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JIS P 8120:1998 規格概要
この規格 P8120は、紙,板紙及びパルプ試料中の繊維組成の判別及びその定量に関する試験方法について規定。試験方法は,繊維の構造又は染色性に影響を与えないようにして離解又は脱色することが困難な,含浸加工した試料又は着色処理した試料には適さない。
JISP8120 規格全文情報
- 規格番号
- JIS P8120
- 規格名称
- 紙,板紙及びパルプ―繊維組成試験方法
- 規格名称英語訳
- Paper, board and pulps -- Fibre furnish analysis
- 制定年月日
- 1953年12月25日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 9184-1:1990(MOD), ISO 9184-2:1990(MOD), ISO 9184-3:1990(MOD), ISO 9184-4:1990(MOD), ISO 9184-5:1990(MOD), ISO 9184-6:1994(MOD), ISO 9184-7:1994(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 85.040, 85.060
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 紙・パルプ 2021
- 改訂:履歴
- 1953-12-25 制定日, 1956-12-25 確認日, 1959-12-01 改正日, 1963-06-01 改正日, 1966-07-01 確認日, 1969-08-01 確認日, 1972-11-01 確認日, 1975-10-01 確認日, 1976-03-01 改正日, 1979-03-01 確認日, 1984-03-01 確認日, 1989-06-01 確認日, 1994-07-01 改正日, 1998-11-20 改正日, 2005-04-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS P 8120:1998 PDF [20]
P 8120 : 1998
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS P 8120 : 1994は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,対応国際規格であるISO 9184-1 : 1990, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−
Part 1 : General method, ISO 9184-2 : 1990, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 2 : Staining guide,
ISO 9184-3 : 1990, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 3 : Herzberg staining test, ISO 9184-4 :
1990, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 4 : Graff“C”staining test, ISO 9184-5 : 1990, Paper,
board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 5 : Lofton-Merrit staining test (modification of Wisbar), ISO 9184-6 :
1994, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 6 : Determination of fibre coarseness 及びISO 9184-7 :
1994, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 7 : Determination of weight factorとの整合化を行った。
JIS P 8120には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) 繊維粗度の測定方法
附属書2(規定) 重み係数の測定方法
附属書3(参考) 重み係数
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS P 8120 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
P 8120 : 1998
紙,板紙及びパルプ−繊維組成試験方法
Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis
序文 この規格は,1990年に第1版として発行されたISO 9184-1, Paper, board and pulps−Fibre furnish
analysis−Part 1 : General method, ISO 9184-2, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 2 : Staining
guide, ISO 9184-3, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 3 : Herzberg staining test, ISO 9184-4,
Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 4 : Graff“C”staining test, ISO 9184-5, Paper, board and pulps
−Fibre furnish analysis Part 5 : Lofton-Merrit staining test (modification of Wisbar),及び1994年に第1版として
発行されたISO 9184-6, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 6 : Determination of fibre coarseness,
