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T 6004 : 2019
単位 mm
c) 直径3 mmの試験片(R付き)
図2−つかみ部円柱状試験片(続き)
5.3.2 弾性率(ヤング率)測定用試験片
5.3.2.1 一般
弾性率は,引張試験,曲げ試験又は共振法試験の3種類のいずれかで測定する。
金属材料に異方性がある場合には,引張試験又は曲げ試験によって弾性率を測定しなければならない。
加工方向が長手方向に平行な試験片及び垂直な試験片を,それぞれ3個ずつ準備する。
5.3.2.2 引張試験用試験片
引張試験で試験片を破断する場合には,5.3.1.2による。引張試験で試験片を破断しない場合には,平行
部の断面積が測定値の2 %未満の標準不確かさである試験片を3個用意し,5.2によって熱処理する。
5.3.1.2に適合するが,十分な精度で測定できない不規則な断面をもつ試験片の場合,それらを平行断面
にわたって均一な断面に機械加工し,JIS R 6253に規定するP1 200の耐水研磨紙で仕上げる。
メタルセラミック修復用金属材料の場合には,製造販売業者が指定する熱処理の前に機械加工を行う。
注記1 標準不確かさの算出は,ISO/IEC Guide 98-3を参照。
注記2 弾性率を繰り返し測定するために使用された試験片は,使用されなかったものと比較して降
伏応力の値が増加する可能性があるため,他の試験には使用しない。
5.3.2.3 曲げ試験用試験片(3点曲げ試験又は4点曲げ試験)
曲げ試験によって弾性率を測定する場合には,5.1及び5.2によって作製し,約34 mm×13 mm×1.5 mm
の試験片3個を用意する。JIS R 6253に規定するP1 200の耐水研磨紙で,図3に規定する寸法に最終研磨
する。
――――― [JIS T 6004 pdf 6] ―――――
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b 幅 : 11±1 mm
h 厚さ : 1.2±0.2 mm
l 長さ : 31±1 mm
図3−曲げ試験及び共振法試験に用いる試験片の寸法
平面及び側面の平面度及び平行度は,次による。
− 平面度 : 測定面の内側最小基準平面と外側最小基準平面との差δhmaxは,0.01 mm未満でなければなら
ない(図4参照)。長さ方向側面の内側最小基準平面と外側最小基準平面との差は,0.1 mm未満でな
ければならない。
− 平行度 : 測定された最大厚さh1と最小厚さh2との差は,0.01 mm以内でなければならない(図4参照)。
側面での測定値の差は,0.1 mm以内でなければならない。
5.3.2.4 共振法試験用試験片
共振法試験によって弾性率を測定する場合には,5.1及び5.2によって作製し,約34 mm×13 mm×1.5 mm
の試験片を3個用意する。JIS R 6253に規定するP1 200の耐水研磨紙で図3の寸法に最終研磨する。
1 試験片
2 基準平面
δhmax 外側基準平面と内側基準平面との差
h1 最大測定厚さ
h2 最小測定厚さ
図4−曲げ試験及び共振法試験に用いる試験片の基準面
試験片の各面は,次によって直角かつ平面であり互いに平行でなければならない。
− 直角度 : 各面及び各辺の角度は,90±1°でなければならない。
− 平面度 : 測定面の内側最小基準平面と外側最小基準平面との差δhmaxは,0.01 mm未満でなければなら
ない(図4参照)。長さ方向側面の内側最小基準平面と外側最小基準平面との差は,0.1 mm未満でな
――――― [JIS T 6004 pdf 7] ―――――
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ければならない。
− 平行度 : 測定された最大厚さh1と最小厚さh2との差は,0.01 mm以内でなければならない(図4参照)。
側面での測定値の差は,0.1 mm以内でなければならない。
5.3.3 密度試験用試験片
試験片は,次のものを使用する。
a) 内部に気孔がない製品は,受け入れた状態のままの試験片を5個用意する。
b) 内部に気孔を含む製品は,添付文書に記載された方法によって,直方体又は円柱に加工して,試験片
を5個用意する。
c) 製品が不規則形状の場合には,全ての外表面が目視できる製品を選択して試験片として使用する。
5.3.4 腐食試験用試験片
試験片は,JIS T 6002:2014の4.1.5(試料)によるほか,次によって準備する。
a) 試験片は,5.1及び5.2によって作製し,約34 mm×13 mm×1.5 mmの長方形板を2個用意する。
