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注(2) 溶液は,褐色瓶に保存する。
b) よう素溶液 よう化カリウム2.1gとよう素0.1gを混合した後,ピペットを用いて水5mlをかくはん
しながら滴下する(3)。
注(3) よう化カリウムがよう素に対する溶媒となるので,滴下する水の量は,よう素の溶解に必要な
最少量であることが重要である。水の滴下が早過ぎると,よう素が溶けずに残ることがあるが,
その場合は,溶液を捨てる。
c) ヘルツベルグ染色液 a)で調製した液15ml,水1ml及びb)で調製した液全量を混合する。沈殿が生じ
るまで,6時間以上放置した後,混合液の清澄部を褐色瓶に静かに注ぎ,よう素1片を加えて暗所に
保存する(4)。
注(4) 23か月ごとに新しい溶液を準備する。
備考 新しい染色液を用いる前に,既知の繊維によって確認試験をする。綿繊維の場合,ワインレッ
ドに染色されるが,青みを帯びた色が現れたときは,溶液濃度が高すぎるので,少量の水で薄
める。化学パルプの場合,青から青みを帯びた紫に染色されるが,赤みを帯びた色が現れたと
きは,溶液の濃度が低すぎるので,少量の塩化亜鉛を加えて調製する。
8.2.2 C染色液 C染色液の調製は,次による。
a) 塩化アルミニウム溶液(20℃で比重1.16) 塩化アルミニウム (III) 六水和物約40gを,水100mlに
溶かす(2)。
b) 塩化カルシウム溶液(20℃で比重1.37) 塩化カルシウム約100gを,水150mlに溶かす(2)。
c) 塩化亜鉛溶液(20℃で比重1.82) 塩化亜鉛約100gを温水約50mlに加え,不溶分が残るまで飽和さ
せる。室温まで冷却し,塩化亜鉛の結晶が析出するのを確認する(2)。
d) よう素溶液 よう化カリウム0.90gとよう素0.65gを混合する。ピペットを用いて水50mlをかくはん
しながら滴下する(2)(3)(4)。
e) 染色液 a)で調製した液20ml,b)で調製した液10ml及びc)で調製した液10mlをピペットで取り出
し,メスシリンダに入れて混合する。これにd)で調製した液12.5mlを加えて再び混合し,暗所に放置
する。1224時間後に沈殿ができたならば,その清澄部を褐色瓶に入れ,よう素1片を加えて暗所に
保存する(4)。
備考 新しい染色液を用いる前に,針葉樹さらしKP及びSPを含む見本によって確認試験をする。10.b)
表3に示した色と一致しない場合,少量のよう素を加えて再び試験をする。それでも,色が満
足でないときは,新しい混合液を調製する。
注(2)(4) 8.2.1の注参照。
8.2.3 ロフトンメリット染色液 ロフトンメリット染色液の調製は,次による。
a) 1%フクシン溶液 フクシン1gを沸騰水50mlの中に加えてよくかき混ぜた後,水で希釈して100ml
とする(2)。
b) 2%マラカイトグリーン溶液 マラカイトグリーン2gを沸騰水50mlの中に加えて,よくかき混ぜた
後,水で希釈して100mlとする(2)。
c) 約0.5%塩酸 塩酸5mlを水で希釈して400mlとする(2)。
d) ロフトンメリット染色液 a)で調製した液4.4ml,b)で調製した液2.2ml及びc)で調製した液20mlを
ピペットで取り出してメスシリンダに入れ,水で希釈して100mlとする。これを褐色瓶に入れて,暗
所に保存し,よく振ってから使用する。
備考 新しい染色液を用いる前に,針葉樹未ざらしKP,SP及びGPを含む見本によって確認試験を
――――― [JIS P 8120 pdf 6] ―――――
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する。未ざらしKP及びGPの場合,赤みを帯びた色が現れたときは,マラカイトグリーン溶
液を加える。未ざらしSPの場合,青み又は緑がかった色が現れたときは,フクシン溶液を加
える。2か月ごとに確認試験をすることが望ましい。
注(2) 8.2.1の注参照。
9. 染色及びスライドの調製 染色及びスライドの調製は,次による。
a) スライド上での染色(C染色液及びヘルツベルグ染色液の場合)
1) 繊維懸濁液からの調製 分散させた繊維懸濁液の約半分をビーカーに採り,水で希釈して約0.05%
の濃度にする。滴下管を用いて,汚れのないスライド上に0.05%濃度の懸濁液0.5mlを滴下し,解
剖針を用いるか,又はスライドの端部を軽くたたいて均一に分散させる。温熱板又は赤外ランプを
