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M 8709 : 2006 (ISO/DIS 3086 : 2005)
A.3 偏りの検定のフローシート
C
dの信頼限界LL及びULを計算する。
横軸にLL,UL,0,−δ及び+δをプロットする。
はい 実験終了。
LLからULまでの範囲が−δから
+δまでの範囲に含まれるか? 方法Bを日常の方法とし
て適用してよい。
いいえ
はい
更にサンプリング LLからULまでの範囲にゼロ(0)
及び測定を実施す が含まれるか?
る。
いいえ
A
方法Bは日常法として採用できない。
サンプリングシステムを調整する。
終了
――――― [JIS M 8709 pdf 11] ―――――
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M 8709 : 2006 (ISO/DIS 3086 : 2005)
附属書B(参考)実験例
表B.1B.5に示したデータは,実際の実験で得た数値であるが,データの出所を保護するために,二つ
の方法(A法及びB法)で得た結果に定数を加えて変換している。しかし,実験の条件及び偏りの基準値
は単なる例とする。
B.1 数値例1 (δ : 全鉄分で0.10 %)
表B.1に示す数値例は,機械式サンプリング(方法B)と基準方法Aとを比較した実験の結果である。
実験によって検出しようとする偏りの大きさは,全鉄分で0.10 %とする。
表 B.1 実験データ
ロット 全鉄分(%) di=xBi−xAi di2
xBi xAi
1 63.71 63.75 −0.04 0.001 6
2 62.98 62.95 0.03 0.000 9
3 63.24 63.70 −0.46 0.211 6
4 63.77 63.93 −0.16 0.025 6
5 60.01 60.82 −0.81 0.656 1
6 63.82 63.99 −0.17 0.028 9
7 63.85 64.09 −0.24 0.057 6
8 64.20 64.21 −0.01 0.000 1
9 64.08 64.12 −0.04 0.001 6
10 64.07 64.27 −0.20 0.040 0
合計 −2.10 1.024 0
1 id .210
d .0210
k 10
1 2 ( .210) 2
SSd di2 di .1024 .0583
k 10
SSd .0589
Sd .0255
(k )1 9
異常値の検定 :
並び替えたdiの値 : −0.81,−0.46,−0.24,−0.20,−0.17,−0.16,−0.04,−0.04,−0.01,0.03
dk d .003 ( .0210)
Gk .0941
Sd .0255
d d1 .0210 (.081)
G1 .2353
Sd .0255
Gk又はG1のいずれか大きい方の値 : 2.353
表1から10組の測定データに対するグラッブス検定の限界値は,2.290となる。
G1>2.290であり,di=−0.81は異常値となる。
――――― [JIS M 8709 pdf 12] ―――――
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M 8709 : 2006 (ISO/DIS 3086 : 2005)
したがって,残りの9組について異常値検定を実施する。
1 id .129
d .0143
k 9
1 2 ( .129) 2
SSd di2 di .0368 .0183
k 9
SSd .0183
Sd .0151
(k )1 8
異常値の検定 :
並び替えたdiの値 : −0.46,−0.24,−0.20,−0.17,−0.16,−0.04,−0.04,−0.01,0.03
dk d .003 ( .0143)
Gk .1146
Sd .0151
d d1 .0143 (.046)
G1 .2099
Sd .0151
Gk又はG1のいずれか大きい方の値 : 2.099
表1から9組の測定データに対するグラッブス検定の限界値は,2.215となる。
G1<2.215であり,新たな異常値はない。
異常値の考察 :
考察の結果,異常値(di=−0.81)には特定された原因があり,サンプリングした試料の品質特性に変化
があることが分った。将来とも起こり得る原因であることから,この一組のデータは保持するのがよい。
したがって,最初のデータ(表B.1)を偏りの検定にかけるものとする。
偏りの検定 :
測定データの組に変更がなく,d,SSd及びSdの値は変わらない。
dに対する信頼限界は,次のとおりとなる。
Sd .0255
LL d t .0210 .1833 .036
k 10
Sd .0255
UL d t .0210 .1833 .006
k 10
表2からt=1.833を得る。
水平軸にプロットする。
――――― [JIS M 8709 pdf 13] ―――――
