JIS L 1950-1:2018 生地の防蚊性試験方法―第1部:誘引吸血装置法 | ページ 2

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図3−餌容器周辺の構成例(断面図)
5.1.2 試験ケージ 試験ケージは,1面が給餌装置に接続可能な開口部をもつ平板で,ほか5面が試験蚊
が通過できないメッシュサイズのネットで覆われた直方体状(幅380 mm±10 mm,高さ200 mm±5 mm,
奥行き200 mm±5 mm)とし,内部に試験蚊を放虫できる構造とする。
試験ケージの平板面には,試験片ホルダーを介して餌容器と接合されるためのφ55 mm±2 mmの開口部
を3か所もち,その開口部の大きさは,給餌面が露出するのに十分なものとする。
試験時に試験ケージの板面開口部は,蓋又は試験片ホルダーで覆い,試験蚊がケージ内から逃げ出さな
いように配慮する。試験ケージの例を図4に示す。
単位 mm
図4−試験ケージの例

――――― [JIS L 1950-1 pdf 6] ―――――

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5.1.3 試験片ホルダー及び蓋 試験開始直前に試験片を試験ケージに取り付け,試験終了直後に試験片を
速やかに試験ケージから取り外すために,試験片ホルダーを用いる。試験片ホルダー及び蓋の例を,図5
に示す。
単位 mm
a) 試験片ホルダー b) 蓋
図5−試験片ホルダー及び蓋の例
5.1.4 架台 架台は,試験ケージと給餌装置とを連結固定できる台で,給餌面が水平面から45°の位置
に固定できる構造とする。
5.1.5 炭酸ガス供給装置及び換気用ファン 炭酸ガス供給装置は,試験片の表面に一定時間間隔で一定量
の炭酸ガスを放出するための,炭酸ガスボンベ,レギュレーター,流量計及び電磁弁から構成される。
炭酸ガスは,試験ケージの各試験片の近傍上部から送気し,試験時には試験ケージ当たり送気流量1.0
L/min±0.1 L/min,送気サイクルは,10秒間の送気と50秒間の停止とを繰り返して供給できるものとする。
なお,試験ケージ内に炭酸ガスが滞留しないように,小型のファンなどを用いて常時換気する。その風
速は,試験ケージの直下で約1 m/sとする。

5.2 試験用血液

  試験用血液は,ヒト若しくは動物の血液,これらの保存血,必要量の血液成分を添加した溶液,又はこ
れに準じた成分を含んで蚊の吸血意欲を促進する溶液を用いる。

5.3 試験蚊

  試験蚊は,継代飼育された吸血意欲をもっている未吸血のヒトスジシマカの雌を用いる。ただし,ヒト
スジシマカ以外の雌の蚊を用いる場合は,箇条7で規定する試験報告書に試験蚊情報を記載する。羽化後
日齢1020日の蚊を試験に用いる。
注記 試験に用いる蚊の飼育環境は,附属書Aに示す。

――――― [JIS L 1950-1 pdf 7] ―――――

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5.4 試料

5.4.1  一般
試料は,測定試料及び標準試料の2種を準備し,各々から試験片を採取する。
標準試料は,医療ガーゼタイプIIIとし,試験日の試験蚊の吸血活性を確認する目的で試験に用いる。医
療ガーゼタイプIIIは,医療ガーゼ・医療脱脂綿の基準(平成17年6月30日薬食機発第0630001号厚生労
働省医薬食品局審査管理課)による。
5.4.2 試料及び試験片の取扱い
試料及び試験片は,直射日光の当たらない,温度27 ℃±2 ℃,相対湿度(651520 +)%の環境下で16時
間以上静置し調整する。このとき,防蚊加工剤成分の拡散・付着によって周辺への汚染が懸念されるため,
試料及び試験片は,個別に密封容器などに入れ,試料汚染及び実験室汚染がないようにする。
5.4.3 試験片の採取
試験片の採取は,次による。
a) 試験片の採取場所は,JIS L 0105の箇条6(試料及び試験片の採取及び準備)による。
b) 寸法 8 cm×8 cm
c) 数量 9枚(測定回数1回につき,3枚一組を用いる。)

6 試験

6.1 試験環境

  試験は,温度27 ℃±2 ℃,相対湿度(651520 +)%,照度600 lx以上で直射日光の当たらない環境下で実
施する。また,装置周辺にいる観察者の呼気ガス及び体温が試験装置内の蚊に影響を及ぼさないようにす
る。
なお,蚊によって生態は異なるため,ヒトスジシマカ以外の蚊を用いる場合,適切な環境条件に変更し
てもよい。

6.2 準備

6.2.1  試験蚊の分別放虫
あらかじめ試験ケージの開口部を蓋で覆っておく。
飼育用ケージに手をかざし,探針行動する吸血意欲のある試験蚊を吸虫管で捕集し,30個体の試験蚊を
試験ケージへ放虫する。その後,放虫済みの試験ケージは,試験開始まで飼育室内に静置する。
6.2.2 保温機の準備
保温機の加温を開始し,予熱しておく。
6.2.3 餌容器の準備
空の餌容器を膜で被覆し給餌面を作製し,容器内部を試験用血液で満たし封入する。
6.2.4 給餌装置の準備
餌容器を保温機に接続し,給餌面の表面温度が34 ℃に達するまで静置する。
6.2.5 試験片の予熱
試験片を,34 ℃に予熱した状態で維持する。

