この規格ページの目次
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4.4 洗浄滅菌器の滅菌性能
洗浄滅菌器の滅菌性能として,10−6以下の無菌性保証レベル(SAL)でなければならない。
滅菌性能の証明は,標準試験負荷を使用したオーバーキル法,ハーフサイクル法などの滅菌試験によっ
て行う。
4.5 脱気性能
4.5.1のボウィー・ディックテストと4.5.2の空気漏れ試験とは,相互補完関係にある。したがって,真
空脱気式滅菌サイクルをもつ洗浄滅菌器は,4.5.1及び4.5.2の規定を満たさなければならない。
ただし,重力置換式滅菌サイクルをもつ洗浄滅菌器は,4.5.1及び4.5.2の規定を適用しない。
4.5.1 ボウィー・ディックテスト
脱気機構は,5.5.1に従い試験したとき,有効性を確認できなければならない。
4.5.2 空気漏れ試験
空気漏れ試験は,5.5.2に従い試験したとき,有効性を確認できなければならない。
4.6 乾燥性能(該当する場合)
繊維質材料のチャレンジテストパックにおける乾燥性能の確認は,滅菌試験前後の質量変化及びぬれ染
みの有無で判定する。質量変化は滅菌前の+5 %以下とし,かつ,布類に水滴によるぬれ染みが付いてい
るところがあってはならない。
包装した器具類のチャレンジテストパックにおける乾燥性能の確認は,滅菌試験前後の質量変化及びぬ
れ染みの有無で判定する。質量変化は滅菌前の+3 %以下とし,かつ,布類に水滴によるぬれ染みが付い
ているところがあってはならない。パックごとに,その構成物が乾燥していることを確認する。
また,滅菌温度より高い温度で乾燥を行う洗浄滅菌器では,チャレンジテストパック及びダミーが熱に
よる損傷(変形,変色など)を受けてはならない。
4.7 洗浄性能の評価
洗浄性能評価試験を行った結果,試験プレート上にテストソイルの黒色残留物を認めてはならない。
4.8 洗浄滅菌器性能の保証及び記録
この規格によって実施された試験の報告書は,洗浄滅菌器製造業者が保存しなければならない。
5 試験・検査
この箇条では箇条4で規定する要求事項への適合性を確認できる試験の方法及び検査方法を示す。これ
らの試験・検査は形式試験であり,ルーチン試験又は納入先における設置試験,受入れ試験若しくは予防
保全試験を意図してはいない。
なお,測定機器などは,次による。
a) 測定機器及び計器 洗浄滅菌器の検査に使用する測定機器及び計器は,校正をしなければならない。
校正の頻度及び校正方法を規定した品質保証プログラムを文書化しなければならない。
すべての検査計器は,国家標準に対してトレーサビリティが明確なものを使用しなければならない。
b) 洗浄滅菌器の据付け及び運転 箇条4の要求事項に適合する試験検査に用いる洗浄滅菌器は,取扱説
明書などの記載文書に従った方法で据え付けられ,運転しなければならない。また,そのときの環境
は製造業者が指定した条件とし,その試験条件を記録しなければならない。
c) 洗浄滅菌器の試験適用範囲 チャンバの間口(高さ×幅)が同一である場合には,奥行き,及び扉又
はふたの枚数,並びに扉又はふたの締付機構にあっては,その代表とする長さを用いて検証すること
ができる。ただし,制御装置の性能及び仕様が異なる場合は同一とはしない。
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5.1 洗浄滅菌器の設計,構造,部品及び附属品
5.1.1 機械的安全性
機械的安全は圧力容器構造規格1),JIS C 1010-1及びIEC 61010-2-040 によって確認し,4.1.1に適合し
なければならない。
5.1.1.1 安全弁又は安全装置
安全弁又は安全装置の性能は圧力容器構造規格1)によっているかを調べる。また,その取付けについて
は目視によって確認し,4.1.1.1に適合しなければならない。
5.1.2 電気的安全性
電気的安全はJIS C 1010-1及びIEC 61010-2-040 によって確認し,また,EMCについては,JIS C 1806-1
によって確認し,4.1.2に適合しなければならない。
5.1.3 耐腐食性
5.1.3.1 チャンバの内表面
チャンバの内表面は圧力容器構造規格1) によっているかを調べ,また,材質は,目視及び/又は試験に
