9
T 6128 : 2013
A.6 材料の選択
使用する材料の組合せは,付加物も含めて,この規格に規定するレーザ溶接に対する適合性の要求事項
を満足することが望ましい。
A.7 接合の技法
目的の用途に合わせて,適切な開先形状(例えば,V継手,I継手,X継手,Y継手)を用いることが望
ましい(図A.1を参照)。
大きな機械的応力を受ける部位のレーザ溶接は,避けることが望ましい。
a) 継手 b) 継手
c) 継手 d) 継手
図A.1−開先形状
A.8 溶接結果の検査
溶接結果は,A.9.2及びA.9.3で要求される,品質及び安全に関係する特性全てを示すことが望ましい。
A.9 試験
A.9.1 レーザ溶接の作動状態
A.9.1.1 一般
溶接パラメータの調整機能を確認するために,レーザ溶接装置の製造販売業者の取扱説明書に従って確
認を行うことが望ましい。
A.9.1.2 目視検査
レーザ溶接装置の全ての機能表示器は,全作動状態を表示することが望ましい。
シールドガスは,流量を調節することが望ましく,作動圧を再調整しなければならないかもしれない。
保護眼鏡の汚れは,適切なガラス洗剤で除くことが望ましい。
A.9.1.3 顕微鏡の設定
十字線付きの接眼レンズは,焦点がはっきり合っていることが望ましい。
溶接する金属材料の表面を,リフトテーブルなどで高さ調節して,焦点面へ移動させる。接眼レンズの
焦点をこの第2平面に合わせる。
焦点の不一致は,オペレータの視覚機能の障害に起因している可能性があり,レーザ溶接装置の製造販
売業者の取扱説明書に従って,矯正しなければならないかもしれない。
A.9.1.4 レーザビームの確認
黒化させた感光紙によって,レーザビームを確認することが望ましい。
感光紙を,溶接チャンバの底部に,平らにして正しい位置に置く。
――――― [JIS T 6128 pdf 11] ―――――
10
T 6128 : 2013
製造販売業者が示す中間的なエネルギー及び照射時間のデータによって規定するパラメータを用いて,
試験照射を行い,感光紙の表面を燃焼させる。感光層の蒸発は,円形であり,欠けていないことが望まし
い。蒸発ゾーンの小さな欠陥は,許容し得る。
A.9.1.5 シールドガス・ゾーンの設定
装置に使用する流量可変のシールドガスは,溶接部位の全体に均一に流すことが望ましい。
シールドガスは,レーザ溶接装置の製造販売業者の取扱説明書に従って流すことが望ましい。
A.9.1.6 溶接パラメータの設定及び調整
レーザ溶接装置のパラメータ設定後,直ちに近接した点を繰り返し燃焼させ,ペーパブロックの深さと
して設定値を記録することが望ましい。このようにして,以後の調整は,ペーパブロックの深さで確認す
ることができる。
A.9.1.7 溶接パラメータの最適化
溶接パラメータは,溶接条件の変更に応じて,次のように最適化することが望ましい。
a) 試験溶接は,リフトテーブルなどで高さ調節して,正確な焦点面で行う。
b) 溶接パラメータは,溶接形態及び接合する金属材料に依存するので,予備試験によって決定し調整す
る。
注記 用いた溶接パラメータごとに合金板を点溶接して,これを破断し,溶接部の溶込み深さ及び
溶融部の直径を記録する。破断面に,目に見える空洞,筒状のくぼみ又は割れがあってはな
らない。この目視検査は,レーザ溶接装置の顕微鏡拡大下にて行う。
A.9.2 顕微鏡検査
作業の終了前及び終了時に,顕微鏡を用いて,次の不完全部(JIS Z 3001-4に規定する分類)を検出又
は除外するために,溶接の結果を確認することが望ましい。
a) 割れ
b) 空洞
c) 融合不良・溶込不良
d) 形状不良
e) その他の不完全部
溶接スポットは,重なり程度が70 %以上で,一様に重なっていることが望ましい。
予定した接合点に対して適切な位置であるか,溶接スポットを確認することが望ましい。欠点は修正す
ることが望ましい。修正が不可能な場合には,要求を満たさない。
A.9.3 適合
歯科に要求される適合は,模型上で確認することが望ましい。
――――― [JIS T 6128 pdf 12] ―――――
11
T 6128 : 2013
参考文献
[1] JIS T 6101 歯科用ニッケルクロム合金線
[2] JIS T 6102 歯科用ニッケルクロム合金板
[3] JIS T 6103 歯科用ステンレス鋼線
[4] JIS T 6104 歯科用コバルトクロム合金線
[5] JIS T 6105 歯科非鋳造用金銀パラジウム合金
[6] JIS T 6106 歯科鋳造用金銀パラジウム合金
[7] JIS T 6113 歯科鋳造用14カラット金合金
[8] JIS T 6115 歯科鋳造用コバルトクロム合金
[9] JIS T 6116 歯科鋳造用金合金
[10] JIS T 6118 歯科メタルセラミック修復用貴金属材料
[11] JIS T 6121 歯科メタルセラミック修復用非貴金属材料
[12] JIS T 6122 貴金属含有量が25 %以上75 %未満の歯科鋳造用合金
[13] JIS T 6123 固定性歯科修復物用非貴金属材料
[14] JIS T 6124 歯科非鋳造用金合金
[15] JIS T 6125 歯科非鋳造用低カラット金合金
[16] JIS Z 3001-4 溶接用語−第4部 : 溶接不完全部
注記 対応国際規格 : ISO 6520-1,Welding and allied processes−Classification of geometric imperfections
in metallic materials−Part 1: Fusion welding(MOD)