用いて,スライドを乾燥した後,冷却する。適切な染色法で染色し,気泡が入らないようにしてカ
バーグラスを載せる。12分間放置した後,スライドの長端部を傾けて,余剰の染色液を吸取紙で
除く。
2) 繊維パッドからの調製 円形ふるい又はガラスフィルタを用いて,分散した繊維懸濁液の半分をろ
過する。シャーレ内に繊維パッドを入れてふたをし,分析するまで乾燥しないようにする。少量の
繊維パッドをスライド上に置き,吸取紙で余剰の水を除く。適切な染色法で染色し,解剖針で均一
に分散させる。気泡が入らないようにしてカバーグラスを載せ,繊維が凝集しないように注意しな
がら,余剰の染色液を吸取紙で除く。
b) 試験管内での染色(ロフトンメリット染色法の場合) 円形ふるい又はガラスフィルタを用いて,分
散した繊維懸濁液の半分量をろ過する。繊維パッドを試験管に入れ,510mlの染色液を加え,12
分間ガラス棒でかくはんしながら煮沸する。円形ふるい又はガラスフィルタに移し,ろ液が透明にな
るまでろ過・水洗する。少量の染色した繊維をスライド上に置き,23滴の水を滴下して解剖針で均
一に分散させる。カバーグラスを載せ,余剰の水を吸取紙で除く。
10. 繊維の判別 染色した繊維のスライドを顕微鏡下で40120倍の倍率で観察し,繊維の染色性及び形
態的特徴によって繊維組成(材種,蒸解法,漂白の程度など)を判別する。
a) ヘルツベルグ染色液の場合 ヘルツベルグ染色液を用いた場合には,繊維の判別は,表2による。
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表2 ヘルツベルグ染色液の呈色表
パルプ繊維の種別 呈色
CP(木材,わら,エスパルトなど) 青,青みのすみれ色
MP(木材,わら,ジュートなど) 黄
ぼろ(木綿,リネン,大麻,ラミーなど) ワインレッド
SCP,CMP くすんだ青,くすんだ黄,青と黄の混色
再生セルロース繊維(ビスコースなど) 暗い青みのすみれ色
アセテート繊維 黄
合成繊維 無色から茶色みの黄
マニラ麻 暗い紫
竹,バガス 暗い青みの灰色暗い紫みの灰色
がん皮,みつまた くすんだ黄灰オリーブ色
こうぞ 赤みの茶色
備考1. 呈色の色名は,JIS Z 8102による。
2. スライド上の染色前の繊維には,指を触れないようにする。
参考1. 染色した繊維は,数時間後には退色するので,長く保存できない。化学パルプの青色
は徐々に暗くなり,機械パルプの黄色は灰色がかった色相を帯びる。
2. 収率60%程度の未ざらし針葉樹KPは,暗い黄色を示す。
b) 染色液の場合 C染色液を用いた場合には,繊維の判別は,表3による。
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表3 C染色液の呈色表
パルプの種別 呈色
針葉樹パルプ KP 未ざらし 黄と茶色の陰影色
さらし 明るい青みの灰色又は灰色
溶解 茶色みの紫
SP 未ざらし 黄の陰影色
蒸解が進むにつれて,
→明るい灰オリーブ色→灰ピンク
さらし 明るい茶系色
溶解 明るい茶系色又は紫
SCP 鮮やかな黄
広葉樹パルプ KP 未ざらし 青みの緑暗い青
さらし 強い青
溶解 青紫
SP 未ざらし 黄みの灰系色
蒸解が進むにつれて,
→明るい灰紫→明るい灰オリーブ色
さらし 明るい青又は青みの灰色
溶解 明るい茶系色
SCP 未ざらし 緑系(さまざまな陰影色)
さらし 強い青
MP 鮮やかな黄
わら,エスパルトCP 未ざらし 緑みの青(多くの色相)
さらし 灰青,すみれ青,強い青
ぼろ(木綿,リネン,大麻,ラミーなど)ワインレッド又は茶赤色
マニラ麻 黄みの灰色,薄い青及び灰紫
竹,バガス くすんだ青薄い紫
がん皮,みつまた 明るいオリーブ色明るい青みの灰色
こうぞ,桑 薄い赤みの茶色
参考1. C染色液による呈色は,ほとんど陰影が現れる。そのため,試験者によって呈色の表現
が異なる場合があり,表3に示した色名は,必ずしも文献に見られるものと類似している
わけではない。繊維によっては,呈色による判別が困難な場合があり,繊維の形態学的
知識を必要とする。
2. 針葉樹SPなどに見られる放射組織のピッチ成分は,C染色液によって黄色を呈する。
3. 溶解パルプの中には,際立った識別ができないものもある。
4. 染色の前処理段階で,試料を水酸化ナトリウム溶液で煮沸すると,広葉樹機械パルプと
針葉樹機械パルプの判別が可能であり,前者は,鮮やかな黄色,後者は,緑色系を呈す
る。
c) ロフトンメリット染色液の場合 ロフトンメリット染色液を用いた場合には,繊維の判別は,表4に
