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なお,4.3の曲げ試験機がクロスヘッド移動量を測定できる機能をもつ場合は,これを代用できる。
この際,クロスヘッド移動量をクロスヘッド移動時間として測定してもよい。
あらかじめ,使用する曲げ試験支持具を含む試験機全体の各荷重における弾性変形量を附属書Aに
よって測定し,クロスヘッド速度0.5 mm/minにおける荷重負荷時に変位測定系で測定される全変位量
から試験片の荷重点変位量を減じた値(荷重−クロスヘッド移動量曲線,又は荷重−時間曲線)の校
正曲線8) を作成しておき,次の式によって 泰 愀 一 コンプライアンス変化とする。
t a
a Pmax t a
a
ta ta
Pmax
ここに, Pmax : 試験片破断荷重(N)
ta : 荷重負荷線の延長線がPmaxに達するクロスヘッド移動量か
ら変位測定系の変形による校正値を減じた値(m又はs)
t 懿 破断時のクロスヘッド移動量からta及び校正値を減じた値
(m又はs)
注8) IC(箇条8参照)を測定する各温度で校正曲線を作成するのが望ましい。ただし,温度によ
る変化が少ない場合には,室温によるもので代用できる。
図6−曲げ試験時の荷重−クロスヘッド移動量曲線及びコンプライアンス変化
6.8 予き裂長さ及び安定き裂成長長さの測定
破断した試験片の破面を20倍以上に拡大し,顕微鏡で直接読み取るか,又は写真撮影して予き裂長さを
測定する。また,破面上の予き裂進展領域と不安定き裂成長領域との間に,破面形態の異なる安定き裂成
長領域が観察された場合9) は,同様に破面上から安定き裂成長長さを測定する。予き裂長さ,安定き裂成
長長さの測定及び算出の手順は,次による。
注9) 安定き裂成長領域は,一般に破面上で光の反射程度の相違,又は色の違い(一般的に白っぽい)
として認識される。
a) 図7に示すように,試験片の下面から予き裂の前線までの試験片幅(W)の方向の距離について,試
験片を厚さ(B)の方向に4等分割する3本の線上での値,a1,a2,a3, 愀 愀 愀 定する(
――――― [JIS R 1617 pdf 11] ―――――
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面形態から予き裂前線を判定できないときには,染色領域の前線を予き裂前線とみなす。)。
図7−予き裂長さ及び安定き裂成長長さの測定
b) 測定値a1,a2,a3の平均値を次の式によって求め,予き裂長さとする。
a1 a2 a3
a
3
ここに, a : 予き裂長さ(m)
a1,a2,a3 : 測定値(m)
c) 測定値 愀 愀 愀獗 湟 安定き裂成長長さとする。
a1 a2 a3
a
3
ここに, 懿 安定き裂成長長さ(m)
愀 愀 愀 測定値(m)
7 測定値の合否判定
7.1 予き裂寸法・形状の規定
予き裂の前線の傾き,斜進及び長さの許容範囲について,次のとおりに規定する。これらの規定すべて
及び7.2の規定に適合する試験片を合格とし,不合格となった試験片を用いて得られた結果は,参考値と
してその旨を明記する。
a) 予き裂の前線の傾きの許容範囲 測定値の最大値と最小値との差を予き裂長さ(a)で除した値を求め,
0.1以下とする(次の式を参照)。
amax amin
≦ 1.0
a
ここに, amax : a1,a2,a3の中の最大の測定値
amin : a1,a2,a3の中の最小の測定値
b) 予き裂の斜進の許容範囲 図8に示すように試験片の下面及び両側面における予き裂の進路が,試験
片の厚さ方向及び幅方向に対して10°以下とする。
――――― [JIS R 1617 pdf 12] ―――――
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図8−予き裂の斜進の許容範囲
c) 予き裂長さの許容範囲 予き裂長さは,1.22.4 mmの範囲内とする。
7.2 安定き裂成長の規定
安定き裂成長長さ及びコンプライアンス変化の許容範囲について,次のとおりに規定する。これらの規
定すべて及び7.1の規定に適合する試験片を合格とし,不合格となった試験片を用いて得られた結果は,
参考値としてその旨を明記する。
a) 安定き裂成長長さの許容範囲 安定き裂成長長さは,予き裂長さの2 %以内の範囲とする。
愀
ここに, 懿 安定き裂成長長さ(m)
a : 予き裂長さ(m)
b) コンプライアンス変化の許容範囲 コンプライアンス変化(泰 愀 一 懿 は,予き裂長さと試験片の幅と
の比の10 %以内の範囲とする。
泰 a≦ a
1.0
a W
ここに, a : 予き裂長さ(m)
W : 試験片の幅(m)
8 計算
破壊じん性値KIC(モードIの臨界応力拡大係数)の計算は,個々の試験片の測定値から次の式によって
算出し,JIS Z 8401によって有効数字3けたに丸める。7.1及び7.2の規定に合格した5個以上の試験片の
破壊じん性値KICの平均値を求め,MPa・m1/2単位でJIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。
2/1
PS 3 a a
KIC Y
BW2/3 2 W W
試験片Iの場合(式の適用範囲 : S/W=4.0,0≦a/W≦1)
2
a a a a
.199 1 .215 .393 7.2
a W W W W
Y 2/3
W a a
1 2 1
W W
試験片IIの場合(式の適用範囲 : S/W=7.5,0.1≦a/W≦0.6)
2 3 4
a a a a a
Y .1964 .2837 13.711 23.250 24.129
W W W W W
――――― [JIS R 1617 pdf 13] ―――――
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ここに, KIC : 破壊じん性値(モードIの臨界応力拡大係数)(MPa・m1/2)
P : 試験片が破壊するまでの最大荷重(N)
S : 3点曲げ支点間距離(m)
