JIS T 8106:2016 安全靴・作業靴の耐滑試験方法 | ページ 2

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4.11 (0.2±0.1)Pa・sの粘度のグリセリン水溶液
これは23 ℃において質量比85.6 %92.8 %のグリセリン水溶液に相当する。他の温度の場合は表1を
参照する。
溶液は,外気に30分以上さらされ,表1に適合させることができない場合は,交換しなければならない。
注記 質量比約90 %のグリセリンは,32 %以上の湿度の大気においては吸湿しやすいため90.0 %
92.5 %のグリセリン水溶液を使用するとよい。
表1−温度及び粘度の変化によるグリセリン水溶液のおおよその濃度
温度 グリセリン水溶液の濃度及び屈折率
℃ 0.1 Pa・s 0.2 Pa・s 0.3 Pa・s
質量比% 屈折率 質量比% 屈折率 質量比% 屈折率
21.0 84.5 1.450 0 89.5 1.457 4 91.9 1.461 0
23.0 85.6 1.450 9 90.4 1.458 4 92.8 1.462 0
25.0 86.6 1.451 2 91.4 1.459 4 93.7 1.462 8
4.12 洗浄液
イオン交換水に質量比0.5 %のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含有する洗浄液
4.13 エタノール水溶液
質量比(50±5)%のエタノール水溶液

5 試料の抽出及び前処理

5.1 抽出

  特に指定がない場合,同じサイズの同じタイプの靴から試料を最低2個使用する。
注記 測定の不確かさは,次のいずれかによって評価することができる。
− 例えば,ISO 5725-2に規定する統計的手法
− 例えば,ENV 13005に規定する数学的方法

5.2 前処理

  試験靴は,温度(23±2)℃,湿度(50±5)%で最低48時間前処理しなければならない。
試験を行う場合は,(23±2)℃の標準状態から取り出した後,30分以内に行わなければならず,試験の
温度条件は,(23±2)℃で行う。

6 試験方法

6.1 原理

  試験靴を床面に静置し,鉛直力を加えてから床面に対して水平に動かす(又は,床面を靴に対して水平
に動かす)。摩擦力及び鉛直力の両方を計測し,動摩擦係数を計算する。

6.2 試験モード及び試験条件

6.2.1  試験モード
靴は,次のモード(図1参照)の一つ以上を試験しなければならない。
a) かかとに角度をつけて,前方に滑らせる。
b) 前足部を,後方に滑らす。

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c) 靴底全面を接地させ,前方に水平に滑らす。
注記 かかと試験モードは,歩行者の滑りのリスクを軽減するために最も重要な試験モードと考えら
れる。
6.2.2 試験条件
かかと及び前足部の試験モードにおいて,靴は製造用靴型(4.1.1又は4.1.2)に適合させなければならな
い。かかと及びボールジョイントの膨らみに接する直線(図2のラインA-B)で定義される製造用靴型の
内側の接線は,スライドの動作の方向と平行でなければならない(図2参照)。
a) かかと試験モード 靴はかかとを接触面としてつま先方向に動かす。かかとの底と床との接触角度は,
(7.0±0.5)°とし[図1 a) 参照],床の上に硬質ウエッジ(4.10)を置いて設定する。靴型に装着し
た靴を,硬質ウエッジの上に自量で降ろし,靴のかかと底面が硬質ウエッジの上面と平行になるまで
靴型の位置を調節する。このとき硬質ウエッジの上面とかかととの接触部の後端が硬質ウエッジの縁
から23 mm出るように硬質ウエッジの位置を調節する。靴の前足部は,床及び硬質ウエッジに接触
してはならない。かかとの底と床との接触角度の調節が完了し靴型を固定保持した後,硬質ウエッジ
を床と靴との間から取り除く。
b) 前足部試験モード 靴はつま先を接触面としてかかと方向に動かす。靴底と床との接触角度は,
(7.0±0.5)°とし[図1 b) 参照],床の上に硬質ウエッジ(4.10)を置いて設定する。製造用靴型(4.1.1
又は4.1.2)に装着した靴を,硬質ウエッジの上に自量で降ろし,靴底面が硬質ウエッジの上面と平行
になるまで製造用靴型の位置を調節する。このときに硬質ウエッジの上面と接触する靴前部の接触部
とが硬質ウエッジの縁から23 mm出るように硬質ウエッジの位置を調節する。
c) 水平試験モード 靴は人工足(4.1.3)又は製造用靴型(4.1.2)に適合させなければならない。人工足
は,スライドする方向と平行になるように人工足の縦軸を合わせなければならない。かかと部の中央
に配置された接触板は,靴の中底後部と側面との間に僅かな隙間が生じるようにし,また,もう一方
の接触板は前足部のほぼ中央に配置して二つの接触板を装着しなければならない(図3参照)。かかと
部の中央に配置された接触板は,靴の中底後部と側面との間に僅かな隙間が生じるようにし,また,
もう一方の接触板は前足部のほぼ中央に配置して二つの接触板を装着しなければならない(図3参照)。
人工足(4.1.3)の代わりに製造用靴型(4.1.2)を使用する場合は,人工足(4.1.3)を使う場合の滑り
方向と同じ方向にそろえなければならない。
6.2.3 鉛直力及びその加わるライン
6.2.3.1 鉛直力
靴のサイズが25.0以上の鉛直力は(500±25)Nでなければならない。
靴のサイズが25.0未満の鉛直力は(400±20)Nでなければならない。
6.2.3.2 鉛直力が加わるライン
a) かかと試験モード 鉛直力を加える方向は,靴,靴型及び装着具の質量によって確定されたかかとと
床との接触面の後端を通ってほぼ直線的でなければならない[図1 a) 参照]。付加的な力を加えては
ならない。
b) 前足部試験モード 鉛直力が加わる方向は,つま先の先端から後方へ測定して表底の長さのほぼ1/3
の位置にほぼ直線的でなければならない[図1 b) 参照]。
c) 水平試験モード 人工足(4.1.3)が,鉛直力が加わる方向を確定する[図1 c) 参照]。製造用靴型を
使用する場合,鉛直力を加える方向は靴の長さのほぼ半分の位置としなければならない。

