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試験片の切断面に気泡などの内部欠陥が認められた試験片は,取り替える。
c) 試験片の接合面は,製造販売業者によって推奨される開先形状に仕上げる。
注記 開先形状は,A.7参照。
d) 切断した試験片2本を埋没材又は固定ジグを用いて直線状に並べ,レーザ溶接する。ただし,2種類
の金属材料をレーザ溶接する場合には,切断したそれぞれの金属材料の試験片を1本ずつ用いる。ま
た,溶加材を用いる場合には,製造販売業者の指示による。
e) 溶接後の引張試験片の直径の許容差は,図1とする。また,溶接した引張試験片を軸周りに回転させ
たとき,目に見える回転軸からのずれがあってはならない。
単位 mm
a) 直径2 mmの試験片
b) 直径3 mmの試験片(円すい状)
c) 直径3 mmの試験片(R付き)
図1−つかみ部円柱状試験片
――――― [JIS T 6128 pdf 6] ―――――
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6.3 腐食試験片
腐食試験片は,JIS T 6002によるほか,次による。
a) 試験片は,6.1によって作製し,約33 mm×11 mm×1 mmの長方形板を2個用意する。
b) 試験片は,細いのこぎり(鋸)などを用いて,約11 mm×8.25 mmの小片4個に切断する。
c) 4個の切断した小片を製造販売業者が指定する方法でレーザ溶接して作製する(図2参照)。2種類の
金属材料を用いる場合には,それぞれの小片が交互になるよう接合する。これらの腐食試験片を2個
作製する。種類の異なる金属材料Aと金属材料Bとを接合する場合には,ABABの順に接合する。
d) レーザ溶接した後,標準的な金属組織観察の手法を用いて腐食試験片の全表面を厚さ0.1 mm以上除
去し,最終的にJIS R 6253に規定する研磨材の粒度がP1 200の耐水研磨紙で仕上げる。
単位 mm
1 金属材料小片
2 溶接部
図2−腐食試験片
7 試験方法
7.1 外観試験
外観試験は,目視によって行う。
7.2 定量試験
定量試験は,各元素の含有量の定量に適した精度をもつ分析方法を用いて組成を求める。
なお,製造配合ロットごとについては,製造記録などによる原材料又は成分,及び分量として化学組成
が適正であることの確認でもよい。ただし,製造工程などの変更がある場合には,適切な機器分析(例参
照)を用いて妥当性を検証する。
“各元素”には有害元素を含む。
例 蛍光X線分析法(XRF),原子吸光分析法(AAS),誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES),
誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)
7.3 引張試験
7.3.1 一般
6.2によって作製した6本の試験片を引張試験機によって,クロスヘッド速度1.5±0.5 mm/minで,試験
片が破断するまで引っ張る。接合強さは,破断に至るまでの最大荷重を試験片平行部の原断面積で除して
計算し,記録する。
7.3.2 評価
接合強さの評価は,次による。
a) 4本以上が4.4に適合したときに,合格とする。
b) 2本以下が4.4に適合したときは,不合格とする。
――――― [JIS T 6128 pdf 7] ―――――
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c) 3本だけが4.4に適合したときは,試験全体をもう一度繰り返し,その6本のうち5本以上が4.4に適
合したときに,合格とする。
7.3.3 接合強さの平均値の算出
7.3.2によって合格となった場合には,4.4に適合する全ての試験片の接合強さの平均値を求め,丸めの
幅を5 MPaとして丸めた数値を報告書に記載する。
7.4 腐食試験
7.4.1 試薬及び装置
試薬及び装置は,JIS T 6002の4.1.2(試薬及び装置)による。pHメータの感度は,±0.1 pH以内とす
る。
7.4.2 試験溶液
試験溶液は,JIS T 6002の4.1.3(試験溶液の調製方法)による。試験ごとに新しい試験溶液を調製する。
7.4.3 手順
手順は,次による。
a) 6.3によって作製した各試験片の表面積を0.1 cm2の桁まで求める。
b) 試験片をエタノール又はメタノールに浸せきし,2分間超音波洗浄する。試験片を水洗し,水分及び
油分を含まない圧縮空気で乾燥する。
c) IS T 6002の4.1.5(試験方法)によって試験する。試験溶液の不純物量を確定するために,試験と同
時に基準溶液を調製する。試験溶液とほぼ同量の基準溶液を別のガラス容器(試験管)に入れ,その
量を0.1 mLの精度で記録する。蒸発を防ぐために,容器の蓋を閉じ,37±1 ℃で7日±1時間保つ。
試験片を取り出した後の溶液のpHを記録する。
7.4.4 分析
腐食試験後の試験溶液の分析は,溶加材及び金属材料(母材)の含有量が0.1 %を超える成分元素につ
