JIS T 3217:2016 血液成分分離バッグ | ページ 4

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ブランク状態と対比し,1 cmの試料容器内の抽出液のUV吸収度を測定する。吸収度は,230 nm360 nm
の範囲で測定する。
A.4.10 抽出フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)可塑剤の測定
注記 この測定は,DEHPを含むポリ塩化ビニル(PVC)に対してだけ行う。
A.4.10.1 試薬
A.4.10.1.1 エタノール 体積分率(φ)95.1 %96.6 %,密度(ρ)0.805 0 g/mL0.812 3 g/mLの範囲
A.4.10.1.2 抽出溶媒 密度(ρ)0.937 3 g/mL0.937 8 g/mLのエタノールと水との混合液
A.4.10.1.3 フタル酸ジ-2-エチルヘキシル (C24H38O4),無色,水に不溶の油性の液体,有機溶剤に可溶で
密度(ρ)0.982 g/mL0.986 g/mL,屈折率nD20 1.4861.487
A.4.10.2 DEHP測定用の標準溶液の準備
A.4.10.2.1 溶液1 1 gのDEHP(A.4.10.1.3参照)をエタノール(A.4.10.1.1参照)に溶かし,100 mLの
エタノールで希釈する。
A.4.10.2.2 溶液2 10 mLの溶液1(A.4.10.2.1参照)を100 mLのエタノールで希釈する。
A.4.10.2.3 標準溶液A標準溶液E
a) 溶液A : 20 mLの溶液2(A.4.10.2.2参照)を抽出溶媒(A.4.10.1.2参照)で100 mLに希釈する
(DEHP含有量 : 20 mg/100 mL)。
b) 溶液B : 10 mLの溶液2を抽出溶媒で100 mLに希釈する(DEHP含有量 : 10 mg/100 mL)。
c) 溶液C : 5 mLの溶液2を抽出溶媒で100 mLに希釈する(DEHP含有量 : 5 mg/100 mL)。
d) 溶液D : 2 mLの溶液2を抽出溶媒で100 mLに希釈する(DEHP含有量 : 2 mg/100 mL)。
e) 溶液E : 1 mLの溶液2を抽出溶媒で100 mLに希釈する(DEHP含有量 : 1 mg/100 mL)。
A.4.10.3 検量線
標準溶液として抽出溶媒を使い,272 nmで標準溶液(A.4.10.2.3参照)の最大吸収度を測定し,DEHP
濃度に対する吸光曲線をプロットする。
A.4.10.4 抽出手順
37 ℃まで加熱した抽出溶媒を,採血管を通して空のバッグに公称容量の半分まで注入する。バッグから
空気を完全に排出し,採血管を密封する。振とうすることなく,充したバッグを水平に保ち,37±1 ℃
に維持した湯浴に60±1分間浸す。湯浴からバッグを取り出し,ゆっくりと10回回転させてから,内容液
をガラス製フラスコに移す。標準溶液として抽出溶媒を使用し,272 nmで最大吸収度を測定する。
A.4.10.5 結果の表現
バッグについて得られた結果(A.4.10.4参照)を標準溶液の吸光検量線(A.4.10.3参照)と比較すること
によって,抽出可能なDEHPの量を決定する。