よって確認し,4.1.3.1に適合しなければならない。
5.1.3.2 収納用附属品
収納用附属品の材質は,目視及び/又は試験によって確認し,4.1.3.2に適合しなければならない。
5.1.4 エアフィルタ
エアフィルタは,目視によって確認し,4.1.4に適合しなければならない。
5.1.5 給蒸装置
給蒸装置は,目視によって調べ,4.1.5に適合しなければならない。
5.1.6 自動制御装置
自動制御装置は,目視によって調べ,4.1.6に適合しなければならない。
5.1.7 脚又は固定部
固定部は,目視によって調べ,4.1.7に適合しなければならない。
5.2 洗浄滅菌器の安全性
5.2.1 インターロック
インターロックは,目視によって調べ,4.2.1に適合しなければならない。
5.2.2 熱傷害の防止
熱傷害の防止はJIS C 1010-1及びIEC 61010-2-040 によって確認し,4.2.2に適合しなければならない。
5.2.3 運転サイクルの中止制御
運転サイクルの中止制御は,目視によって調べ,4.2.3に適合しなければならない。
5.2.4 騒音
騒音は,JIS Z 8737-2に従い測定し,4.2.4に適合しなければならない。
5.3 工程モニタリング・制御装置
工程モニタリング・制御装置は,目視などによって調べ,4.3に適合しなければならない。
5.3.1 チャンバ内の温度
5.3.1.1 温度のモニタリング及び記録
温度のモニタリング及び記録は,目視によって調べ,4.3.1.1に適合しなければならない。
5.3.1.2 温度センサの位置
温度センサの位置は,目視によって調べ,4.3.1.2に適合しなければならない。
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5.3.1.3 温度測定の精度
温度測定の精度は,滅菌試験における洗浄滅菌器の温度表示値と検査計器による測定値との差が規定値
内であることを目視によって調べ,4.3.1.3に適合しなければならない。
5.3.1.4 温度測定の分解能
温度測定の分解能は,目視によって調べ,4.3.1.4に適合しなければならない。
5.3.1.5 洗浄滅菌器の滅菌時の温度制御
洗浄滅菌器の滅菌時の温度制御は,滅菌試験における洗浄滅菌器の温度設定値と比較のため準備した温
度測定器による測定値との差が規定値内であることを目視によって調べ,4.3.1.5に適合しなければならな
い。
滅菌時の温度制御を検証するためにチャンバ内の温度分布を測定する場合,空のチャンバに記録可能な
機能を備えた温度測定装置を用いて,温度センサなどをチャンバ容量が100 L未満の洗浄滅菌器では少な
くとも代表する3点を,100 L以上の洗浄滅菌器では少なくとも5点以上設置し連続的に温度を読み取る。
5.3.1.6 温度測定用装置
温度測定用装置は,目視によって調べ,4.3.1.6に適合しなければならない。
5.3.2 滅菌タイマ
滅菌タイマは空のチャンバを用いて次において実施し,4.3.2に適合しなければならない。
a) 積算式の滅菌タイマは,作動確認後,時間測定装置との比較によって調べる。
b) 値演算制御方式は殺菌加熱量を設定温度における加熱時間であるF値として積分制御していること
を,疑似温度の入力を行い加熱時間を計測する。D値演算制御方式は温度によって定まるD値を積分
していることを,疑似温度の入力を行い加熱時間を計測する。F値及びD値は理論式を用いて確認し
てもよい。また,基準とするタイマの精度は時間測定装置との比較によって調べる。
注記 時間測定装置(ストップウォッチなど)は,国家標準とトレーサビリティがとれた日本電信
電話株式会社(NTT)が提供する時報サービスなどとの比較による誤差が,規定値以内であ
るものを用いることができる。
5.3.3 洗浄タイマ
洗浄タイマは,目視によって調べ,4.3.3に適合しなければならない。
5.3.4 圧力表示器
5.3.4.1 チャンバ内圧力計
チャンバ内圧力計は,目視によって調べ,4.3.4.1に適合しなければならない。
5.3.4.2 ジャケット圧力計
ジャケット圧力計は,目視によって調べ,4.3.4.2に適合しなければならない。
5.3.5 運転記録
5.3.5.1 ディジタルプリンタの記録
ディジタルプリンタの記録は,目視によって確認し,4.3.5.1に適合しなければならない。
