JIS R 1701-5:2016 ファインセラミックス―光触媒材料の空気浄化性能試験方法―第5部:メチルメルカプタンの除去性能 | ページ 2

4
R 1701-5 : 2016
6.0
光照射開始 光照射停止
メチルメルカプタン濃度(体積分率 ppm)
4.0
2.0
0 60 120 180 240
経過時間(min)
図2−試験操作におけるメチルメルカプタン濃度の測定例

6.2 試験片の前処理

  試験片に付着又は吸着している有機物を完全に除去するため,次の手順で実施する。この操作の直後に
試験を開始しない場合には,密閉容器に入れて暗所に保管する。
a) 水洗 精製水に試験片を2時間以上浸せきした後,取り出して室温で風乾する。
なお,120 ℃を上限として,物理的・化学的な変化を生じさせない範囲で試験片を加熱乾燥しても
よい。いずれの場合も,試験片が恒量になることを確認する。洗液に沈殿物などがあればその状況,
乾燥の方法などを記録する。
b) 有機物の除去 紫外線ランプを用いて12時間以上24時間未満の光照射を行う。光触媒面での紫外線
照度は1020 W/m2の範囲とする。光照射はゼロガス中又は清浄な密閉容器内で行う。親油性の汚れ
が予想される場合には,b),a) の順で実施してもよい。また,水洗によって試験片の諸性状に悪影響
が出る場合は,a) を省略してもよい。

6.3 メチルメルカプタン除去試験

  メチルメルカプタン除去試験は,次による。
a) メチルメルカプタン濃度体積分率(5.00±0.25)ppm,水蒸気濃度体積分率(1.56±0.16)%,温度25.0
±2.5 ℃の試験用ガスを安定して発生できるように試験用ガス供給装置をあらかじめ調整しておく。
光照射容器入口で流量が1.00±0.05 L/min(0 ℃,101.3 kPaの標準状態において)となるように流量
制御器を設定する。このときの水蒸気濃度は,25 ℃における相対湿度(50±5)%に相当する。湿度
の測定は,JIS Z 8806によって行う。また,試験片上表面における光源からの紫外放射照度を測定し,
記録する。
b) 光照射容器内のガス流路部分の中央に試験片を設置し,窓板までの空間の厚さを5.0±0.5 mmに調整
するとともに,試験片と前後のガス流路との段差が1 mm以内となるよう,必要に応じて補助板を置
く。その後,窓板を取り付け,密閉されていることを確認する。
c) 光照射容器内に試験用ガスを導入する。光照射を行わない吸着過程を30分間継続し,暗条件でのメチ

――――― [JIS R 1701-5 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
R 1701-5 : 2016
ルメルカプタン濃度の変化を記録する。ただし,出口におけるメチルメルカプタン濃度が30分間以内
に供給濃度に一致したことを確認できる場合には,その時点で光照射を開始してもよい。30分間後も
メチルメルカプタン濃度が供給濃度の50 %を下回る場合には,メチルメルカプタン濃度の測定値が3
点連続して50 %を超えて安定となるまで継続する。安定となったメチルメルカプタン濃度(3点以上)
の平均値を算出し,暗条件のメチルメルカプタン濃度(CM,d1)とする。90分経過してもメチルメルカ
プタン濃度が供給濃度の50 %を超えない場合には,この試験法を適用することができないため,ガス
の供給を停止して試験を中止する。
d) 光源を点灯して光照射を開始する。安定な点灯に時間を要する光源については,紫外光が試験片に当
たらないようにするための遮蔽物を設置した上であらかじめ点灯しておき,安定した後,遮蔽物を取
り除いて光照射を開始する。光照射下での試験容器出口におけるメチルメルカプタン濃度を3時間記
録する。メチルメルカプタンの光触媒分解が起こると,図2のように濃度が低下して,やがて一定に
なる。計算に用いるメチルメルカプタン濃度(CM)は,最後の1時間中に測定した濃度(3点以上)
の平均値とする。
e) 光照射を停止し,再び暗条件で試験容器出口のメチルメルカプタン濃度を30分間記録する。測定濃度
(3点以上)の平均値を算出し,光照射後の暗条件のメチルメルカプタン濃度(CM,d2)とする。
f) 容器への試験用ガスの供給を停止し,試験片を容器から取り出す。

7 試験結果の計算

  試験容器出口におけるメチルメルカプタン濃度CMが式(1)を満たさない場合は試験不成立とし,次の計
算は行わない。光触媒によるメチルメルカプタン除去率RMは式(2)によって計算する。除去率RMの計算値
の処理は,JIS Z 8401によって小数点以下1桁に丸める。RMが5.0 %未満又は95.0 %以上となる場合は,
“5.0 %未満”又は“95.0 %以上”とし,これを除去率とする。次に,1時間当たりのメチルメルカプタン
除去量QMを式(3)を用いて計算する。除去量QMの計算値の処理は,JIS Z 8401によって小数点以下2桁に
丸める。
なお,計算に用いるメチルメルカプタン濃度は,水分補正を行わない実測値とする。また,試験ガス流
量fとしては0 ℃,101.3 kPa換算の実測値を用いる。除去率RMが5.0 %未満,又は95.0 %以上の場合は,
RMに5.0又は95.0を代入し,得られた値に“未満”又は“以上”を付け,これを除去量とする。
なお,除去率RMが5.0 %未満の試験片については,箇条8によって試験条件を緩和した測定を行うこと
ができる。