よる。
――――― [JIS P 8120 pdf 9] ―――――
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表4 ロフトンメリット染色液の呈色表
パルプの種別 呈色
針葉樹CP KP 未ざらし 緑系又は灰色みの青
半ざらし 明るいピンク色又は無色
さらし 無色
SP 未ざらし 赤すみれ色
さらし 無色
広葉樹CP KP, 未ざらし 明るい緑系又は明るいすみれ色
SP (弱い色又は無色)
半ざらし,ほとんど無色
さらし
針葉樹,広葉樹 KP 未ざらし 青みの緑
SCP SP 未ざらし 暗い青すみれ色
MP 鮮やかな青
参考1. 異なる製造業者又は異なるバッチのフクシン及びマラカイトグリーンを用いると,若干
呈色が違ってくる。
2. 色の強さは,脱リグニンが進むにつれて弱くなる。
3. ロフトンメリットによる染色試験では,しばしば,繊維の有縁壁孔が強いすみれ色に染
色されることがある。この“目玉状形成 (eye formation)”は,繊維壁が薄く染色された
SP繊維では特に顕著であるが,KP繊維では観察されないため,未ざらしSPの判別手段
として有効である。この現象は,一般に,塩基性染色液を用いたときに見られる。
4. 針葉樹SPなどに見られる放射組織のピッチ成分は,ロフトンメリット染色液によって
青みの緑色を呈する。
11. 操作 操作は,次による。
11.1 定性分析法 染色した繊維スライドを顕微鏡の可動ステージ上に載せ,水平方向又は垂直方向に1
ラインずつ規則的にゆっくりとスライドを移動させながら,繊維が存在する全視野を観察する。少なくと
も2枚のスライドについて,形態的特徴及び染色性を考慮しながら繊維組成を判別する。
11.2 定量分析法 可動ステージ上でスライドを動かし,接眼鏡のセンターマークがカバーグラスの一端
から35mmになるようにする。水平方向又は垂直方向に1ラインずつ規則的にゆっくりとスライドを移
動させ,繊維が存在する全視野を走査しながら,ライン上の繊維を各種別ごとに計数する。繊維の計数方
法は,次による。
a) 加算計数器を用いて,接眼鏡のセンターマークを通過する繊維又は繊維破片の数を各種別ごとに計数
する。
b) 1本の繊維が,1回以上センターマークを通過する場合は,そのたびごとに数える。
c) 1本の繊維がセンターマークに沿って通過する場合は一つとして数える。
d) 非常に微細な繊維破片は無視するが,分裂繊維のように比較的大きな繊維破片については,同種の繊
維に由来する破片を同一ライン上で23個観察したとき,一つとして数える。
e) 針葉樹パルプのように,柔細胞,その他の小さな細胞が少ない場合は,これらを無視する。
f) 結束繊維については,束になった繊維を1本ずつ数える。
g) 1ライン上のすべての繊維を1回の走査で,各種別ごとに計数することが困難な場合には,同一ライ
ン上を繰り返し走査してもよい。このとき,一連の計数が完了するまで,スライドが元のライン上か
ら離れないように十分注意する。
h) 1ライン上のすべての繊維を計数したら,スライドを5mm移動させ,新しいライン上で計数を繰り返
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JIS P 8120:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9184-1:1990(MOD)
- ISO 9184-2:1990(MOD)
- ISO 9184-3:1990(MOD)
- ISO 9184-4:1990(MOD)
- ISO 9184-5:1990(MOD)
- ISO 9184-6:1994(MOD)
- ISO 9184-7:1994(MOD)
JIS P 8120:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS P 8120:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISP0001:1998
- 紙・板紙及びパルプ用語
- JISP8203:2010
- 紙,板紙及びパルプ―絶乾率の測定方法―乾燥器による方法
- JISP8222:2015
- パルプ―試験用手すき紙の調製方法―標準手すき機による方法
- JISZ8102:2001
- 物体色の色名
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方