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R 1760 : 2016
7.4 試験片の設置
試験片はしっかりした台上に置く。試験片の表面及び裏面,試料台の表面は,異物などがないように拭
き取る。試験中に試験片が移動しないように試験片を取り付ける。
7.5 長さ測定装置の調整
試料台の水平方向の移動方向が顕微鏡の視野内の水平方向と一致することを確認する。また,光学顕微
鏡用のマイクロメータを用いて長さ測定の校正を行う。試料台の移動軸の調整方法及び長さ測定の校正方
法は,附属書Bによる。
7.6 試験力の負荷
圧子を試験片上面に移動し,試験片表面に垂直に,設定した試験力を,衝撃や振動を与えることなく負
荷する。圧子の速度が測定値に影響を与えることがないようにするために,圧子の接触から試験力に到達
するまでの時間(負荷所要時間)は,15秒が望ましい。試験力を保持する時間は,15秒とする。
7.7 試験中の注意事項
試験中,試験機に衝撃及び振動を与えてはならない。
7.8 圧こん間距離及び圧こんと試験片の縁との距離
図2に圧こんの間隔,及び圧こんと試験片の縁との距離について示す。圧こんの中心は試験片の縁から,
き裂長さの平均値2cの3倍より大きく離れていなければならない。それぞれの圧こん同士は,その中心が
き裂長さの平均値2cの5倍より大きく離れていなければならない。き裂長さの平均値2cは,式(1)によっ
て算出する。
2c1 2c2
2c (1)
2
ここに, 2c : き裂長さの平均値(mm)
2c1,2c2 : き裂長さ(mm)
2c1,2c2は,き裂長さ
l1は,圧こんの中心間の距離
l2は,圧こんの中心から試験片の縁までの距離
図2−ビッカース圧こんの圧こん間距離及び圧こん中心から試験片の縁までの距離
7.9 圧子の状態の確認
圧子の状態の確認は十分頻繁に行う。もし,圧こんに圧子の破損を想定できる形状異常が見られた場合
は,その圧こんを測定から除外し,圧子を交換する。
――――― [JIS R 1760 pdf 6] ―――――
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7.10 測定に用いる圧こんの判定
き裂形状としては,通常4本の主要なき裂が圧こんの4隅から圧こんの対角線延長上に真っすぐ放射状
に伸びている圧こんだけが測定対象になる。表面がはく()離している場合,又は著しく斜行している
場合,2,3に枝分かれしたき裂,圧こんの縁がかなり欠けているものは測定から除外する。また,き裂長
さは次の条件を満足しなければならない。
a) 直行する2方向のき裂長さの差は,平均き裂長さの10 %以下とする。
b) 平均き裂長さは,圧こんの平均対角線長さの2.5倍以上とする。
なお,メディアンき裂であることが,表面から深さ方向への段階的な研磨,破断面の観察などにより確
認できた場合は,平均き裂長さは,圧こんの平均対角線長さの2.5倍未満でもよい。
図3に不適切な圧こんの例を示す。
a) 表面がはく()離 b) 著しく斜行 c) き裂が枝分かれ d) 圧こんの辺が欠けて,
している。 している。 している。 ぎざぎざしている。
e) 7.10 a) を満足しない例 f) 7.10 b) を満足しない例
図3−不適切な圧こんの例
図4にメディアンき裂の模式図を示す。
図4−メディアンき裂の模式図
――――― [JIS R 1760 pdf 7] ―――――
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7.11 圧こんの対角線長さ及びき裂長さの測定
圧こんの2方向の対角線長さ(2a1,2a2)と2方向のき裂長さ(2c1,2c2)を金属顕微鏡又は測定顕微鏡
などを用いて,押込み後10分間以内に次に示す測定手法に従い1 μm以下の単位まで読み取る。
なお,著しい低速き裂成長がみられる場合は,より短時間での計測が望ましい。このような場合は,箇
条9 h) に付記事項として記載する。
圧こんの対角線長さの測定方法としては,JIS R 1610に規定される試験機附属の金属顕微鏡と測定ゲー
ジを用いた従来の測定方法を用いてもよい。
a) 圧こんの対角線長さの測定
1) 試験片を試料台に載せて,顕微鏡の視野における水平・垂直方向に圧こんの対角線を一致させる。
2) 圧こんの左側の角を観察し,この位置を視野内の縦の中心線に合わせ,試料台の位置を記録する。
3) 圧こんの右側の角が視野の縦の中心線に一致するまで試料台を動かして,試料台の位置を読み取る。