b) この試験片を作製することが技術的に不可能な金属材料又は既製部品・既製装置の場合には,表面積
が約10.2 mm2の試験片を2個用意する。形状は直方体に限らない。
c) メタルセラミック修復用及びそれ以外の用途にも用いる金属材料の場合には,用途ごとに2個1組の
試験片を用意し,5.2.3によって熱処理した後,JIS R 6253に規定するP1 200の耐水研磨紙で最終研磨
する。
5.3.5 変色試験用試験片
試験片は,静的浸せき用又は反復浸せき用のいずれかとし,次によって準備する。
a) 静的浸せき用試験片の寸法は,JIS T 6002:2014の4.4.5 c)(寸法)による。また,反復浸せき用試験片
は,直径10±1 mm,厚さ0.5±0.1 mmの円板とする。試験片は,2個用意する。
b) メタルセラミック修復用及びそれ以外の用途にも用いる金属材料の場合には,2個1組の試験片を2
組用意し,5.2.3によって熱処理する。
c) 静的浸せき用試験片の場合には,JIS T 6002:2014の4.4.5 d)(調製)の4)及び5)によって仕上げる。
反復浸せき用試験片の場合には,試験片ごとに常温硬化樹脂に包埋し,JIS T 6002:2014の4.3.5 d)(調
製)の5)及び6)によって仕上げるか,又は標準的な金属組織観察の手法を用いて研磨し,1 μmのアル
ミナ又は水性のダイヤモンドペーストで最終仕上げを行う。研磨には,金属材料ごとに新しい研磨紙
を用いる。
5.3.6 熱膨張試験用試験片
試験片は,5.1及び5.2によって作製し,熱膨張測定装置に適した断面形状及び長さで,断面積が30 mm2
以下の棒を2本用意する。
6 試験方法
6.1 外観試験
外観試験は,目視によって行う。
6.2 定量試験
定量試験は,各元素の含有量の定量に適した精度をもつ分析方法を用いて行う(例を参照)。
なお,製造配合ロットごとについては,製造記録などによる原材料又は成分及び分量として化学組成が
適正であることの確認でもよい。ただし,製造工程などの変更がある場合には,適切な機器分析を用いて
妥当性を検証する。
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例 蛍光X線分析法(XRF),原子吸光分析法(AAS),誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES),
誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)
6.3 機械的性質
6.3.1 機器
6.3.1.1 マイクロメータ 目量0.01 mm,測定範囲25 mmで,JIS B 7502に適合するもの又は同等の精度
のもの。
6.3.1.2 引張試験機 精度1 %以上,クロスヘッド速度2 mm/min以下で,試験片に適したつかみ具をも
つもの。
6.3.1.3 伸び計 試験片の標点距離に適合するもので,精度1 μmのもの。
6.3.1.4 測定顕微鏡 少なくとも倍率10倍で,精度0.01 mmかつ測定範囲25 mmのもの,又は0.02 mm
以上の高い精度で標点距離が測定できる機器を用いる。
6.3.2 手順
6.3.2.1 板用及び線用の非鋳造用金属材料
1組目の4個の試験片を引張試験機によって,JIS Z 2241に規定する方法又はクロスヘッド速度1.5±0.5
mm/minで,試験片が破断するまで引っ張る(第1試験)。試験片のひずみは,伸び計で連続的に測定する。
ただし,ひずみの測定には,レーザ式など,より高精度な方法を用いてもよい。
6.3.2.2 板用及び線用以外の非鋳造用金属材料並びに鋳造用金属材料
次によって測定する。試験片は12個以内で試験する。
a) マイクロメータを用い,試験片平行部の直径を0.01 mmの精度で測定する。
b) 測定顕微鏡などを用い,試験前の標点距離を0.02 mmの精度で測定する。
c) 1組目の6個の試験片を引張試験機によって,クロスヘッド速度1.5±0.5 mm/minで,試験片が破断す
るまで引っ張る(第1試験)。試験片のひずみは,伸び計で連続的に測定する。ただし,ひずみの測定
には,レーザ式など,より高精度な方法を用いてもよい。
d) 破断後,破断面の目に見える欠陥の有無及び破断箇所を目視によって調べる(破断後検査)。このとき,
普通の視力によって検査し,拡大鏡などは用いない(視力矯正用眼鏡は,着用してもよい。)。破断後
検査によって,目に見える欠陥が見つかった場合,又は標点間の外で破断した場合には,その試験片
及び結果を棄却し,2組目から交換用試験片を採って試験する。6.3.6による評価の結果,第2試験が
