JIS T 0801:2016 ヘルスケア製品の滅菌―エチレンオキサイド―医療機器の滅菌プロセスの開発,バリデーション及び日常管理の要求事項

JIS T 0801:2016 規格概要

この規格 T0801は、産業界及びヘルスケア施設の両者における医療機器のエチレンオキサイド滅菌のプロセスの開発,バリデーション及び日常管理の要求事項について規定。

JIST0801 規格全文情報

規格番号
JIS T0801 
規格名称
ヘルスケア製品の滅菌―エチレンオキサイド―医療機器の滅菌プロセスの開発,バリデーション及び日常管理の要求事項
規格名称英語訳
Sterilization of health care products -- Ethylene oxide -- Requirements for the development, validation and routine control of a sterilization process for medical devices
制定年月日
2016年10月1日
最新改正日
2016年10月1日
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対応国際規格

ISO

ISO 11135:2014(IDT)
国際規格分類

ICS

11.080.01
主務大臣
厚生労働
JISハンドブック
医療機器 II 2018, 医療機器 III 2018
改訂:履歴
2016-10-01 制定
ページ
JIS T 0801:2016 PDF [74]
                                                                   T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  1.1 適用・・・・[1]
  •  1.2 適用除外・・・・[2]
  •  2 引用規格・・・・[3]
  •  3 用語及び定義・・・・[3]
  •  4 品質マネジメントシステム・・・・[11]
  •  4.1 文書化・・・・[11]
  •  4.2 経営者の責任・・・・[11]
  •  4.3 製品実現・・・・[11]
  •  4.4 測定,分析及び改善−不適合製品の管理・・・・[11]
  •  5 滅菌剤の特性・・・・[11]
  •  5.1 一般・・・・[11]
  •  5.2 滅菌剤・・・・[12]
  •  5.3 微生物殺滅効果の有効性・・・・[12]
  •  5.4 材料への影響・・・・[12]
  •  5.5 安全性及び環境・・・・[12]
  •  6 プロセス及び装置の特性・・・・[12]
  •  6.1 一般・・・・[12]
  •  6.2 プロセスの特性・・・・[12]
  •  6.3 装置の特性・・・・[13]
  •  7 製品の決定(Product definition)・・・・[14]
  •  7.1 一般・・・・[14]
  •  7.2 製品の安全性,品質及び性能・・・・[14]
  •  7.3 微生物学的品質・・・・[14]
  •  7.4 文書化・・・・[15]
  •  8 プロセスの決定(Process definition)・・・・[15]
  •  9 バリデーション・・・・[15]
  •  9.1 一般・・・・[15]
  •  9.2 据付適格性の確認(IQ)・・・・[16]
  •  9.3 運転適格性の確認(OQ)・・・・[16]
  •  9.4 稼働性能適格性の確認(PQ)・・・・[17]
  •  9.5 バリデーションのレビュー及び承認・・・・[18]
  •  10 日常監視及び管理・・・・[20]
  •  11 滅菌からの製品のリリース・・・・[21]

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――――― [JIS T 0801 pdf 1] ―――――

T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)

pdf 目次

ページ

  •  12 プロセス有効性の維持・・・・[22]
  •  12.1 一般・・・・[22]
  •  12.2 装置のメンテナンス・・・・[22]
  •  12.3 適格性の再確認・・・・[22]
  •  12.4 変更の評価・・・・[22]
  •  12.5 同等性の評価・・・・[23]
  •  附属書A(規定)滅菌プロセスの致死率の決定−バイオロジカルインジケータ/バイオバーデン法・・・・[24]
  •  附属書B(規定)安全率を見込んだ滅菌プロセスの致死率の決定−オーバーキル法・・・・[25]
  •  附属書C(参考)温度センサ,湿度センサ及びバイオロジカルインジケータの数・・・・[26]
  •  附属書D(参考)規定要求事項の適用に関する指針・・・・[29]
  •  附属書E(規定)単一ロットの出荷・・・・[67]
  •  参考文献・・・・[69]