ISO 9184-7, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 7 : Determination of weight factorを基に作成し
た日本工業規格(日本産業規格)であるが,繊維の判別をする呈色表に,JISの呈色表現を追加規定した以外は,技術的内
容を変更することなく作成している。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,紙,板紙及びパルプ試料中の繊維組成の判別及びその定量に関する試験方法
について規定する。この試験方法は,繊維の構造又は染色性に影響を与えないようにして離解又は脱色す
ることが困難な,含浸加工した試料又は着色処理した試料には適さない。
備考1. 結果を正確に出すためには,相当の熟練及び経験を必要とする。この試験には,組成既知の
標準見本及び代表繊維の見本をしばしば用いるので,それら繊維の形態的特徴及び染色液で
処理したときの状態を熟知していなければならない。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 9184-1 : 1990 Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 1 : General method
ISO 9184-2 : 1990 Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 2 : Staining guide
ISO 9184-3 : 1990 Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 3 : Herzberg staining test
ISO 9184-4 : 1990 Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 4 : Graff“C”staining test
ISO 9184-5 : 1990 Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 5 : Lofton-Merrit staining
test (modification of Wisbar)
ISO 9184-6 : 1994 Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 6 : Determination of fibre
coarseness
ISO 9184-7 : 1994 Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 7 : Determination of weight
factor
――――― [JIS P 8120 pdf 2] ―――――
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P 8120 : 1998
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語
JIS P 8203 パルプ−絶乾率の試験方法
備考 ISO 638 : 1978, Pulps−Determination of dry matter contentが,この規格と対応している。
JIS P 8222 パルプ−試験用手すき紙の調製方法
備考 ISO 5269-1 : 1979, Pulps−Preparation of laboratory sheets for physical testing−Part 1 :
Conven-tional sheet-former methodが,この規格と対応している。
JIS Z 8102 物体色の色名
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001によるほか,次による。
紙,板紙及びパルプ試料中の繊維組成(材種,蒸解法,漂白
a) 繊維組成試験 (fibre furnish analysis)
の程度など)の定性及び定量分析。
b) 繊維粗度 (fibre coarseness)単位長さ当たりの繊維の絶乾質量。mg/mで表す。
備考 繊維粗度の測定方法は,附属書1による。
c) 重み係数 (weight factor)試料繊維と参照繊維の繊維粗度の比(1)。
注(1) 参照繊維としては,綿ぼろ繊維が一般的で,その重み係数を1.00,繊維粗度を0.180mg/mとする。
試料繊維の重み係数は,その繊維粗度から次の式で算出する。
c
f (1)
.0180
ここに, f : 試料繊維の重み係数
C : 試料繊維の繊維粗度 (mg/m)
備考 重み係数の測定方法は,附属書2による。
参考 重み係数の例を,附属書3に示す。
4. 測定の原理 試料を代表する少量の染色繊維を分散させたスライドを,顕微鏡下で観察し,次によっ
て,定性分析又は定量分析を行う。
a) 定性分析 繊維の染色性及び形態的特徴に基づいて,繊維組成(材種,蒸解法,漂白の程度など)を
判別する。
b) 定量分析 スライドを規則的に走査しながら,走査線上の繊維を各種別ごとに計数し,重み係数によ
って質量百分率に換算する。
5. 試薬 試薬は,次による。
なお,試薬は分析用試薬を用い,水は蒸留水又はこれに相当する純度の水を用いる。
a) 水酸化ナトリウム溶液 水酸化ナトリウム10gに水を加えて1lとし,約1%濃度の水酸化ナトリウム
溶液を調製する。
b) 塩酸溶液 塩酸5mlに水を加えて1lとし,約0.2%濃度の塩酸溶液を調製する。
c) りん酸溶液 85%りん酸35mlに水を加えて1lとし,約5%濃度のりん酸溶液を調製する。
d) 硫酸アルミニウム溶液 硫酸アルミニウム50gに水を加えて1lとし,約5%濃度の硫酸アルミニウム
――――― [JIS P 8120 pdf 3] ―――――
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溶液を調製する。
e) 過マンガン酸カリウム溶液 過マンガン酸カリウム65gに水を加えて1lとし,約6.5%濃度の過マン
ガン酸カリウム溶液を調製する。
f) しゅう酸溶液 しゅう酸二水和物50gに水を加えて1lとし,約5%濃度のしゅう酸溶液を調製する。
g) 有機溶媒 エタノール,ジエチルエーテル,酢酸エチル,アセトン,キシレン,トルエン,クロロホ
ルム,テトラクロロエチレン,トリクロロエチレンなど。
6. 装置及び器具 装置及び器具は,次による。
a) 顕微鏡 可動ステージ及びセンターマーク(十字線,中央点又は水平線)付き接眼鏡を備えたものを