必要とされる場合には,2組目の残った試験片を試験する。
e) 試験片の破断面を突き合わせ,試験後の標点距離を0.02 mmの精度で測定し,記録する。
6.3.3 耐力
6.3.3.1 耐力の計算
耐力は,0.2 %の永久ひずみが生じた荷重を,荷重−ひずみ線図から読み取り,その荷重を試験片平行部
の原断面積で除して求める。荷重−ひずみ線図によらず,コンピュータなどを用いて求めてもよい。破断
後検査によって棄却したものを除き,試験した全ての試験片の耐力を1 MPaの桁まで求める。
6.3.3.2 耐力の平均値の計算
破断後検査によって棄却したものを除き,試験した全ての試験片の耐力の平均値を求め,丸めの幅を
5 MPaとして丸めた数値を報告書に記載する。
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6.3.4 伸び
6.3.4.1 伸びの計算
6.3.2によって試験した試験片のうち,0.2 %耐力の要求事項に適合する試験片の伸び(%)を決定する。
試験前後の標点距離の差を,試験前の標点距離の百分率として0.1 %の桁まで求める。破断後検査によっ
て棄却したものを除き,試験した全ての試験片の伸び(%)を記録する。
6.3.4.2 伸びの平均値の計算
破断後検査によって棄却したものを除き,試験した全ての試験片の伸び(%)の平均値を求め,丸めの
幅を1 %として丸めた数値を報告書に記載する。
6.3.5 弾性率の測定
6.3.5.1 引張試験による弾性率(ヤング率)の測定方法
6.3.5.1.1 引張試験(破断法)による弾性率の測定及び計算
6.3.2によって試験した試験片の原断面積,伸び計によるひずみの記録及び引張試験機による荷重の記録
を用いて,耐力及び伸び(%)の要求事項に適合する試験片の弾性率を決定する。破断後検査によって棄
却したものを除き,試験した全ての試験片の弾性率を1 GPaの桁まで求め,試験片の弾性率を平均し,丸
めの幅を5 GPaとして丸めた数値を報告書に記載する。
6.3.5.1.2 引張試験(繰返し法)による弾性率の測定及び計算
試験片の標点距離の両端及び中央部における断面積を測定する。試験片の各位置で十分な測定(60°ご
とに3回)を行い,3点の平均値を記録する。クロスヘッド速度1.5±0.5 mm/minで表示値の0.2 %耐力の
60 %を超えない荷重を試験片に負荷し,荷重及び伸びを記録する。その後,0.2 %耐力の5 %まで除荷する。
この手順を4回以上繰り返す。
引張試験(繰返し法)による弾性率の測定精度は,その合成標準不確かさが,測定値の10 %未満でなけ
ればならない。
注記 試験片に初めて荷重を負荷する場合,試験片の表面粗さが徐々に変化するため,弾性率が小さ
な値になることがしばしば見られる。連続して負荷をかけることで,予想される値との誤差が
減少する。
P L
E
A L
ここに, E : 弾性率(GPa)
ΔP : 荷重変化(N)
A : 断面積(mm2)
L : 初期標点距離(mm)
ΔL : 伸び(mm)
最も一致した3回の測定値の平均を記録する。
残りの二つの試験片についても同様に測定を行う。
全ての試験片について,弾性率及びその不確かさをB.2.1に基づき1 GPaの桁まで求める。三つの試験
片の弾性率を平均し,丸めの幅を5 GPaとして丸めた数値を報告書に記載する。
6.3.5.2 曲げ試験(3点曲げ試験又は4点曲げ試験)による弾性率の測定方法
6.3.5.2.1 機器
6.3.5.2.1.1 寸法測定器 マイクロメータ(6.3.1.1参照)又はJIS B 7507に規定するノギスを用いる。
6.3.5.2.1.2 引張試験機(6.3.1.2参照)
6.3.5.2.1.3 支持具 直径1.5±0.5 mmのローラ又は半円筒状で,試験片の幅(5.3.2.3参照)以上の長さを
――――― [JIS T 6004 pdf 10] ―――――
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JIS T 6004:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 22674:2016(MOD)
JIS T 6004:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 6004:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙
- JISZ2241:2011
- 金属材料引張試験方法
- JISZ8807:2012
- 固体の密度及び比重の測定方法