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                                                                   T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本医療機器学会(JSMI)及
び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出が
あり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
  これによって,JIS T 0801-1:2010は廃止され,この規格に置き換えられた。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

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                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
                                                                              T 0801 : 2016
                                                                            (ISO 11135 : 2014)

ヘルスケア製品の滅菌−エチレンオキサイド−医療機器の滅菌プロセスの開発,バリデーション及び日常管理の要求事項

Sterilization of health care products-Ethylene oxide-Requirements for the development, validation and routine control ofa sterilization process for medical devices

序文

 この規格は,2014年に第2版として発行されたISO 11135を基に,技術的内容及び構成を変更すること
なく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
  なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1 適用範囲

1.1 適用

  この規格は,産業界及びヘルスケア施設の両者における医療機器のエチレンオキサイド滅菌のプロセス
の開発,バリデーション及び日常管理の要求事項について規定する。
  なお,この規格への適用については,両者において類似点又は相違点があっても差し支えない。
    注記1 類似点は品質システム,職員の教育及び適切な安全に関わる手順についての共通な必要性で
            ある。主な相違点は,ヘルスケア施設における独特な物理的及び組織の状況に関係し,更に,
            滅菌前の再使用可能医療機器の初期状態に関係する。
    注記2 ヘルスケア施設は,処理エリアの物理的設計,用いる装置,及び適切な訓練,経験の水準に
            ついての職員の能力が医療機器製造業者とは異なる。ヘルスケア施設の最も大切な機能は患
            者の看護であり,医療機器の再生処理は患者の看護業務をサポートする作業の一部にすぎな
            い。
    注記3 滅菌前の医療機器の初期状態について,医療機器製造業者では一般的に,バージン材料で製
            造した同一で大量の医療機器を滅菌する。一方,ヘルスケア施設では,新規の医療機器及び
            各種の形態,並びに種々のバイオバーデンレベルの再使用可能医療機器の取扱い及び再生処
            理をしなければならない。よってヘルスケア施設の担当者は医療機器の洗浄,洗浄の評価,
            組付け及び包装といった滅菌前の追加の課題に直面しなければならない。この規格ではヘル
            スケア施設に独自な代替えの方法及び指針を医療機器製造業者のそれとは別に示している。
    注記4 熱及び/又は湿気に敏感で湿熱滅菌ができない医療機器について,エチレンオキサイド(EO)
            ガス及びその混合物は,第一選択肢として使用される有効な滅菌剤である。
    注記5 この規格の適用範囲は医療機器に限定しているが,ここで規定する要求事項及び提供する指

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2
T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
            針は,その他のヘルスケア製品に適用できる。
    注記6 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
            ISO 11135:2014,Sterilization of health-care products−Ethylene oxide−Requirements for the
                development, validation and routine control of a sterilization process for medical devices(IDT)
              なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
            ことを示す。