用いる。照明用光源として,昼光ランプ又は昼光フィルタ付きランプを用いる。繊維の判別及び繊維
数の測定には,40120倍率のものが望ましい。また,繊維構造の観察には,200500倍率のものが
望ましい。
b) 分散機 易分散性の試料には,低速かくはん機又はこれと同等の機能を備えた分散機を用いる。難分
散性の試料には,超音波分散機,離解機又はこれらと同等の機能を備えた分散機を用いる。
c) 赤外線ランプ又は温熱板 5060℃に保持できるもの。
d) ろ過装置 円形ふるいを用いる場合は,直径5070mm,高さ510mm,底部の目開き6080
もの。ガラスフィルタを用いる場合は,容量200ml,焼結板の孔径1540
e) 滴下管 0.5ml滴下できる目盛の付いた長さ約100mm,内径58mmのガラス管で,一端にゴム球を
付け,他端の切り口は滑らかにするだけで細めてないもの。
f) スライド 25×75mmのものが望ましい。
g) カバーグラス 22×32mmのものが望ましい。
h) 解剖針
i) シャーレ 直径100120mmのもの。直径100120mmのふた付きで,適切な深さを備えた容器を用
いてもよい。
j) 加算計数器 計数した繊維数の記録に用いる。
k) 滴下瓶 容量30ml又は50mlのもの。
7. 試験片及び離解
7.1 試験片 試験片は,次による。
a) 試料全体を代表するように,試料の様々な位置から引き裂いた小片を,総量で約0.25g採取し,試験
片とする。
b) 多層ずき紙について,各層ごとの分析が必要な場合は,約5×5cmの試験片を5枚採取する。
7.2 試験片の離解 試験片の離解は,次による。
a) 普通紙の場合 試験管又はビーカーに試験片を入れ,水を加えて数分間煮沸し,分散機で分散させる。
この段階で試験片が完全に分散しない場合は,ガラスフィルタでろ過して試験管又はビーカーに移し,
水酸化ナトリウム溶液を加え,ときどきかくはんしながら数分間煮沸する。次に,ガラスフィルタを
用いてろ過し,水で2回洗浄した後,塩酸溶液を加え,数分間浸せきして中和させる。水で数回洗浄
し,分散機で分散させる。
備考 パルプ及び無サイズ紙のように離解しやすいものには,水酸化ナトリウム溶液は不必要とする。
羊毛又は絹が混入した試料については,染色性に影響するので水酸化ナトリウム処理を行って
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はならない。
b) 特殊な処理を施した紙の場合
1) 耐水紙など ビーカーに試験片を入れ,硫酸アンモニウム溶液又はりん酸溶液を加えた後,分散性
に応じて530分間煮沸する。ビーカーを傾斜させて上澄み液を除いた後,水で数回洗浄し,分散
機で分散させる。
なお,完全に分散しないときは,含浸紙などの場合と同様に,冷有機溶媒又は熱有機溶媒で抽出
する。
参考 次亜塩素酸塩による漂白が,分散性の向上に有効な場合がある。
2) 硫酸紙及び高こう(叩)解パルプを原料とする紙 ビーカーに試験片を入れ,過マンガン酸カリウ
ム溶液を加えて1時間放置する。ビーカーを傾斜させて上澄み液を除いた後,水で洗浄し,しゅう
酸溶液で処理する。再度水洗し,分散させる。
3) 含浸紙など 一般化した方法はないが,繊維に影響しないような有機溶媒を選び,冷有機溶媒又は
熱有機溶媒で抽出するとよい。
4) 着色紙 離解後の繊維が高度に着色している場合には,一般的な試薬の中から染料の特性に応じて
適切な試薬を選び,抽出,酸化又は還元処理を行うとよい。
c) 多層ずき紙の離解 試験片を約70℃の熱水中に浸せきし,各層ごとに分離する。分離した層は,普通
紙の場合と同様に,水中で煮沸し,分散させる。
備考 分離が困難な場合には,水の代わりに水酸化ナトリウム溶液を用いるとよい。また,隣接層の
繊維が混入している場合には,湿潤状態で軽くこすって,それらを除去すればよい。
8. 染色法の選定及び染色液の調製
8.1 染色法の選定 製紙用パルプの一般的な分類及びその判別に有効な染色法を,表1に示す。一般的
な繊維組成試験の場合は,表1を元に適切な染色法を選定する。
表1 製紙用パルプの一般的な分類及び判別に有効な染色液
分類 染色法
CP/MP/ぼろ ヘルツベルグ
CP/MP/SCP ヘルツベルグ
C
ロフトンメリット
針葉樹未ざらしCP/針葉樹さらしCP ロフトンメリット
針葉樹未ざらしKP/針葉樹未ざらしSP ロフトンメリット
広葉樹未ざらしKP/広葉樹未ざらしSP C
さらしKP/さらしSP C
針葉樹CP/広葉樹CP C
未ざらしセミケミカルKP/未ざらしセミケミカルSP ロフトンメリット
針葉樹MP/広葉樹MP C
参考 表1で推奨する染色法は,様々な繊維組成の判別に有効であるが,特定の場合には,このほかにも,
実用できる染色法が数多くあり,それらは,多くの文献に紹介されている(関連規格参照)。
8.2 染色液の調製
8.2.1 ヘルツベルグ染色液 ヘルツベルグ染色液の調製は,次による。
a) 塩化亜鉛溶液(20℃で比重1.82) 塩化亜鉛約200gを温水約100mlに加えて,不溶分が残るまで飽
和させる。室温まで冷却して塩化亜鉛の結晶が析出するのを確認する(2)。
――――― [JIS P 8120 pdf 5] ―――――
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JIS P 8120:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9184-1:1990(MOD)
- ISO 9184-2:1990(MOD)
- ISO 9184-3:1990(MOD)
- ISO 9184-4:1990(MOD)
- ISO 9184-5:1990(MOD)
- ISO 9184-6:1994(MOD)
- ISO 9184-7:1994(MOD)
JIS P 8120:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS P 8120:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISP0001:1998
- 紙・板紙及びパルプ用語
- JISP8203:2010
- 紙,板紙及びパルプ―絶乾率の測定方法―乾燥器による方法
- JISP8222:2015
- パルプ―試験用手すき紙の調製方法―標準手すき機による方法
- JISZ8102:2001
- 物体色の色名
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方