――――― [JIS T 8106 pdf 7] ―――――

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6.2.4 静的接触時間
初期接触力50 Nを加えてから十分な鉛直力に達し,スライド動作を開始するまでの時間は1.0秒以内で
なければならない。スライド動作は,十分な鉛直力となってから,0.3秒以内に開始されなければならない
(図4参照)。
6.2.5 測定中のスライド速度
測定中のスライド速度は,(0.3±0.03)m/sでなければならない。
6.2.6 平均摩擦力
平均摩擦力は,鉛直力(6.2.3.1)及びスライド速度が十分に維持されているときに,スライド動作を開
始してから(0.30±0.02)s(0.60±0.02)sの間で測定しなければならない(図4参照)。
a) 標準又は製造用靴型を使用したかかと前方滑り試験
b) 標準又は製造用靴型を使用したつま先後方滑り試験
c) 人工足又は製造用靴型を使用した水平前方滑り試験
V 鉛直力
F 床に対する靴の前方への動作
B 床に対する靴の後方への動作
図1−表底と床との接触エリアに対する鉛直力の作用ラインを示す三つの試験モード

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A-B 内側の接線
a スライド動作の方向
図2−動作方向に平行な標準又は製造用靴型の内側の接線
a スライド動作の方向
図3−動作方向に平行な人工足の縦軸

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X 時間(s)
Y 力(N)
Y' 変位(m)
A 鉛直力が50 Nに達した測定開始点
B 鉛直力が500 Nへ到達した点
C スライド動作の開始点
1 ポイントAとCとの間の静止接触時間≦1.0 s
2 ポイントAとBとの間の経過時間≦1.0 s
3 ポイントBとCとの間の経過時間≦0.3 s
4 測定期間[(C+0.3 s)と(C+0.6 s)との間]
5 鉛直力
6 摩擦力
7 変位(測定中のスライド速度は0.3 m/sでなければならない。)
図4−鉛直力500 Nにおける試験の出力波計の説明図

7 靴及び床の準備

7.1 靴

7.1.1  取り外し可能な中敷がある場合は,取り除く。
7.1.2 靴の甲被は靴型(4.1.1又は4.1.2)又は人工足(4.1.3)の取付けを容易にするために,一部を切り
取ってもよい。
7.1.3 表底(かかと及び前足部を含め,試験中床面と接触する全ての部分)を,エタノール水溶液(4.13)
及び清潔な中間硬度のブラシを用いて洗浄する。イオン交換水ですすぐ。清浄で乾燥した圧縮空気を吹き
付け,その後室温で乾燥させる。
7.1.4 表底の準備
靴型(4.1.1又は4.1.2)に靴を取り付けて試験を行う場合,次に行う研磨作業は,適合する靴型に取り付

――――― [JIS T 8106 pdf 10] ―――――

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JIS T 8106:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 13287:2012(MOD)

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JIS T 8106:2016の関連規格と引用規格一覧