1.2 適用除外

1.2.1  この規格は,スクレイピー,牛海綿状脳症及びクロイツフェルト・ヤコブ病のような海綿状脳症病
原物質の不活化プロセスの開発,バリデーション及び日常管理の要求事項については規定しない。クロイ
ツフェルト・ヤコブ病などの発症因子で汚染された危険性のある材料を処理するのには,日本では固有の
勧告がある。
    注記 平成9年4月24日薬機第71号厚生労働省薬務局医療機器開発課長通知“クロイツフェルト・
          ヤコブ病感染防止のための医療用具の消毒について”参照。
1.2.2  この規格は,医療機器を“無菌”と表示するための特定の要求事項の詳細は規定しない。
    注記 医療機器に“無菌”と表示するための国又は地域の規制要求事項に注意を払うことが必要であ
          る。例えば,EN 556-1又はANSI/AAMI ST67を参照。
1.2.3  この規格は,医療機器を製造する全てのプロセスを管理するための品質マネジメントシステムを規
定するものではない。
    注記 定義し文書化した手順の効果的な実施は,医療機器の滅菌プロセスの開発,バリデーション及
          び日常管理に必要である。このような手順は一般的に品質マネジメントシステムの要素と考え
          られる。製造又は再生処理において,完全な品質システムを構築することはこの規格の要求事
          項ではない。必要とされる品質マネジメントシステムの要素は,規格の文書中の適切な箇所に
          規定として参照している(特に,箇条4参照)。医療機器の製造又は再生処理の全ての段階を管
          理する品質マネジメントシステムについての規格(JIS Q 13485を参照)に注意を払うとよい。
          医療機器の提供に対する国及び/又は地域の規制では,完全な品質マネジメントシステムの実
          施及び第三者機関によるその品質マネジメントシステムの評価を要求する場合がある。
1.2.4  この規格は,労働安全に関わるEO滅菌施設の設計及び運転についての要求事項は規定しない。
    注記1 労働安全についての詳細情報については参考文献を参照すること。国の規制が存在すること
            に注意する。
    注記2 EOは毒性があり,可燃性であり爆発性がある。EOの取扱い及びEOを使用する作業所に対
            して安全要求事項を提供する規制が存在することに注意する。
1.2.5  この規格は,個々の包装容器又はフレキシブルチャンバにEO又はその混合物を直接導入する滅菌
法には適用しない。
    注記 これらのタイプのEOプロセスについては,ISO 14937参照。
1.2.6  この規格はEO残留及び/又はその反応生成物の量の測定法には適用しない。
    注記1 詳細な情報はJIS T 0993-7を参照。
    注記2 医療機器の上又は医療機器内のEO残留物のレベルの限度値を規定する国の規制が存在する
            ことに注意を払うのがよい。

――――― [JIS T 0801 pdf 5] ―――――

                                                                                              3
                                                                   T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS Q 10012 計測マネジメントシステム−測定プロセス及び測定機器に関する要求事項
      注記 対応国際規格 : ISO 10012,Measurement management systems−Requirements for measurement
             processes and measuring equipment(IDT)
    JIS Q 13485:2005 医療機器−品質マネジメントシステム−規制目的のための要求事項
      注記 対応国際規格 : ISO 13485:2003,Medical devices−Quality management systems−Requirements
             for regulatory purposes(IDT)
    JIS T 0993-7 医療機器の生物学的評価−第7部 : エチレンオキサイド滅菌残留物
      注記 対応国際規格 : ISO 10993-7,Biological evaluation of medical devices−Part 7: Ethylene oxide
             sterilization residuals及びTechnical Corrigendum 1:2009(IDT)
    JIS T 11737-1 医療機器の滅菌−微生物学的方法−第1部 : 製品上の微生物群の測定方法
      注記 対応国際規格 : ISO 11737-1,Sterilization of medical devices−Microbiological methods−Part 1:
             Determination of a population of microorganisms on products(IDT)
    JIS T 11737-2 医療機器の滅菌−微生物学的方法−第2部 : 滅菌プロセスの定義,バリデーション及
        び維持において実施する無菌性の試験
      注記 対応国際規格 : ISO 11737-2,Sterilization of medical devices−Microbiological methods−Part 2:
             Tests of sterility performed in the definition, validation and maintenance of a sterilization process
            (IDT)
    ISO 11138-1:2006,Sterilization of health care products−Biological indicators−Part 1: General requirements
    ISO 11138-2:2006,Sterilization of health care products−Biological indicators−Part 2: Biological indicators
        for ethylene oxide sterilization processes
    ISO 11140-1,Sterilization of health care products−Chemical indicators−Part 1: General requirements

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
エアレーション(aeration)
  滅菌プロセスの一部で,エチレンオキサイド及び/又はその反応生成物を,あらかじめ決めたレベルに
達するまで,医療機器から脱離する操作。
    注記 滅菌器の中及び/又はそれとは別のチャンバ又は部屋において実施できる。
3.2
エアレーションエリア(aeration area)
  エアレーションを行うチャンバ又は部屋。
3.3
バイオバーデン(bioburden)
  製品及び/又は無菌バリアシステムの上又は内部に存在する生育可能な微生物群。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.2参照)

