JIS T 6612:2020 歯科高温鋳造用埋没材,プレスセラミックス用埋没材及びセラミックス用耐火模型材 | ページ 3

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片を取り出し,温度23 ℃±2 ℃,相対湿度(50±10)%の環境に保管する。
h) 製造業者又は製造販売業者が指定する場合には,硬化後,焼却温度に加熱する前に試験片の処理を行
う。
注記 試験片の処理には,例えば,硬化後のレジンへの浸せき(漬),オーブンでの乾燥が該当する。
7.4.4 試験手順
試験手順は,次による。
a) 試験の前に,±0.02 mmの精度で,各試験片の直径(D)を測定し記録する。
b) 練和開始から120分±5分後に,各試験片の圧縮試験を開始する。ただし,硬化後,鋳造温度に加熱
される前に行う材料の処理に関して,製造業者又は製造販売業者の指定がある場合には,それに従う。
製造業者又は製造販売業者が練和開始から125分を超えて完了する処理を指定している場合には,そ
の処理が完了後,直ちに,圧縮試験を開始する。
c) 試験片の軸方向に荷重がかけられるように,圧縮試験機に各試験片を置く。試験片と圧盤との間に,
物を挟まない。破壊が起こるまで5 kN/min±2 kN/minで圧縮力を増加させる。破壊が生じたときの圧
縮力をニュートン単位で記録する。圧縮試験機がクロスヘッド速度を制御するタイプの場合は,この
速度は,荷重を最初にかけてから試験片が破断するまでの平均速度が5 kN/min±2 kN/minになるよう
に調節する。
7.4.5 計算
試験した各試験片について,次の式によって,圧縮強さ(S)を求める。
4F
S
πD2
ここに, S : 圧縮強さ(最大応力)(MPa)
F : 破壊が生じたときの圧縮力(最大の圧縮力)(N)
D : 試験片の直径(mm)
7.4.6 評価
評価は,次による。
a) 4個以上が5.5に適合したときは,合格とする。
b) 2個以下が5.5に適合したときは,不合格とする。
c) 3個が5.5に適合したときは,更に5個の試験片で試験を行い,5個全てが5.5に適合したときは,合
格とする。

7.5 熱による寸法変化

7.5.1 機器
7.5.1.1 熱膨張測定装置
7.5.1.1.1 一般特性
熱膨張測定装置は,試験片に10 kPa以下の応力を生じる測定力の測定器を備え,23 ℃から試験片の使用
最高温度までの範囲にわたって,測定する長さの±0.02 %の精度で,長さの変化を測定でき,温度測定の
精度は±5 ℃以内のものを用いる。
7.5.1.1.2 クラス1材料用 23 ℃から試験片の使用最高温度までの範囲にわたって,5 ℃/min±1 ℃/min
の速さで昇温できるもの。
7.5.1.1.3 クラス2材料用 23 ℃から試験片の使用最高温度までの範囲にわたって,25 ℃/min±5 ℃/min
の速さで昇温できるもの。

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7.5.1.2 型 熱膨張測定装置に適する大きさの円筒形試験片を作製するための耐食性の材料で作られた
型で,均一な断面の試験片を作製できるもの。試験片は,長さ20 mm50 mm,直径は最大12 mmでなけ
ればならない。
7.5.1.3 延長型 内径が型と同じであり,長さ20.0 mm±0.4 mmの耐食性の材料で作製した円筒形の延長
型。延長型は,エチルシリケート系埋没材だけに必要である。
7.5.1.4 ワックス スティッキーワックス,シートワックスなどを用いる。
7.5.1.5 歯科用バイブレータ
7.5.1.6 分離剤 シリコーンスプレー,シリコーングリスなど。
7.5.1.7 マイクロメータ JIS B 7502に規定するもの又は同等のもの。±0.02 mmの精度で,長さ50.00 mm
までの試験片を測定できるもの。
7.5.1.8 歯科用トリマ エチルシリケート系埋没材に用いる。
7.5.1.9 焼却炉 タイプ3の製品に用いる。焼却温度に設定した場合,温度が±5 ℃まで正確なもの。
7.5.1.10 ガラス板 100 mm×100 mmの平滑なガラス板。
7.5.2 試験片の数
二つの練和物からそれぞれ1個の試験片を作製する。
1個の試験片が要求事項を満たし,1個が満たさない場合は,三つの練和物からそれぞれ1個の試験片が
必要となる。
7.5.3 試験片の作製
7.5.3.1 エチルシリケート系埋没材以外の製品
試験片の作製は,次による。
a) 型及び延長型の内側に分離剤を薄く塗布し,ガラス板の中央に置く。
b) 粉末及び液を6.3によって練和し,歯科用バイブレータを用い,僅かに振動させながら,練和物を型
の上端から少し盛り上がるまで流し込む。
c) 練和物の表面から光沢が消失する前に振動を止め,練和物の表面から光沢が消失したら,直ちに,型
の上端と同じ高さに,埋没材を削り落とす。
d) 製造業者又は製造販売業者が指定する,最も早い焼却開始時間の前に,型から試験片を取り出す。
7.5.3.2 エチルシリケート系埋没材
試験片の作製は,次による。
a) 型及び延長型の内側に分離剤を薄く塗布し,ガラス板の中央に置く。
b) 延長型を,型の上面に足して,ワックスで固定する。
c) 粉末及び液を6.3によって練和し,歯科用バイブレータを用い,僅かに振動させながら,練和物を型
及び延長型の上端から少し盛り上がるまで流し込む。
d) 練和物の表面から光沢が消失し終わる前に,振動を止める。
e) 製造業者又は製造販売業者が指定する硬化時間に,型から延長型を取り除く。
f) 歯科用トリマを用いて,型の上端に高さを合わせて,試験片をトリミングする。製造業者又は製造販
売業者が指定するトリミング法を用いる。試験片の上面は,平らで,底面と0.05 mm以内で平行でな
ければならない。
g) 製造業者又は製造販売業者が指定する最も早い焼却時間の前に,型から試験片を取り出す。
h) 製造業者又は製造販売業者が指定する場合には,硬化後,焼却温度に加熱する前に試験片の処理を行
う。