B : 試験片の厚さ(m)
W : 試験片の幅(m)
a : 予き裂長さ(m)
注記 Pの測定値(kgf単位)とS,B,W及びaの値(mm単位)とを用いてKIC(MPa・m1/2単位)を
算出する場合は,KICの計算式に0.310 1 (=9.807×10−3/2) を乗じればよい。
9 報告書
9.1 必す(須)事項
試験結果報告書には,次の事項を記載しなければならない。
a) 試験片の長さ(試験片Iか,又は試験片IIかを明記する。)
b) 7.1及び7.2の規定に合格した試験片の個数
c) 試験ジグの形式(回転形又は固定形の別)
d) 試験温度
e) 雰囲気
f) 破壊じん性値(モードIの臨界応力拡大係数)KICの平均値
g) 規格番号
9.2 推奨事項
試験結果報告書には,次の項目についての記録を付記することが望ましい。
a) 破壊じん性値(モードIの臨界応力拡大係数)KICの範囲
b) 予き裂長さの平均値及び各測定値
c) 安定き裂成長の有無及び安定き裂成長長さの平均値
d) コンプライアンス変化の有無及びコンプライアンス変化の値
e) 素材の製造工程及び寸法・形状並びに試験片の採取位置及び方向
f) 予き裂発生起点の種類及び導入条件
g) 予き裂導入条件(アンビル中央溝の幅,ポップイン荷重など)
――――― [JIS R 1617 pdf 14] ―――――
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附属書A
(規定)
曲げ試験支持具を含む試験機全体の剛性の測定方法
A.1 曲げ試験支持具を含む試験機全体の弾性変形量の測定
6.7 b) では,破壊じん性値KIC測定値の合否判定を行うためのコンプライアンス変化を測定する方法の
一つとして,曲げ試験時の荷重−クロスヘッド移動量曲線から求める方法を規定している。同方法によっ
てコンプライアンス変化を測定する際には,あらかじめ,使用する曲げ試験支持具を含む試験機全体の各
荷重における弾性変形量を測定し,クロスヘッド速度0.5 mm/minにおける荷重負荷時に変位測定系で測定
される全変位量から試験片の荷重点変位量を減じた値の校正曲線(図6参照)を作成しておく必要がある。
校正曲線の作成は,破壊じん性値KICを測定する各温度で実施することが望ましいが,温度による変化が
少ない場合は,室温で得られたもので代用できる。校正曲線の作成方法としては,まず弾性率の既知の予
き裂を導入していない試験片I又は試験片IIを準備し,曲げ試験支持具に配置し,徐々に荷重を負荷して
荷重とクロスヘッド移動量又は移動時間との関係の曲線を得る。破壊じん性値KIC測定の際の曲げ破断荷
重を考慮すると,校正曲線作成時の負荷荷重としては,490 N程度まで得ておくことが好ましい。そして
各荷重における試験片自体の弾性変形量を次の式から計算して,同曲線から試験片弾性変形量に相当する
クロスヘッド移動量(試験片弾性変形量そのもの)又は移動時間(試験片弾性変形量をクロスヘッド移動
速度で除して得られる時間)を減じて,校正曲線とする。
S3 P
D
4EW 3B
ここに, D : 試験片弾性変形量(曲げたわみ量)(m)
S : 曲げ試験ジグ荷重支点間距離(m)
P : 負荷荷重(N)
E : 弾性率(Pa)
W : 試験片の幅(m)
B : 試験片の厚さ(m)
実際,破壊じん性値KIC測定時に荷重−クロスヘッド移動量(移動時間)曲線からコンプライアンス変
化を測定する場合には,曲げ試験時の破断荷重(Pmax)が負荷された際の試験機系の弾性変形量に相当す
る校正値を,上記方法によってあらかじめ求めておいた校正曲線から参照し,図6の方法に従いコンプラ
イアンス変化を計算することとなる。
なお,荷重−クロスヘッド移動量(時間)の関係からコンプライアンス変化を精度良く測定するために
は,曲げ試験支持具を含む試験機全体の剛性(負荷荷重を曲げ試験支持具を含む試験機全体の弾性変形量
で除した値)は高いほど好ましく,4.3に示すように曲げ試験支持具の支点−荷重点間負荷に対して,荷重
490 Nにおいて,3 kN/mm以上であることが望ましい。剛性を高めるためには,許容負荷容量の大きい試
験装置を選び,試験支持具としては弾性率の高い材質(例えば,炭化けい素,サファイア,窒化けい素な
ど)からなるものを用いるとよい。
A.2 試験片長さ
信頼性の高い公知の破壊じん性値KIC計算式を使えること,及びJIS R 1607との共用を考慮して,試験
――――― [JIS R 1617 pdf 15] ―――――
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JIS R 1617:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス
JIS R 1617:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0601:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ
- JISB0621:1984
- 幾何偏差の定義及び表示
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7503:2017
- ダイヤルゲージ
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISC1602:2015
- 熱電対
- JISR1600:2011
- ファインセラミックス関連用語
- JISR1601:2008
- ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法
- JISR1604:2008
- ファインセラミックスの高温曲げ強さ試験方法
- JISR1607:2015
- ファインセラミックスの室温破壊じん(靱)性試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8704:1993
- 温度測定方法―電気的方法