――――― [JIS R 1701-5 pdf 7] ―――――

6
R 1701-5 : 2016
C≦
M [{(CM,d1CM,d2}]2/)[{(CM,d1 0.05
CM,d2 ) /2}] (1)
[{(CM,d1 CM
CM,d2 )/2}]
RM 100 (2)
(CM,d1CM,d2 )/2
[{(CM,d1CM,d2 )/2}]f 60
QM RM (3)
100 224.
ここに, RM : 試験片によるメチルメルカプタンの除去率(%)
QM : 試験片による1時間当たりのメチルメルカプタンの除去量
(mol/h)
CM : 試験容器出口におけるメチルメルカプタン濃度(体積分率
ppm)
CM,d1 : 暗条件のメチルメルカプタン濃度(体積分率ppm)
CM,d2 : 光照射後の暗条件のメチルメルカプタン濃度(体積分率ppm)
f : 標準状態(0 ℃,101.3 kPa)に換算した試験用ガス流量(L/min)

8 除去量が小さい試験片の場合の試験方法

  平板状の試験片の測定において,メチルメルカプタン除去率RMが5.0 %未満で,除去量を正確に測定で
きないことが予想される場合は,試験片の枚数及び試験用ガス流量の両方を同時に表1のとおり変更して
測定することができる。この場合,試験片の前にガス流路部分を100 mm以上確保する。
なお,試験条件を変更した場合,報告書に記載するメチルメルカプタン除去量は,式(3)から求められる
値の1/2とする。また,試験条件を変更した場合,変更した試験条件における暗条件の時間を確認する必
要がある。
表1−試験条件の変更
変更できる試験条件 変更後の値
試験用ガス流量 0.500±0.025 L/min
試験片の枚数 2枚

9 報告書

  試験報告書には,通常次の項目を記載する。
a) 一般事項
1) この規格の番号
2) 試験年月日
b) 試験機関
1) 試験機関の名称及び所在地
2) 試験責任者名
c) 試験片に関する情報
1) 試験片の種類,製造番号など
2) 材質,形状及び寸法
3) 試験片の選択プロセス(抜取り方法など)
4) 試験機関到着日,包装から取り出した日時及び試験片を準備した日時
d) 結果
1) 試験片による1時間当たりのメチルメルカプタン除去量

――――― [JIS R 1701-5 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
R 1701-5 : 2016
2) 参考値として,メチルメルカプタン除去率
e) 試験条件
1) メチルメルカプタン供給濃度,試験ガス流量,水蒸気濃度,温度
2) 箇条8適用の有無(試験片枚数の変更)
3) 光照射条件(光源の種類,紫外放射照度)
4) 前処理条件(水洗及び乾燥の条件,紫外放射照度及び照射時間)
f) 試験装置
1) 試験装置の形式及び仕様
2) ガスクロマトグラフ,照度計,紫外放射照度計などの種類
g) その他必要な事項
試験状況及び試験後の試験片に関しての特記事項

――――― [JIS R 1701-5 pdf 9] ―――――

    8
R 1701-5 : 2016
R1
3
附属書JA
70
(参考)
1-
5 : 2
JISと対応国際規格との対比表
016
ISO 22197-5:2013,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−
JIS R 1701-5:2016 ファインセラミックス−光触媒材料の空気浄化性能試験方法
−第5部 : メチルメルカプタンの除去性能 Test method for air-purification performance of semiconducting photocatalytic materials
−Part 5: Removal of methyl mercaptan
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差異
国際 ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
規格
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
及び題名 の評価
1 適用範囲 1 一致
2 引用規格
3 用語及び 3 一致
定義
− − 4 計算で使用する記号の 削除 JISは記載なし。 流量fの定義をISO規格の改正時に
一覧。ガス流量fは乾 JISは流量fの乾きガス基準を廃変更するよう提案する。理由は6.3
きガス基準。 止した(6.3参照)。 参照。
− − 5 試験の目的及び原理が 削除 JISは記載なし。 規格本文に記載する必要性がない
記載されている。 ため削除した。
4.2 試験用 JIS R 1701-1による。 6.2 変更
流量は標準状態(0 ℃, JISは乾きガス基準を廃止した ISO規格改正時に変更を提案する
ガス供給装 101.3 kPa,乾きガス基 (6.3参照)。 (6.3参照)。
置 準)に換算する。
4.3 光照射 JIS R 1701-1による。 6.3 JIS R 1701-1とほぼ同 追加 ISO規格でも図示されているた 規格利用者の理解促進のため。ISO
容器 じだが,ガスの流れを め技術的な差異はない。 規格の改正時に,修正したISO
乱す構造及び試験片の 22197-1を参照するよう提案する。
前にガス流路部分を
100 mm以上確保する
ことは明記されていな
い。

――――― [JIS R 1701-5 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS R 1701-5:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 22197-5:2013(MOD)

JIS R 1701-5:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS R 1701-5:2016の関連規格と引用規格一覧