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R 3103-1 : 2001
附属書1(規定) 軟化点測定炉
1. 適用範囲 この附属書1は,軟化点測定炉について規定する。
2. 軟化点測定炉 軟化点測定炉を附属書1図1に示す。また,附属書1図1の番号に示す各部品の名称
及び摘要を附属書1表1に示す。
附属書1図1 軟化点測定炉
――――― [JIS R 3103-1 pdf 6] ―――――
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R 3103-1 : 2001
附属書1表1 附属書1図1の各部品の名称及び摘要
番号 部品名称 摘要
1 炉頂板 厚さ13mm,外径100mmで,中心に内径15mmのあな及び,直径80mmの円周上に120度の
角度で離れたタイロッド用の3個の5.5mmのあなの付いたもの。そのほか適切に配置した熱電
対用の二つの小さなあなと,二つの電熱線固定具のあな及びそのわきの電熱線引き出し用の小あ
なが付いている。材料は,耐熱繊維強化セメント。必要数量1個。
2 スペーサーリ 厚さ13mm,外径94mm,内径60mm,タイロッド用のあな付き(1. 炉頂板参照)。材料は,耐
ング 熱繊維強化セメント。必要数量2個。
3 あな板 厚さ5mm,外径94mmで,中心に内径20mmのあな及び,直径50mmの円周上に60度の角度
間隔の6個の20mmのあなの付いたもの。タイロッド用の直径5.5mmのあなも付いている(1. 炉
頂板参照)。材料は,耐熱繊維強化セメント。必要数量2個。
上のあな板は,電熱線用に適切な位置に二つの小あなをあける。
4 炉心 高さ96mm,外径34mmで,両端の長さ5mmについては外径を20mmに削りとる。中心に内
径5.5mmのあなが全長にわたって貫通し,直径5.5mmの径の2本のあなを,互いに端から対称
の位置に,中心のあなに近接して,平行にしかも中心あなの中心深さにできるだけ近く,48mm
(それぞれ両端から)まで削孔する。材質は,ニッケル又はステンレス鋼。必要数量1本。
5 炉心包み 雲母又はセラミックファイバ紙による二層巻き。
6 電熱巻き線 電熱線は,JIS C 2520に規定する電熱用ニッケルクロム線NCHW1の太さ1.60mmのもので,
地柿
炉心の全長にわたって等間隔に32回巻く(電熱線の長さは約3.7m)。室温の抵抗値は2.0
相当する出力は,45Vで1kWである。
7 アランダムセ 電熱巻き線を固定するために,電熱巻き線の上にアランダムセメントを塗布した層。
メント塗布層
8 断熱材 けい藻土又はそれに相当するもの。
9 炉底板 厚さ15mm,外径120mmで,中心に内径15mmで上面から8mmのくぼみを彫り,更に中心軸
に直径6mmのあながあけてある。また,タイロッドを納めるための三つのあながある。それぞ
れ直径14mmで底面から深さ7mmに削り,そのくぼみの中心には直径5.5mmのあながある。そ
れは,直径80mmの円周上に120度の角度で互いに離れている。さらに端部に三つの直径5.5mm
のあなが,直径110mmの円周上120度の角度で互いに離れて位置する。材料は,耐熱繊維強化
セメント。必要数量1個。
10 プレート 厚さ5mm,外径120mmで下の部屋にしっかりと取り付けてある(例えば溶接)。三つの直径
6mmの端部あなが,直径105mmの円周上に120度の角度で互いに離れた位置にあけてある(炉
底の端部あなと一致して)。材料は,鋼。必要数量1枚。
11 ガラス試料 上端の球の部分を除いて長さ235±1mm,直径0.65±0.1mmで,繊維の全長における直径の最
大値は,直径の最小値を0.02mm以上超えてはならない。
12 下箱 高さ200mm,直径80mmの円筒製で,横40mm,高さ150mmのガラス窓付き。ステンレス鋼
板又は亜鉛引き鋼板製。必要数量1個。
13 底板 厚さ約5mm,直径150mmで,下箱にしっかり取り付ける(例えば,溶接)。直径130mmの円
周上に3本の水平調節ねじ付きとする。鋼板製。必要数量1個。