――――― [JIS T 0801 pdf 6] ―――――

4
T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
3.4
バイオロジカルインジケータ,BI(biological indicator,BI)
  ある特定の滅菌プロセスに対して,あらかじめ定めた抵抗性を示す生育可能な微生物を含む試験システ
ム。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.3参照)
3.5
校正(calibration)
  計器若しくは測定系の示す値,又は実量器若しくは標準物質の表す値と,標準によって実現される値と
の間の関係を確定する一連の作業。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.4参照)
3.6
ケミカルインジケータ(chemical indicator)
  プロセスにばく(曝)露することで生じる化学的又は物理的な変化に基づき,あらかじめ定義した一つ
又は複数の滅菌プロセス変数の変化を表すシステム。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.6参照)
3.7
コンディショニング(conditioning)
  エチレンオキサイドの導入前に,製品をあらかじめ定めた温度及び相対湿度に到達させるための処理。
この処理は滅菌サイクルに含まれる。
    注記1 滅菌サイクル中のこの部分は,大気圧又は減圧下で実施することができる。
    注記2 3.27のプレコンディショニング参照。
3.8
D値(D value)
D10値(D10 value)
  定められた条件下で,試験に用いる微生物数の90 %を不活性化するのに要する時間又は線量。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.11参照)
    注記 この規格では,D値は試験微生物の菌数を90 %不活性化するのに必要とするばく露時間のこと
          である。
3.9
開発(development)
  仕様を作り上げる行為。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.13参照)
3.10
露点(dew point)
  飽和水蒸気圧がその大気での水蒸気分圧に等しい温度。
    注記 大気が露点より低い温度に冷却すると水の凝縮が起こる可能性がある。
3.11
確立(establish)
  理論的評価によって決定し,実験によって確認すること。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.17参照)

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                                                                                              5
                                                                   T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
3.12
エチレンオキサイド導入時間,EO導入時間(ethylene oxide injection time)
  EO(EO混合物)のチャンバへの導入開始から終了するまでの時間。
3.13
ばく(曝)露時間(exposure time)
  プロセスパラメータを,それぞれにあらかじめ定めた許容範囲内に維持した時間。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.18参照)
    注記 サイクル致死率の計算では,EOの導入を終了してからEOの除去が始まるまでの滅菌サイクル
          の時間。
3.14
許容外(fault)
  あらかじめ定めた許容範囲から一つ又は複数のプロセスパラメータが外れること。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.19参照)
3.15
フラッシング(flushing)
  チャンバへのろ過した空気,不活性ガス又は蒸気の導入及び抜気とを交互に繰り返すこと,又はろ過し
た空気,不活性ガス又は蒸気を滅菌負荷及び滅菌チャンバに連続的に通すことによって滅菌負荷及び滅菌
チャンバからエチレンオキサイドを除去する手順。
3.16
部分サイクル(fractional cycle)
  あらかじめ定めた滅菌プロセスに対して,ばく露時間を減少させたサイクル。
3.17
ハーフサイクル(half cycle)
  あらかじめ定めた滅菌プロセスに対して,ばく露時間を50 %に減少させたサイクル。
3.18
ヘルスケア施設,HCF(health care facility,HCF)
  健康の増進及び維持並びに傷病の防止並びに処置を実施する公的又は民間の組織及び公共施設。
    例 ヘルスケア施設には病院,療養施設,長期介護施設,独立外来外科センター,医院,診療所又は
        歯科医院がある。
3.19
ヘルスケア製品[health care product (s)]
  体外診断用医療機器を含む医療機器,又は生物製剤を含む医薬品。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.20参照)
3.20
据付適格性の確認,IQ(installation qualification,IQ)
  装置がその要求仕様に適合して提供され,かつ,据え付けられたことの証拠を取得し,文書化するプロ
セス。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.22参照)
3.21
医療機器(medical device)

