JIS P 8125-2:2017 紙及び板紙―曲げ抵抗試験方法―第2部:テーバー型試験機法 | ページ 2

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1 振子 8 可動式アームアタッチメント
2 垂直盤 9 可動式アーム
3 試験片 10 固定円盤
4 つかみ具 11 こわさ基準線
5 中心点 12 振子の中心線
6 スタッド
7 曲げ角度基準線 l : 曲げ長さ
図1−テーバー型試験機

6 校正

  装置の校正を行い,定期的に精度を確認する。校正方法は,装置の種類によるが,装置の取扱説明書又
は製造業者の指示に従う。
注記 一般的には,装置の製造業者によって,校正用のスチール製試験片が供給される。

7 試料の採取

  ロットを評価するための試験の場合は,JIS P 8110に従って試料を採取する。それ以外の場合は,試料
を代表するように試験用紙を採取する。

8 調湿

  紙又は板紙の試験用紙は,JIS P 8111に従って調湿する。試験用紙の調湿に用いたのと同じ調湿条件で,
試験片の調湿及び試験を行う。

9 試験片の調製

  試験片の調製及び試験は,試料の調湿に用いたのと同じ調湿条件で行う。

――――― [JIS P 8125-2 pdf 6] ―――――

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試験片の大きさは,幅38.0 mm±0.2 mm,長さ70 mm±1 mmとし,長辺が抄紙方向に対して平行な試験
片を縦方向の試験片,短辺が抄紙方向に対して平行な試験片を横方向の試験片とする。必要な主方向(縦
方向及び/又は横方向)について,それぞれ5回の有効な試験を行うために,十分な枚数を裁断する。
試験する面には,折れ,しわ,目視できる割れ又はその他の欠陥が入ることを避ける。試験する範囲に
透かしが存在する場合には,報告書に記載しなければならない。
ねじれ及びカールが著しい試験片では,信頼できる結果が得られないことがある。材料に損傷を与える
ことなく,ねじれ及びカールを矯正することはできない。

10 操作

  比曲げ抵抗(3.5)の算出が必要な場合は,JIS P 8124に従って坪量を測定する。
試験片の一方の端部をつかみ具(4)の上端に合わせ,もう一方の端部を可動式アーム(9)の先端にあ
るローラの間に通し,試験片を取り付ける。
つかみ具(4)の二つのねじで,試験片を振子の中心線(12)に合わせる。
ねじの締付け具合は,試験結果に影響を与える。締付け具合は,試験片をつかむのに十分な強さが必要
であるが,つぶれたり変形するほど強くしないほうがよい。試験片表面と可動式アーム(9)との接触を除
き,試験片の自由端は押さえ付けないほうがよい。
可動式アーム(9)の端部のローラを調整して,試験片に僅かに触れるようにする。試験片と可動式アー
ム(9)の一方のローラとの隙間を調整して,試験片とローラとの距離を0.33 mm±0.03 mmにする。
注記1 反りのない試験片を用いて振子が0で釣り合うようにする必要はない。試験片の反りは,左
右の曲げ方向の読取値に差を生じさせる。試験片の曲げ抵抗は,左右の曲げ方向の読取値を
平均して算出する。
モータのスイッチを入れて,垂直盤(2)を回転させ,振子の中心線(12)が垂直盤の15°の基準線と
一致するまで試験片を左に曲げる。
固定円盤(10)の目盛を読み取り,直ちに垂直盤を0に戻す。次に,試験片を右に曲げて,同様に読み
取る。必要な主方向ごとに,有効な試験結果を5点,左右合わせて10点の有効な読取値を得るために,少
なくとも5枚の試験を行う。
試験片が曲げ角度15°(3.3)に達する前に力が最大に達するか,破断,屈曲又はしわを見つけた場合は,
その試験結果を破棄する。裁断した試験片の10 %以上が,このような挙動を示した主方向(縦方向又は横
方向)については,曲げ角度7.5°を用いる。その場合は,曲げ角度を報告する。
重要 曲げ角度と曲げ抵抗との関係は,比例関係にはないので,曲げ角度7.5°で得られた結果を二倍
して15°での結果に換算することはできない。
注記2 厚さの増加によって,紙に許容できない変形が生じる傾向が強まる。しかし,曲げ角度7.5°
を用いる場合の適切な厚さを示すことはできない。

11 計算及び結果の表し方

11.1 曲げモーメント

  製造業者の取扱説明書の手順に従って,使用した補助おもりにおける曲げモーメント(3.1),Mを計算
する。
必要な主方向(縦方向及び/又は横方向)ごとに,10点全ての読取値(左に5回の曲げ動作及び右に5
回の曲げ動作)から,平均曲げモーメントとして曲げ抵抗(3.2),Bを計算する。

――――― [JIS P 8125-2 pdf 7] ―――――

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縦方向及び/又は横方向について,曲げ抵抗(3.2)を,ミリニュートンメートル(mN・m)単位にて,
有効数字3桁で報告する。
注記1 テーバー単位として結果が得られる。テーバー単位からSI単位へは,式(1)を用いて変換す
ることができる(参考文献[3]参照)。
M=Tr×0.098 066 (1)
ここに, M : 曲げモーメント(mN・m)
Tr : テーバー単位での曲げモーメントの読取値
注記2 この試験の精度は,附属書Aに示す。