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注記 試験片の処理には,例えば,レジンへの浸せき(漬),オーブンでの乾燥が該当する。
7.5.4 線熱膨張の試験手順(タイプ1及びタイプ2の製品)
7.5.4.1 一般
手順は,次による。
a) 試験片の長さを±0.02 mmの精度で測定する。
b) 試験片を熱膨張測定装置に入れ,製造業者又は製造販売業者が推奨する最も早い焼却開始時間から,
クラス1の材料の場合は5 ℃/min±1 ℃/minの速度で,クラス2の材料の場合は25 ℃/min±5 ℃/min
の速度で,最終温度まで昇温させる。
c) 熱膨張測定装置の測定値を,環境温度から最終温度まで,試験片の長さの増加を最初の長さの±0.02 %
の精度で,温度±5 ℃の精度で,連続的に測定し記録する。
d) 製造業者又は製造販売業者が指示する時間,試験片を最終温度で保持する。最終温度の保持時間が指
示されていない場合は,15分間保持する。
e) その後は,次の手順に従う。
7.5.4.2 具体的な手順
手順は,次による。
a) 金属鋳造の使用を目的としたタイプ1及びタイプ2の製品の場合は,焼却温度の型に鋳造することが
指示されているときは,焼却温度が最終温度となる。
b) 最初の長さに対するこの温度での試験片の長さの変化を測定し,鋳造温度での線熱膨張率として±0.1 %
の精度で計算し,記録する。
c) 焼却後に冷却して鋳造することが指示されているときは,クラス1の製品は5 ℃/min±1 ℃/minの速
度で,クラス2の製品は25 ℃/min±5 ℃/minの速度で鋳造温度まで冷却する。
d) この間の試験片の長さの変化を,最初の長さの±0.02 %の精度,温度±5 ℃の精度で,連続的に測定
し記録する。焼却温度から冷却後に残った長さを決定する。
e) この値と最初の長さとを用いて鋳造温度における線熱膨張を計算し,この値を最初の長さの0.1 %単
位の割合に換算し,線熱膨張率として記録する。
f) 歯科用プレスセラミックスの使用を目的とするタイプ1の製品の場合は,推奨する最高セラミックプ
レス温度が最終温度となる。
g) 最初の長さに対するこの温度での試験片の長さの変化を測定し,プレス温度における線熱膨張を計算
し,この値を最初の長さの0.1 %単位の割合に換算し,線熱膨張率として記録する。
7.5.5 熱による線寸法変化の試験手順(タイプ3の製品)
7.5.5.1 線焼成収縮率
手順は,次による。
a) 試験片の長さを±0.02 mmの精度で測定する。
b) クラス1の材料の場合は,製造業者又は製造販売業者が指定する最も早い焼却開始時間に試験片を焼
却炉に置き,初期温度(環境温度)から最終焼却温度まで,5 ℃/min±1 ℃/minの速度で昇温する。
c) クラス2の材料の場合は,25 ℃/min±5 ℃/minの昇温速度で同じ手順を行う。
d) 製造業者又は製造販売業者が硬化直後の模型を直接加熱炉に入れることを指示する場合は,指示され
た焼却温度に加熱した焼却炉に直接試験片を入れ,指定された焼却温度で,指定された時間保持する。
保持時間の指示がない場合は,15分間保持する。
e) 製造業者又は製造販売業者が指示する冷却方法で,試験片を環境温度まで冷却する。冷却したら試験