――――― [JIS T 0801 pdf 8] ―――――

6
T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
  あらゆる計器,器械,用具,機械,器具,埋込み用具,体外診断薬,検定物質,ソフトウェア,材料又
はその他の同類のものは関連する物質であって,単独使用か組合せ使用かを問わず,製造業者が人体への
使用を意図し,その使用目的が次の一つ以上である。
− 疾病の診断,予防,監視,治療又は緩和
− 負傷の診断,監視,治療,緩和又は補助
− 解剖学的又は生理学的なプロセスの検査,代替又は修復
− 生命支援又は維持
− 受胎調整
− 医療機器の殺菌
− 人体から採取される標本の体外試験法による医療目的のための情報提供
  薬学,免疫学又は新陳代謝の手段によって体内又は体表において意図したその主機能を達成することは
ないが,それらの手段によって機能の実現を補助するもの。
  (JIS Q 13485:2005の定義3.7参照)
3.22
微生物(microorganism)
  細菌,真菌,原虫及びウイルスを包含する微小体。
    注記 ある種の規格によっては,滅菌プロセスのバリデーション及び/又は日常管理において,上記
          で定義した全てのタイプの微生物の不活化の滅菌プロセスの有効性を立証することを要求しな
          いこともある。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.26参照)
3.23
運転適格性の確認,OQ(operational qualification,OQ)
  据え付けられた装置をその操作手順に従って用いたとき,あらかじめ定めた限度内で作動する証拠を取
得し,文書化するプロセス。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.27参照)
3.24
オーバーキル法(overkill approach)
  製品のバイオバーデンと同等以上の抵抗性のあるバイオロジカルインジケータに対して,少なくとも,
12芽胞対数減少(SLR)を与える滅菌プロセスを用いる方法。
3.25
パラメトリックリリース(parametric release)
  プロセスパラメータがあらかじめ定めた許容範囲内で運転されたことを証明する記録に基づいて,製品
が滅菌済みであると宣言すること。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.29参照)
    注記 このプロセスからのリリースの方法では,バイオロジカルインジケータを使用しない。
3.26
稼働性能適格性の確認,PQ(performance qualification,PQ)
  操作手順に従って据え付けられ,運転されている装置が,あらかじめ定めた判断基準に恒常的に適合し
て稼働し,その結果,仕様に適合する製品を生産することができるという証拠を取得し,文書化するプロ
セス。

――――― [JIS T 0801 pdf 9] ―――――

                                                                                              7
                                                                   T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.30参照)
3.27
プレコンディショニング(preconditioning)
  部屋又はチャンバ内で,滅菌サイクル前に,製品をあらかじめ定めた温度及び相対湿度に到達させるた
めの処理。
3.28
プロセスチャレンジデバイス,PCD(process challenge device,PCD)
  滅菌プロセスに対し,定義した抵抗性を示すように設計された,滅菌プロセスの性能を,評価するため
に用いられるもの。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.33参照)
    注記1 この規格では,PCDは微生物を直接又は間接に接種した製品,模擬製品,その他の機器であ
            る。7.1.6及びD.7.1.6を参照。
    注記2 この規格では,内部PCDと外部PCDとの区別がされている。内部PCDは,要求される製品
            のSALが達成されたことを示すのに使用される。製品の中,製品の間又は製品搬送容器に置
            かれたPCDは,内部PCDである。一方,搬送容器の間又は製品の外部の表面に置かれたPCD
            は,外部PCDである。外部PCDは,日常の製造サイクルでの微生物学的監視に使用する目
            的で設計されたものである。
3.29
プロセスパラメータ(process parameter)
  あらかじめ定めたプロセス変数の値。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.34参照)
    注記 滅菌プロセスの仕様には,プロセスパラメータ及びその許容範囲が含まれる。
3.30
プロセス変数(process variable)
  滅菌プロセスの条件で,その変化が微生物の殺滅効果に変動を与えるような条件。
  例えば,時間,温度,圧力,濃度,湿度,波長。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.35参照)
3.31
処理カテゴリ(processing category)
  同一の条件で滅菌できる違った種類の製品又は製品ファミリの集まり。
    注記 このカテゴリに含まれる全ての製品は,この集まりに対するプロセスチャレンジデバイスより
          も滅菌プロセスに対して抵抗性が同等か低いことを示すことによって決定される。
3.32
製品(product)
  プロセスの結果。
  (JIS Q 9000:2006の定義3.4.2参照)
    注記 この規格では,製品は有形のものであり,原料,中間品,半組立品及びヘルスケア製品でもあ
          り得る。
3.33
製品ファミリ(product family)