4) 移動前後の試料台位置の読取値から圧こんの対角線長さ2a1を算出する。
5) 対角線長さ2a2も同じ手順で算出する。
b) き裂長さの測定
1) 圧こんの対角線長さの測定に引き続いてすみやかに測定する。
2) 左右の圧こんのき裂先端を観察し,き裂先端位置を決定する。この際,ジャストフォーカスから焦
点位置を素早く56回ほど上下に動かして,き裂を浮き上がらせたり,ぼやけさせたりを繰り返す
と,き裂先端の位置決めが容易になる。
3) 左側のき裂先端を視野内の縦の中心線に合わせ,試料台の位置を記録する[図5 a) 参照]。
4) 右側のき裂先端が視野の縦の中心線に一致するまで試料台を動かして,試料台の位置を読み取る[図
5 b) 参照]。
5) 移動前後の試料台位置の読取値からき裂長さ2c1を算出する。
6) き裂長さ2c2も同じ手順で算出する。
き裂
き裂長さ2c1=X2−X1
a) X1 : 試料台の水平位置の読取値 b) X2 : 試料台の水平位置の読取値
図5−高倍率対物レンズと移動式試料台を用いたき裂長さの測定方法
――――― [JIS R 1760 pdf 8] ―――――
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き裂先端が直径10 μm以上の大きなくぼみに当たりき裂長さが読み取れない場合,測定から除外する。
ただし,直径10 μm未満の微細なくぼみにき裂が当たっている場合,くぼみを含めた長さをき裂長さとし
て測定する。また,き裂が一旦途切れて,粒及びくぼみを超えて再び出現している場合,この出現したき
裂先端までを,き裂長さとして測定する(図6参照)。
直径10 μm未満のくぼみにき裂先端 き裂が途中で切れている。
が当たっている。
図6−くぼみにき裂先端が当たる場合及び,き裂が途切れる場合のき裂長さの測定方法
7.12 測定点数
有効な測定点数は,5点以上とする。
8 計算
8.1 圧こんの対角線長さの平均値2a及びき裂長さの平均値2c
個々の圧こんに対して,圧こんの対角線長さの平均値2aは式(2),き裂長さの平均値2cは式(1)によって
算出する。
2a1 2a2
2a (2)
2
ここに, 2a : 圧こんの対角線長さの平均値
2a1,2a2 : 圧こんの対角線長さ
8.2 ビッカース硬さ
個々の圧こんに対して,ビッカース硬さを式(3)によって算出する。
P
HV .0001 854 (3)
2a
ここに, HV : ビッカース硬さ(GPa)
P : 試験力(N)
a : 圧こんの対角線長さの平均値の半分(mm)
8.3 破壊抵抗
個々の圧こんに対して,圧子圧入法による破壊抵抗を式(4)によって算出し,JIS Z 8401によって有効数
字2桁に丸める。
0.4
E P
K I,IFR
.0000 978 .0021 1E4.0P6.0 (a8.0 / c5.1 )
(pdf 一覧ページ番号 )
HV c5.1
21
ここに, KI, IFR : 破壊抵抗(MPa・ m)
――――― [JIS R 1760 pdf 9] ―――――
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E : 弾性率(GPa)
HV : ビッカース硬さ(GPa)
P : 試験力(N)
c : き裂長さの平均値の半分(mm)
a : 圧こんの対角線長さの平均値の半分(mm)
なお,弾性率はJIS R 1602によって測定した値を用いる。もし,弾性率の測定が困難な場合は,文献値
を用いてもよい。
9 報告
圧子圧入法による破壊抵抗試験結果の報告書には,次の項目を記載する。
a) この規格(JIS R 1760)の番号
b) 試験片の厚み
c) 試験力
d) 顕微鏡の対物レンズの倍率及び総合倍率
e) 破壊抵抗を計算するのに用いた弾性率。文献値の弾性率を用いた場合は,その文献名。
f) 試験を行った圧こんの数,及びそのうち有効な圧こんの数
g) 試験結果
1) 圧こんの対角線長さ(2a1,2a2)及びき裂長さ(2c1,2c2)の個々の測定値
2) ビッカース硬さの個々の測定値
3) 圧子圧入法による個々の破壊抵抗と,その平均値及び標準偏差
h) その他,測定に影響を与えると考えられる付記事項
i) 試験年月日及び試験者名
――――― [JIS R 1760 pdf 10] ―――――
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JIS R 1760:2016の国際規格 ICS 分類一覧
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