JIS T 6530:2017 歯列矯正用ワイヤ | ページ 2

4
T 6530 : 2017

6.3 オーステナイト終了温度

6.3.1  示差走査熱量測定装置による測定 測定装置は1 ℃まで校正したものを用いる。
6.3.1.1 手順
手順は,次による。
a) 示差走査熱量測定法によってオーステナイト終了温度を測定する。
b) 昇温速度は,10±2 ℃/minとする。
c) 試験装置に適した長さに試料を切断する。
6.3.1.2 オーステナイト終了温度の測定
示差走査熱量測定法によって得られた曲線(図2参照)を用いて,示差熱曲線の谷の高温側から,変曲
点における接線と隣接するベースラインの漸近線との交点を,オーステナイト終了温度(Af)とする。
図2−示差走査熱量測定曲線
6.3.2 曲げ及び自由回復法による測定 測定装置は1 ℃まで校正したものを用いる。
6.3.2.1 手順
ASTM F2082による曲げ及び自由回復法によってオーステナイト終了温度(Af)を測定する。
6.3.2.2 オーステナイト終了温度の測定
ASTM F2082の試験結果による曲げ及び自由回復の曲線からオーステナイト終了温度(Af)を決定する。

6.4 機械的試験

6.4.1  一般
引張試験又は曲げ試験の試料は,真っすぐなものとする。ワイヤがコイル状で供給される場合には,真
っすぐにする。成形されたアーチワイヤから試料を採取する場合には,アーチワイヤの最も真っすぐな部
分から試料を切り取る。
6.4.2 引張試験
6.4.2.1 一般
ヤング率,0.2 %耐力及び破断伸びは,JIS Z 2241によって求める。
6.4.2.2 機器
6.4.2.2.1 引張試験装置 0.52.0 mm/minの範囲でクロスヘッド速度を校正及びロードセルを校正した
もの。
6.4.2.2.2 マイクロメータ又は同等精度の寸法測定器 0.005 mmの精度をもつマイクロメータ又はこれ
と同等の精度をもつ測定器を用いる。マイクロメータは,JIS B 7502に規定する最小表示量が0.001 mmの

――――― [JIS T 6530 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
T 6530 : 2017
もの又はこれと同等のものとする。
6.4.2.3 手順
手順は,次による。
a) クロスヘッド速度は,0.52.0 mm/minの範囲とする。
b) マイクロメータ又は同等精度の測定器(6.4.2.2.2)を用いて寸法を測定し,原断面積(S0)を求める。
円形断面の製品については,直交する2方向で測定した二つの直径の算術平均から原断面積を算出す
る。また,原断面積は,長さが既知の試料の質量及びその材料の密度からも求められる。
c) 原標点距離(L0)は,20±0.2 mmとする。
d) 試験機のチャック間の距離は,L0+50 mm以上とする。
e) 0.1 mmの精度をもつ器具を用いて,破断伸びを測定する。
f) 応力−ひずみ線図の直線部分の勾配から,ヤング率を求める。
g) 応力−ひずみ線図において,ひずみが0.2 %の点から耐力を求める。
6.4.3 曲げ試験
6.4.3.1 機器
6.4.3.1.1 圧縮試験装置 0.52.0 mm/minの範囲でクロスヘッド速度を校正及びロードセルを校正した
もの。
6.4.3.2 手順
手順は,次による。
a) クロスヘッド速度は,1.25±0.75 mm/minとする。
b) 試料を長さ30 mm以上に切断する。
c) ワイヤを対称3点曲げで試験する。
d) ワイヤの支点間距離を10 mmとする(図3参照)。
e) 中央に置かれた圧子によって,たわみを与える。
f) 支点及び圧子の先端の半径は,0.10±0.05 mmとする。
g) 断面が長方形のワイヤは,ワイヤの高さ方向に荷重を加えて試験する。
単位 mm
1 圧子
2 支点
注a) 支点及び圧子の先端の半径は,0.10±0.05 mm。
図3−3点曲げ試験
6.4.3.3 タイプ1のワイヤの手順
手順は,次による。