――――― [JIS T 0801 pdf 10] ―――――

8
T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
  定義したプロセス条件を用いて滅菌が可能であるプロセス特性をもつ製品のグループ。
3.34
製品負荷容積(product load volume)
  製品が占有できる有効チャンバ容積内の定められた空間。
3.35
公的微生物保存機関(recognized culture collection)
  特許手続上の微生物寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に基づく国際的保存機関。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.38参照)
3.36
標準菌(reference microorganism)
  公的微生物保存機関から得られる菌株。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.39参照)
3.37
適格性の再確認(requalification)
  定義した滅菌プロセスが引き続き許容できるものであることを確認するために,バリデーションの一部
分を反復実施すること。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.40参照)
3.38
再使用可能医療機器(reusable medical device)
  医療機器製造業者が再生処理及び再使用に適したように指定又は意図した医療機器。
    注記 医療機器製造業者が,単回使用を指定又は意図した医療機器ではない。
3.39
サービス(services)
  外部から供給を受けるもので,装置が正常な機能を発揮するのに必要なもの。
  例えば,電気,水,圧縮空気,排水。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.41参照)
3.40
単回使用医療機器(single use medical device)
  医療機器製造業者が,1回限りの使用を指定又は意図した医療機器。
3.41
あらかじめ定める(specify)
  承認を受けた文書の中で詳細を明記すること。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.42参照)
3.42
芽胞対数減少,SLR(Spore-Log-Reduction,SLR)
  最初の芽胞の菌数N0の対数から最後の芽胞の菌数NUの対数を引いた数。
  (ISO 14161:2009の定義3.19参照)
    注記 あらかじめ定めた条件下でのばく露によるバイオロジカルインジケータ又は接種したものの上
          の芽胞数の減少について示す。

――――― [JIS T 0801 pdf 11] ―――――

                                                                                              9
                                                                   T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
  直接計数法では,
                         SLR  log N 0log Nu
                      ここに,        N0 :  最初の菌数
                                      Nu :  最後の菌数
  フラクションネガティブ法では,
                                           q
                         SLR  log N0 log ln
                                           n
                      ここに,        N0 :  最初の菌数
                                       q :  試験したサンプル数
                                       n :  菌の生育を示さなかったサンプルの数
  インジケータの生残が認められなかった場合,正確なSLRの計算ができない。1個のインジケータの生
残が確認された場合,SLRはlog N0より大きいと報告することができる。
3.43
無菌(sterile)
  生育可能な微生物が存在しないこと。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.43参照)
3.44
無菌バリアシステム(sterile barrier system)
  微生物の侵入の防止及び使用時点での製品の無菌提供を可能にする最低限の包装。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.44参照)
3.45
無菌性(sterility)
  生育可能な微生物が存在しない状態。
    注記1 実際には,そのような微生物の存在しない絶対的な状態を証明することはできない。
    注記2 3.47滅菌を参照。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.45参照)
3.46
無菌性保証水準,SAL(sterility assurance level,SAL)
  滅菌後に,生育可能な1個の微生物が製品上に存在する確率。
    注記 SALは定量値として一般的に,10−3又は10−6と表す。この定量値を無菌性保証に適用すると
          きは,10−6のSALは10−3のSALよりも小さい値であるがより高い無菌性保証を与える。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.46参照)
3.47
滅菌(sterilization)
  製品を生育可能な微生物が存在しない状態にするために用いる,バリデートされたプロセス。
    注記1 滅菌プロセスでは,微生物の不活化は指数関数で表現される。したがって,個々の製品に生
            残する生育可能な微生物は,確率論の観点から表現できる。この確率は,非常に低い数に減
            らすことはできるが,決してゼロに減らすことはできない。
    注記2 3.46無菌性保証水準を参照。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.47参照)