11.2 比曲げ抵抗

  必要な場合には,式(2)によって,必要な主方向について,比曲げ抵抗(3.5)を計算する。
B
Bg 3

(pdf 一覧ページ番号 )

                             g
ここに, Bg : 比曲げ抵抗(mN・m・m6/g3)
B : 曲げ抵抗(mN・m)
g : 坪量(g/m2)
必要な主方向の比曲げ抵抗は,有効数字3桁で報告する。
注記 比曲げ抵抗は,均質材料の試験片で,曲げ角度が小さい場合,正確に適用できる。比曲げ抵抗
は,坪量の差が小さい場合には,曲げ抵抗の比較に有効である。通常,15°の曲げでは,坪量
が高くなるほど,試験片の塑性変形の程度が大きくなる。このため,比曲げ抵抗は,坪量の高
い材料及び,坪量が著しく異なる紙の比較には有効でない(参考文献[6]参照)。

12 報告書

  報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の名称
b) 試験の場所及び日時
c) 試料の説明及び識別
d) 調湿条件
e) 使用した装置の型式,製造業者名及び試験機名
f) 曲げ長さ
g) 試験した主方向(縦方向及び/又は横方向)それぞれについて,曲げ抵抗
h) 試験した主方向それぞれについて,試験結果の標準偏差
i) 曲げ角度が15°以外の場合は,その角度
j) 必要ならば,それぞれの主方向の比曲げ抵抗
k) この規格と異なる条件又は方法で試験した場合は,その内容

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附属書A
(参考)
精度
2008月11月に,欧州の6か国の16か所の試験所において,3種の試料について,それぞれ10枚の試験
が行われた。その記録は,CEPI-CTS[欧州製紙連合会試験サービス(Comparative Testing of Confederation of
European Paper Industries)]から入手した。
精度データを表A.1及び表A.2に示す。
計算は,ISO/TR 24498[2]及びTAPPI T 1200 sp-07[5]に従って,行われた。
表A.1で報告した繰返し精度の標準偏差は,“プールした”繰返し精度の標準偏差,すなわち,標準偏差
を参加した試験所の標準偏差の二乗平均平方根(root-mean-square)として計算する。これは,JIS Z 8402-1[1]
における従来の繰返し精度の定義と異なる。
報告されている繰返し精度及び再現性の許容差は,類似の試験条件の下,類似の材料で行った二つの試
験結果を比較するとき,20回のうち19回で期待される差の最大値を評価したものである。材料及び試験
条件が異なる場合には,これらの数値は,有効でない。
繰返し精度及び再現性の許容差は,繰返し精度及び再現性の標準偏差に2.77を乗じて計算する。
注記1 繰返し精度の標準偏差と実験室内での標準偏差とは同一である。しかしながら,再現性の標
準偏差は実験室間の標準偏差と同じではない。すなわち,再現性の標準偏差は,実験室間の
標準偏差及び実験室内の標準偏差の両方を合わせたものである。
すなわち,s2r=s2W,s2R=s2W+s2L
ここに, sr : 繰返し精度の標準偏差
sW : 試験室内の標準偏差
sR : 再現性の標準偏差
sL : 試験室間の標準偏差
注記2 2.77=1.962,この式は測定値が正規分布しており,標準偏差sが多数の試験に基づくこと
による。
表A.1−繰返し精度
試料 試験所数 平均値 標準偏差sr 変動係数 許容差r
CV, r
mN・m mN・m % mN・m
水準1 a) 14 b) 49 1.8 3.7 5.1
水準2 a) 16 361 9.4 2.6 26.2
水準3 a) 16 2 565 54.2 2.1 150.2
注a) 水準13は,欧州製紙連合会(CEPI)が行った分類による。
b) 外装ライナーを除く。

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表A.2−再現性
試料 試験所数 平均値 標準偏差sR 変動係数 許容差R
CV, R
mN・m mN・m % mN・m
水準1 a) 14 b) 49 2.8 5.7 7.7
水準2 a) 16 361 22.3 6.1 61.8
水準3 a) 16 2 565 103.1 4.0 285.8
注a) 水準13は,欧州製紙連合会(CEPI)が行った分類による。
b) 外装ライナーを除く。
参考文献
[1] JIS Z 8402-1 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第1部 : 一般的な原理及び定義
注記 対応国際規格 : ISO 5725-1:1994,Accuracy (trueness and precision) f measurement methods and
results−Part 1: General principles and definitions
[2] ISO/TR 24498:2006,Paper, board and pulps−Estimation of uncertainty for test methods
[3] TAPPI Test Method T 489 om-08,Bending resistance (stiffness) f paper and paperboard (Taber-type tester in
basic configuration)
[4] TAPPI Test Method T 566 om-08,Bending resistance (stiffness) f paper (Taber-type tester in 0 to 10 Taber
stiffness unit configuration)
[5] TAPPI Test Method T 1200 sp-07,Interlaboratory evaluation of test methods to determine TAPPI repeatability
and reproducibility
[6] FELLERS, C. and CARLSSON, L. Bending stiffness, with special reference to paperboard. In MARK, R.E.,
HABEGER, C., BORCH, J., LYNE, B. Handbook of physical and mechanical testing of paper and paperboard.
New York: Basel: Marcel Dekker, 2002, pp. 233-256

――――― [JIS P 8125-2 pdf 10] ―――――

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JIS P 8125-2:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2493-2:2011(MOD)

JIS P 8125-2:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS P 8125-2:2017の関連規格と引用規格一覧