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附属書B
(規定)
物理的試験
B.1 透明性試験
空のバッグに,1 cm光路長をもつキュベットで測定した場合に640 nmで0.370.43の吸収度まで希釈
した(希釈係数約1 : 16)所定体積の一次乳光懸濁液(A.4.7.2.3参照)を公称容量まで注入する。
B.2 採血速度の試験
採血速度の試験は,次のa) 又はb) のいずれかに適合しなければならない。
a) 公称容量の約2倍量の,次に掲げる保存血液又は表B.1のPVP・ソルビット混合液が入っている瓶に
採血針を刺し込み,液面からバッグの頂点までの高さ50 cmの落差によって,公称容量に相当する液
量をバッグに満たすとき,空気の混入がなく,また,その所要時間は,8分以内とする。
保存血液 : 比重が1.052以上の血液を生物学的製剤基準の保存血液の条に規定する割合で血液保存
液に混入したものとする。ただし,既に調製されている保存血液にあっては,生物学的製剤基準の保
存血液の条の規定に従って貯蔵されたものに限る。
表B.1−PVP・ソルビット混合液
溶質及び溶液 用量
ポリビニルピロリドン(PVP)(平均分子量35 000) 30.0 g
D−ソルビット 50.0 g
注射用水 適量
全量 1 000 mL
b) 37 ℃で3.4×10−6 m2/sの粘度をもつ十分な試験液の容器から,同じ液面から5.7に適合した採血針を
通じ,圧力9.3 kPa,温度23±5 ℃で公称容量に相当する液量をバッグに満たす。
注記 この試験で使用に適した試験液は,ぶどう糖水溶液(400 g/L)である。
B.3 ラベルの耐久性試験
容量まで注入して密封したバッグを,温度4±2 ℃で24時間保存する。この最初の保存期間の後,温度
−30±5 ℃で24時間保存する。その後,温度37±2 ℃に1時間保たれた水中にバッグを沈める。
B.4 微粒子汚染の試験
B.4.1 クリーンルームの条件下で,空のバッグに,孔径0.2 μmの膜フィルタを通してあらかじめろ過さ
れた精製水を注入する。バッグの公称容量に対応する所定の体積の精製水を使用する。
B.4.2 目視できる粒子を容易に検出可能な適切な方法によって,バッグ内の液を検査する。
B.5 チューブの無菌接合試験
無菌接合装置を設置及び調整し,開始する前に,使用者を訓練する。
チューブの口径が,無菌接合装置の製造販売業者の指定された許容範囲内にあることを確認する。

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無菌接合装置の製造販売業者の指示に厳密に従い,表B.2に示すチューブの組合せごとに12 cm片の間
の無菌接合を行う。個別に各接合部を特定する。
完了後,目視で欠陥がないか,全ての接合部を検査する。
密閉し,次に水面下に沈め,接合チューブの開口端部に10秒間150 kPaの圧力を加え,チューブの一端
を封止することによる圧力試験をしたとき,全ての接合部から漏れてはならない。接合部から気泡の発生
を認めない。欠陥は許容されない。
万能引張試験機を用いて500 mm/minの速度でチューブ片を延伸して各接合部の破断ひずみを測定する。
各接合部は,23±5 ℃で最小40 Nに耐えなければならない(参考文献[9]参照)。
表B.2−要求される無菌接合と試験
チューブ内容 Dry/dry Wet/wet Dry/wet Wet/dry
チューブX/チューブY 5 サンプル 5 サンプル 10 サンプル 10 サンプル
湿潤状態は,体液[例えば,血しょう(漿)]又は抗凝固剤/保存液のいずれかで達成することができる。

