この規格ページの目次
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R 1616 : 2007
g) 鉄(Fe)
h) カルシウム(Ca)
i) マグネシウム(Mg)
j) 酸素(O)
k) 窒素(N)
l) ふっ素(F)
m) 塩素(Cl)
5 試料の採り方及び取扱い方
5.1 試料の採り方
分析用試料は,JIS R 6003の規定に準じて採取する。
5.2 試料の取扱い方
分析用試料約10 gを平形はかり瓶(50×30 mm)に入れ,135±5 ℃の空気浴中で2時間乾燥し,デシ
ケーター(乾燥剤 : 乾燥用過塩素酸マグネシウム)中で放冷し,この中から必要量の分析試料を速やかに
はかりとる1)。
注1) はかりとりの間に増量を示す試料では,分析の都度必要量を乾燥し,はかりとりの前後のはか
り瓶の質量差を,試料のはかりとり量とする。ただし,カプセルヘのはかりとりの場合を除く。
5.3 試料のはかり方
分析試料のはかりとりには,化学はかりを用いて規定された量を0.1 mgのけたまではかる。
6 分析値のまとめ方
6.1 分析回数
分析は,同一成分について,日を変えて2回繰り返す。
6.2 空試験
分析に当たっては,空試験を行い,測定値を補正する。
6.3 分析値の表示
分析値は,乾燥ベースの%(質量分率)で表し,JIS Z 8401によって,次のように丸める。
a) 全けい素,全炭素及び遊離炭素は,小数点以下1けたに丸める。
b) 遊離けい素,遊離二酸化けい素,酸素,窒素,ふっ素及び塩素は,小数点以下2けたに丸める。
c) アルミニウム,鉄,カルシウム及びマグネシウムは,小数点以下3けたに丸める。
6.4 分析値の採択・検討
a) 2個の分析値の差が表1の許容差を超えないときは,その平均を報告値とする。
b) 2個の分析値の差が許容差を超えるときは,更に2回の分析を繰り返し,その差が許容差を超えない
ときは,その平均を報告値とする。これも許容差を超えるときは,4個の分析値のメジアンを報告値
とする。
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表1−分析値の許容差
単位 %(質量分率)
成分 T.Si T.C F.Si F.SiO2 F.C Al Fe
許容差 0.20 0.36 0.026 0.036 0.12 0.003 2 0.002 6
成分 Ca Mg O N F Cl
許容差 0.001 5 0.000 3 0.094 0.023 0.005 0.002
7 全けい素の定量方法
7.1 定量方法の区分
全けい素の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 脱水重量ICP(誘導結合プラズマ,以下,ICPという。)発光分光併用法 : この方法は全けい素含有率
40 %(質量分率)以上,80 %(質量分率)以下に適用する。
b) 凝集重量ICP発光分光併用法 : この方法は全けい素含有率40 %(質量分率)以上,80 %(質量分率)
以下に適用する。
7.2 脱水重量ICP発光分光併用法
7.2.1 要旨
試料を炭酸ナトリウムで融解して塩酸に溶解し,蒸発乾固してけい酸を脱水した後,塩酸で可溶性塩類
を溶解してろ過する。沈殿を強熱してはかり,ふっ化水素酸を加えて二酸化けい素を揮散させた後,再び
強熱してはかり,その減量から主二酸化けい素量を求める。ろ液を採取してICP発光分光法によって溶存
けい素量を求める。両者から全けい素含有率を算出する。
7.2.2 試薬
この規格で使用する試薬は,最高純度の市販品とし,次による。試薬溶液は,プラスチック瓶に保存す
る。また,標準液は,市販の計量標準供給制度(JCSS)適合品又は同等品とし,国際単位系(SI)にトレーサブ
ルなものを使用する。
a) 水 JIS K 0557:1998に規定する表1のA3以上とする。
b) 塩酸
c) 塩酸(1+1,1+4,1+50)
d) ふっ化水素酸
e) 硫酸(1+1,1+4)
f) 炭酸ナトリウム(無水)
g) けい素標準液(1.0 mg Si / mL)
h) けい素標準溶液(0.1 mg Si / mL) 使用の都度,g)の10 mLを100 mLの全量フラスコに正しく採取
し,水で標線まで薄め振り混ぜて調製する。
7.2.3 容器
各種の操作に用いる容器類は,ガラス製品又はプラスチック製品2)を用いる。プラスチック製の計量器
は,あらかじめ検定しておく。ガラス製品は,指定した操作以外に使用しない。容器類の洗浄及び保存は,
JIS K 8007:1992の6.(器具及び容器類の洗浄と保存)の(1),(2)及び(3)によって,汚染物質を除去し,水
で十分洗浄した後,水を満たして保存する。
注2) ポリエチレン製,ポリプロピレン製,四ふっ化エチレン樹脂製などがある。
7.2.4 試料のはかりとり量