5.3.5.2 アナログ式記録計の記録
アナログ式記録計の記録は,目視によって確認し,4.3.5.2に適合しなければならない。
5.4 洗浄滅菌器の滅菌性能
滅菌性能は,各々の試験手順に示されるチャレンジテストパックを使用して,洗浄滅菌器の取扱説明書
(保持時間を除く。)によって行い,保持時間とバイオロジカルインジケータとの死滅の関係を検証し,4.4
に適合しなければならない。滅菌試験は,洗浄運転を省略することができる。装置の運転は,洗浄滅菌器
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の取扱説明書によって行い,記録は4.8によって保存されなければならない。試験に用いられるバイオロ
ジカルインジケータは,次に適合するものとする。
− バイオロジカルインジケータ(生物学的指標) : 検査に使用されるバイオロジカルインジケータは,ISO
11138-1及びISO 11138-3の要求事項に適合するもの,又は同等のものでなければならない。培養条件
はバイオロジカルインジケータに附属する取扱説明書に従わなければならない。
5.4.1 繊維質材料のチャレンジテストパックを用いた滅菌性能評価
5.4.1.1 重力置換式サイクルをもつ洗浄滅菌器の滅菌試験(該当する場合)
5.4.1.1.1 チャレンジテストパックの構成
日本薬局方のガーゼ(30 cm×10 m)を1単位としたものを5枚重ね,その中心にバイオロジカルインジ
ケータ2個及び温度記録計のセンサを入れ,全体を包装用リネン(約60 cm×60 cm)で包み,テープで固
定する。
なお,標準のチャレンジテストパックを収納できない小形の洗浄滅菌器の場合は,内容積に比例してガ
ーゼを減量し,包装用リネンの寸法を小さくしてもよい。また,包装用リネンの代わりに専用収納器を使
用してもよい。このような場合にはガーゼの量及び包装用リネン又は専用収納器の寸法を,試験成績書に
記録する。ただし,包装用リネンを用いる場合には,生地品質改良剤を使用せずに(生地特性に影響を与
え,また,チャンバ内に非凝縮性ガスを放散する揮発性物質を含有する可能性があるため。)洗ったものを,
アイロンをかけずに乾燥させる。また,5.4.1.1.2に示すチャレンジテストパック及びダミーの構成部材は,
状態の安定化のために,相対湿度3570 %に管理した1822 ℃の環境で1時間以上保存すべきである。
滅菌前にチャレンジテストパックの質量を測定・記録しておき,5.6で滅菌後質量と比較できるようにして
おく。
5.4.1.1.2 チャレンジテストパックの配置
負荷を洗浄滅菌器の取扱説明書で指定されている負荷量,又はチャンバの有効容積の約80 %入れた状
態とし,チャレンジテストパックをチャンバ内下段の棚のドレン排出口の近くに置く。ただし,チャレン
ジテストパックだけしかチャンバ内に収納できない場合は,チャレンジテストパックだけとする。
複数のパックを収納できる場合は,チャレンジテストパックと同等の負荷量のダミー(バイオロジカル
インジケータの入っていないもの。)を使用して最大負荷量を構成してもよい。また,負荷量調整用のダミ
ーも寸法・体積は異なるが,チャレンジテストパックと同様の構成とする。
大形のチャンバでは,複数のチャレンジテストパックを使用してもよい。
5.4.1.1.3 運転サイクルの稼動
洗浄滅菌器の滅菌性能試験のための運転サイクルは,負荷を用いて3回行う。
5.4.1.1.4 バイオロジカルインジケータの培養・判定
チャレンジテストパックからバイオロジカルインジケータを取り出し,当該バイオロジカルインジケー
タの取扱説明書に従って培養し,判定を行う。
5.4.1.1.5 判定基準
5.4.1.1.15.4.1.1.4の試験によって,推奨するサイクルが4.4に適合することを確認する。
5.4.1.2 真空脱気式滅菌サイクルをもつ洗浄滅菌器の滅菌試験(該当する場合)
5.4.1.2.1 チャレンジテストパックの構成
木綿製のタオル約2.5 kgを約23 cm×30 cmの寸法に畳み,25 cmの高さになるようにし,中央のタオル
の上にバイオロジカルインジケータ2個及び温度測定センサを入れ,そのタオルを約90 cm×90 cmの包装
用リネンで二重に包装し,固定用テープでしっかりと固定する。