6.3 試験操作

6.3.1  標準試料の試験(試験蚊の吸血意欲の確認)
試験蚊の吸血意欲を確認するために,試験日及び試験蚊の飼育ロットが変わるごとに,あらかじめ標準
試料による試験を少なくとも1回以上実施する。

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標準試料の試験を6.3.3の試験操作手順によって実施し,吸血率を式(5)によって計算したとき,吸血率
が50 %に達しない場合は,試験蚊の吸血意欲が不十分とみなし,測定試料の試験は実施できない。また,
計測開始10分経過後に正常虫が28個体未満の場合も,同様に測定試料の試験は実施できない。
試験蚊の吸血意欲が不十分の場合は,再度標準試料によって試験を行い,吸血率が50 %を超えることを
確認した後,測定試料の試験を実施する。
6.3.2 測定試料の試験
事前に6.3.1を実施し,吸血率が50 %を超えることを確認した後,6.3.3の試験操作手順によって測定試
料の試験を実施する。
試験片を取り替え,一つの試料につき試験を3回繰り返す。
6.3.3 試験操作手順
試験操作手順は,次による。
a) 試験蚊の入った試験ケージの全ての開口部の蓋を,試験片を固定した試験片ホルダーと取り替える。
その際,試験片表側を試験ケージ内に露出させる。
b) 試験ケージを架台に設置する。
c) 給餌面と試験片とを密着させ,計測を開始し,試験蚊の係留及び吸血行動を観察する。
なお,観察面に観察者の呼気がかからないようにする。
d) 計測中は,炭酸ガスを5.1.5の送気サイクルによって送気する。
e) 計測開始から6分間は30秒ごと,6分以降は60秒ごとに,給餌面の試験片上の試験蚊の係留数を計
測記録する。
f) 計測開始10分経過後,直ちに試験片と給餌面との接触を切り離し,試験蚊がそれ以上吸血できないよ
うにする。
g) 炭酸ガスの送気を停止する。
h) 試験ケージの試験片ホルダーを蓋と取り替える。
i) 試験ケージ内の試験蚊を,凍結処理など適切な方法で殺虫する。
j) 吸血の有無を確認するために,試験蚊の腹部を個別に押し潰すなどし,吸血数及び未吸血数を計数す
る。
k) 防蚊加工試料によって防蚊加工剤成分に汚染される可能性のある,試験片ホルダー,試験ケージ,餌
容器,保温機などは,洗浄し防蚊加工剤成分が残らないようにする。

6.4 試験蚊の試験後処理

  試験後の試験蚊(未使用蚊含む。)は,凍結処理などで確実に殺処分した後,廃棄物に関する法令,条例
などに従って廃棄する。

6.5 試験結果

6.5.1  係留率の計算
各計測時間ごとの係留率,計測区間ごとの平均係留率は,次の式(1)式(4)によって計算する。
a) 各計測時間ごとの係留率
NLt
Lt 100 (1)
ここに, Lt : 任意の時間t(min)における係留率(%)
例えば,L0.5は計測開始0.5分(30秒)後の係留率を,
L4は計測開始4分後の係留率を表す。

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NLt : 任意の時間t(min)における係留数(個体数)
N : 放虫試験蚊総数(個体数)
b) 計測区間ごとの平均係留率
Le L5.0 L1 L5.1 L2 L5.2/ (2)
Lm L3 L5.3L4 L5.4 L5 L5.5/ (3)
Ll L6 L7 L8 L9 L10/ (4)
eL : 初期の平均係留率(%)(3分未満)
ここに,
L :
m
中期の平均係留率(%)(3分以上6分未満)
lL : 後期の平均係留率(%)(6分以上10分以内)
3回繰り返した計測区間ごとの平均係留率を平均して,JIS Z 8401の規則Bによって整数位に丸める。
6.5.2 吸血率の計算
試験終了後,試験ケージ内の試験蚊の吸血数を計数し,吸血率は,式(5)によって計算する。
NF
F 100 (5)
ここに, F : 吸血率(%)
NF : 吸血数(個体数)
N : 放虫試験蚊総数(個体数)
3回繰り返した吸血率を平均(以下,平均吸血率Faveという。)して,JIS Z 8401の規則Bによって整数
位に丸める。
6.5.3 吸血阻止指数の計算
吸血阻止指数は,式(6)によって計算する。
EF 100 Fave (6)
ここに, EF : 吸血阻止指数
Fave : 平均吸血率(%)
注記 吸血阻止指数に基づき,吸血阻止性を区分する場合は,その区分を附属書Bに示す。

7 試験報告書

  試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 試験年月日
b) 規格番号
c) 試験場所の環境条件
d) 試験蚊情報(蚊の種類,コロニー名,継代飼育場所又は購入先,羽化後日齢)
e) 試験用血液,餌容器を覆う膜の種類
f) 試料情報(品名,品番,薬剤種類など受渡当事者間で必要な情報)
g) 試験結果(初期の平均係留率,中期の平均係留率,後期の平均係留率,放虫試験蚊総数,吸血数,吸
血率,吸血阻止指数)

――――― [JIS L 1950-1 pdf 10] ―――――

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