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試料のはかりとり量は,0.30 gとする。
7.2.5 操作
定量操作は,次の手順によって行う。
a) 試料を白金皿(例えば75番)にはかりとり,炭酸ナトリウム(無水)2.0 gを加えて混合し,皿の底
に一様に広げる。炭化けい素が発火燃焼せず,炭酸ナトリウムが溶融しない温度(700800 ℃)に保
って,炭化けい素をできるだけ酸化した後3),約1 000 ℃で強熱して完全に融解する。
b) 時計皿で覆って放冷した後,塩酸(1+1)20 mLを加えて水浴上で加熱溶解し,少量の水で時計皿を
洗浄して取り除き,引き続き蒸発し乾固する。この間ときどき先端を平らにしたガラス棒で析出した
塩類を押しつぶして粉末にする。放冷後,塩酸5 mLを加え,約1分間放置し,熱水20 mLを加えて
水浴上で約5分間加熱して可溶性塩類を溶解する。
c) ろ紙(5種B)を用いて不溶物をろ過し,熱塩酸(1+50)で数回,熱水で十分に洗浄する。ろ液及び
洗液は,250 mLの全量フラスコに受け,放冷後水で標線まで薄めて振り混ぜる。
d) )の沈殿は,ろ紙とともに白金るつぼ(例えば30番)に入れ,硫酸(1+4)5滴を加え燃えないよう
に加熱してろ紙を灰化した後,1 100±25 ℃で60分間強熱する。デシケーター中で放冷した後質量を
はかる。恒量となるまでこの操作を繰り返す。
e) )の二酸化けい素を水で湿し,硫酸(1+1)3滴及びふっ化水素酸10 mLを加え,砂浴上で加熱して
蒸発乾固する。1 100±25 ℃で5分間強熱し,デシケーター中で放冷した後,質量をはかる。減量が
主二酸化けい素量である。
f) c)の溶液から正しく10 mLを100 mLの全量フラスコに採取し,塩酸(1+4)5 mLを加え,水で標線
まで薄めて振り混ぜる。
g) )の溶液の一部をICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,例えば,波長251.61 nmにおける
発光強度を測定する4)。
注3) 電気炉を用いるときは,12.2.5 a)を参照。
4) 溶存けい素の定量には,モリブデン青吸光光度法を用いてもよい。このときは,c)の溶液か
ら正しく10 mLをプラスチックビーカー(100 mL)に採取し,ふっ化水素酸(1+9)2 mL
を加え,10分間放置した後,ほう酸溶液50 mL及び塩酸(1+4)2 mLを加え,水で約70 mL
に薄める。七モリブデン酸六アンモニウム溶液3 mLを加えてかき混ぜて10分間放置する。
酒石酸溶液5 mL及びL−アスコルビン酸溶液2 mLを順次加えてその都度かき混ぜる。100
mLの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄め振り混ぜた後,30分間放置する。この溶
液の一部を吸光光度計のセル(1 cm)に取り,水を対照液にして波長650 nm付近における吸
光度を測定する。
このときの試薬は,次による。
1) ふっ化水素酸(1+9)
2) ほう酸溶液(40 g / L)
3) 七モリブデン酸六アンモニウム溶液 七モリブデン酸六アンモニウム四水和物50 gを温
水に溶かし,必要ならばろ過し,水で500 mLとする。保存中にモリブデン酸が析出し
たときは,新しく調製する。
4) 酒石酸溶液(100 g / L)
5) −アスコルビン酸溶液(100 g / L) 冷暗所に保存する。調製後2週間を経過したもの
は使用しない。
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7.2.6 空試験
試料を用いないで7.2.5の操作を行う。ただし,融解操作は省略する。7.2.5 c)に対応する溶液を空試験
液とする。
7.2.7 検量線の作成
7.2.6の空試験液から正しく10 mLずつを数個の100 mLの全量フラスコに取り,それぞれにけい素標準
溶液から正しく04 mLを段階的に加えた後,塩酸(1+4)5 mLずつを加え,水で標線まで薄めて振り
混ぜる。これらの検量線用溶液を用いて7.2.5 g)の操作を行い,得た発光強度とけい素量との関係線を作成
し,原点を通るように平行移動して検量線とする5)。
注5) モリブデン青吸光光度法を用いるときは,次による。けい素標準溶液から正しく03 mLを数
個のプラスチックビーカー(100 mL)に段階的に取り,それぞれに空試験液から正しく10 mL
ずつを加える。次に,7.2.5 g)の 注4)のふっ化水素酸(1+9)添加以降の操作を行い,得た吸光
度とけい素量との関係線を作成し,原点を通るように平行移動して検量線とする。
7.2.8 計算
7.2.5 g)及び7.2.6で得た発光強度と7.2.7で作成した検量線とから溶存けい素量を求め,次の式によって,
試料中の全けい素含有率を算出する。
m1 m2 .04674 A1 A2 250 / 10