14 シリンダ 高さ20mm,外径15mm,内径3mmで,図に示すように上側にテーパ付きあなあきのもの。材
料は,耐熱性の繊維強化セメント。必要数量1個。
15 タイロッド 直径5mm又は4mm,長さ160mmで,両端にねじの切った棒。材料は,鋼。必要数量3本。
16 炉外筒 内径95mm,長さ122mmで溶接したもの。材料は,ステンレス鋼板又は亜鉛引き鋼板。必要
数量1個。
17 二つあな絶縁 外径35mm(炉心4から熱電対を絶縁するために,先端は34mmあける)。材料は,磁製。
管 必要数量1個。
18 シリンダ 高さ20mm,外径15mm,内径3mmで,図に示すように熱電対用に底にドリルであなをあけた
もの。材料は,耐熱性の繊維強化セメント。必要数量1個。
19 繊維保持具 長さ60mm,幅10mm,厚さ3mmで,一端から10mmの位置に直径0.8mmのあな,及びその
あなから40mm離れた位置を中心とする直径6.5mmのあなをあけたもの。これらのあなは,繊
維保持具の幅について,心出しのためである。材料は,黄銅。必要数量1個。
タイロッドの一つに固定した繊維保持具は,炉の熱膨張による変化が伝わらないように,炉の
上板に接触させない。[23mmの間げき(隙)をあける。]
20 熱電対の線
――――― [JIS R 3103-1 pdf 7] ―――――
附属書2(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS R 3103-1 : 2001 ガラスの粘性及び粘性定点− ISO 7884-6 : 1987 ガラス−粘性及び粘性定点−第6部−軟化点の測定
第1部 : 軟化点の測定方法
(I) ISの規定 (III) 国際規格の規定
(II) 国際規格番 (V) ISと国際規格との技術
(IV) ISと国際規格との技術的差異の
号 項目ごとの評価及びその内容 的差異の理由及び今後の対
表示箇所 : 本体 策
表示方法 : 点線の下線
項目番号 内容 項目番号 内容 項目ごと 技術的差異の内容
の評価
序文 ISO 7884-6を元にした規格ISO 7884-6 0. 序文 ISO 7884の規格 MOD/ 我が国では,ISOの規格体系
JISでは,ISO 7884の規格体
である旨を記述 体系の構成を記 削除 系のすべてを規格化していのすべては現時点では不要。
述。 ない。
1. 適用範囲 この規格はガラスの軟化点ISO 7884-6 1. 適用範囲JISに同じ。 IDT − −
の測定方法を規定する。この 2. 適用分野
方法は,試料の調製ができる
ようなガラスのすべてに適
用できる。
2. 引用規格 JIS B 7502, JIS B 7507 ISO 7884-6 3. 引用規格 IEC 5841 MOD/ JISでは,ISOで引用していJISの体系上引用したもの
JIS C 1602, ISO 7884-1 追加 ない規格を引用している。であり,技術上の差異はな
JIS C 2520 ISO 7884-3 い。
JIS Z 8401
ISO 7884-1, ISO 7884-3
3. 定義 近似的にこれより低い温度ISO 7884-6 4. 定義 これより高い温 IDT − −
では,そのガラスのほとんど 度でガラスのほ
の成形操作が不可能である とんどの成形操
温度。 作が可能
4. 原理 直径0.65mm,長さ235mm ISO 7884-6 5. 原理 JISに同じ。 IDT − −
の円形断面のガラス繊維が,
その上部の長さ100mmを規
R3
定した炉中で5±1℃/minで
10
昇温したとき,自重で
3-
1:
1mm/minの速度で伸びるよ
2
うな温度。
001
7
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R3
8
1
(I) ISの規定 (III) 国際規格の規定
(II) 国際規格番 (V) ISと国際規格との技術
(IV) ISと国際規格との技術的差異の
03-
号 項目ごとの評価及びその内容 的差異の理由及び今後の対
1:
表示箇所 : 本体 策
200
表示方法 : 点線の下線
1