いて,十分な感度の分析方法によって定量する。さらに,ニッケル,カドミウム,ベリリウム及び鉛につ
いても定量する。
7.4.5 顕微鏡検査
画像が記録できる顕微鏡を用い,腐食試験前後の試験片について,溶接部を含む視野の10倍拡大画像を
記録する。記録した画像によって,溶接部近傍の選択的な腐食の有無を確認する。
7.4.6 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 分析方法及び分析対象とする元素の検出限界
b) それぞれの試験溶液から検出された元素の7日間当たりの溶出量(それぞれ個別にμg/cm2の単位)
c) それぞれの試験溶液から検出された7日間当たりの溶出イオンの全量
8 溶加材の表示及び添付文書
8.1 表示
溶加材の包装には,次の事項を表示しなければならない。
a) 製品名(販売名)
b) 成分分量(%)
c) ニッケルの含有量及び注意事項(0.1 %を超える場合)
d) 質量
――――― [JIS T 6128 pdf 8] ―――――
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e) 製造販売業者名及びその所在地
f) 製造番号又は製造記号
g) 他の法定表示事項
8.2 添付文書
溶加材には,次の事項を記載した添付文書を添付しなければならない。
a) 成分分量(%)
b) 接合強さ
c) 使用方法
d) 推奨する金属材料及び/又はその組合せ
e) ニッケルの含有量及び注意事項(0.1 %を超える場合)
f) 金属粉じん(塵)の吸引に関する注意事項
g) 使用上の注意事項
h) 他の法定記載事項
9 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 使用した溶加材に関する情報
b) 使用したレーザ溶接装置に関する情報
c) レーザ溶接の条件(パルスエネルギー,電流,パルス幅,周波数,焦点設定,保護ガスなど)
d) 接合強さ及び腐食試験に用いた開先形状
e) 接合強さ及び耐食性
――――― [JIS T 6128 pdf 9] ―――――
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附属書A
(参考)
レーザ溶接の品質保証
A.1 一般
この附属書は,金属材料を適切かつ確実に接合させるレーザ溶接方法に関する推奨事項を記載する。
A.2 レーザ溶接装置のオペレータの訓練
レーザ溶接装置のオペレータは,次の事項について十分な知識及び経験をもつことが望ましい。
a) 溶接の準備
b) 材料の適合性
c) 要求品質
d) 品質試験
e) 加工ステーション及び装置
A.3 加工ステーション及び装置
レーザ溶接ユニットは,目的とする溶接操作に適することが望ましい。
溶接は,シールドガスとしてアルゴン(JIS Z 3253に規定する大分類I,小分類1のアルゴン)を用いる
ことが望ましい。
溶接エネルギー及び性能は,レーザ溶接装置の適切な設定(例えば,パルス電圧,パルス幅)によって
制御できることが望ましい。
顕微鏡が必要であり,15倍以上に拡大できることが望ましい。
A.4 保護具及び安全対策
A.4.1 一般
溶接作業を行うときには,定められた保護具が全て配備されていること,及び必須の安全対策を遵守す
ることが必要である。
A.4.2 レーザ照射からの人の防護
レーザ照射遮蔽(例えば,シャッタ)の機能性及び有効性を定期的に点検しなければならない。
A.4.3 粉じん(塵)及びヒュームからの人の防護
いつでも使える排気システムが配備されていて,十分に保守されていることが必要である。
A.5 保守及び作動状態
A.5.1 溶接装置の保守
レーザ溶接装置は,製造販売業者の取扱説明書によって定期的に保守することが望ましい。保守整備は,
文書化することが望ましい。
A.5.2 作動状態
溶接を始める前に,A.9.1によってレーザ溶接装置の作動状態を十分に確認することが望ましい。
――――― [JIS T 6128 pdf 10] ―――――
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JIS T 6128:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 28319:2010(MOD)
JIS T 6128:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 6128:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙
- JIST0993-1:2020
- 医療機器の生物学的評価―第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験
- JIST6001:2012
- 歯科用医療機器の生体適合性の評価
- JIST6001:2021
- 歯科用医療機器の生体適合性の評価
- JIST6002:2014
- 歯科用金属材料の腐食試験方法
- JIST6004:2019
- 歯科用金属材料の試験方法