T.Si
m
ここに, T.Si : 全けい素含有率[%(質量分率)]
m 1 : 7.2.5 e)の減量(g)
m 2 : 7.2.6の減量(g)
A1 : 採取した試料溶液中の溶存けい素量(g)
A2 : 採取した空試験液中の溶存けい素量(g)
m : 試料のはかりとり量(g)
7.3 凝集重量ICP発光分光併用法
7.3.1 要旨
試料を炭酸ナトリウム及びほう酸で融解して塩酸に溶解し,ポリ酸化エチレンを加えてけい酸を凝集さ
せた後ろ過する。沈殿を強熱してはかり,ふっ化水素酸を加えて二酸化けい素を揮散させた後,再び強熱
してはかり,その減量から主二酸化けい素量を求める。ろ液を採取してICP発光分光法によって溶存けい
素量を求める。両者から全けい素含有率を算出する。
7.3.2 試薬
試薬は,次によるほかは,7.2.2に準じる。ただし,b)はプラスチック瓶に保存する。
a) ほう酸
b) ポリ酸化エチレン溶液(0.5 g / L) ポリ酸化エチレン0.l gを水200 mLにかき混ぜながら少量ずつ加
えて溶かす。調製後2週間を経過したものは使用しない。
c) 粉末ろ紙
7.3.3 容器
7.2.3による。
7.3.4 試料のはかりとり量
7.2.4と同じ。
7.3.5 操作
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定量操作は,次の手順によって行う。
a) 試料を白金皿(例えば75番)にはかりとり,炭酸ナトリウム(無水)2.0 g及びほう酸0.3 gを加えて
混合し,7.2.5 a)に準じて融解する3) 6)。
b) 時計皿で覆って放冷した後,塩酸(1+1)25 mLを加えて水浴上で加熱溶解した後,ゼリー状になる
まで加熱を続ける。時計皿を洗浄することなく取り除き,粉末ろ紙0. 05 g及びポリ酸化エチレン溶液
10 mLを加えてかき混ぜ,約5分間放置する。
c) ろ紙(5種B)を用いて不溶物をろ過し,白金皿及び時計皿を熱塩酸(1+50)で数回,熱水で十分に
洗浄する。ろ液及び洗液は,250 mLの全量フラスコに受け,放冷後水で標線まで薄めて振り混ぜる。
d) )の沈殿及びろ紙は,7.2.5 d)及びe)と同様に処理する。
e) )の溶液から正しく10 mLを採取し,7.2.5 f)及びg)と同様に処理する7)。
注6) 融解時間が必要以上に長すぎると,融成物が塩酸に溶けにくくなる。
7) 溶存けい素の定量にはモリブデン青吸光光度法を用いてもよい。このときは,7.2.5 g)の注4)
と同様に操作する。ただし,7.2.5 f)の塩酸(1+4)の添加量は,1 mLとする。
7.3.6 空試験
試料を用いないで7.3.5の操作を行う。ただし,融解操作は省略する。7.3.5 c)に対応する溶液を空試験
液とする。
7.3.7 検量線の作成
7.3.6の空試験液から正しく10 mLずつを数個の100 mLの全量フラスコに取る。以下,7.2.7のけい素標
準溶液の添加以降の操作を行う。
7.3.8 計算
7.2.8に準じる。
8 全炭素の定量方法
8.1 定量方法の区分
全炭素の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 燃焼(抵抗加熱)−赤外線吸収法 : この方法は全炭素含有率0.01 %(質量分率)以上,35 %(質量
分率)以下に適用する。
b) 燃焼(高周波加熱)−赤外線吸収法(又は熱伝導度法) : この方法は全炭素含有率0.01 %(質量分率)
以上,35 %(質量分率)以下に適用する。
8.2 燃焼(抵抗加熱)-赤外線吸収法
8.2.1 要旨
試料を助燃剤とともに酸素気流中で抵抗加熱によって燃焼させ,生成した二酸化炭素(及び一酸化炭素)
を,酸素とともに赤外線分析計に送り,赤外線吸収量の変化を測定する。
8.2.2 材料及び試薬
材料及び試薬は,次による。
a) 酸素 99.9 %(体積分率)以上。
b) 助燃剤 すず,切粉状。
c) 燃焼ボート 通常(又は一般に),化学分析用磁器燃焼ボートCB 1型 13.5×10×80 mmを用いる。
あらかじめ,1 350 ℃で空焼きしておく。
d) 炭酸カルシウム 99.9 %(質量分率)以上。500550 ℃で2時間加熱し,デシケーター中で放冷す
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JIS R 1616:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス
JIS R 1616:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8007:1992
- 高純度試薬試験方法通則
- JISR6003:1998
- 研磨材のサンプリング方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方