[17] JIS Z 3253 溶接及び熱切断用シールドガス
注記 対応国際規格 : ISO 14175,Welding consumables−Gases and gas mixtures for fusion welding and
allied processes(MOD)
[18] ISO 1942,Dentistry−Vocabulary
――――― [JIS T 6128 pdf 13] ―――――
T6
2
附属書JA
12
(参考)
8 : 2
JISと対応国際規格との対比表
0 13
JIS T 6128:2013 歯科用金属材料のレーザ溶接 ISO 28319:2010 Dentistry−Laser welding
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
2 引用規
格
3 用語及 3.3 溶加材 3 − 追加 “溶加材”を追加した。 “溶加材”は,溶接用語であるも
び定義 のの歯科分野では一般的でない
ため。
4 品質 4.1 生体適合性 4.2 参照することが望ましい 変更 規定に変更した。 他のJISに整合させた。
評価する
4.2 外観 − − 追加 “外観”を追加した。 他のJISに整合させた。
4.3.1 母材 4.1.1 接合される金属材料 変更 JISの規定に変更した。 個別JISなどが制定されているた
め。
4.3.2.1 一般 4.1.2.2 許容差 変更 項目名を“一般”とした。 適切な項目名にした。
表1 4.1.2.2 許容差 変更 分かりやすくした。
“貴金属元素”及び“その他の
元素”に分けて表にまとめた。
許容差±0.5 %の規定を貴金属非貴金属元素の許容差の規定に
元素に限定した。 矛盾がある。ISO規格改正時に提
案する。
4.3.2.2 表示及び添 4.1.2.1 化学組成 変更 項目名を変更した。 適切な項目名にした。
付文書への記載
4.4 接合強さ
a) 母材の耐力 4.3 レーザ溶接部の機械的強 変更 JISの規定に変更した。 ISO規格の誤り。ISO規格改正時
さ に提案する。
4.5 耐食性
a) 母材 4.4 耐食性 変更 JISの規定に変更した。 ISO規格の表現は,曖昧である。
――――― [JIS T 6128 pdf 14] ―――――
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
6 試験片 6.1 一般
の作製 製造販売業者 6.1 製造業者 変更 薬事法による。
“製造販売業者”に変更した。
以下同様。
6.2 引張試験片
図1 a) 6.2 引張試験用試料 選択 図1 a) を追加し,試験片を選ISO規格の不足をJISで補完し
択できるようにした。 た。
6.2 c) 注記 6.2 引張試験用試料 変更 “注記”に変更した。 “参考”の内容である。
7 試験方 7.1 外観試験 7.1 目視検査 変更 “外観試験”に変更した。 他のJISに整合させた。
法
7.2 定量試験 7.2 化学成分 追加 JISの規定を追加した。 JIS T 6004に整合させた。
7.3.1 一般 7.3.1 一般 削除 ISO 22674の引用部分を削除 この規定と重複するため。
した。
8 溶加材 8.1 表示
の表示及 b),g) 9.2 − 追加 b),g) を追加した。 我が国の法定表示に従った。
び添付文 8.2 添付文書
書 h) 8 − 追加 h) を追加した。 我が国の法定表示に従った。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 28319:2010,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除·················· 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加·················· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更·················· 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択·················· 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD··············· 国際規格を修正している。
T6 128 : 2
0 13
2
JIS T 6128:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 28319:2010(MOD)
JIS T 6128:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 6128:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙
- JIST0993-1:2020
- 医療機器の生物学的評価―第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験
- JIST6001:2012
- 歯科用医療機器の生体適合性の評価
- JIST6001:2021
- 歯科用医療機器の生体適合性の評価
- JIST6002:2014
- 歯科用金属材料の腐食試験方法
- JIST6004:2019
- 歯科用金属材料の試験方法