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片の長さを±0.02 mmの精度で測定する。
f) 線焼成収縮率は,試験片の最初の長さと焼却して冷却した後の長さとの変化であり,これを最初の長
さに対する割合として0.1 %の単位で記録する。
7.5.5.2 線熱膨張率
手順は,次による。
a) 線熱収縮で使用した試験片を熱膨張測定装置の中に入れ,熱膨張測定装置の温度を最高セラミックス
焼成温度まで5 ℃/min±1 ℃/minの速度で昇温する。
b) 試験片の長さの変化を,最初の長さの±0.02 %の精度,温度±5 ℃の精度で,連続的に測定し記録す
る。
c) 試験片を最高セラミックス焼成温度で製造業者又は製造販売業者が指示する時間保持する。保持時間
の指示がない場合は,15分間保持する。
d) 線熱膨張率は,焼却及び冷却後の長さから最高セラミックス焼成温度まで加熱した後の試験片の長さ
の変化であり,焼却及び冷却後の長さに対する割合として0.1 %の単位で記録する。
7.5.6 評価
7.5.6.1 タイプ1及びタイプ2
評価は,次による。
a) 2個が5.6に適合したときは,合格とする。
b) 2個が5.6に適合しないときは,不合格とする。
c) 1個だけが5.6に適合したときは,更に3個の試験片で試験を行い,3個全てが5.6に適合したときは,
合格とする。
7.5.6.2 タイプ3
評価は,次による。
a) 2個の試験片の線焼成収縮率及び線熱膨張率が5.6に適合したときは,合格とする。
b) 少なくとも1個の試験片の線焼成収縮率及び線熱膨張率の両方が5.6に適合しないときは,不合格と
する。
c) 1個の試験片の線焼成収縮率及び線熱膨張率の両方が5.6に適合し,1個の試験片の線焼成収縮率又は
線熱膨張率の一方が5.6に適合しないときは,更に3個の試験片で試験を行い,3個の試験片の線焼成
収縮率及び線熱膨張率の両方が5.6に適合したときは,合格とする。その他の場合には,不合格とす
る。

7.6 膨張の妥当性(タイプ1及びタイプ2の製品)

7.6.1 一般
この試験には円盤状パターンを用いる。パターン及びそのパターンから作製する鋳造物又はプレスセラ
ミックスの円盤の直径を測定し,比較する。鋳造用埋没材及びプレスセラミック用埋没材の操作手順は,
製造業者又は製造販売業者が指定する手順を用いる。鋳造に用いる金属材料は,製造業者又は製造販売業
者が推奨するものでなければならない。
7.6.2 タイプ1及びタイプ2(歯科鋳造用)
7.6.2.1 材料及び機器
7.6.2.1.1 成形機 鋳造用の円盤状パターンを作製するための機器,例えば,レジン材料用の旋盤。
7.6.2.1.2 測定器 円盤状のパターン及び鋳造物の直径を,±0.005 mmの精度で測定できるもの。ワック
スなどの軟らかいパターン材料を用いる場合には,非接触測定を行う。

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7.6.2.1.3 歯科用鋳造機 歯科用鋳造物の作製に通常用いるもの。
7.6.2.1.4 サンドブラスト JIS R 6010に規定する粒子径が50 μm以下のと(砥)粒を用いるもの。
7.6.2.1.5 パターン作製用材料 JIS T 6503に規定する歯科用キャスティングワックス,又は円盤状パタ
ーンを作製するのに適するレジン材料。この材料は,加熱時に鋳型をひび割れさせてはならない。
7.6.2.1.6 歯科鋳造用金属 ISO 22674に規定するもの。埋没材の用途と合致したもので,単一ロットの
新しい金属でなければならない。
7.6.2.1.7 ゴム質研磨ホイール 歯科技工用ハンドピースに取り付けて使用するもの。
7.6.2.1.8 歯科鋳造用リング 製造業者又は製造販売業者が指定する耐食性の材料で作製されたもの。
7.6.2.1.9 ライナ 製造業者又は製造販売業者が指定する場合。
7.6.2.2 試験片の数
三つの練和物からそれぞれ1個の試験片を作製する。2個の試験片が要求事項を満たしていない場合は,
更に三つの練和物からそれぞれ1個の試験片が必要となる。
7.6.2.3 パターン
ワックス又はレジン材料からなり,直径12.0 mm±1.0 mm,厚さ1.5 mm±0.5 mmで,円形度が0.01 mm
を超えるゆがみのない円盤を準備する(図2参照)。
パターンの直径を等間隔(30°間隔)で6か所を測定して0.005 mmの単位で記録し,平均値を0.001 mm
で丸めて計算する。
単位 mm
1 スプルー
2 円盤状パターン
図2−スプルー付きの円盤状パターン
7.6.2.4 試験手順
手順は,次による。
a) 縁をきずつけないようにして,真っすぐなスプルーを,円盤面片面の中心に直角に取り付ける(図2
参照)。
注記 スプルーの直径及び長さは,完全に鋳造できるようにサイズが規定されていない。
b) スプルーが鋳造用リングの軸と平行になるようにパターンを円すい台に1個ずつ植立する。
c) 粉末及び液を6.3の方法で練和し,鋳造用リングに埋没する。埋没材の練和に特殊液を用いることが
指示されている場合は,指定の特殊液を製造業者又は製造販売業者が指定する方法で希釈して使用す
る。
d) 製造業者又は製造販売業者が指定する方法で,焼却し,鋳造する。
e) 鋳型から鋳造した金属円盤を取り出して,サンドブラストによって付着した埋没材を除去する。

――――― [JIS T 6612 pdf 15] ―――――

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JIS T 6612:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 15912:2016(MOD)

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