JIS T 0902:2014 高齢者・障害者配慮設計指針―公共空間に設置する移動支援用音案内 | ページ 3

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注記4 移動支援用音案内を発する装置であることを示す外観の採用及びマーク表示によって,視
覚障害者などの利用への配慮を促すことができる。

4.6 周辺環境

  周辺環境は,次による。
a) 音量 移動支援用音案内の音量は,スピーカの基準軸と利用者の誘導動線との交点においては,周囲
の暗騒音レベルに対して,移動支援用音案内が10 dB以上大きくなければならない。さらに,周囲の
暗騒音レベルに対して10 dB大きい値に自動的に調整する装置を用いることが望ましい。ただし,装
置周辺の音環境への不都合が懸念される場合,移動支援用音案内を必要とする複数の利用者によって,
適正な効果が得られることを検証した上で,音圧レベルの差を10 dBよりも小さくすることができる。
なお,音圧レベルの計測方法は周波数重み付け特性Aを用いることとし,移動支援用音案内の音圧
レベルは指数形時間重み付け特性FAST (F) の最大値,周囲の暗騒音の音圧レベルは指数形時間重み
付け特性SLOW (S) の最大値を用いて計測する。
例1 車両の通過音など突発的な騒音がない時において周囲の暗騒音レベルを計測する。移動支援
用音案内の音圧レベルは,この値に対して10 dB以上大きくなるように設定する。
例2 混雑時,閑散時などの時間帯を決め,それぞれの時間帯において周囲の暗騒音レベルを計測
する。それぞれの時間帯における移動支援用音案内の音圧レベルは,この値に対して10 dB
以上大きくなるように設定する。
例3 周囲の暗騒音レベルの変化に合わせて,自動的に音量を10 dB高くなるように調整する装置
を用いる。
注記 暗騒音レベルに対して移動支援用音案内の音圧レベルが十分な大きさをもっていない場合,
利用者が移動支援用音案内を有効に利用することができない。また,移動支援用音案内の音
圧レベルが過大である場合,移動支援用音案内が周囲の音環境,スピーカ,又は周辺を通過
する人々の聴覚に影響を与える可能性がある。
b) 複数の移動支援用音案内を近傍に設置する場合 同じ又は異なる内容の複数の移動支援用音案内を同
時に聴取できる場所が存在する場合,互いに発音する時間が重ならないことが望ましい。また,同じ
種類の非音声音案内が互いに近傍に設置される場合,異なる高さ又は音色の非音声音案内を使用する
ことが望ましい。その場合,それぞれの高さ又は音色が何を案内しているのかを,利用者に周知する
情報提供が必要である。
例4 異なる鉄道事業者が乗り入れている駅で,それぞれの事業者の有人改札におけるチャイム音
を使用する場合,事業者ごとに異なる高さ,音色又はリズムのチャイム音を使用する。また,
どの高さ,音色又はリズムがどの事業者のチャイム音なのかを,該当駅のウェブサイト,文
書などで利用者に周知する。
c) 反射及び残響がある場合 移動支援用音案内の設置に当たって,反射及び残響は可能な限り発生しな
いように配慮することが望ましい。また,反射及び残響によって移動支援用音案内の聴取が困難とな
る場合,反射及び残響を削減するために天井及び壁面に吸音材を取り付けるなどの対策を講じること
が望ましい。
d) 感知器による能動的動作 移動支援用音案内は常時動作していることが望ましい。ただし,利用者が
いない期間が存在し,かつ,その期間内に移動支援用音案内を実施すると周囲の音環境に影響を与え
る可能性がある場合,人感センサなどの感知器によって移動支援用音案内を利用することが可能な領
域を利用者が通行している期間にだけ移動支援用音案内を動作させることができる。

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附属書A
(参考)
参考文献
[1] 国土交通省総合政策局安心生活政策課監修,バリアフリー整備ガイドライン,交通エコロジー・モビ
リティ財団,(2013)
[2] ISO 7240-16:2007,Fire detection and alarm systems−Part 16: Sound system control and indicating equipment
[3] ISO 11429:1996,Ergonomics−System of auditory and visual danger and information signals
[4] ISO 15006:2011,Road vehicles−Ergonomic aspects of transport information and control systems−
Specifications for in-vehicle auditory presentation
[5] ISO/TR 16352:2005,Road vehicles−Ergonomic aspects of in-vehicle presentation for transport information
and control systems−Warning systems
[6] JIS Z 8503-6:2007 人間工学−コントロールセンターの設計−第6部 : コントロールセンターの環境
[7] IEC 60073:2002,Basic and safety principles for man-machine interface, marking and identification−Coding
principles for indicators and actuators
[8] ISO 23600:2007,Assistive products for persons with vision impairments and persons with vision and hearing
impairments−Acoustic and tactile signals for pedestrian traffic lights
[9] J. Blauert,森本政之,後藤敏幸,Spatial Hearing 空間音響(鹿島出版会,東京,1986)

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JIS T 0902:2014の関連規格と引用規格一覧