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M 8709 : 2006 (ISO/DIS 3086 : 2005)
LL=−0.36 UL=−0.06
0
−δ=−0.10 +δ=+0.10
LLからULまでの範囲は−δから+δまでの範囲に完全には含まれず,しかもゼロ(0)を含んでいない。
この場合,方法Bには有意な偏りがあり,日常の方法として適用できない。サンプリング設備を調整しな
ければならない。
B.2 数値例2 (δ : 全鉄分で0.20 %)
表B.2.a,表B.2.b及び表B.2.cに示す数値例は,JIS M 8702に従って行った機械式サンプリング(方法
B)と基準方法Aとを比較した実験の結果である。
実験によって検出しようとする偏りの大きさは,全鉄分で0.20 %とする。
表 B.2.a 実験データ
ロット 全鉄分(%) di=xBi−xAi di2
xBi xAi
1 62.36 62.36 0 0
2 62.18 62.21 −0.03 0.000 9
3 62.22 62.44 −0.22 0.048 4
4 62.32 62.27 0.05 0.002 5
5 62.43 62.51 −0.08 0.006 4
6 62.72 62.74 −0.02 0.000 4
7 63.58 63.79 −0.21 0.044 1
8 63.64 63.77 −0.13 0.016 9
9 63.85 64.15 −0.30 0.090 0
10 63.21 63.93 −0.72 0.518 4
合計 −1.66 0.728 0
1 id .166
d .0166
k 10
1 2 ( .166) 2
SSd di2 di .0728 0 .0452
k 10
SSd .0452
Sd .0224
(k )1 9
異常値の検定 :
並び替えた idの値 : −0.72,−0.30,−0.22,−0.21,−0.13,−0.08,−0.03,−0.02,0.00,0.05
dk d .005 ( .0166)
Gk .0964
Sd .0224
――――― [JIS M 8709 pdf 14] ―――――
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M 8709 : 2006 (ISO/DIS 3086 : 2005)
d d1 .0166 (.072)
G1 .2473
Sd .0224
G又は
k Gのいずれか大きい方の値 : 2.473
1
表1から10組の測定データに対するグラッブス検定の限界値は,2.290となる。
G1>2.290であり,di=−0.72を異常値と判定して除去し,残りの9組に対し異常値検定を実施する。
残りの9組の測定データについて,d及び Sを計算する。
d
1 id .094
d .0104
k 9
1 2 ( .094) 2
SSd di2 di .0209 6 .0111
k 9
SSd .0111
Sd .0118
(k )1 8
異常値の検定 :
並び替えた idの値 : −0.30,−0.22,−0.21,−0.13,−0.08,−0.03,−0.02,0.00,0.05
dk d .005 ( .0104)
Gk .1305
Sd .0118
d d1 .0104 (.030)
G1 .1661
Sd .0118
Gk又はG1のいずれか大きい方の値 : 1.661
表1から9組の測定データに対するグラッブス検定の限界値は,2.215となる。
G1<2.215であり,新たな異常値は存在しない。
異常値の考察 :
考察の結果,異常値(di=−0.72)には特定される原因がないことが分った。少なくとも10組のデータ
をそろえるために追加のサンプリング及び測定が必要である。 第10番目のロットデータは,新たな検定
の組では必ずしも異常値になるとは限らないため,データに復帰させる(表B.2.b参照。)。
――――― [JIS M 8709 pdf 15] ―――――
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JIS M 8709:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/DIS 3086:2005(IDT)
JIS M 8709:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 73 : 鉱採及び鉱物 > 73.060 : 金属鉱物及びそれらの濃縮物 > 73.060.10 : 鉄鉱石
JIS M 8709:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISM8700:2013
- 鉄鉱石及び還元鉄―用語
- JISM8702:2019
- 鉄鉱石―サンプリング及び試料調製方法
- JISM8708:2005
- 鉄鉱石―サンプリング,試料調製及び測定の精度を確認する実験方法
- JISM8708:2021
- 鉄鉱石―サンプリング,試料調製及び測定の精度を確認する実験方法