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なお,標準のチャレンジテストパックを収納できない小形の洗浄滅菌器の場合には,内容積に比例して
タオルを減量し,包装用リネンの寸法を小さくしてもよい。また,包装用リネンの代わりに専用収納器を
用いてもよい。このような場合には,タオルの量及び包装用リネン又は専用収納器の寸法を,試験成績書
に記録する。ただし,包装用リネンを用いる場合には,生地品質改良剤を使用せずに(生地特性に影響を
与え,また,チャンバ内に非凝縮性ガスを放散する揮発性物質を含有する可能性があるため。)洗ったもの
を,アイロンをかけずに乾燥させる。また,5.4.1.2.2に示すチャレンジテストパック及びダミーの構成部
材は状態の安定化のために,相対湿度3570 %に管理した1822 ℃の環境で1時間以上保存すべきであ
る。滅菌前にチャレンジテストパックの質量を測定・記録しておき,5.6で滅菌後の質量と比較できるよう
にしておく。
5.4.1.2.2 チャレンジテストパックの配置
負荷を洗浄滅菌器の取扱説明書で指定されている負荷量又はチャンバの有効容積の約80%入れた状態
とし,チャレンジテストパックを,チャンバ内下段の棚のドレン排出口の近くに置く。ただし,チャレン
ジテストパックだけしかチャンバ内に収納できない場合は,チャレンジテストパックだけとする。
複数のパックを収納できる場合は,チャレンジテストパックと同等の負荷量のダミー(バイオロジカル
インジケータの入っていないもの。)を使用して最大負荷量を構成してもよい。また,負荷量調整用のダミ
ーも寸法・体積は異なるが,チャレンジテストパックと同様の構成とする。
大形のチャンバでは複数のチャレンジテストパックを使用してもよい。
5.4.1.2.3 運転サイクルの稼動
5.4.1.1.3による。
5.4.1.2.4 バイオロジカルインジケータの培養・判定
5.4.1.1.4による。
5.4.1.2.5 判定基準
5.4.1.2.15.4.1.2.4の試験によって,推奨するサイクルが4.4に適合することを確認する。
5.4.2 包装した器具類のチャレンジテストパックを用いた滅菌性能評価(該当する場合)
5.4.2.1 チャレンジテストパックの構成
チャレンジテストパックの質量は,洗浄滅菌器の取扱説明書で指定されている負荷質量を構成するよう
にするか,又は質量が約7.5 kgとなるようにし,その内容は次による。
− 金属底の器械トレー 約50 cm×25 cm 1個
− 金属製の手術器械など 約7 kg
− 木綿製のタオル 約45 cm×85 cm 1枚
− バイオロジカルインジケータ 2個
− 包装用リネン(洗濯済みのもの) 2枚
注記 金属製の手術器械の代用として,オーステナイトステンレス鋼(SUS304)製の全ねじ六角ボ
ルトM12×100などを用いてもよい。
器械トレーの底にタオルを敷きその上に手術用器械を並べる。手術用器械の間にバイオロジカルインジ
ケータを入れる。器械トレーを包装用リネンで二重に包み,固定用テープで固定する。洗浄滅菌器の棚板
が金属器具トレーとして機能するものの場合は,器械トレーの代わりに用いてもよい。
いずれの場合も,標準の包装用リネンでは大きすぎる場合には,包装用リネンの寸法を小さくすること
ができる。ただし,負荷質量及び包装用リネンの寸法を,試験成績書に記録する。
なお,木綿製のタオル及び包装用リネンを用いる場合には,生地品質改良剤を使用せずに(生地特性に
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JIS T 7329:2008の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 7329:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7505:1999
- ブルドン管圧力計
- JISC1010-1:2019
- 測定用,制御用及び試験室用電気機器の安全性―第1部:一般要求事項
- JISC1806-1:2010
- 計測,制御及び試験室用の電気装置―電磁両立性要求事項―第1部:一般要求事項
- JISZ8737-2:2000
- 音響―作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法―第2部:現場における簡易測定方法