――――― [JIS T 6530 pdf 7] ―――――

6
T 6530 : 2017
a) タイプ1のワイヤは,室温23±2 ℃で試験する。
b) ワイヤに0.1 mm以上の永久変形を与える。
c) オフセット曲げ荷重は,0.1 mm永久変形したときの荷重とする。
d) 荷重たわみ比は,荷重たわみ曲線(図4参照)における直線部分の勾配を算出して求める。


(N)
たわみ(mm)
0.1 mm永久変形
図4−荷重たわみ曲線(タイプ1)
6.4.3.4 タイプ2のワイヤの手順
手順は,次による。
a) タイプ2のワイヤは,36±1 ℃の温度範囲で試験する。
b) ワイヤに3.1 mmまで変位を与える。
c) 荷重たわみ曲線(図5参照)によって,荷重を除く過程での3.0 mm(F1),2.0 mm(F2),1.0 mm(F3)
及び0.5 mm(F4)のたわみにおける荷重を求める。


(N)
0.5 1.0 2.0 3.0
たわみ(mm)
a 除荷曲線(下側の曲線)から結果を求める。
図5−荷重たわみ曲線(タイプ2)

――――― [JIS T 6530 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
T 6530 : 2017

7 包装,表示及び添付文書

7.1 包装

  ワイヤは,輸送中又は保管中,汚損が十分に防げるよう包装しなければならない。

7.2 表示

  包装には,次の事項を表示しなければならない。
a) 製品名及び種類
b) 内容量
c) ワイヤの寸法(mm又は呼び)
d) ニッケルの含有量及び注意事項(0.1 %を超える場合)
e) 製造番号又は製造記号
f) 製造販売業者名及び所在地
g) その他法定要求事項

7.3 添付文書

  添付文書には,次の事項を記載しなければならない。
a) 製品名及び種類
b) 断面寸法(mm)
c) 機械的性質
d) オーステナイト終了温度(該当する場合)
e) 成分分量(法定の歯科用金属の規定による)
f) ニッケルの含有量及び注意事項(0.1 %を超える場合)
g) 推奨する熱処理手順(該当する場合)
h) その他法定要求事項

――――― [JIS T 6530 pdf 9] ―――――

    8
T 6530 : 2017
T6
2
附属書JA
53
(参考)
0 : 2
JISと対応国際規格との対比表
0 17
JIS T 6530:2017 歯列矯正用ワイヤ ISO 15841:2014,Dentistry−Wires for use in orthodontics
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の (V) JISと国際規格との技術
国際 箇条ごとの評価及びその内容 的差異の理由及び今後の対
規格 策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
及び題名 番号 の評価
2 引用規格
3 用語及び 3.1オーステナイト終了 3.1 オーステナイト変態終了温度 Taf変更 TafをAfに変更した。 国内で一般的に用いられて
定義 温度 Af いる記号を用いた。
3.1 − − 追加 注記を追加した。 ISO規格で使用している記号
注記 AfはISO規格で を注記で示した。
はTaf と表記している。
3.4 角ワイヤの最大断 3.4 3.4 長方形ワイヤの最大断面寸法変更 “長方形ワイヤ”を“角ワ角ワイヤには正方形のもの
面寸法 イヤ”に変更した。 もあるため,国内で用いられ
る一般的な呼称に変更した。
以下,原文で“rectangular
wire”とされる部分を一律に
変更した。
5 要求事項 5.1 生体適合性 − − 追加 他のJISに整合させた。
JIS T 0993-1及びJIS T 6001
によって評価することを規
定した。
5.3 多重よ(撚)り線ワ 5.3 変更
5.3 多重よ(撚)り線ワイヤの寸法 内容を把握しやすいように旧JISの表現に整合させた。
イヤの寸法は,想定され は,ワイヤがぴったりと収まるチュ 変更した。
る最大寸法とする。 ーブを想定したときのチューブの
内側寸法でなければならない。
5.5.1 ヤング率 5.4.1 弾性率 変更 “弾性率”を“ヤング率”薬事上の試験項目名及び旧
に変更した。以下同様。 JISの表現と整合させた。

――――― [JIS T 6530 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS T 6530:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 15841:2014(MOD)

JIS T 6530:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 6530:2017の関連規格と引用規格一覧