JIS R 1760:2016 ファインセラミックスの室温での圧子圧入(IF)法による破壊抵抗試験方法 | ページ 3

                                                                                              9
R 1760 : 2016
附属書A
(参考)
試験面の加工方法の一例
試験片の表面仕上げ状態は,き裂読取り精度に大きく影響を及ぼし,研磨工程で生じた研磨傷,粒の破
砕,脱落による表面上の微細なくぼみなどが存在すると,き裂先端の位置決めが困難になる。このために,
このような不都合がない理想的な表面仕上げ状態となるような加工条件を採用することに留意する。次に
参考として,加工手順の一例を示す。
a) レジンボンドのダイヤモンド切断と(砥)石で切断する。例えば,SDC140N 100Bなど。
b) ワックスを用いて直径13 cmの鉄製試料ホルダーの外周部に沿って試験片を張付け,この試料ホルダ
ーを試験片が上になるようにして研削盤の試料台にマグネットで固定する。
c) 番手が#200の研削と(砥)石(直径φ=約20 cm,回転数2 600 rpm)を用いて200 μm以上研削す
る。切込み量は6 μm/pass程度とする。所定量研削後のスパークアウトは10回とする。
d) 試料ホルダーをそのままにして,と(砥)石を交換して,番手が#400(直径φ=約20 cm,回転数2 600
rpm)の研削と(砥)石を用いて,70 μm以上研削する。切込み量は,23 μm/passとする。所定量
研削後のスパークアウトは10回とする。
e) 研削後,試料ホルダーを研削盤から取り外し,直径38 cmの溝付き銅盤上で,平均粒径が3 μmのダ
イヤモンド遊離と(砥)粒を1分ごとに約12秒噴霧しながら,回転数60 rpmで1時間研磨する。
ここで,面圧が2 N/cm2となるように,試料ホルダー上部におもりを適宜追加する。試料ホルダーは,
研磨盤上で自転する。研磨終了後に研削加工時のきずが除去されていることを確認する。
f) 次に直径38 cmの溝付きすず(錫)盤上で,平均粒径が1/2 μmのダイヤモンド遊離と(砥)粒を1分
ごとに約12秒噴霧しながら,回転数60 rpmで1時間研磨する。ここで,面圧が2 N/cm2となるよ
うに,試料ホルダー上部におもりを適宜追加する。試料ホルダーは,研磨盤上で自転する。研磨終了
後に鏡面状態になったことを確認する。不十分であれば,時間を延長して鏡面となるまで研磨を続け
る。遊離と(砥)粒を用いたe) とf) の研磨において試験片の表面を10 μm以上を除去することが望
ましい。

――――― [JIS R 1760 pdf 11] ―――――

10
R 1760 : 2016
附属書B
(規定)
試料台の移動軸の調整方法及び長さ測定の校正方法
顕微鏡の視野内の水平・垂直軸から試料台の移動軸がずれていると,き裂長さを正確に測定できないた
め,測定前に試料台の移動軸を確認し,もし軸がずれている場合は一致するように調整する。また,測定
顕微鏡以外の金属顕微鏡などで試料台を移動して測定する場合,これら顕微鏡では試料台を移動して測長
するように設計されていないため,測定に先立ち,長さ測定の校正を行う。次に簡易的な軸の確認方法,
調整方法及び長さ測定の校正方法を規定する。
B.1 試料台の移動軸の確認及び調整方法
a) 金属顕微鏡の対物レンズの倍率を40倍以上とし,試料台に試料を置き,顕微鏡で試料を観察して,目
印となるもの(試料の角,圧こんなど)を決める。
b) 視野内の水平線(接眼レンズの測定ゲージなど)に,図B.1 a) のように目印を合わせる。
c) 試料台の水平移動つまみを回して,視野内で目印を右端から左端,若しくは,左端から右端へ移動さ
せる。このとき,目印が視野内の水平線からずれないかを確認する。
d) 図B.1 b) のように,目印が水平線からずれた場合,試料台の移動軸がずれているので,試料台を調整
して,図B.1 c) のように目印が水平線からずれないようにする。
水平線 目印
a) 視野内の水平線に目印を合わ b) 試料台を横方向に動かし,目印を左に動かす。
せる。 目印が水平線からずれる場合は要調整。
c) 目印を動かしても水平線からずれなければ,
試料台の軸調整は終了。
図B.1−金属顕微鏡などの試料台の移動軸の調整手順

――――― [JIS R 1760 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
R 1760 : 2016
B.2 長さ測定の校正
a) 金属顕微鏡に倍率が40倍以上の対物レンズを取り付ける。
b) 光学顕微鏡用の対物マイクロメータ(長さ1.0 mm,100等分)を試料台に載せて顕微鏡で観察する。
c) 対物マイクロメータの長手方向を顕微鏡の視野内の水平線に合わせる。
d) 対物マイクロメータのスケールの端を視野内の縦の中心線に合わせて,試料台の位置を読み取る。
e) 試料台のステージを水平方向に一方向に約1 000 μm移動させて,マイクロメータのスケールのもう片
方の端を縦の中心線に合わせる。
f) 試料台の位置を読み取り,ステージの移動量を計算する。この値が1 000 μm±10 μm以内であれば,
校正できたものとする。
g) バックラッシュの影響を調べるために,試料台を一方向に移動してマイクロメータのスケールの片方
の端を通り越した後,反対方向に戻してスケールの端を合わせて,ステージの移動量を読み取る。一
方向だけに移動したときの読取量と±5 μm以内であれば,水平方向の校正は終了とする。この値を記
録する。
h) もしバックラッシュが±5 μmより大きい場合は,き裂長さの測定においては,試料台を必ず一方向へ
移動させて測定することにし,途中で移動方向を反転させないことにする。
i) 同じ作業を垂直方向についても行う。
参考文献
JIS R 1607 ファインセラミックスの室温破壊じん(靱)性試験方法
ISO 15732:2003,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Test method for fracture
toughness of monolithic ceramics at room temperature by single edge precracked beam (SEPB) ethod
ISO 18756:2003,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Determination of fracture
toughness of monolithic ceramics at room temperature by the surface crack in flexure (SCF) ethod

JIS R 1760:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS R 1760:2016の関連規格と引用規格一覧