項目番号 内容 項目番号 内容 項目ごと 技術的差異の内容
の評価
5. 装置 ISO 7884-6 6. 装置 JISに同じ。 IDT − −
5.1 炉 附属書による。 6.1
5.2 炉の支持 炉を支持する台。 ISO 7884-6 6.2 JISに同じ。 IDT − −
台
5.3 昇温速度5±1℃/minに維持できる連 6.3
制御 続可変電圧調整器使用
5.4 温度測定JIS C 1602タイプS, R又は 6.4
及び指示計 K
5.5 繊維の伸0.02mm以内の精度で位置確 6.5
び測定装置 認できるデバイス使用
5.6 繊維の直0.01mmの目盛りの適切な器 6.6
径測定装置 具
5.7 タイマ 最低のカウントと精度が1 6.7
秒のもの
ISO 7884-6
6. 試料の調製 寸法は前出,成形はバーナー 7. 試料の調JISに同じ。 IDT − −
加工で引伸ばし又は他の方 製
法
7. 操作 一種又は複数種の標準ガラISO 7884-6 8.1 標準ガ 標準ガラス使用 MOD/ JISにおいては,国内で標準
日本においては,現在,標準
スで校正 ラスによる 選択 ガラスが入手できないときガラスを輸入に頼っており,
7.1 標準ガラ当事者間の取決めによる標 校正 の対策を記述している。 常備品とすることが困難で
スによる校正準ガラスを用いてもよい。 あるため。
7.2 測定 軟化点より下20℃の温度か 8.2 測定 JISに同じ。 IDT
ら昇温し,1.2mm/minの伸び
速度に達するまで伸びを測
定。
8. 計算 ISO 7884-6 9. 結果の表JISに同じ。 IDT − −
示
――――― [JIS R 3103-1 pdf 9] ―――――
(I) ISの規定 (III) 国際規格の規定
(II) 国際規格番 (V) ISと国際規格との技術
(IV) ISと国際規格との技術的差異の
号 項目ごとの評価及びその内容 的差異の理由及び今後の対
表示箇所 : 本体 策
表示方法 : 点線の下線
項目番号 内容 項目番号 内容 項目ごと 技術的差異の内容
の評価
8.1 計算法 各温度の伸び速度を片対数 8.1 計算法
方眼紙上にプロットし,
1mm/minの温度を求める。
8.2 精度及び適切な標準ガラスで校正す 8.2 精度及
正確性 る。 び正確性
9. 試験報告 ISO 7884-6 10. 試験報 JISに同じ。 IDT − −
告
a) 使用した規格 ISO 7884-6 10. 試験報 JISに同じ。 IDT − −
b) 試料の記述 告
c) サンプリングの方法
d) 試験試料の数
e) 試料調製法
f) 使用した装置の形式
g) 計算方法
h) 校正用標準ガラス及び採用
した補正
i) 二本の平均値の摂氏表示の
軟化点
j) 試験中・後のガラスの変化
附属書1(規 ISO 7884-6
図に軟化点測定炉,また,表 附属書1(規基本的にはJISにMOD/ 測定装置の各構成部品の寸国内にある測定装置は旧
定)軟化点測に部品の名称及びその摘要 定)軟化点 変更
同じ。ただし,構 JISに規定したものであり,
法が若干異なる。相違比較は
定炉 を示す。 測定炉 成部品の寸法が 付表1軟化点炉比較表参照 ISOと若干の相違を認めて
JISと若干異な 使用の存続をはかった。測定
る。 値の差が生じる可能性は小
R3
さいと考えられる。
103-
1:
JIS原案の整合性コード : MOD
JIS原案の国際規格の採用及び同等性の全体評価 : ISO 7884-6 : 1987
2001
9
――――― [JIS R 3103-1 pdf 10] ―――――
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JIS R 3103-1:2001の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 7884-6:1987(MOD)
JIS R 3103-1:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.040 : ガラス > 81.040.01 : ガラス一般