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附属書C
(規定)
生物学的試験
C.1 一般
一般的な生物学的試験には,JIS T 0993-1又はISO 10993シリーズを参照する。ISO 10993-12は試料の
調製及び標準物質を定義している。製造販売業者は,生体適合性を保証するために適切な評価を実施しな
ければならない。
C.2 試験液の調製
C.2.1 試験液I(極性溶媒)
空のバッグに,注射用水を2回公称容量まで注入し,約1分間振とうし,その後空にする。すすぎ水を
排出した後,空のバッグにエンドトキシンがなく十分に滅菌した塩化ナトリウム溶液4)[ρ(NaCl)=9 g/L]
を注入し,cm2単位で表した空のバッグの内部表面の比率が,mL単位で表した塩化ナトリウム溶液の体積
に対し,少なくとも6 : 1になるようにする。その後,残っている空気をバッグから出すためにバッグを圧
縮し,その後閉じる。バッグが外部包装される場合には,121±2 ℃で加圧された飽和蒸気内で少なくとも
60±12分間それを抽出する。少なくとも約250 mLの抽出物が利用可能になるよう,十分な数のバッグに
抽出を行う。それらを冷却した後,個別のバッグから得られた抽出液を混合する。比較液(ブランクサン
プル)として250 mLの滅菌したエンドトキシンのない等浸透圧の塩化ナトリウム溶液を,フラスコ内で
同じ方法で処理する。
C.2.2 試験液II(非極性溶媒)
C.2.1による試験液Iと同じ方法で試験液IIを調製する。ただし,次によって行わなければならない。
− 注射用水ですすいだ後50 ℃で1時間か,又は目視検査で水分が検出できなくなるまで空のバッグを
乾燥させる。
− 抽出剤として非経口用ごま油4)か又は綿実油4)を使用する。
− 比較液として,使用する抽出剤に従い,非経口用ごま油4)か又は綿実油4)を使用する。
− 対象の生物学的試験で記載された非極性溶媒を使用する。
注4) 各国の薬局方を参照する。
C.3 微生物の不透過性に関する試験
空のバッグに,滅菌条件下で,例えば,カゼインペプトン大豆粉ペプトンブイヨン(CaSo)などの培地
を注入し,密封する。バッグ又はバッグの適切な部分を試験に供する微生物(例えば,枯草菌 : Bacillus
atropheus,NCTC 10073)を含む懸濁液(およそ106 CFU/mL)に少なくとも30分間漬ける。バッグを当該
微生物を含む懸濁液から取り出し,無菌水ですすぐ。バッグを,試験に供する微生物にとって適切な温度
(例えば,枯草菌 : Bacillus atropheusでは37 ℃)で少なくとも7日間培養する。
陽性コントロールとして,同じ方法で準備されたバッグ,及び負荷する微生物の培養菌1 mLを植え付
けた内容物が使用される。代替方法として,培地を注入したユニットをきずつけることによって陽性コン
トロールを作成する。これは,試験に供するバッグの特定の部分に孔をあけることによって達成すること
ができる。微生物の生長に関し内容物を試験する。陽性コントロールは,混濁を表さなければならない。

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試験物は,混濁してはならない。
C.4 エンドトキシンに関する試験
関連する各国の薬局方に従い,エンドトキシンの試験を行う。
C.5 細胞毒性に関する試験
ISO 10993-5に従い,細胞毒性試験を行う。
C.6 溶血性に関する試験
C.6.1 一般
ISO 10993-4を参照する。
C.6.2 赤血球懸濁液の調製
各国の薬局方に従い抗凝固化した,採取したばかりの新鮮なヒトの血液の体積1に対し滅菌した塩化ナ
トリウム溶液[ρ(NaCl)=9 g/L]の体積5の割合で希釈し,1 500 g2 000 gで遠心分離機で5分間遠心分
離を行う。上澄み液を吸引し,同じ条件,同じ体積の塩化ナトリウム溶液で赤血球の処理を繰り返す。
この方法で得られた赤血球を,滅菌した塩化ナトリウム溶液[ρ(NaCl)=9 g/L]を用いて1 : 9の割合に
希釈する。この懸濁液は,室温で保存した場合,最長で6時間使用することができる。
C.6.3 手順
A.3によって調製した試験液125 mLを温度100 ℃で蒸発させる。蒸発残留物を5 mLの塩化ナトリウム
溶液[ρ(NaCl)=9 g/L]に溶かし,1 mLの赤血球懸濁液と混合し,20分間37±1 ℃に保つ。その後,1 500
g2 000 gで5分間混合液を遠心分離する。
同時に,同じ条件で空試験液を調製する。ただし,試験液の蒸発残留物は加えない。
光路長が1 cmのキュベット内で,540 nmで空試験液と比較して,試験液の吸収度を測定する。試験液
と空試験液との吸収度の差は,10 %を超えてはならない。
注記 試験液中の揮発成分はこの試験では検出できない。しかし,試験液を濃縮することによって,
より高い試験感度が得られる。
C.7 生物学的試験方法
表C.1に生物学的試験方法を示す。
生物学的安全性の評価に当たっては,JIS T 0993-1又はISO 10993-1がガイダンスとして考慮されなけれ
ばならない。

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JIS T 3217:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3826-1:2013(MOD)

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JIS T 3217:2016の関連規格と引用規格一覧