――――― [JIS T 0801 pdf 12] ―――――

10
T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
3.48
滅菌サイクル(sterilization cycle)
  密閉された滅菌チャンバ内で実施する,脱気,コンディショニング(行う場合),エチレンオキサイド,
不活性ガス(行う場合)導入,エチレンオキサイドによるばく露,エチレンオキサイドの除去,並びにフ
ラッシング(行う場合)及び空気又は不活性ガスの追加からなる処理。
3.49
滅菌負荷(sterilization load)
  滅菌プロセスを用いて一緒に滅菌される,又は滅菌された製品。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.48参照)
3.50
滅菌プロセス(sterilization process)
  あらかじめ定めた無菌性についての要求事項を達成するための一連の活動又は操作。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.49参照)
    注記 この一連の活動又は操作には,あらかじめ定めた条件でのプレコンディショニング(必要な場
          合),エチレンオキサイドヘのばく露及びエチレンオキサイド並びにその副生成物除去に必要な
          全ての後処理を含む。これには滅菌プロセスに先立つ全ての洗浄,消毒又は包装操作は含まな
          い。
3.51
滅菌専門家(sterilization specialist)
  利用する滅菌技術,材料への影響及び微生物について技術的知識をもつ者。
3.52
滅菌剤(sterilizing agent)
  あらかじめ定めた条件下で,無菌性を達成するために十分な殺菌作用をもつ物理的若しくは化学的媒体
又はその組合せ。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.50参照)
3.53
生残曲線(survivor curve)
  定めた条件下での滅菌剤へのばく露の増加に対応する微生物数の不活化を図式的に表現したもの。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.51参照)
3.54
無菌試験(test for sterility)
  最終プロセスを経た製品に対して実施する薬局方で定義された技術的操作。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.53参照)
3.55
無菌性の試験(test of sterility)
  開発,バリデーション又は適格性の再確認の一部として実施する技術的操作で,製品又はその一部に生
育可能な微生物の存在の有無を判定するために行う試験。
  (ISO/TS 11139:2006定義の2.54参照)
3.56
有効チャンバ容積(usable chamber volume)

――――― [JIS T 0801 pdf 13] ―――――

                                                                                             11
                                                                   T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
  固定部品又は可動部品によって制限されない,滅菌負荷を入れることができる滅菌チャンバ内の使用で
きるあらかじめ定めた空間。
    注記 チャンバ内のガス循環のための空間は有効容積には含まない。
3.57
バリデーション(validation)
  プロセスが,恒常的にあらかじめ決められた仕様に適合する製品が得られることを確立するために,要
求される結果を得て,記録し及び解釈するための文書化した手順。
  (ISO/TS 11139:2006の定義2.55参照)
3.58
バージン材料(virgin material)
  使用されていないか,又はその材料の製造以外の処理をしていない材料。

4 品質マネジメントシステム

4.1 文書化

4.1.1  開発,バリデーション,日常管理及び滅菌からの製品リリースの手順をあらかじめ定めなければな
らない。
4.1.2  この規格が要求する文書及び記録は,あらかじめ指名した職員(4.2.1参照)によってレビューし,
承認しなければならない。文書及び記録は,JIS Q 13485の該当する箇条によって管理しなければならない。

4.2 経営者の責任

4.2.1  この規格の要求事項を実施し,これに適合するための責任及び権限をあらかじめ定めなければなら
ない。責任は,JIS Q 13485の該当する箇条によって,力量のある職員に割り当てなければならない。
4.2.2  この規格の要求事項を,他の品質マネジメントシステムの組織によって実行する場合は,それぞれ
の組織の責任及び権限をあらかじめ定めなければならない。
  ヘルスケア施設が再使用可能医療機器の滅菌を外部委託する場合,バリデーションと滅菌した製品のリ
リースはヘルスケア施設の責任である。

