3.2の平板の表面に載せ,その上から200 gのステ
ンレス分銅を60秒間±5秒間載せる。その後,ステンレス分銅を取り除き,各々の試験片を直径55 mm
60 mmのシャーレに転写面を上向きにして置く。
試験片を入れるシャーレは,使用前に質量を測り,その質量(質量mB)を記録する。次に,転写した試
験片を入れたシャーレの質量を測り,総質量(質量mC)を記録する。
試験片に転写された液の質量mDは,式(2)で計算する。
mD mC− mA+mB (2)
――――― [JIS L 1921 pdf 12] ―――――
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接種直後の発光量の測定は,13.2による。
12.2 培養
12.2.1 吸収法
12.1.2.3によって接種した後,接種直後の測定をしない対照試料3検体及び試験試料3検体は,25 ℃±
2 ℃で42時間±2時間培養する。
12.2.2 トランスファー法
12.1.3.3によって転写した後,接種直後の測定をしない対照試料3検体及び試験試料3検体は,調湿チャ
ンバー内に入れ,25 ℃±2 ℃で42時間±2時間培養する。
13 発光量の測定
13.1 吸収法
吸収法における発光量測定の準備手順は,次による(図3参照)。
1 ステップ6
2 ステップ7
3 ステップ8
4 ステップ9
5 ステップ10
6 ステップ11
図3−発光量測定準備手順
a) TP消去試薬0.1 mLを,接種直後の場合は12.1.2.3で準備した試験片,培養後の場合は12.2.1で準備
した試験片に加える。さらに,生理食塩水4.7 mLを加える(ステップ6)。
b) キャップを締め,よくかくはんする。手によるかくはんの場合は30回振る,又は試験管かくはん機を
用いる場合は5秒間のかくはんを5回行う。その後,室温に20分間静置する(ステップ7)。
注記1 試験片が浮く場合には,完全に浸るようにする。
c) TP抽出試薬5.0 mLを加える(ステップ8)。
d) キャップを締め,よくかくはんする。手によるかくはんの場合は30回振る,又は試験管かくはん機を
用いる場合は5秒間のかくはんを5回行う。その後,室温に10分間静置する(ステップ9)。
注記2 試験片が浮く場合には,完全に浸るようにする。
e) ) で準備した液0.2 mLを二つのプラスチック試験管に移す(ステップ10)。
――――― [JIS L 1921 pdf 13] ―――――
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f) ATP発光試薬をe) で準備した試験管に0.1 mL加え,試験管かくはん機で5秒間かくはんする。直ち
に発光光度計を用いて発光量を測定する(ステップ11)。
g) 二つの試験管の発光量を測定する。
h) 検量線式によって,g) の発光量の平均値からATP濃度を計算する。その際のATP濃度の下限値は,
10−11 mol/Lとする。
i) 式(3)からATP量を求める。
M cATP V (3)
ここに, M : 1試験片当たりのATP量
cATP : h)で得たATP濃度
V : バイアル瓶の液量 0.01(L)
13.2 トランスファー法
トランスファー法における発光量測定の準備手順は,次による。
a) TP消去試薬0.1 mLを,接種直後の場合は12.1.3.3で準備した試験片,培養後の場合は12.2.2で準備
した試験片に加える。次に,生理食塩水(4.9−mD)mL(12.1.3.3)を加える(ステップ6)。
b) ピペッティングを約30回行い,よくかくはんする。ピペッティングしやすいようにシャーレを傾けて
もよい。その後,室温に20分間静置する(ステップ7)。
注記1 試験片が浮く場合には,完全に浸るようにする。
c) TP抽出試薬5.0 mLを加える(ステップ8)。
d) ピペッティングを約30回行い,よくかくはんする。ピペッティングしやすいようにシャーレを傾けて
もよい。その後,室温に10分間静置する(ステップ9)。
注記2 試験片が浮く場合には,完全に浸るようにする。
e) 次に,d) で準備した溶液0.2 mLを二つのプラスチック試験管に移す(ステップ10)。
f) ATP発光試薬をe) で準備した試験管に0.1 mL加え,試験管かくはん機で5秒間かくはんする。直ち
に発光光度計(7.23)を用いて発光量を測定する(ステップ11)。
g) 二つの試験管の発光量を測定する。
h) 検量線式によって,g) の発光量の平均値からATP濃度を計算する。その際のATP濃度の下限値は,
10−11 mol/Lとする。
i) 式(3)からATP量を求める。
14 試験結果
14.1 試験成立の判定
試験かびの発育値がb) を満足する場合に試験成立と判定する。b) を満足しない場合には,試験は不成
立と判定し,再試験を実施する。
a) 式(4)によって,試験かびの発育値Fを計算する。
b) 式(4)によって,計算された発育値Fが1.5以上であること。
結果は,JIS Z 8401の規則B(四捨五入法)によって小数点以下1桁に丸める。
発育値が1.5未満の場合,対照試料をJIS L 0803の綿添付白布として再試験を実施する。
――――― [JIS L 1921 pdf 14] ―――――
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F log Ctlog
− Co (4)
ここに, F : 試験かびの発育値
logCo : 接種直後の対照試料3検体のATP量の算術平均の常用
対数値
logCt : 42時間培養後の対照試料3検体のATP量の算術平均の
常用対数値
14.2 抗かび活性値の計算
試験が成立した場合,式(5)によって抗かび活性値を求める。
結果は,JIS Z 8401の規則Bによって小数点以下1桁に丸める。
Aa (5)
logCt−logCo − logTt−logTo
ここに, Aa : 抗かび活性値
logCo : 接種直後の対照試料3検体のATP量の算術平均の常用
対数値
logCt : 42時間培養後の対照試料3検体のATP量の算術平均の
常用対数値
logTo : 接種直後の試験試料3検体のATP量の算術平均の常用
対数値
logTt : 42時間培養後の試験試料3検体のATP量の算術平均の
常用対数値
15 抗かび効果
抗かび効果は,14.2で求めた抗かび活性値Aaが,2.0以上とする。抗かび活性値による抗かび効果を示
す指標を,参考として附属書Bに示す。
16 試験報告書
試験報告書は,次の事項を含めなければならない。
a) この規格の規格番号
b) 試験試料の詳細
c) 使用した対照試料
d) 使用した試験かび
e) かびの元株の詳細 : かび保存番号及び保存機関
f) 接種胞子濃度
g) 接種方法
h) 発育値
i) 各試験試料の抗かび活性値の値
j) 評価日及び試験期間
k) 試験機関名,試験担当者の名前及び署名
l) 試験当事者間の合意事項,及びこの規格からの逸脱事項
――――― [JIS L 1921 pdf 15] ―――――
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JIS L 1921:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 13629-1:2012(MOD)
JIS L 1921:2015の国際規格 ICS 分類一覧
JIS L 1921:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISL0803:2011
- 染色堅ろう度試験用添付白布
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方