4.3 製品実現

4.3.1  購買の手順をあらかじめ定めなければならない。これらの手順は,JIS Q 13485の該当する箇条に
適合しなければならない。
4.3.2  製品の識別及びトレーサビリティの手順をあらかじめ定めなければならない。これらの手順は,JIS
Q 13485の該当する箇条に適合しなければならない。
4.3.3  この規格の要求事項に適合するために,試験用の計器を含む全ての機器の校正について,JIS Q
13485又はJIS Q 10012の該当する箇条に適合したシステムを構築しなければならない。

4.4 測定,分析及び改善−不適合製品の管理

  不適合と認定した製品の管理,修正,是正処置及び予防処置の手順をあらかじめ定めなければならない。
これらの手順は,JIS Q 13485の該当する箇条に適合しなければならない。

5 滅菌剤の特性

5.1 一般

  この箇条の目的は,滅菌剤を特定し,その微生物殺滅効果を立証し,微生物殺滅効果に影響する因子を
識別し,滅菌剤へのばく露が材料に与える影響を評価し,職員の安全及び環境保護への要求事項を明確に

――――― [JIS T 0801 pdf 14] ―――――

12
T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
することである。この活動は,試験又は試作システムで実施してもよい。その場合,最終的な装置の仕様
           (6.3参照)は,試験又は試作システムで実施した実験的研究の結果に関連付けなければならない。この規
格において滅菌剤はEOである。

5.2 滅菌剤

  滅菌剤の仕様には,該当する場合,有効期間でEOを仕様の範囲内に維持できる貯蔵条件を含めなけれ
ばならない。

5.3 微生物殺滅効果の有効性

  一般に認められた組成外のEO又は新規の希釈剤を使用する場合は,これらの微生物殺滅効果の有効性
についてのデータを作成(開発)しておかなければならない。
    注記 EOの微生物の不活化については多くの文献がある。これらの文献には,微生物の不活化に影
          響するプロセス変数についての情報が記載されている。ただし,この規格ではこのような微生
          物不活化についての一般的な研究を参照することは要求しない。

5.4 材料への影響

  医療機器の製造に用いる様々な材料に対してEOが与える影響については,多くの文献があり,これら
の文献は,EOで滅菌される医療機器の設計及び開発に携わる者に有用である。この規格では,材料に及
ぼす影響についての個別の検討を行うことは要求しないが,製品自体に対するEOの影響については,検
討を行うことを要求している(箇条7参照)。

5.5 安全性及び環境

5.5.1  EO及びその希釈剤(ある場合)の安全データシート(SDS)又は類似の安全性情報を利用できる
ようにしなければならない。職員の健康及び安全を保護する必要な手段を明確にしなければならない。
5.5.2  滅菌プロセスを実施することによって環境が被る潜在的な影響について評価するとともに,環境を
保護する方法を明確にしなければならない。潜在的な影響,管理するための方法を含んだこの評価は文書
化しなければならない。
5.5.3  EOの使用者は,EO及びその希釈物並びに副生成物の放出及び廃棄については,国,地方及び国
際的な要求事項に従わなければならない。

6 プロセス及び装置の特性

6.1 一般

6.1.1  この箇条の目的は,滅菌プロセスを安全に再現性よく運用するために必要な滅菌プロセス全体及び
装置を定義することである。
6.1.2  既存のプロセスを製品の滅菌に使用する場合,この箇条の内容は必要ではないが,そのプロセス及
び装置は,6.2及び6.3で識別した変数が,日常の生産のプロセス仕様に含まれていることを確実にするた
めに,レビューをするとよい。

6.2 プロセスの特性

6.2.1  プロセスの特性には,少なくとも次の事項を含めなければならない。
a)   O滅菌プロセスに必要なフェーズの識別
b) 各フェーズのプロセス変数の識別
c) プロセス変数の文書化
    注記 製品の定義(箇条7参照)で開発されたデータは滅菌プロセスの特性に影響することがある。
6.2.2  滅菌プロセスのフェーズには次を含む。

――――― [JIS T 0801 pdf 15] ―――――

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JIS T 0801:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11135:2014(IDT)

JIS T 0801:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 0801:2016の関連規格と引用規格一覧

この規格に関連する JIS ハンドブック

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